昭和17年発刊の”航空朝日”という雑誌に大変貴重な写真が掲載されていました。
その写真とは、射撃演習の際に使用する”着色弾”を作っている(?)作業風景を写したものでした。
まず着色弾とは・・・・
着色弾1

上の説明は昭和14年発行の”諸兵射撃教範 第四部”の中に記されている着色弾に関する説明です。
簡単に要約しますと、演習で1つの的を同時期に複数の射手で使用する場合、的に残った弾痕が誰の
ものなのかを判別し易くする為、それぞれの射手が予め、弾頭先端部に定められた色の塗装を施し、
その弾頭が的に命中した際、先端の塗装が附着して、射手の判別を可能にしたのが着色弾という訳です。
塗装の色としては”紫・青・赤”等が示され、それぞれの塗料の成分が記されています。
そして、底が平らな容器に塗料を入れ、そこに着色する弾頭先端部を浸して着色する様、作り方が
示されております。
因みに着色弾の塗料の位置は以下の図の通りに定められています。
着色弾2のコピー
以上、着色弾とは、大体こんな感じのものです。

さて・・・・
先にお話し致しました、この着色弾を作っている大変珍しい写真です。
着色弾3のコピー
雑誌の写真なので画像が粗く少々見ずらいですが、この様な作業風景の写真は、
なかなか有る様で無いものです。
そして・・・気になるのが着色されている”弾”な訳ですが・・・(笑)
着色弾4のコピー

射手が空兵である事、弾が装弾子に5発纏められている事などから、八九式航空機搭載機関銃に
使用する九二式普通弾か曳光弾ではないでしょうか。
因みに対空戦闘の場合、戦用弾薬は徹甲弾・焼夷弾・焼夷弾二型(炸裂弾)で、演習用弾薬は
普通弾・曳光弾となっており、状況に応じて演習用弾薬も実戦使用可とされています。
対空用でありながら曳光弾が”戦用”でないのは、焼夷弾を曳光弾の代用とする事で雑多な弾種を
戦場では簡略化する目的が有ったからです。

九二式普通弾・曳光弾

上の写真は九二式実包用の7.7mm半起縁式薬莢と、左が九二式普通弾で右が九二式曳光弾です。
陸軍の弾種識別色(カラー・コード)で普通弾を示す”紅色”と曳光弾を示す”緑色”が、薬莢のクリンプ
位置であるローレット上に残っています。
写真の兵士が手にしている弾薬も、このどちらかではないかと思います。
今回の小ネタは着色弾についてでした。


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