さくらの将棋研究所

ただの将棋好きが気ままに将棋について何かしら書いていくブログです。

カテゴリ: 振り飛車

本記事では四間飛車対策として右四間飛車▲3八金型elmo囲いを組み合わせた戦法を紹介します。


◇ 初手からの指し手

▲7六歩 △3四歩 ▲2六歩 △4四歩
▲4八銀 △4二飛 ▲6八玉 △6二玉
▲7八玉 △7二銀 ▲4六歩 △7一玉
▲4七銀 △3三角 ▲5六銀 △3二銀
▲4八飛 △4三銀 ▲6八銀 △8二玉
▲7九金 △9四歩 ▲9六歩 △5二金
▲3六歩 △5四銀 ▲3七桂 △6四歩
▲3八金 △7四歩 (第1図)


1
(第1図 △7四歩まで)


第1図が基本図となります。
右金を3八に活用することで、右の桂馬を跳ねて角交換になった際の△3七角の筋を消しています。
更に、elmo囲いと組み合わせることでバランスの取れた陣形で戦うことができます。


◇ 第1図以下の指し手

▲4五歩 △同歩 ▲3三角成 △同桂 (第2図)


2
(第2図 △3三同桂まで)


第1図より先手は▲4五歩と仕掛けて、△同歩▲3三角成△同桂と角交換をします。


◇ 第2図以下の指し手

▲7七角 △4三金 ▲4五桂 △同銀
▲同銀 △同桂 ▲1一角成 (第3図)


3
(第3図 ▲1一角成まで)


第2図△3三同桂の局面で先手は▲7七角と打ちます。
狙いは次に▲3三角成として桂馬を取ることです。
従って、後手は受ける必要があります。
▲7七角に△4三飛は▲2五桂に△同桂なら▲1一角成となって、先手が簡単に馬を作れます(参考図A)。


a
(参考図A ▲1一角成まで)


▲7七角△4三飛▲2五桂に△4二金なら▲9五歩△同歩▲同香△同香に▲4四歩と打って飛車を捕獲できます(参考図B)。


b
(参考図B ▲4四歩まで)


▲7七角に△2二角は▲4五桂△同桂▲2二角成△同飛▲4五銀△同銀▲同飛△4二飛▲同飛成△同金▲5五角と激しい展開になります(参考図C)。


c
(参考図C ▲5五角まで)


▲7七角には△4三金が最善ですが、▲4五桂△同銀▲同銀△同桂▲1一角成と駒交換をしながら馬を作れます。
▲4五桂に△同桂は▲1一角成と簡単に馬を作られてしまって後手がやや損なので(参考図D)、▲4五桂には△同銀と応じることになります。


d
(参考図D ▲1一角成まで)



◇ 第3図以下の指し手

△4四歩 ▲4六歩 (第4図)


4
(第4図 ▲4六歩まで)


第3図▲1一角成の局面での候補手は△4四歩・△4六歩・△2九角の3つです。
ここでは△4四歩の変化のみ取り上げます。
△4四歩は馬の利きを遮断しつつ、取られそうな桂馬を支えた手です。
これには▲4六歩として桂馬を取りにいきます。


◇ 第4図以下の指し手

△5七桂成 ▲同銀 △6五桂 ▲5八香
△5七桂成 ▲同香 (結果図)


r
(結果図 ▲5七同香まで)


第4図▲4六歩の局面での候補手は△3七銀・△5九銀・△5七桂成の3つです。
△3七銀や△5九銀はソフトがそれほど評価していないのですが、実戦的にとても嫌な変化です。
もし、この戦法に興味があったら研究しておく必要があると思います。
ここでは△5七桂成の変化を示していきます。

△5七桂成▲同銀と桂馬をタダで捨てて、△6五桂と後手が攻めを継続させます。
△6五桂に▲6六銀と逃げると△5七銀と打たれてまずいので(参考図E)、例えば▲5八香などと受ける他ありません。
▲5八香に△5七桂成▲同香となって一旦局面が落ち着きます。

結果図での形勢は互角です。
後手に正しく対応されると先手もそう簡単に決めきれませんが、ここに至るには後手も研究していないとたどり着けないと思いますので、戦法として十分に有力ではないでしょうか。


e
(参考図E △5七銀まで)

四間飛車を指しこなそう! 対 右四間飛車▲1七桂型①
http://blog.livedoor.jp/akane_shogi/archives/15141298.html
の続き記事です。


第4章 右四間飛車+端玉銀冠


11
(再掲第11図 △7四歩まで)


第11図以下の指し手②

▲9八玉 △7三銀 ▲8七銀 △7二金
▲7八金 △6三金 (第17図)


17
(第17図 △6三金まで)


第3章では第11図から天守閣美濃に囲った状態で▲1七桂と仕掛ける展開を見ていきました。
今度は天守閣美濃から端玉銀冠に囲いを進展させる展開を見ていきます。
ただ、居飛車に端玉銀冠までされてしまうと (1) 玉が堅く (2) 遠いため、振り飛車側としてはまとも4筋からの攻めをいなしていくのでは形勢を良くするのが難しくなります。
従って、振り飛車は少し工夫した指し方をしていくことになりますが、ここでは9筋を絡めて振り飛車側から攻めていく指し方を紹介します。

