共同通信:AP通信、ネット記事掲載を監視 法的措置など厳しく対処

 AP通信が『契約しているメディアが載せたAPの速報などを、非契約のサイトに勝手に転載するケースが後を絶たず』、『「もはや傍観できない」と』状態であるとして、ネット上でのニュース掲載をに対して法的措置を執るなどの対処をする方針だという

 この記事を読んでまず始めに思ったのが、契約先のマスメディアがインターネットの登場による言論のフラット化によって、誰もが出版社や放送局になれるご時世に逆行しているな、ということだ

 情報は商品である。商品は消費される。これまでは大概の情報はマスメディアを通してしか流通することはなかった。しかし、デジタル化された−ニコラス・ネグロポンテ風に言えばアトムからビット化された−情報はオリジナルと寸分変わらない姿でコピーされてしまう。コピー先でも何度も何度も情報は消費され続ける。なぜならこれまでは発表された情報に対してのアクセスビリティが格段に向上されたからである

 痛いニュースに代表される2チャンネルのスレッドを採取するブログを見てみよう。マスメディアから発信された情報は2ちゃんねるで語られ(いじられ)る。多くのスレッドの中からこれぞと思われるスレッドが抜き出され、さらにブログ主は個々のレスから気の利いたレスを抽出され編集される。ブログ主は淡々とエントリーを更新するだけで、自身は何も語らないが、編集を通してブログ主の主観が伺える。ブログ主がどのような人なのかわからないが、彼は紛れもなく「デイリイー・ミー」(ビーイング・デジタルp215)を発信する。そして累計12億人を超えた痛いニュースの読者はエントリーをされに消費していく。

 さまざまな情報発信メディアが登場している時代に、AP通信が訴えている「もはや傍観できない」事態などあまりにも古くさいのではないだろうか。これまでは情報はマスメディアという線路に沿って運ばれていたが、すでにその線路はかなり先細ってきている。ビジネスモデルそのものを見直していかなければならない時期なのである

 だが、ここで考えなければいけないのは、2ちゃんねるなどの多くの意見が述べられる掲示板サイトなどが監視の対象なのではなく、自動的にニュースを拾ってくるアフェリエイト自動再生プログラムによる猛烈に薄っぺらなブログ群が存在している事実である。以前のエントリーでも取り上げられたが、なんにも自己の意見を述べることもなく、ただニュースサイト見出しを抜き脱しリンクを張っているだけのサイトが多数存在している。同じ内容のクローンとしか見受けられないものもある(中にはアルファーブロガーを丸々コピーをしただけの豪の者さえ見受けられる)。正に他人のふんどしで相撲を取り、小銭を稼ごうとしているブログが存在しているのも事実である。佐々木俊尚氏の『ブログ論壇の誕生』で書かれたように、「そしてこれは、新たに生み出されつつあるネット論壇とその公共圏にとって、最悪の阻害要因(p118)」であることは否定できない

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