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2021年11月

2021年11月16日

ここ数日、訳あって赤岳鉱泉を1人で営業しておりましたソリッドです。

小屋番ソリッド?

誰ですか?それ。

私は留守番ソリッドです。

...気温計に表示されているより寒さを感じるソリッド周辺です。


最近は私の事を知っている山の関係者の方々から、本名ではなくソリッドの方で呼ばれる事が増えました。

オフィシャルの名前がソリッドで良いのかよく分かりませんが、ソリッドなのでしょうがないですね(笑)


さて、ここ数日1人だった訳ですが私が何をしていたでしょうか。

売店や接客があるので大々的に掃除を行うわけにはいきません。

予約の電話などもあるので遠い場所にいる訳にもいきません。

なので、ただひたすら待つ。

頑張らないと言う事を頑張ると言う謎の状況です。

忙しいのが好きと言う事は決して無いのですが、なにかチョコチョコ動きたくなるのが私です。

落ち着きのない奴です、はい。

なので、すぐに対応できるところでチョコチョコと...。


この夏は行者小屋に居たので鉱泉に戻ってきてしばらくは「他人の家感」がありましたが、そんな状況でも色々目をつけている箇所がありました。

まずは食堂です。

ソーシャルディスタンスのための仕切り板。
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使用毎に清掃と消毒は行なっておりますが、やはり一度バラして磨きたい。

家でも車でも、ちゃんと掃除していても何故か意外と汚れが溜まるもんです。逆に何故かお金は貯まりません。

このタイミングで一度リセットしておきたい。

...と長々と言い訳をしておりますが、ブログを読んでくださってる諸兄らはもうお気付きでしょう。

私がただ分解清掃をしたいだけだと。
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しかし小屋も綺麗になるし私も満たされる。

一石二鳥の作業が分解清掃です。

本格的な冬の営業に向けて細かいところをチョコチョコ動き回ってます。


1人で鉱泉に居て寂しくないか?

もともと下界でも友達居ないので普段と何も変わりません、はい。

akadakekousen at 07:15|PermalinkComments(0)clip!

2021年11月15日

久しぶりの毒

今回はソリッドの狂犬成分が濃い為、やや毒素が強い内容でございます。


現在の赤岳鉱泉周辺の気温はマイナス3℃。

鉱泉周辺には積雪はほぼ無く地面が一部凍結したり溶けたりを繰り返しております。

こちらに来るだけであればチェーンスパイクや軽アイゼンでも問題ないかと思います。

しかしここから上はカリンカリンに凍っているので10本以上の爪のあるアイゼン、ピッケル、ヘルメットがないとどこにも登れないです。

そう言うちゃんとした冬山の装備があっても技術がないと登れないません。

必要なのは運ではなく、ちゃんとした装備とちゃんとした技術や経験です。

相手が雪だけではなく、雪と氷と岩をミックスした状態なので厳冬期の登山道よりもコンディションが格段に悪いと言うことをご理解ください。


こう言う時期にもそうですし、悪天候の時などに現れる『イケル爺』と言う妖怪がいます。

危ない状況や、不安に感じている登山者の前に現れて『行ける行ける』と無責任に声をかけてるくる妖怪です。

相手の装備、経験などを一切考えずに好々爺ような顔をして近づいてきます。

そして危険な状況にも関わらず『あー、大丈夫。行ける行ける!』と唆(そそのか)してくると言う悪さをする妖怪です。

そして相手が唆(そそのか)されて上に行ってしまい、遭難した時にはそのイケル爺は忽然と姿を消しています。

ちゃんと安全を第一に考えている登山者や熟練の登山者の諸先輩方はそう言う無責任な助言は行わないので、もしイケル爺に声をかけられた時は「妖怪イケル爺、立ち去ってください。」と言うお経を唱えたら難を逃れることが出来ます。


最後に大事なことなのでもう一度言います。

現在の登山道は非常にコンディションが悪いです。

厳冬期の装備があっても登れないかも知れません。

ですので、もちろん赤岳鉱泉から上はチェーンスパイクなどでは登れません。

防寒対策も含め、確実な装備と技術と経験で安全登山をよろしくお願いします。

この方も言ってます。
↓↓↓
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山なめんなよ...と。

ちなみにこの方、見た目はこんな感じですが妖怪ではありません。

安全登山を啓発している行者小屋の番長です。

辛辣な言葉を言ってますが、良い方です。

この方のザックの中に何が入ってると思いますか?

今の時期だと10本以上のアイゼンとヘルメットとピッケルでしょう。

akadakekousen at 11:09|PermalinkComments(0)clip!

2021年11月04日

そして赤岳鉱泉へ

先月の30日を待ちまして、行者小屋は営業終了となりました。

登山者の皆様も山小屋としても夏は雨、秋は例年より早い寒気や雪に悩まされたシーズンだったように思います。

ソリッドも例に漏れず去年の休業からの復旧作業や、今年初めての責任者という事で本当に手探りの状態での毎日でした。

どこのスイッチがどこに繋がるのか。

急に水が出なくなった。

...など、自然を利用してライフラインを整えてある小屋なので、修理などは一筋縄ではいきませんでした。


そして人間関係。

小屋番としてまだ10年程度の新人小屋番ですが、共同生活や小屋番としての動きなどはそれなりに分かってきています。

その感覚をさらに新人である、今季から小屋番としてアルバイトで入ってきた仲間達と共有するのはとても大変でした。

まだまだ学ぶ事が多く、自分自身もっと成長しないといけないという思いが強くなった今夏でした。

怪我や途中で辞めると言ったスタッフが居なかったのが幸いです。


未だ終息しないコロナ禍を相手に、来年はどう言う営業体制になるかまだ分かりませんが、それでも最善の方法を探して今年よりさらに良い行者小屋を作り上げていこうと思います。(僕が責任者から外されるのが最善かも知れませんが...笑)

行者小屋の営業は終わりましたが、テント場の利用は可能です。

水もトイレも使えます。

水場は冬仕様に変わっているので、テント場の外れにあります。

行者小屋の入り口から文三郎尾根に向かって登山道を100メートル程進んだ先の右手側に黒いパイプから出ております。


私はと言うと、夏の疲れをリセットしたら赤岳鉱泉に戦いの場を移し、アイスキャンディを育てます。

今年も粘りのある氷のアイスキャンディにするつもりなので、アックスもアイゼンもしっかり研いでガツガツ刺しに来てください!

そして何を隠しましょう、今年のアイスキャンディの設計には関わりましたが、建設には関わっておりません。

なので、まずじっくり今年のアイスキャンディを見て、どこに放水したらどこに流れ込むのかと言うのを頭の中に叩き込みます。

アイスキャンディの前に尻尾が生えた小屋番がいるかもしれません。

ボーッと眺めて休んでいるわけではなく氷の完成図をイメージして、頭の中で図を立体的に描いているのです。

ミケランジェロも削り出す前にずーっと長い期間、石を眺めていたと言います。

僕も長い期間眺めてイメージを描くフリをして...。


さて、去年培った氷職人としての技術、この夏に支配人として培った小屋番としての知識や経験を赤岳鉱泉で発揮させようと思います。

それでは赤岳鉱泉でお待ちしております!
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akadakekousen at 09:28|PermalinkComments(0)clip!
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