では、どういう工夫をするかというと、▲9八玉に△7三銀とします。
狙いは△8四銀~△9五歩の端攻めです。
△7三銀には先手は構わず▲8七銀~▲7八金と端玉銀冠を完成させます。
後手は▲8七銀にすぐに△8四銀として9筋から先攻していく方が、この構想を十分に活かしきれます(参考図U)。
ただ、流石に後手玉が薄くなり過ぎて実戦的に勝ちにくくなるリスクもあるので、ここでは△7二金~△6三金と一旦矢倉囲いを完成させにいく順を示しておきます。


u
(参考図U △8四銀まで)


◇ 第17図以下の指し手

▲6八金 △8四銀 ▲4九飛 △7三桂
▲1七桂 △9五歩 (第18図)


18
(第18図 △9五歩まで)


第17図△6三金までの局面で先手は囲いが完成していますので、▲1七桂と仕掛ける展開も考えられます(参考図V)。
△8四銀~△9五歩の仕掛けが見えていれば、その前に先攻するのが先手としては有力な順になります。
しかし、ここではそのような後手の狙いなどつゆ知らず、▲6八金~▲4九飛と銀交換になった際の割打ちの隙を消しにいく展開を見ていきます。
▲6八金には狙い通り△8四銀と出ます。
これに▲4九飛ならまだ後手に余裕があるので△9五歩と仕掛けずに△7三桂と力を溜めます。
先手は▲6八金~▲4九飛と万全の態勢が整ったところでいよいよ▲1七桂と仕掛けにいきます。
ただ、時既に遅しで▲1七桂には△9五歩が間に合います。


v
(参考図V ▲1七桂まで)


◇ 第18図以下の指し手

▲9五同歩 △同銀 ▲9七歩 △8四歩 (第19図)


19
(第19図 △8四歩まで)


第18図△9五歩に▲同歩△同銀▲9七歩となって、後手の攻めが失敗に終わったようですが、次の△8四歩が継続手で、△8五歩▲同歩△8六歩が狙いです。


◇ 第19図以下の指し手

▲2五桂 △2二角 ▲4五歩 △8五歩 (第20図)


20
(第20図 △8五歩まで)


先手は当初の予定通り▲2五桂と攻めかかります。
▲2五桂に△2二角とかわして▲4五歩の瞬間に△8五歩が入ります。
この局面まで進んでしまっては既に後手ペースです。


◇ 第20図以下の指し手

▲8五同歩 △8六歩 ▲9六銀 △同銀
▲同歩 △8五桂 (結果4図)


r4
(結果4図 △8五桂まで) 評価値:-532(後手有利)


第21図△8五歩に対して手抜くのは△8六歩の取り込みが厳しいので▲8五同歩ですが、△8六歩がやはり痛いです。
▲9六銀とかわしながら銀交換を迫るくらいですが、△同銀▲同歩に△8五桂が継続手です。
先手としては8六歩と8五桂のプレッシャーがきつく、これは後手有利の展開です。
ただ、後手玉ももはや堅いとは言えず、▲8四銀と放り込まれたりするキズも抱えており、疑問手や悪手を指すとすぐに後手が悪くなってしまいます。
実際にはそれほど簡単な構想ではないかもしれません。
※ 注:書いておいてなんだが、研究しただけで実戦でまだ一度も試していない(ぇ


第5章 右四間飛車+左美濃▲7九玉型

◇ 初手からの指し手②

▲7六歩 △3四歩 ▲2六歩 △4四歩
▲4八銀 △4二飛 ▲6八玉 △6二玉
▲4六歩 (第21図)


21
(第21図 ▲4六歩)


本章では右四間飛車に左美濃▲7九玉型を組み合わせてきた際の展開を見ていきます。
第1章では▲4六歩に代えて▲7八玉としていましたが、今回は▲7九玉型の左美濃に組みたいので、▲4六歩~▲4七銀~▲5六銀~▲4八飛と攻めの態勢を整えてから、▲7八銀~▲7九玉~▲5八金と左美濃に囲っていきます。


◇ 第21図以下の指し手

△7二銀 ▲4七銀 △7一玉 ▲5六銀
△3三角 ▲4八飛 △3二銀 (第22図)


22
(第22図 △3二銀まで)


先手は▲4七銀~▲5六銀~▲4八飛として4筋からの突破を狙いにいきます。
対する後手は△7二銀~△7一玉と最低限の囲いを完成させてから、△3三角~△3二銀と4筋からの攻めに備えます。


◇ 第22図以下の指し手

▲7八銀 △4三銀 ▲7九玉 △8二玉
▲9六歩 △9四歩 ▲5八金 △5二金 (第23図)


23
(第23図 △5二金まで)


先手は▲7八銀~▲7九玉~▲5八金と左美濃に囲いにいきます。
対する後手は△4三銀と4筋からの攻めに備えてから、△8二玉~△5二金と本美濃を完成させ、先手に堅さ負けしないようにします。
▲9六歩△9四歩の交換も将来的な玉の逃げ道を広げる意味でも入れておいた方がよいでしょう。


◇ 第23図以下の指し手

▲1六歩 △5四銀 ▲1七桂 △3五歩 (第24図)


24
(第24図 △3五歩まで)


