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2022年06月

2022年06月28日

みんなのパワーを分けてくれー

赤岳鉱泉は通年営業の山小屋ですが、多くの山小屋は夏季の営業のみです。

僕が以前働いていた北アルプスの山小屋もそうでした。

夏季のみの営業をしている小屋の小屋番は冬になると色んなところに散ります。

冬季の季節労働をしたり、夏に貯めたお金で旅行をしたり、はたまた労働はせずに夏に貯めたお金だけで生き延びたり...。


僕はスキー場で働いていた時がありました。

スキー場で働く人達の理由としては、もともとスキーがしたくて来た」とか僕と同じように「冬季の仕事として来た」とか「住み込みで働いてまとまったお金を貯めたい」など色々な理由があります。

なので、夏に小屋番をやっていて冬はスキー場と言うスタイルの人はそんなに多くありません。


スキー場にも色々な仕事の担当があり、『リフト』『圧雪』『パークで食事を作る』『従業員の食事を作る』『清掃』などそれぞれの仕事の内容で雇われています。

ある時、清掃を担当してくれているおばちゃ...いや、お嬢さんがトイレ掃除をしていました。

その時近くにいたのは僕と、違う小屋で働く小屋番、それとスキーがしたいと言う理由で働きに来ていた4人の人達。

トイレ掃除をしているお嬢さんを見てその4人は「トイレ掃除なんて100万のボーナス貰ってもやりたくねー」なんて言っていました。

それを聞いて僕達小屋番は「え?まじ?俺なら500円でもやるけど」と...。

周りと温度差を感じた瞬間でした。


小屋番をやっていると、何故か好きな掃除ランキングでトイレ掃除が上位に食い込んできます。

行者小屋の小屋番達もトイレ掃除が何故か好きです。

トイレ掃除が好きな変態達がたまたま行者小屋に集まったのか。

それとも行者小屋で働いていくうちにトイレ掃除が好きな変態になったのか。

理由は分かりませんが...。


そんな変態達は各々のこだわりを持ってトイレを綺麗にしてくれます。

山小屋のトイレは汚い。

だから行者小屋のトイレも汚いだろう。

『いやいや、んなわけあるかよ。トイレ掃除なめんなよ。』

そう言った矜持でやってくれてます。

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写真撮れるくらい綺麗です。

もし汚い時は『トイレが汚い』のではなく『トイレを汚くされた』のです。


新人小屋番にトイレ掃除を教える時、よくこんな話をします。

手を洗って水が跳ねた。

その水がトイレ棟の床にあったとしたら。

人間の脳みそってのは面白い事にトイレの床に水があるというだけでアレの雫だと思ってしまうんだよね。

だから水滴が残らないようにしっかり拭きあげてね。...と。


トイレの使い方には各々の流派やフォームがあると思います。

それをいちいち指定はしませんが、奥義を持ってして綺麗に使用していただきたいなぁと思います。

もし汚してしまってご自身で解決出来るならしていただき、ダメそうなら『トイレ汚しちゃったんで...』と、ひと声我々にかけていただけたら小屋番達は嬉々として掃除に行きます。

スマした顔でスーッと居なくなったり、自分も被害者みたいな演技をして去られると次の方が不快な思いをします。

そしてその方は『行者小屋のトイレは汚い』と言うイメージを持ってしまいます。

こだわりのトイレを維持するのは皆様の協力が必要ですのでよろしくお願いします。


トイレ掃除担当がなかなか掃除から帰ってこない時、我々は『メッチャ汚れてんじゃね?最悪。』なんて気持ちは全く抱いておりません。

今日は手こずってんなー。って感じです。

そして、そんなトイレを相手に良い仕事をして来た小屋番は必ず『今日はヤバかったですよ(笑)』と何故か嬉しそうです。

綺麗に使用しようとしていてもしミスっても、我々はそれを掃除する事には対して苦じゃありません。

そう言う気持ちさえ持っていただけたら...と思います。



ちなみに担当が良い仕事をして来た日の昼ごはんはカレーにします。

その辺は僕のこだわりです。

akadakekousen at 10:06|PermalinkComments(0)clip!

