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2023年10月31日

今シーズン、ありがとうございました。

28日の宿泊を最後に行者小屋の夏季の営業を終了いたしました。

キャンプ場を使用される場合は赤岳鉱泉で受付を行なってください。

水場に関しましては文三郎道の入り口の右手側に移動しております。


少人数での営業の為、常に流動的に立ち振る舞わないといけない行者小屋です。

軽食が多い日に軽食の時間が終わっても『あー終わったー、乗り越えたー』と感慨に浸っている時間も無く、そのまま夕食の準備になだれ込んでいきます。

全員が常に忙しいポジションの最前線にいる訳です。

1日が終わり、夕食を食べながら向かいに座る疲労が滲み出た仲間の顔を見ながら『なんとか終わったね』なんて声をかけると、苦笑いをしながら『長かったですね』と...。

そんな苦笑いを幾度となく見る生活も無事に終わりを迎える事が出来ました。


山も山小屋も夏から冬への接続期になりました。

我々も冬に向けて心身共に準備する期間です。

疲れた自分を癒すには『頑張った自分へのご褒美』が特効薬なのは私だけでは無いようです。

なんだか薬を飲み過ぎているような人も居ますが、効き始めるにはある程度の量が必要なのでしょう。

私も薬は過剰摂取気味ではあります。

困った事にこの薬は保険適応外です。
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akadakekousen at 08:49|PermalinkComments(0)clip!

2023年10月21日

カウントダウン

夏季の行者小屋の営業も残すところあと1週間程度となりました。

コツコツと小屋閉めの準備を進めていて、普段の生活では使わない筋肉を使っていたのでいたる所が筋肉痛です。

その甲斐あって作業はだいぶ進みましたが、システムを換えると最初の数日は色々不具合が発生します。

それをその都度調整する訳です。

その点でもやはり2年生がいると助かります。

ボーッと生活していたら気付きにくい『変な音』だったり『変な水たまり』の段階で気付いたら修正が楽な訳です。

修理をするのは私な訳ですが、去年の修理でビチャビチャに濡れた私の姿を見ているので壊れたら大変なんだと言う事。

濡れたり大変な思いをするのは自分じゃないけど、そうならないように協力してくれる。と言うのは非常に助かります。

このまま小屋のスタッフが怪我や病気をしないまま今シーズンの終わりまで駆け抜けて行けるように頑張っております。


なお、システムの切り替えにより水場の位置が変わりました。

現在は小屋の前の看板の横から水が出ております。
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今シーズンは色んな山域が水不足に悩まされている中、最後まで良く潤いを与えてくれて感謝です。


現在の朝晩の気温はマイナスなので、水場から跳ねた水が凍っていて滑りやすくなっております。

気をつけて補給してください。

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2023年10月15日

ついに降り始めた

夏季の営業も残り2週間になった行者小屋です。

約1か月程かけて小屋開けの準備を行った今シーズンですが、次は2週間かけてじわじわと小屋閉めの準備を行って行くような状況です。

色々大変な事もあったような気もするし、あっという間だったような気もします。

色々思い出そうとしてみても、ゲームボーイのカセットくらいの容量しかないので記憶が...。

まぁ終わった事を思い出すよりこれからキチッと小屋を閉める方が重要なので、そちらに集中して作業を行わないと...と、思う次第です。



今シーズンは随分長い間暖かい日が続いたなと思っていましたが、とうとう今シーズン初の霰が本日降り、現在は雪と雨が交互に降っているような状況です。

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朝の気温はマイナスになる日も増えました。

テント泊を予定されている方は、マイナスの気温でも問題ない防寒対策をしていただければ幸いです。


また、今後は水分が溶けたり凍ったりを繰り返すかも知れないので、非常に歩きづらい登山道になるのではないか?と感じております。

装備と技術と相談して安全登山でよろしくお願いします。


akadakekousen at 15:43|PermalinkComments(0)clip!

2023年10月03日

いきなりガツンと冷え込みました

今年はいつまでも暖かい日が続くなぁと感じていましたが、昨日と今日の朝はメチャクチャ寒かったです。

今朝の気温はマイナス1℃と、いきなり気温が下がりました。
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外のベンチもこの通り真っ白で、霜が降りてると言うより凍ってます。

日中は15℃位まで上がるのと動いているので、丁度良いか少し汗をかくような感じですが朝晩は暴力的に寒いです。

テント泊を予定されている方はマイナスの気温になっても耐えれる装備でお願いします。


今年は暑かったせいか、ペットボトルなどのドリンクがかなり売れていきました。

その分を歩荷などで補充をして行くわけですが、その際にあるワードにより下界とは逆転した感情が働きました。

何かと言うと『100ml増量』と言う文字。

下界だと『ラッキー!』と感じますが、歩荷だとその分『重さが増しとる...』と。

1ケース24本入りなので2.4キロ。

2ケース背負うと4.8キロが単純計算で重くなっていると言う事です。

4.8キロ分違う物を増やせたのに...と言う感覚は貧乏性な私だけだろうか...。



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2023年09月06日

偉大な2年生

街では夏休みが終わった頃でしょうか?

