JRの季節販売の企画乗車券で「青春18きっぷ」という切符がある。

学校の長期休みの時期だけ発売される、普通列車(快速を含む)専用の切符である。特急などの有料列車には、原則として乗車できない。

節約専門家のHPで、紹介されることが多い切符である。

青春18きっぷ、ウィキペディア
青春18きっぷ、JR東日本

発売開始は国鉄時代末期の1982年。一等最初は「青春18のびのびきっぷ」と、ちょっと長い名称であった。

旅仲間同士では、略称で「のびのびきっぷ」と呼んで親しんでいたが、名称改定で、中間の「のびのび」が取れてしまった。「18」を残すより、「のびのび」の方が良かったのになあと……、古い鉄ちゃんの愚痴だ。

発売開始当初は1万円で6枚つづりの切符になっていた。内訳は2日券が1枚(赤色)、1日券が5枚(青色)。合計7日間の旅行ができた。

その後、改悪を繰り返し、現在では1万1500円で、1日券が5枚となっている。

ただし、実際には、切符は5枚も渡されない。1枚の切符だけが渡されて、1日使用するごとに、改札口で判子を押してもらう様式になっている。発売当初を知るものとしては、それがとても味気ないと思う。

「青春18きっぷ」で思い起こすのは、ポスターで起用される女の子が、毎回とても可愛いかったことだ。18きっぷが発売される季節ごとに、そのビラを収集していたものである。

で、前振りが長くなったが、この「青春18きっぷ」、最近はあまり使えないものになってきた。相対的に、その魅力が落ちているのだ。

昔は、東京から京都に行くのでも、仙台に行くのでも、この切符で行くのが一番安かった。実は、現在でも一番安いことには変りはない。1日で移動すれば、2300円だからだ。

ただし、その移動がとてもつらい。

ずっと座って行ければいいけれども、混雑の電車で、立ちんぼのときもある。

一方、現在では、高速バス網が発達してきている。「青春18きっぷ」の1日2300円よりは高くなるものの、 ツアー高速バスを使えば、ずっと快適に移動することができる。

で、どちらかと言えば、総合点で、ツアー高速バスに軍配が上がると思う。


それでも、「青春18きっぷ」を上手く使えば、相当な長距離移動が格安できることは確かだ。

物理的には、東京駅を東海道本線の始発列車で出れば、その日の夜までに、山陽本線の岡山の先あたりまで辿り着ける。

しかし、5日間分の切符全部を、そんなに効率よく使い切れるものではない。どうしても、残してしまうのである。

高速バスの台頭を考えると、現状は「青春18きっぷ」が、価格的に極端に優れているわけではなくなった。

5日間分、全部上手く使い切るのは難しい。

昔は、余りの「青春18きっぷ」は、近所の用を足すのに使っていたのだが、最近では、そうやって処理するのすら、面倒になってきた。

「青春18きっぷ」はJRしか使えない。Suicaだったら、混雑状況や遅延状況を見ながら、(私鉄やバスも含めて)路線を選びつつ、目的地に向かえるのに、「青春18きっぷ」では、それができない。その分、非常な不便を感じるのである。

更に最近では、「飛行機+宿泊」型の格安ツアーが充実してきて、ピーチアビエーションやジェットスターなどの、ローコストキャリア(LCC)の登場があって、在来の航空会社の料金引き下げあって……と、節約旅行の形も、随分と多様化している。

それだったら、
「青春18きっぷなど、買わない方がいいのかな」
と近年思うようになってきた。

「安いようでいて、あまり安くない」
上手く言えないのだが、現在はそんな中途半端な感じのする商品になっている。

現状では、「青春18きっぷ」で旅行したからと、極端に節約になるわけではない。

逆に、5枚(5日間分)セットで、一度に買わなければならいところが、デメリットになってしまっている。

 家計の出費は現在の半分以下に出来る!!、無理をせずに節約するコツとは