【劇場版 天元突破グレンラガン 螺巌篇】
アニメばかりですみませんね、本当に。
でも断言するよ、数多あるアニメ映画の中で、至上最高の作品だった。
【天元突破グレンラガン】は全26話のTVアニメで、映画版の内容はTV放送分の再編集という形です。
再編集ってことは全10時間以上の作品を前、後編に分けても4時間弱に短縮するわけです。
台本、作画ともにTV用だったものを切った貼ったしたような作品が、一から作った劇場用作品に勝るはずがない。
そもそも再編集という時点でローコストなイメージを受けて、印象が悪いわけです。
現に、解りづらい、絵が汚い、結果安い印象の映画がありました。
しかし、この作品は明らかに別物です。
とても再編集版を観たとは思えないほどの満足感を得られるでしょう。
TVアニメの時点で評価の高い作品で、僕自身も絶賛しています。
他のアニメの方が好きだとか、別に好みじゃないと言う人もいるでしょうが、このジャンルという意味では最高峰だと認めざるを得ないと思います。
その圧倒的な熱量に、テレビ版を見た時点でテンションの天井はここだ、と思いました。
『他に類をみないアニメ至上最高のテンションのラスト』
それを螺巌篇は、天井二つ以上も突き抜けています……。
まさに天を衝くドリル。
今後、他作品が越えることは困難であろう天井を作り、それを同作品が自の力で遥か高見に塗り替えた。
テレビ版のラスト、それ以上を想像する必要がないくらいに、ファンは満足していたはずです。
総集編映画は当然尺が短くなる。物足りなくなる不安があり、粗も探し易くなっている。
だというのに、原作の大部分のシーンがカットされているにも関わらず、多くのキャラクターの魅力が底上げされている。
どんな技を使えば、時間を三分の一に短縮した時間で大人数のキャラクターたちの個々の魅力を増せるのか、シーンを増やすのではなく、死ぬキャラが減ることで死んだキャラの重みが、台詞の位置を変えることで、一枚のカット、一言の台詞の追加が、個々のテーマをパワーアップさせている。
なんたる脚本家、中島かずきの腕!
そして、ラストの天元突破の更に上に突き抜けるテンション。手に汗握りっぱなし、怒涛の超展開の畳み掛け。
これが一度見ている作品から得られるパワーかと驚愕。
泣けて、笑えて、燃える、エンターテイメントアニメの最高峰。
最近では珍しい気すらします、この清々しいまでの前向きさ。
「面白い」という事実を疑えないですよこれは、アニメ至上最高に「面白い」。
初回でもない、舞台挨拶に関係者が来てるわけでもない。その現場で、あんなに拍手喝采が巻き起こった映画を他に思い出せません。
一片の曇りも無いくらい、みんな満足できたに違いないです。
観てない人は前作【紅蓮篇】をレンタルして、【螺巌篇】をぜひとも劇場でご覧になってください。
アニメ好きならば、この作品を知らないことは人生を半分損している!それくらい僕は言いたいほどの作品。