フォローアップが遅れましたが、第3回演習ではいわゆるパブリック・フォーラム論をとりあげて、無給付(表現・集会の「場」の無提供)の問題を自由権侵害の文脈でとらえるための論理を確認するとともに、具体の事案が施設管理裁量の問題なのか(その裁量に限界はないのでか)、憲法上の保障を受けるとして非PF・指定PFのいずれに引き付けて考えるべきか(どの立場から立論するのか)等について、設例をもとに検討しました。
 そこでも示唆しましたように、どの立場に立つかによって、設例の事案の中からどの要素を取り出すのかが変わってきます。同時に、取り出したその事実に「評価」を加えることも忘れないでください。立場によって、ある判例に引き付けた論述をしたいのであれば、それに資する形での評価を加えなくてはならず、その逆の場合(ある判例と区別したい場合)もまた然りです。
 講義後の質問の中でご紹介した文献は、内野正幸「集会をどこでするか--集会・表現の自由とその行使場所」松井茂記編『スターバックスでラテを飲みながら憲法を考える』(有斐閣、2016年)所収です。書名からは似つかわしくないほど本格的な論稿が揃っていますので、他の文献にも挑戦してみてください。
 なお、講義でアナウンスしましたように、先週配布した練習問題につき、本日24時までに提出して頂ければ、GW期間中を目途に、解説を添えたうえで添削・返送させていただきます。
 それでは、また第09回演習でお目にかかりましょう。