2022年06月18日

ひたすら熱く、ひたすら回りくどく。しかし話の内容としては...。

コロナウイルスが蔓延し、今ではもはや死語となりつつある『三密を避ける』と言う前提がある中でアウトドアは空前のムーブメントとして流行して来ました。

とりわけキャンプ、車中泊、トレランを含む登山などは、今までそれらに全く触れてこなかった方々達を巻き込んで発展してきました。

コロナウイルスの影響をモロに受けた我々小屋番は、それらに振り回されるような形で日々を過ごして来ていました。

まだまだ落ち着いたとは言い難い状況ですが、最近自分の周りに目を向けれるだけの余裕が出てきました。

そんな状況もあってか、小屋の外で作業している時や歩荷の最中にすれ違う登山者を見て、ふと思う事があります。

声をかけるようなほどでは無いのですが、やはり少し心配にはなります。

まぁ数年行者小屋に関わって来た僕が気になっているだけの話なのですが、その辺りの話をしてみたいと思います。


現在登山をされている方々は大きく分けて2種類に分けれると思います。

それは、カモシーTシャツを持っている登山者かそれ以外か。

カモシーTシャツを着ているのであれば何の心配もないです。

もしくはカモシーTシャツは持っているけど今日は着ていないと言う方も。

逆にカモシーTシャツは要らない、カモシーTシャツは自分の登山のスタイルじゃないと言うのであればそれについて何も言う事はないです。

山では「自己責任」の文字がついて回るので。

ただ、僕が気にかけているのは「カモシーTシャツの存在を知らない」方がいるかもしれないと言う事。

この事にはカモシーTシャツを持っている方々にも関係する事なのではないかと思ったりします。


想像してみてください。

自分の親や兄弟姉妹はもちろん、近しい友人などがカモシーTシャツの存在を知らないで登山している。

その事を冷静に考えると、やはり恐怖を覚えます。

そう言う方々が周りに居たとしたら、僕だったら『え?カモシーTシャツ着ないで山登ってんの?それ大丈夫?』って思います。


もしかして「いずれカモシーTシャツを着るようになる」と考えているかも知れませんが、それなら僕は『いずれ必ず通る道であるなら早めに導入した方が良い。早く動き出した方がアドバンテージがある。』と思います。

今後カモシーTシャツのデザインは変わっていくかも知れません。

その時に自分に合ったカモシーTシャツは翌年にはデザインが変わっていて無くなっているかも知れません。

後悔先に立たずです。

あの時あぁしてれば...。

今年のデザイン知っていたら...。

自分は興味がない、そう言うスタイルの登山ではないかも知れませんがもしかしたら周りにその事を知らないだけの方がいるかも知れません。

相手にとっては大きなお世話かも知れませんが、それでも声をかけてみれるのは同じように山を愛する者としての独特な距離感なのかも知れませんね。


もしかしたらアナタの周りの方々、カモシーTシャツが行者小屋でしか買えないって事を知らないかも知れませんよ。

S.M.L.LLとサイズがあって、値段が4000円なんて事を知らないかも知れませんよ。

下手すると今年のカモシーTシャツはカモシーが刺繍で立体的に表現されてる事を知らないカモ←

大事な人にこそ、こう言う事は教えてあげたいものです。
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akadakekousen at 06:24|PermalinkComments(0)clip!

2022年06月17日

行者小屋の仕事の一つ

行者小屋の営業を開始してそろそろ2週間が経ちます。

今年から行者小屋で勤務してくれる小屋番KINGと小屋番オスギの2人も、全体的な流れがそろそろ分かって来た頃かなーと思います。

ウチは小屋も小さく、小屋番も少ないのでひと通りの事は皆んなが出来ないといけません。

自分にはこの仕事は回ってこないだろうから出来なくて良いやとか、知らなくて良いやとか、そもそもそう言う仕事があるって事すら興味がないじゃあ困ります。

ここは職場だけど殆ど家みたいなもんです。アナタの家に彼氏や彼女が泊まりに来るのです。

そう言う感覚でオモテナシしなさい。

そんな言葉を度々ミーティングなどを行い皆に伝え、その意識を植え付けてまいりました。

それなりに形にはなって来ているのではないか?と思います。

小屋の方もまだまだ気になるところはたくさんありますが、表面上と言うかお客さんに見えるところはそれなりに形になって来たと思います。


そうは言うものの、小屋番達をガチガチに締め上げている訳ではなくそれなりに和気藹々とやっております。


先日の会話ですが山に居ながら海の話になりました。

僕『海はデカい生き物が居るから怖いんだよなー。』

小屋番KING「自分は海釣りしたりするんでよく行きますけどね。」

僕「いやぁ、サメとか居たら怖いじゃん。」

小屋番オスギ「日本の周りの海に人喰いザメなんて居ませんよ。あのシャークって映画みたいなヤツ、あれ結構好きで何回か観たんですよね。」

僕『シャークってなんやねん、ジョーズやろ。好きで何回か観てるんなら名前ちゃんと覚えとけよ。』
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翌日


小屋番オスギ『ジョージの話してたらまた観たくなりました。』

僕『誰やねんジョージって。B級コメディ映画か。好きなんじゃねぇんかい。ちゃんと覚えとけや。』
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↑橘賢一先生、ごめんなさい。


このようにツッコむのも行者小屋の仕事の一つです。

この仕事では小屋は綺麗になりませんが、雰囲気が明るくなります。

しかし天然の人が増えてこの仕事が増えると少し疲れるのも事実です(笑)

akadakekousen at 06:00|PermalinkComments(0)clip!