山も涼しいよりも寒いと感じる風が吹く日が増えました。

先日休暇をいただいたソリッドですが、下山した日の朝の気温が8℃。

街の気温が30℃。

少し散歩しただけで汗が滝のように出て脱水症状になりました。

まさか街で遭難するとは...。

まぁ街だとすぐに水分が手に入るので事なきを得ましたが。


山だとお金を持っていてもすぐには水分が手に入らない状況があります。

ご自身の登山の行程にどのポイントで水分を確保出来るか、手持ちの水分や食料でどこまで行けるかを確認しておかないと大変な目に遭います。

それと同時に防寒対策もお忘れないよう。

街は暑くても山は寒いと感じるシーンが多いです。

登山をしていて汗をかいた状態で稜線の冷たい風が当たると低体温症になる可能性もあります。

安全登山でよろしくお願いします。


そろそろ秋が来そうな山ですが、今年の紅葉はどうでしょう。

紅葉に必要とされる日照時間、寒暖差、水はクリアしている気がするのですがどうなるのか楽しみです。


台風の影響か、雨が降る予報の日が多い今週を利用して小屋内の艶出し計画を実施しております。

小屋番オスギスピードが2年目を迎え、オスギスピードmega maxになったので私は随分と楽になりました。

学生生活においては『中弛み』と呼ばれる2年生ですが、仕事においては頼もしい存在です。

お陰で色んな作業に没頭出来るので、今のうちに秋に備えて手を入れておきたい所です。
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2023年08月23日

毎年違う

夏山もそろそろ折り返し地点に来た様な気がする昨今です。

自然を相手にしているので毎年状況は変わるのですが、今年はゲリラ豪雨が多い様な気がします。

山なのでいきなり雲が湧きます。

天気予報や雨雲レーダーでは予測できない様な状況なので、今が快晴だからと言って油断してると非常に危険な目に遭います。

最近の気温は15℃程度です。

気温が30℃を越える地域から来ると最初は涼しく感じますが、次第に寒いと感じる様になると思います。

雨が降ると気温もグッと下がるので雨対策は勿論、防寒着も必要です。


アウトドアブームの影響か、登山者もだいぶ増えて来ているようです。

それに比例する様に忘れ物がかなり増えてきています。

その中にはスマホや財布や鍵などの貴重品なども含まれます。

ポケットに入れていて、トイレに行く時にポンと置いてしまってそのまま出発なんて事がないようにお願いします。


小屋番達も流石に慣れたようでテキパキと動いてくれますが、こちらの小屋番達は揃いも揃って人見知りがち...。

シャイボーイとシャイガール達なので、話しかけられると恥ずかしがって声は小さくなるわ話すスピードは早くなるわで...。

本人達を知ってる者から見たら『あっ、まだ緊張してるわ』と少し微笑ましく思いますが、他者から見たらどう思うんだろうと考える事もしばしば。

色んな個性が混ざり合ってワンシーズンを過ごすので、毎年違うなぁと勉強させられています。

山も人も『いままでは』と言う感覚でいるとどこかで通用しなくなる場面があるので、私自身ももっと精進しないといけないと尻を叩かれる毎日です。
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2023年07月10日

色々心配させられる登山

夏になったのになんだかスッキリしない日が続いております。

気温もそんなに高くなく、小屋内は朝晩ストーブをつけております。


先日、行者小屋の小屋番がやっと重い腰を上げて赤岳まで登山道の状況を知るために出かけました。

まぁ出かける直前まで『前に登ったことがあるし』だとか『誰も行かないんなら...』だとかブツブツ文句を言ってましたが...。

後輩達の前で先輩風を吹き散らかして出かけましたが、出る時に水分を持っていなかったので『飲まなくても絶対に持って行け』と注意しました。

そして山でヘロヘロになって登っている所を私にバッチリ撮られています。

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帰ってからも水をガブ飲みしていて『水分持っていってよかっただろ』と言うと『いや、別に喉が渇いてるわけじゃない。注いでしまったから』などと...。

『山なめんなよ』

と内心思いましたが、そこは本人が1番自覚していると思うので生温かい目で見守る事にしました。

まるで子育てをしている様です。

中途半端に知識があるせいで余計ムカつきますが(笑)

