2010年9月28日に、消費者金融の武富士が会社更生法を申請した。私も僅かながら武富士株を所持していたので失敗してしまった。私の4万4千円(武富士株購入資金)は事実上消えてなくなってしまったことになる。その武富士株の資金分、どこかで回収できないものかと思案してみた。

自分は今でも十分な蓄えがないが、昔はもっとお金に困っていた。だからしょっちゅうサラ金からお金を借りたものである。お金を借りる先はプロミスとアコムであった。先々月倒産した武富士にもカードを作ったことがあったが、実際には一度も借り入れをしなかった。武富士は利息をなかなか負けてくれなかったからだ。プロミスとアコムは、取引最初の利息こそ武富士と同じか少し低いくらいであったが、取引が進むに連れて、どんどん利息を安くしてくれた。それに加えて、店頭でお土産をくれたり、利息割引券というサービス券をくれたりもしたから、銀行系のカードローン(15−18%)よりも安く使えた時期すらあった。

そんなサラ金業界、武富士の倒産のニュースを取り上げるまでも無く、最近の経営環境は厳しい。巷では、ここ数年、サラ金業者への過払い金返還請求というのが流行っている。なんでも10−100万円の借金の法定金利は18%であって、それ以上でお金を貸すのは違法であったから、過去に遡って取引を再計算し、貸金業者が違法に搾取し過ぎていた利息は、利用者側に返金しなければならないのらしい。

そんなことを急に言われても、普通の利用者は、どんなシステムになっているのか分からない。つまり、端的に言うと、過払い金利息の計算方程式なんて、どんなものなのかちっとも知らないのである。そこで出てきたのが、過払い金請求を半ば専門に扱う弁護士や司法書士達である。テレビやラジオ、新聞で派手に広告をし、サラ金漬けになっていた人たちを呼び込んだ。 

テレビのスポット広告を流すまでに派手に宣伝している弁護士業者をみるにつけ、「おいおい、ここまでやるか。」と呆れたものである。と同時に、自分は散々サラ金にお世話になった口なのだから、過払い金請求はやらないでおこうと、心に誓った。

ところが、そんな自分も、武富士の倒産を機に、安直な過払い金請求の流れに動かされるようになった。もっと端的に格好付けずに平たく言うと、そんなに簡単に貰えるんだったら、自分もお金が欲しいなと思うようなったのである。

武富士倒産直後、各地で弁護士の無料相談会が開催された。無料相談・・・と謳っておいて、まあ、弁護士の営業であろう。武富士相談と偽って、そういう人たちを集め、多分に武富士以外の他社の過払い金請求をさせ、それで儲けようということである。実際のところは確認していないが、相場としては多分そんなところだと思う。

ある過払い金の無料相談会関連の新聞記事に目をやっていたところ、「過払い金は一人平均100万円ある」という文句が目に入ってきた。「一人100万円」・・・?、そんなにあるもんかなあ?どんなに借金漬けのやつでも、いくら何でも100万円の過払い金なぞないんじゃないかと思った。

しかし、そう言われると、自分の過払い金も気になってきた。多分自分の場合には、計算しても数十万円。もしかしたら10万円前後じゃないかと信じていた。何の根拠もないが、まあ大体そんなもんであろう。だったら、請求するのも面倒だし、止めておこうということであった。しかし、丸一つ違って100万円となると、話は別である。過払い金請求は絶対しないぞ・・・の自分の心の誓いはどこへやら。お金が欲しいという、ただそれだけの欲求が行動を起こさせた。

請求を始めるには、まず中国から日本へ電話を掛けなければならない。自分の携帯電話から、いつでも気軽に国際電話の発信は可能だが、それなりのお金がかかる。そこで、めったにパソコンに接続しない薄埃が被っていたスカイプ電話を取り出して繋いでみた。とりあえず、これでプロミス、アコムに請求が出来るはずだ。

武富士倒産数日後、プロミス、アコムに「取引履歴」なるものを請求した。「取引履歴」には、自分の借金の過去データが入っているらしい。そんな情報をインターネットで仕入れ、見よう見まねで請求してみたら、両社とも、それには簡単に応じてくれた。「取引履歴」は一旦、千葉の妹の家に送付してもらい、妹に国際郵便で中国にそれを転送してもらった。