先手は左美濃が完成したところで、いよいよ▲1六歩~▲1七桂と仕掛けていきます。
後手も△5四銀と上がって4五の地点に駒の利きを足して4筋からの攻めに備えます。
▲1七桂に対して「第3章 右四間飛車+天守閣」では△2二角と対応していました。
しかし、▲7九玉型の左美濃は (1) 短手数で組めて (2) 低い陣形で (3) 横からの攻めにも強い という非常に優秀な囲いなので、△2二角から先手の攻めをいなしていく展開では振り飛車が良くするのは難しいです。
従って、今度は別の工夫をしていく必要がありますが、▲1七桂に対して△3五歩と突きます。


24a) ▲2五桂の変化

◇ 第24図以下の指し手①

▲2五桂 △2二角 ▲4五歩 △3六歩
▲同歩 △3二飛 (結果5図)


r5
(結果5図 △3二飛まで) 評価値:-176(互角)


△3五歩に対して先手が当初の狙い通り▲2五桂と仕掛ける展開を見ていきます。
▲2五桂には△2二角とかわして、▲4五歩の瞬間に△3六歩とします。
△3七歩成と取り込まれる手は嫌なので▲3六同歩としますが、これには△3二飛と回って後手は3筋から逆襲します。
次の△3六飛を受けるには▲3六飛・▲4六飛・▲4七金が考えられ、△3六飛を受けずに▲4四歩・▲4四角といった手も考えられます。
このように△3二飛までの局面では分岐も多いため、ここで検討を打ち切っておきたいと思います。
結果5図の形勢はまだ互角ですが、▲2五桂△2二角の交換を逆用した形となり、後手が得した展開と言えます。


24b) ▲3六歩の変化

◇ 第24図以下の指し手②

▲3六歩 △同歩 ▲3八飛 (第25図)


25
(第25図 ▲3八飛まで)


結果5図の展開は不満と先手が見れば、第24図△3五歩に対して先手は▲3六歩と反発することになります。
▲3六歩△同歩▲3八飛と回って、次に▲3六飛を狙います。


◇ 第25図以下の指し手

△4五歩 ▲3三角成 △同桂 ▲3六飛 (第26図)


26
(第26図 ▲3六飛まで)


第25図▲3八飛に対して△3二飛とする手も見えますが、▲3六飛△4三銀▲3四歩△2二角▲4五歩△3四銀▲4四歩△3五銀▲3九飛△3六歩▲4五銀が進行の一例で、これはなかなか難しい展開です(参考図W)。


w
(参考図W ▲4五銀まで)


従って、第25図▲3八飛に対しては△4五歩と角を捌きにいくのが明快です。
△4五歩▲3三角成△同桂と角交換になり、▲3六飛として先手は次に▲3三飛成を狙います。


◇ 第26図以下の指し手

△3五歩 ▲同飛 △4四角 (第27図)


27
(第27図 △4四角まで)


第26図▲3六飛までの局面では次に▲3三飛成とする手が見えていますが、ここで△3五歩が好手です。
▲同飛に△4四角が飛香両取りで、3三の桂馬にも紐が付いています。

△3五歩に▲同飛ではなく▲3九飛と逃げる手には△4六歩と歩を取り込みます。
△4六歩に▲7七角と桂取りを見せてきたら△4五桂と桂馬を捌きにいきます(参考図X)。
△4五桂に▲1一角成は△5七桂成と桂馬を捨てて▲同金に△4八角があるので(参考図Y)、△4五桂には▲4八歩と受けることになります(参考図Z)。


x
(参考図X △4五桂まで)


y
(参考図Y △4八角まで)


z
(参考図Z ▲4八歩まで)


◇ 第27図以下の指し手

▲3九飛 △9九角成 ▲3四歩 △3一香 (結果6図)


r6
(結果6図 △3一香まで) 評価値:+38(互角)


第27図△4四角には▲3九飛と大人しく飛車を引いて、後手は△9九角成と香車を取りながら馬を作れます。
香損の先手が悪いように見えますが、▲3四歩から桂馬が取れるので実質駒の損得はまだありません。
後手は桂取りが受からないので、△3一香と取ったばかりの香車を打って手堅く受けておきます。
強気にいくなら△3一香に代えて△5五香も有力です(参考図AA)。
結果6図では次に▲7七角や▲7七桂と角の利きを遮断する手や▲3三歩成と桂馬を取る手などが考えられ、まだまだ難しい展開が続きそうですが、とりあえず現局面の形勢は互角でしょう。


aa
(参考図AA △5五香まで)


第6章 右四間飛車+elmo囲い


3
(再掲第3図 △4三銀まで)


◇ 第3図以下の指し手②

▲6八銀 △8二玉 ▲7九金 △9四歩
▲9六歩 △5二金 ▲5九金 (第28図)


28
(第28図 ▲5九金まで)


最後に右四間飛車にelmo囲いを組み合わせてきた際の展開を見ていきます。
「第1章 駒組み」では第3図で次に先手は▲5八金として舟囲いにしていましたが、今回は▲6八銀~▲7九金とelmo囲いにしていきます。
右金をどう活用するかは正直議論が分かれるところではありますが、本譜では▲5九金と活用して金銀の連結を良くしつつ、横からの攻めに強くしていく展開を示していきます。
対する後手も△8二玉~△5二金と本美濃を完成させ、堅さ負けしないようにします。