2022年06月16日

18日

今年のカモシーTシャツが出来上がりました!

従来の行者小屋のカモシーTシャツは、行者小屋の番長のカモシーと「山なめんなよ」の一言。

インパクト大ですが、下山してきて街で来ていた時の周りの反応のインパクトも大です(僕はもう慣れましたが。)


着替えたくないよー。

街でも着たいよー。

でも恥ずかしいよー。

そんなアナタ、お待たせしました。


で、街でも着れるカモシーTシャツってのはどんなのか?と言うと。

胸元にワンポイントとして入ったカモシーの刺繍。

プリントでは表現できない独特の立体感と存在感。

ちなみに刺繍ワッペンではなく、Tシャツへの直接刺繍というこだわりです!
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首後ろには、赤岳鉱泉・行者小屋ロゴと山なめんなよをプリントしています。(やっばりこの一言がないとね!)
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それではスペックです。

○価格
4000円(税込)

〇素材
ポリエステル100%で吸汗速乾のドライ素材、軽い着心地で強い日差しにも負けないUVカット加工。

〇カラー
Tシャツのボディカラーはブラックのみ、刺繍とプリントカラーはホワイト。

〇サイズ
S.M.L .LL(=XL)のそれぞれジャパンサイズ/ユニセックスサイズの詳細は、サイズチャートをご覧ください。
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〇注意事項
・プリント部分は熱に弱いため、アイロンを直接あてないようお気をつけください。

・初回洗濯時の色移り防止のため単独での洗濯、又は家庭用洗濯洗剤のご利用をおすすめします。

・行者小屋での店頭販売のみで赤岳鉱泉では販売しません。又、ECサイトでの通信販売も行っていません。(←ここ重要です!)

・お一人の購入枚数制限はございません。今回のモデルは数量限定生産では無いですが小屋でストックしている在庫には限りがありますので、売り切れの際にはご了承ください。

・商品購入後の返品、サイズ交換、お取り置きは出来ません。

これまで通りに山や運動時の機能性を持たせて、控えめながらわかる人にはわかる、相変わらずの存在感。

カモシーファンには是非!カモシーファンでない方もこの機会にカモシー沼に是非!

そんなカモシーTシャツは6月18日に販売開始予定です。





akadakekousen at 06:44|PermalinkComments(0)clip!

2022年06月02日

レイコー

6月4日から営業開始に向けて小屋明けをガツガツ進めております!

あと少しな様な気もしますが、なんだかんだで色々な所が気になってしまって...。

ロケーションが抜群なので外に出てのんびりとしたいところですがちゃんと働いてます、本当です。

6月4日には絶対に間に合わせますので是非お越しくださいませ。

ソリッドのこだわりを随所にインストールしてますので。


今年は冷コーを用意しました。

冷コーってなんやねん。

冷たいコーラか?

いやいや、違います。

関西の一部の地域で使っていると噂される略語で、冷たいコーヒーの事。

つまりアイスコーヒーです。

冷コーの件は名探偵コナンに書いてあったので、確かな筋からの情報です。

ちなみにグラスで飲んでいただくペプシコーラも用意しました(笑)

しかもグラスにはなんとカモシーが!

暑い日に汗かきながら登ってきて...『コーヒー飲みてー』となった時、ホットコーヒーしか無かったら急に飲む気が無くなるのは僕だけじゃ無いはず。

そう思い、アイスコーヒーを。

コーヒーじゃないとカモシーグラスで飲めないんかよー、コーヒー飲めねーんだよなー。

そう思い、コーラも(笑)

結構「映える」写真も撮れるので、喉が乾いてなくても是非注文してみてください。

カモシーグラスのみの貸し出しはしていないのでご注意を。


なお、小屋番達の配属先も決まり、行者小屋には小屋番キングと小屋番オスギスピードが勤務してくれます。


赤岳鉱泉から行者小屋に自分達の荷物を運んでいる時、オスギスピードがボソリと僕に。

『赤岳はどれですか?』

思わず僕も言ってしまいました。

「もう帰ってくれ」


行者小屋にお越しの際にオスギスピードを見かけたら『もう赤岳はどれか分かった?』と冷ややかな目線で聞いてあげてください。06B64F85-7765-45D4-9F05-2C71B48B3405

akadakekousen at 12:52|PermalinkComments(0)clip!
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