過払い金の計算というのは、もっと簡単なものだと思っていた。利息の差分の金額を返金してくれるのかと勘違いしていたが、そうでないことに、取引履歴を見て、実際の計算を始める段階で気付いた。

私のプロミスの取引履歴は全44ページからなり、43枚までが平成7年2月13日から平成21年1月28日までの取引履歴、44枚目が利息の変遷の記録であった。

こんなもの、手計算で処理できるはずがない。仕方なく、インターネットで無料でダウンロードできる過払い金計算ソフトを探した。無料ソフトは簡単に見つかった。最初にダウンロードしたのがこれ。↓
TDON

「有料ソフト」とあるが、無料でダウンロードできた。こりゃあいいやと思って喜んで使っていたら、1週間後に使えなくなり、これまで自分が打ち込んだデータも見られなくなってしまった。ポップアップされた画面によると、3150円払えばこの後も使わせてくれるらしい。でも、過払い請求しても、本当に返金されるのか分からないところで、3150円も払うのはしゃくである。1週間分の労力の損失は痛いが、他のソフトに乗り換えることにした。有料と記載してあるものが、いつまでも無料で使える訳がない。タダだと思っていた私が悪いのだ。

2件目のダウンロードはこれ↓
名古屋消費者信用問題研究会

こちらは無料なのに、1回目ダウンロードした有料版より使いやすかった。見た目は有料版の方がいいが、まあ計算するだけだし、実用的であれば、デザインはどうでもよい。

仕事の合間に、エクセルの表にデータをどんどん打ち込んでいく。名古屋消費者信用問題研究会の説明書きには、

行が足りなくなったとき

本ソフトは500件の取引まで入力できるよう準備してあり、通常の場合、十分足りるものと思われます。しかし万一、足りないときは、データの入った最後の行を選択し、オートフィルの機能を使ってコピーしてください。

とあるのだが、自分の場合、849行を要し、500行では全然足りなかった。普通の人に比べヘビーにサラ金を利用しすぎていたようだ。

作業開始1週間後の昨日、やっと計算が終了した。過払い金総額は533,605円であり、本日(2010年11月4日)まで過払い金に対して5%の利息が付くと仮定して計算した場合、過払い金とその利息との総額は811,765円になる。

過払い金返金額が一人平均100万円になると聞いたときには、
「そこまで過払いになるような借金漬けの馬鹿、この世の中に本当にいるんかいな?」
と不可思議に思ったものだが、過払い利息計算終了後、その馬鹿はここにいる自分だということに気付かされた。

今日午後早速プロミスに電話してみた。本社管理部のMさんという方が相手をしてくれた。過払い金計算が終わったことを告げると、Mさんは少々意外なことを口にした。

「いや、実は私は今そのデータを見れないので、過払い金がどの程度あるのかが分からないのです。違う部署で管理していますので、データをこちらの管理部に移すことを承諾してください。」

よく分からないが、交渉人に私のデータがないのでは話しにならない。電話口でその件については承諾した。Mさんの話によると、私の取引履歴がMさんのいる管理部に移るのが明日。そして、引きなおし計算が終わるのが、早くても来週月曜日の11月8日になってしまうのだそう。

次回は11月8日午後に電話連絡をする約束をして、電話を切った。この先、どうなるのか、どの程度の時間を要するのか、まだ皆目見当がつかない。とりあえず、プロミスの件については、来週になるのを待つ。

11月8日追記;
本日夕方プロミスへ電話。本社管理部のMさんとお話をした。ただ、Mさんに電話を繋いでもらうまでが大変であった。
「今、他の電話に出ています。」
と言われて待つこと15分。それだけ待っても、前の電話が終わらない。取次ぎができないことを申し訳なさそうに詫びたプロミスの他の社員さんの話では、
「(過払いの)こういう関係のお話ですので、皆さん色々とご意見が多くなっておりまして、すみません。」
とのこと。ネチネチと長い文句を言う人が多いみたいだ。こういう部署の人は大変だなと思った。

一旦電話を切って、指定された1時間後に掛けなおすと、またMさんは電話中であった。仕方ない、また出直すか・・・と思った丁度その時、
「ああ、Mの電話が終わりました。少々お待ちください。繋ぎます。」
となり、やっとM氏とお話ができることになった。

担当のM氏に電話が繋がった後は、話が早かった。Mさんは既に過払いの引きなおし計算を終えており、プロミス側計算の過払い金額は533,810円(過払い金に対する5%の利息は含まない)だと教えてくれた。自分の計算では533,605円であったから、205円多いなとは思ったが、「大体あっているし、205円は誤差かな?多い分にはいいか。」とそのまま聞き流した。