◇ 第28図以下の指し手

△5四銀 ▲1六歩 △1四歩 ▲1七桂
△3五歩 (結果7図)


r7
(結果7図 △3五歩まで) 評価値:-70(互角)


後手は本美濃が完成したところで△5四銀と上がって4筋からの攻めに備えます。
先手も囲いが完成したので▲1六歩~▲1七桂として仕掛けていきます。
▲1六歩の局面で後手が何を指すかが悩ましいところですが、△1四歩と待つのが損になりにくいと思います。
elmo囲い+▲5九金の形もやはり左美濃▲7九玉型と同様に、 (1) 短手数で組めて (2) 横からの攻めにも強い という特徴があるので、「第5章 右四間飛車+左美濃▲7九玉型」でも示したように▲1七桂に△3五歩とします。
以下、「第5章 右四間飛車+左美濃▲7九玉型」と似たような展開となりますので、気になる方は是非研究してみてください。


最後に

四間飛車を指す際の天敵である右四間飛車との攻防を取り上げてきました。
▲1七桂型は有力な割には取り上げられている棋書も少ないので、不出来な点は多いかと思いますが自身の研究や経験も踏まえて今回まとめました。

個人的な感想ですが、「右四間飛車+端玉銀冠」「右四間飛車+左美濃▲7九玉型」「右四間飛車+elmo囲い」の三つがとても厄介な存在で、振り飛車が良くするのはとても難しいです。
特に「右四間飛車+elmo囲い」に遭遇したらどうしようとか思っていますが、まぁそれはそれで研究を発展させていく材料になるんで面白いですかねぇ・・・。

最後に私が読んだことのある右四間飛車の本でオススメのものを示しておきます。
右四間飛車を指したいなら中川先生の本、振り飛車視点で右四間飛車の対策を知りたいなら藤倉先生の本が分かりやすくオススメです。

大変長い記事となりましたが、ここまでお読みいただきありがとうございましたm(__)m









対四間飛車の戦法でアマチュアに絶大な人気を誇るのが右四間飛車です。
狙いが分かりやすく攻めが強力なのが特徴で、四間飛車を指す人にとっては対策を知らないと簡単に攻め潰されてしまいます。
そこで、本記事では『右四間飛車▲1七桂型 対 四間飛車』における序中盤の攻防を見ていきます。
※ 局面の評価値は 技巧2 ver.2.0.2 を用いて、10億ノードの条件で算出しています。


第1章 駒組み

◇ 初手からの指し手①

▲7六歩 △3四歩 ▲2六歩 △4四歩
▲4八銀 △4二飛 ▲6八玉 △6二玉
▲7八玉 △7二銀 ▲4六歩 (第1図)


1
(第1図 ▲4六歩まで)


▲4六歩に代えて▲5六歩が居飛車対四間飛車でよく指される手です。
しかし、右四間飛車にする場合は▲4六歩として、次に▲4七銀~▲5六銀~▲4八飛と4筋からの突破を目指します。


◇ 第1図以下の指し手

△7一玉 ▲4七銀 △3三角 ▲5六銀 (第2図)


2
(第2図 ▲5六銀まで)


▲5六銀に代えて▲4五歩といきなり角交換を迫る手には△同歩と応じます。
以下、▲3三角成△同桂に▲8八角と3三の地点を狙いにいく手には△3二銀と守ります(参考図A)。
これは先手の仕掛けが失敗で、▲4五歩といきなり仕掛ける手は無理筋です。


a
(参考図A △3二銀まで)


◇ 第2図以下の指し手

△3二銀 ▲4八飛 △4三銀 (第3図)


3
(第3図 △4三銀まで)


先手は▲5六銀~▲4八飛と4筋に駒の利きを集中させて一点突破を狙いにいきます。
対する後手も負けじと△3二銀~△4三銀と4筋からの攻めに備えます。


◇ 第3図以下の指し手①

▲5八金 △8二玉 ▲9六歩 △9四歩 (第4図)


4
(第4図 △9四歩まで)


▲5八金に代えて▲4五歩と仕掛ける手には△同歩と応じます。
△4五同歩に▲3三角成なら△同桂として先手はこれ以上攻めが続きません(参考図B)。
△3三同桂▲2八飛と飛車を2筋に戻して今度は2筋からの突破を狙いにいく手には、△3二金▲2五歩△8二玉▲2四歩△同歩▲同飛△2三歩▲2八飛となって、やはり先手の攻めは続きません(参考図C)。
このような順にも対応するためにも、振り飛車側は左金をすぐに△5二金とせずにギリギリまで移動を保留しておいた方が対応しやすくなります。


b
(参考図B △3三同桂まで)


c
(参考図C ▲2八飛まで)


また、▲4五歩△同歩に▲同銀の攻めには、△8八角成▲同銀△3三桂▲5六銀と進んで、これも先手の攻めが失敗です(参考図D)。


d
(参考図D ▲5六銀まで)


