システム開発のトラブルを見ていると、①契約書等の重要な書類が作成されていない、②ベンダの能力不足、③ユーザの協力義務違反、に原因があることが多いようにです。
 ①について、契約書等の重要な書類が作成されていないと、たとえば、最終の検査段階で、合否の判定でトラブルになります。
 さらに、
ユーザにプログラム等の権利が帰属していない場合、ベンダからプログラムのソースコードの引き渡しを受けている場合でも、著作権法47条の3で規定された「自ら当該著作物を電子計算機において利用するために必要と認められる限度」でしか、複製又は翻訳することができないというトラブルも生じてきます。
 次に、②について、
ベンダは、判例上、「契約書及び提案書において提示した開発手順や開発手法、作業工程等に従って開発作業を進めるとともに、常に進捗状況を管理し、開発作業を阻害する要因の発見に努め、これに適切に対処すべき義務」「注文者であるユーザのシステム開発へのかかわりについても、適切に管理し、システム開発について専門的知識を有しないユーザによって開発作業を阻害する行為がされることのないユーザに働きかける義務」を負うとされています。しかし、このような作業まで、行っていないために起こるトラブルもあります。

 そして、意外に感じられるのが、③ではないでしょうか。
 ユーザも、判例上、「オーダーメイドのシステム開発契約では、ベンダのみではシステムを完成させることはできないのであって、ユーザが開発過程において、内部の意見調整を的確に行って見解を統一した上、どのような機能を要望するのかを明確に受託者に伝え、受託者とともに、要望する機能について検討して、最終的に機能を決定し、さらに、画面や帳票を決定し、成果物の検収をするなどの役割を分担することが必要である」「ユーザも、一つの企業体として事業を営み、その事業のためにシステムを導入する以上、自己の業務の内容等ベンダがシステムを構築するについて必要とする事項について、正確な情報をベンダに提供すべき信義則上の義務を負うものと解される」と協力義務を負います。ユーザは、ベンダと契約したら、それで作業を終えてと思い、責任をベンダに押し付けてしまうために起こるトラブルも多いように感じます。

 システム開発トラブルは、開発費が1000万円を超えることは多いので、回収できるか否かは大きな問題なので、中小企業の開発乗車は上記の視点から予防をし、
、既に生じたトラブルについても、上記の視点から有利な立場にあるかを検討し、ユーザと交渉し、解決していくことになっていきます。


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