続いてMさんは、プロミス側の交渉の方針を教えてくれた。過払い金に対する5%の利息分の金額は、裁判の判例では払ったり、払わなかったりマチマチなので、(裁判前の和解の段階ではプロミスとしては)払えないというような趣旨のことを話していた。

また和解金額は請求額の50%にさせてもらいたいと告げてきた。僕としては、裁判所に行ったとしても、裁判官が和解を持ちかけてきて、
「半分、半分でどうですか?」
なんてやられて、結局50%程度で妥協させられるので、50%とプロミスが言ってくるのは相場かなとも思った。

こちらがM氏に、50%で同意する旨伝えると、今後の手続きと実際の和解金額の話になった。

今後の手続きとしては、私がまず、書面で請求書を発送しなければならないそうである。その請求書の到着を受けて、プロミスが50%の金額の和解書を私の家に送付し、それに私がサインをしてプロミスに送り返せば、早ければ約2ヵ月後の来年1月14日には入金してくれるそうである。

プロミスのMさんは、請求書に記載すべき内容を随分丁寧に教えてくれた。書式は何でもいいみたいなので、インターネットで見つけられるテンプレートに埋めて、印刷して、送ればいいみたいだ。早速明日送ってみよう。

それから和解金額は、
「533,810円の半分で27万円でどうですか?」
と訊かれたが、533,810円の半分は266,905円であり、27万円では少し多すぎるので、3千円辞退して、26万7千円ということにしてもらった。過払い請求案件で、3千円ぽっちでも辞退する人は少ないのか、少々意外そうな声をされた。

こちらとしては、お金の交渉事でネチネチとやる人が多い中、逆に3千円くらいだったら負けてあげて、先方に気持ちよく処理してもらった方がいいかなと考えた。先方も人の子なので、少しでも気持ちよく仕事を進めてもらえらば、早めに入金してくれることになろう。先方は過払いが発生していることを認めており、且つその金額も認めており、半額で和解するという意思もある。こちらも半額で和解したいと思っている。争うことが全くなく、後は紙の処理の問題だけ。なるべく気持ちよくやってもらった方がよいであろう。

プロミスからの過払い返還金入金後に、自宅へ借り入れの契約書が返送されてくるらしい。ということは、もうこの先はプロミスからの借り入れは出来ないということである。プロミスの無料振込みサービスが使えなくなるのは残念であるが、まあ仕方あるまい。

もしこのまま無事に1月14日あたりに入金になるとすると、プロミスとの和解交渉など、随分簡単なものだなと思ってしまう。普通の請求案件では、まず被請求者が過失や支払い義務をなかなか認めない。裁判になった場合、立証責任が原告側にあるが、その立証をするための証拠や証言を集めるのが大変な作業になる。プロミスとの争い?の場合、「取引履歴」という証拠を過払い金を返還する側のプロミスが用意し、その支払い義務があるかないかも全く争わずしてプロミスが認めてしまう。

もっとゴチャゴチャした案件ならいざしらず、この程度であれば、弁護士に依頼してやってもらう仕事ではないなと感じた。

11月9日追記;
近所の郵便局からプロミス宛に「過払い金返還請求書」を発送。航空便と指定したが、中国広東省から東京大手町まで2週間かかると言われた。航空便でそんなにかかるものなのであろうか?料金は5元(約61円)であった。 

2011年1月4日追記;
今日、 千葉の妹の家経由で、プロミスの和解書2通が届いた。アコムとは違い、返還金額まで含めて、全部印刷されていた。下部に自分のサインをする欄があり、右脇はバーコードになっている。プロミスでは、多くの案件を正確に処理すべく、書類をバーコードで管理しているようである。
本日中に返送予定。支払日は1月14日になっているが、郵便事情を考えると、実際に振り込まれるのは、もう少し先になりそうである。 

1月18日追記;
今朝日本時間の10時頃、プロミスさんより、自分の銀行口座に、267,000円の入金があった。 一等最初のプロミスへの問い合わせから入金まで、要した期間は、2ヵ月半であった。

3月7日追記;
昨日、千葉の妹の家経由で、プロミスの和解書が返送されてきた。1月4日にプロミス宛に2通送った内の1通。