従って、第3図の局面では先手は▲4五歩とは仕掛けられないので、ここは玉形を整えにいく手が自然です。
▲5八金とすれば舟囲いが完成します。
続く▲9六歩も将来的な玉の逃げ道を確保する意味があり、場合によって端攻めも狙えるので、駒組みの段階で突いておきたいところです。
先手が玉形を整えにいったところで、後手も△8二玉と玉を安全地帯に移動させ、続いて△9四歩と先手と同じく将来的な玉の逃げ道を確保しておきます。


◇ 第4図以下の指し手

▲1六歩 △5四銀 (第5図)


5
(第5図 △5四銀まで)


参考図Bでも示したように、第4図から▲4五歩と仕掛けると△同歩▲3三角成△同桂と手順に桂馬を跳ばれて先手は攻めが続きません。
従って、▲1六歩~▲1七桂~▲2五桂として角を退かしてから▲4五歩と仕掛けます。
▲1六歩に代えて▲3六歩として、▲3七桂~▲2五桂と右の桂馬を活用しにいく方がよく見られる指し方ですが、この形は棋書でもよく紹介されているので、本記事では▲1六歩~▲1七桂とする指し方を取り上げていきます。
▲1六歩と先手がいよいよ攻めてくるのが目に見えているので、後手は△5四銀と上がって争点になっている4五の地点に駒の利きを足しにいきます。
ここでは△5四銀と上がらずに、左銀を4三で保留したまま戦う形も有力ですが、本記事では△5四銀と上がる指し方を取り上げていきます。


第2章 右四間飛車+船囲い

◇ 第5図以下の指し手①

▲1七桂 △3二金 (第6図)


6
(第6図 △3二金まで)


先手は▲1七桂と跳ねて次に▲2五桂を狙いにいきます。
対して後手はここで△3二金と対応します。
△3二金の意味については後に分かってきます。


◇ 第6図以下の指し手

▲2五桂 △2二角 ▲4五歩 (第7図)


7
(第7図 ▲4五歩まで)


▲2五桂と跳ねていよいよ先手が仕掛けます。
角取りに当たっているので後手は角を逃げる一手ですが、逃げ場所は△2二角と△2四角の二箇所です。
△3二金と上がった手を活かすには△2二角とすることになります。
△2二角には▲4五歩と先手は4筋の突破を狙いにいきます。
▲4五歩に代えて▲1五歩とする変化もありますが、この変化はやや複雑なので本記事では扱いません。
▲1五歩以下、手順だけ示すと△2四歩▲1三桂成△同角▲4五歩が一例です(参考図E)。
興味がありましたら是非研究してみてください。


e
(参考図E ▲4五歩まで)


◇ 第7図以下の指し手

△4五同歩 ▲2二角成 △同金 (第8図)


8
(第8図 △2二同金まで)


▲4五歩に対して△同歩と素直に取ります。
代えて△2四歩と桂取りに歩を伸ばす手も部分的な定跡ですが、△3二金~△2二角の順は角交換に備えた意味があるので、▲4五歩に対しては△同歩と応じるのが自然です。
△4五同歩には▲2二角成と先手から角交換をします。
このとき△同金と取れるのが予め△3二金と上がっておいた効果です。
△3二金に代えて△5二金としていた場合は、▲2二角成に△同飛とする他ありません(参考図F)。
これは4五の地点の駒の利きが減って、先手の攻めが決まりやすい展開になるので、あまりオススメしません。


f
(参考図F △2二同飛まで)


第8図以下の指し手

▲4五銀 △同銀 ▲3一角 (第9図)


9
(第9図 ▲3一角まで)


第8図では▲4五銀の一手で、△同銀とタダで銀を取られてしまって先手が損なようですが、次の▲3一角が先手の狙いです。
▲3一角に△3二飛▲2二角成△同飛▲4五飛と銀を取り返すのが狙いで、以下△4二歩▲3三金△同桂▲同桂成と進み、先手は駒損ながら攻めが続きます(参考図G)。
この変化も後手としては有力ですが、ここでは別の応手を示していきます。


g
(参考図G ▲3三同桂成まで)


また、▲4五銀に代えて▲8八角は、▲4五銀△同銀▲2二角成△同飛▲4五飛が先手の狙いですが、▲8八角に△4六歩と歩を伸ばせば問題ありません(参考図H)。


h
(参考図H △4六歩まで)


◇ 第9図以下の指し手

△4七歩 ▲同飛 △4六銀 (第10図)


10
(第10図 △4六銀まで)


▲3一角には△4七歩と叩きます。
△4七歩に▲同金なら先手の飛車先が止まるので、△5二飛と一旦逃げます(参考図I)。
また、△4七歩に▲4九飛も同様に△5二飛と逃げます。
△4七歩に▲同金や▲4九飛は△5二飛の次に△3二金として打った角を捕獲される手が残るため、先手の攻めが失敗してしまいます。
従って、△4七歩には▲同飛と応じるしかありませんが、そこで△4六銀と飛車取りに当てます。


i
(参考図I △5二飛まで)


◇ 第10図以下の指し手

▲4二角成 △4七銀成 ▲同金 (結果1図)

r1
(結果1図 ▲4七同金まで) 評価値:+36(互角)


第10図△4六銀に▲4八飛と飛車を逃げる手には△4五飛とします。
▲2二角成と金を取られてしますが、△4七銀打と重たい攻めながら4筋を逆襲して後手好調です(参考図J)。


j
(参考図J △4七銀打まで)