まぁ心配で下から様子を見てる僕もオッサンになったなぁと...。



話は戻りまして、こう言った事は結構登山者の中にも増えている様でとても心配しております。

加えて、装備が曖昧。

街を歩く感覚で山行の時間を考えている。

深夜に到着の予定。

地図すら持っていない。

持っている地図がこの程度の地図とは言えない代物。
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行者小屋の前には地図があるのですが、北が上に来るように書いてあります。
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この状態を理解せずにいると地蔵尾根を目指して文三郎尾根を行く事になり、文三郎尾根に行くつもりが南沢を降る事になります。

また、地蔵尾根という言葉に引っ張られる様なややこしい所に全く関係ないお地蔵さんがいます。
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地図を読めばちゃんと分かるのですが...。

今までの感覚だと信じられない様な登山者や事柄が増えてきています。


ニュースでも山の事故が増えているとの事です。

自然を相手にすると、熟練者ですら時には危険な状況になります。


しっかりとした知識や技術や装備を整えて、一歩ずつ着実に経験を積んでいっていただけたらと思います。

安全登山でよろしくお願いします。

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2023年07月03日

そろそろ慣れて来た頃

小屋開けから1カ月ほど経った行者小屋です。

山小屋初経験の新人小屋番達も1カ月の間にヘリコプターでの荷上げや、誰が今どの作業を行なっているのか分からないくらいの混乱した営業を経験し、少し逞しくなった様な雰囲気を醸し出しております。

ヘリコプターを待っている間に2匹のテンが喧嘩しているシーンや、朝に鳥の鳴き声に起こされると言う様な自然のでしかなかなか味わえない様な体験もしております。


ここら辺の事も知らないとお客さんに聞かれたら困ると思い『散歩に行ってきたら?』って声をかけると『今日はちょっと...』とか『靴が...』とか言う返事が返ってくるので、自発的に自然を楽しむという事に関してはまだまだの様です。

なので、私から『ちょっと歩荷に行ってきて。急いでないから色々見てきなよ』『親交を深めながら知ってること教えてあげなよ』と言って2人を歩荷に行かせたりしましたが、バラバラに帰ってきます。


思い通りにはなかなかならないもんですね。


それでも1日の色々な流れが分かり『何をしたらいいですか?』と言う質問が無くなったのはいい事です。

もしくは、ただ単純に私が嫌われて無視されてるだけかも知れませんが。


小屋の方はまだ少し不安定な箇所がありますが、だいぶまとまって来たかな...と感じます。

さて、これから夏本番。

気合を入れて!という気持ちと、鳥を撮る時間も欲しいな...と言った感じです。
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2023年06月15日

孤独な親父は作業に逃げる

行者小屋の衛星電話が回復し、数日経ちました。

この数日間は様子を見ながらだったのですが、どうやら安定しているようです。

電話だけでは無く、小屋開け直後はトラブルがつきものです。

数日経って全体を動かしてみないと気付かないことや、数日後に不具合が出るようなこともしばしば。

変なところは濡れてないか、変な匂いはしてないか、機材はちゃんと動いているか...などなど、色々気にかけて過ごした日々です。

もう直ぐ小屋開けから2週間。

個人的にそろそろ試運転も終わりかな...と、言った感じです。


新しく入った仲間の顔からも、緊張より笑顔が増えてきたように思います。

掃除や作業に対する『どうだった?』って質問による回答も『大変でした。』から『まぁまぁでした。』と言う言葉が増えました。

小屋への入山日が大雨だったので、それに比べたら...とか、慣れてきたと言うことも影響しているのかもしれませんが、良い傾向だと思います。


現在は私含め男性2名、女性2名で営業しております。

今週は男性一名が休暇で下山しているため、私以外は女性です。

おっさん1人と若いねーちゃん2人と言う状況は羨ましく思われるかも知れません。

が!私は針の筵感を感じております。

昔、女性だらけの親戚のおじさんが『家に帰っても居場所がない。』と言っていました。

今、その気持ちが非常に分かります。


猛烈に作業に没頭して孤独感を払拭するとします。

自分にとっても小屋にとっても一石二鳥です。
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2023年06月07日

小屋開けしました。

3日に営業を開始した行者小屋です。

開けたての小屋は色々とトラブルがあるもので、対応に追われながらの新人さんのトレーニング。


営業開始直後はそう言った作業が多いのは山も街も同じでしょうか。

そして4日に開山祭が行われました。

怒涛の数日間で割と色んなトラブルに振り回される形が多かったですが、やっとじんわりと馴染んできた感じがします。


しかし、ここでまた問題が発生してしまいました。

行者小屋の衛星電話の調子が悪く、繋がらない状態です。

しばらくの間は行者小屋の予約の電話は赤岳鉱泉にお願いします。

復旧しましたら、また連絡いたします。

akadakekousen at 14:39|PermalinkComments(0)clip!
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