第10図△4六銀に▲4九飛と飛車を深く逃げる手には△3八銀や△2七角があります。
△3八銀には▲4八飛△4五飛▲3八飛△4七銀不成▲5六銀△同銀成▲同歩△4四角▲5五銀△3二金▲4四銀△3一金が進行の一例で、次に△4四飛と銀を取る手と△4七銀とする手が同時には受からず、これも後手好調です(参考図K)。



k
(参考図K △3一金まで)


第10図△4六銀に▲4六同飛は△同飛▲2二角成と進んで、これも駒得の後手が優勢の展開です(参考図L)。


l
(参考図L ▲2二角成まで)


従って、第10図△4六銀には▲4二角成と飛車交換をする手が自然です。
▲4二角成に△4七銀成▲同金と飛車交換をした結果1図は互角の展開でしょう。
結果1図では次に△4四角・△5五角・△6五角・△4九飛などが後手の候補手として考えられますが、変化もいよいよ複雑になってくるのでここで打ち切りたいと思います。


第3章 右四間飛車+天守閣美濃


5
(再掲第5図 △5四銀まで)


◇ 第5図以下の指し手②

▲8六歩 △5二金 ▲8七玉 △6四歩
▲7八銀 △7四歩 (第11図)


11
(第11図 △7四歩まで)


第2章では第5図△5四銀までの局面で次に先手が▲1七桂と舟囲いで攻めていく展開を見ていきました。
今度は▲1七桂と仕掛けずに▲8六歩と天守閣美濃に囲いを進展させてから攻めていく展開を見ていきます。
先手は第5図△5四銀から▲8六歩~▲8七玉~▲7八銀とすれば天守閣美濃が完成します。
対する後手も玉の堅さで負けるわけにはいかないので、移動を保留していた4一の金を△5二金と活用して本美濃を完成させます。
更に、△6四歩~△7四歩としていつでも高美濃囲いに発展させられるよう準備していきます。
△6四歩と突いておけば、場合によっては△6五銀と銀をぶつける手も成立するかもしれません。


◇ 第11図以下の指し手①

▲1七桂 △2二角 ▲4五歩 (第12図)

12
(第12図 ▲4五歩まで)


先手は天守閣美濃に囲ったところで▲1七桂として攻めかかる準備をします。
対する後手は左金を3二ではなく5二に移動させてしまったので、角交換になった際に△同飛と取る他なく、薄くなった4筋を突破されて攻めを継続される恐れがあります。
そこで▲1七桂に△2二角が工夫で、▲2五桂が角に当たるのを予め防いでおきます。
先手としては角を3三の地点から退かすことが目的だったので、むしろ得した気分になるかもしれませんが、後手としても先手の右の桂馬を活用しにくくさせた主張があります。
例えば、▲1七桂△2二角に▲2五桂と構わず桂馬を跳ねれば、△2四歩▲4五歩△2五歩と先手は簡単に桂馬を取られてしまって単なる駒損です(参考図M)。
従って、▲1七桂△2二角には先手は▲4五歩と仕掛けていくことになります。


m
(参考図M △2五歩まで)


◇ 第12図以下の指し手

△4五同歩 ▲2二角成 △同飛 (第13図)


13
(第13図 △2二同飛まで)


第12図▲4五歩には素直に△同歩と応じます。
角道が開いたところで▲2二角成と先手から角交換をして△同飛と取らせることで4筋を薄くして突破を目指します。


13a) ▲4五銀の変化

第13図以下の指し手①

▲4五銀 △同銀 ▲同飛 (第14図)


14
(第14図 ▲4五同飛まで)


第13図△2二同飛までの局面では先手の候補手として▲4五銀・▲7七角・▲2五桂の3つが考えられます。
▲2五桂の変化はここでは割愛します。
先ずは、単純に▲4五銀と銀交換をしながら4筋を突破する変化を見ていきます。
▲4五銀には素直に△同銀とします。
△4五同銀に代えて△4二飛とする手も後手としては有力です(参考図N)。
参考図N以下、▲5四銀△4八飛成▲同金△5四歩と進めば互いに銀・角・飛車を手持ちにして、一気に激しくなることが予想されます(参考図O)。


n
(参考図N △4二飛まで)


o
(参考図O △5四歩まで) 評価値:-78(互角)


しかし、ここでは▲4五銀に△4二飛ではなく△同銀とする変化をオススメしておきます。
こちらの変化の方が、後手としてはやや守勢に回る展開になるかもしれませんが、比較的手堅く指せます。
▲4五銀△同銀に▲同飛となって銀交換をしながら先手は次に▲4一飛成を狙います。


◇ 第14図以下の指し手

△2七角 ▲4一飛 △5四角成 (結果2図)


r2
(結果2図 △5四角成まで) 評価値:0(互角)


第14図▲4五同飛までの局面では次に▲4一飛成と飛車を成り込む手が見えているため、△4三歩としたくなるかもしれません。
しかし、これには▲7七角として△1二飛なら▲2五飛と2筋に飛車を転換して次の▲2三飛成を見せる手が生じます。
▲2三飛成を防ぐためには銀か角を打つくらいですが、例えば△2四銀なら後手に銀を使わせたことに満足して、▲4五飛と飛車を4筋に戻して先手不満なしです(参考図P)。


p
(参考図P ▲4五飛まで)


第14図▲4五同飛に△4三歩▲7七角と進んで△3三角と角を合わせても、▲5五銀△5四銀▲同銀△同歩▲3三角成△同桂▲4八飛と進んだ局面は、後手の飛車が攻めに活用できる見込みが薄く先手不満なしです(参考図Q)。


q
(参考図Q ▲4八飛まで)


従って、第14図▲4五同飛までの局面で▲4一飛成を防ぎにいく手は後手としては良くないので、ここでは▲4五同飛に△2七角と飛車取りに当てながら馬を作りにいきます。
△2七角に▲4一飛成なら△5四角成と馬を作りながら、2一の桂馬に紐を付けます。
2一の桂馬には既に2二の飛車で紐が付いているようですが、▲7七角△1二飛ですぐに飛車を退かされてしまうので、2一の桂馬を取らせないためにも△2七角~△5四角成の順はここでは必須になります。
結果2図では後手の飛車が攻めに働いてない点は不満なように見えますが、△4二飛と飛車をぶつけて飛車交換が実現すれば、すぐに先手陣に飛車を打ち込めるのでそれほど気にならず、互角の形勢と言えそうです。


13b) ▲7七角の変化


13
(再掲第13図 △2二同飛まで)


第13図以下の指し手②

▲7七角 △1二飛 (第15図)


15
(第15図 △1二飛まで)


第13図△2二同飛までの局面で次に▲4五銀とする変化をみてきましたが、今度は▲7七角と飛車取りに当てる手を見ていきます。
▲7七角には△3三角と角を合わせたくなりますが、これには▲同角成△同桂で再度▲7七角と打たれて、△4二金に▲2五桂で困ります(参考図R)。
以下、△2四角と3三の地点に利きを足しても、▲3三桂成△同角▲同角成△同金▲7七角と執拗に3三の地点を攻められてしまいます(参考図S)。
従って、第13図△2二同飛で▲7七角には△1二飛と逃げる他ありません。


r
(参考図R ▲2五桂まで)


s
(参考図S ▲7七角まで)


◇ 第15図以下の指し手

▲4五銀 △同銀 ▲同飛 (第16図)


16
(第16図 ▲4五同飛まで)


先手は▲4五銀と銀交換をしながら4筋の突破を目指します。
▲4五銀に代えて▲2五桂も先手としては有力ですが、ここでは分かりやすく▲4五銀の変化を示していきます。
▲4五銀には素直に△同銀とします。
▲同飛と銀を取って銀交換をしながら次に▲4一飛成を目指します。


◇ 第16図以下の指し手

△2七角 ▲4一飛成 △5四角成 (結果3図)

r3
(結果3図 △5四角成まで) 評価値:0(互角)


△2七角に代えて△4三歩はやはり▲2五飛と回られて、例えば△2四銀と受ければ▲4五飛と戻って、銀を打たされた後手が不満です(参考図T)。


t
(参考図T ▲4五飛まで)


従って、この局面でも△2七角と飛車に当てながら馬を作りにいくのが好手で、▲4一飛成なら△5四角成として手順に2一の桂馬に紐がつきます。
放っておけば次に△6五銀・△7五銀・△7五歩などと先手の玉と角を攻めていく手がありますので、この局面の形勢は互角かやや後手が指しやすいかもしれません。



続き記事↓

四間飛車を指しこなそう! 対 右四間飛車▲1七桂型②
http://blog.livedoor.jp/akane_shogi/archives/15176905.html

『 elmo囲い+▲4五歩早仕掛け vs 四間飛車 』を紹介します。
手順の一例を以下のサイトにまとめましたので、詳しくはそちらをご覧いただければと思います。

https://shogi.io/kifus/234774

本記事ではその補足説明を行います。


第1図がelmo囲い+▲4五歩早仕掛けの基本図になります。
▲7八玉・7九金・6八銀の形がelmo囲いと呼ばれています。
elmoが指して注目される以前からプロの公式戦で採用されていたようですが、名前のない囲いであった事情もありelmo囲いと呼ばれています。
金銀の連結が良く手数が少なくて済むというのが主な利点で、急戦との相性が良いです。
elmo囲いと急戦の組み合わせは何通りか考えられますが、本記事では対四間飛車の急戦として有名な▲4五歩早仕掛けとの組み合わせを取り上げます。
右金の使い方は組み合わせる急戦によって微妙に変わってきますが、▲4五歩早仕掛けと組み合わせる場合は右金は4八の地点に置きます

basic
(第1図 ▲4五歩まで)


第2図は通常の▲4五歩早仕掛けの基本図です。
elmo囲い+▲4五歩早仕掛けとの大きな違いは4八の地点にいるのが金か銀かということです。
4八の地点にいるのが銀から金に変わったことで生じるメリットがあります。


basic2
(第2図 ▲4五歩まで)


第3図は通常の▲4五歩早仕掛けの定跡局面です。
定跡では次に△4七歩となっていて、▲同銀には△1五角という筋があります(第4図)。


sfen (1)
(第3図 ▲2四飛まで) 評価値:+1
※ 評価値は dolphin1/NNUEkai7 を用いて1億ノードの条件で計測しています。


1
(第4図 △1五角まで) 評価値:-2


第5図はelmo囲い+▲4五歩早仕掛けにおいて類似の進行で進めた局面です。
第4図と比べると、4八の地点にいるのが銀ではなく金なので、△4七歩~△1五角という筋が消えています


sfen
(第5図 ▲2四飛まで) 評価値:+173


これはほんの一例ですが、通常の▲4五歩早仕掛けと比べると居飛車側が得な変化もあり、非常に興味深い戦型だと思います。

四間飛車における居飛車穴熊対策として、▲2九玉型の四間飛車を紹介したいと思います。


◇ 初手からの指し手
▲7六歩 △8四歩 ▲7八銀 △3四歩
▲6六歩 △6二銀 ▲6八飛(第1図)


siken29_1
(第1図 ▲6八飛まで)


先手は飛車を振って、戦型は四間飛車に決まりました。


◇ 第1図以下の指し手
△4二玉 ▲4八玉 △3二玉 ▲3八玉
△5四歩(第2図)


siken29_2
(第2図 △5四歩まで)


居飛車側は舟囲いに組んで、振り飛車側も玉を安全地帯まで移動させます。
ここまでの手順はよくある定跡手順で何の変哲もありません。


◇ 第2図以下の指し手
▲6七銀 △5二金 ▲5八金 △5三銀
▲4六歩(第3図)


siken29_3
(第3図 ▲4六歩まで)


第2図では次に▲2八玉とするのが自然ですが、ここでは玉を3八で保留したまま最低限の囲いと攻めの体制を整えます
▲4六歩が本構想における仕方のない悩ましい手で、この手に一手費やしたことで居飛車側から急戦に来られた際に美濃囲いが間に合わないという欠点があります。
例を挙げると、▲4六歩以下△8五歩▲7七角△7四歩▲2八玉△7五歩▲同歩△6四銀と進んだ局面では振り飛車側は美濃囲いに組めておらず、通常の四間飛車の進行と比べればやや不満かもしれません(参考図)。
ただ、振り飛車側は"右舟囲い"に組んでいるので、居飛車側と比べてそれほど玉の堅さで劣らないと解釈すれば、そこまで振り飛車側が損というわけではないと思います。
急戦に来られた際の変化を事前に研究しておけば、それほど恐れる展開でもないと思います。


siken29_a
(参考図 △6四銀まで)


◇ 第3図以下の指し手
△3三角 ▲3六歩 △2二玉 ▲3七桂
△4四歩 ▲5六銀(第4図)


siken29_4
(第4図 ▲5六銀まで)


居飛車側は△3三角として持久戦を目指してきました。
これには▲3六歩~▲3七桂として角道を止めさせます。
やはり居飛車側に角道を通したまま穴熊に組まれては振り飛車側は不満でしょう。
△4四歩に▲5六銀として、あとは▲6五歩と突けば攻めの体制が整います。


◇ 第4図以下の指し手
△1二香 ▲2八銀 △1一玉 ▲2九玉
△2二銀 ▲3九金 △3一金(第5図)


siken29_5
(第5図 △3一金まで)


居飛車側が△1二香と穴熊を明示してきたところで、▲2八銀~▲2九玉~▲3九金と囲いにいきます
四間飛車▲2九玉型は居飛車側に穴熊に組ませて強く戦うのが基本方針になります。
▲2八玉型では△5一角~△7三角と角を転換されることがあり、右の桂馬が使いづらい展開になることがしばしばあります(参考図)。
また、▲3九玉型では右の香車が離れ駒になるため、△1九角成とされる懸念もあります。
しかし、▲2九玉型は角筋から逸れている上、右の香車にも紐を付ける役割をしているので、それらの心配はありません。
従って、▲2九玉型は居飛車穴熊に対して強く戦えるというメリットがあるわけです。


siken29_b
(参考図 △7三角まで)


◇ 第5図以下の指し手
▲6五歩 △4三金 ▲1六歩 △8五歩
▲7七角 △7四歩 ▲1五歩(結果図)


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(結果図 ▲1五歩まで)


振り飛車側の囲いがひとまず完成したところで、▲6五歩や▲1六歩~▲1五歩として攻めの体制を作ります。
振り飛車側としては4筋と6筋を絡めて動いていくことになります。

また、▲1六歩に代えて▲4八金とし、以下△8五歩▲7七角△7四歩▲3八金と進めればミレニアム囲いの完成です(参考図)。
ミレニアム囲いに組めば玉が堅くてより強く戦えそうですが、5七の地点を狙われやすく実際振り飛車をもって指すのはかなりの技量を要します。
従って、左の金は▲4八金や▲4七金として活用していくのが実戦的には安全だと思います。


siken29_c
(参考図 ▲3八金まで)


■ まとめ
四間飛車における居飛車穴熊対策として、本記事では▲2九玉型を紹介しました。
角筋を避けつつ、右の香車に紐を付けることで、右の桂馬が活用しやすくなるのがメリットです。
これにより、振り飛車側は居飛車側に穴熊に組ませても堂々と戦うことができます。
興味がありましたら、是非研究を深めてみては如何でしょうか。

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