僕の悪魔-ディアブロ-僕の悪魔-ディアブロ-(クロスノベルス)
成瀬かの / 穂波ゆきね
笠倉出版社 2009-10-09
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楽天→僕の悪魔
初めての新書だとあとがきに書いてありましたが、デビュー作ってことなのかな?
だからか、少々あれ? と引っかかる部分はありますが、受けが健気! 私の萌えツボをグイグイと押してくる。
健気なのは生い立ちのせいもあるんですけど、全てを諦めるというか、諍いにならない方を選んじゃうというか。自分を犠牲にすることを、厭わないんですねぇ。そこがもうダメです。

目覚めたらそこは、見知らぬ異国の地だった。憶えているのは、義父と飛行機に乗ったことだけ。
異国の言葉で話しかけてくる美しい男・クラウディオに、白瀬里玖(しらせりく)は心を奪われる。
温かで強引な彼の家族にもてなされ、愛情に飢えていた里玖は束の間の幸せに浸る。次第にクラウディオに惹かれていた里玖はある日、彼を想いながらした自慰で達してしまう。彼を穢したことに落ち込む里玖。だが、クラウディオがマフィアのドンで、自分は取引の為の生け贄だと知り!?

何度目かわからない父親(といっても、正式じゃなく、名ばかりだと思われますが)に連れられ、飛行機に乗せられた里玖が、次に目が覚めたときは異国の空の下。すでに父の姿もなく、大きな屋敷にいたんです。
そこは、クラウディオという男の屋敷で、クラウディオを始め、アンドレア、マウロ、キアラやマンマなど大勢の人が住んでいて、食事も温かい雰囲気の中で食べるのが、里玖にとっては初めてのことでした。
里玖の母は、夜の仕事をしており、父は取っ替え引っ替え。中には暴力的な父もおり、逆らうなどとんでもないことで、食後に振るわれた暴力が元で、その後お腹いっぱい食べることが出来なくなり、17歳の今も体格は悪く、とても幼く見えるのです。
だから、クラウディオたちは里玖がまさか17歳になっているとは思っていなくて、可愛い可愛いと子ども扱いをしてくるし、里玖もそれが心地よくて、その子ども扱いに甘んじていました。

でも、なぜ里玖がクラウディオの屋敷にいるかというと、元々里玖の義父がマフィアの老ボス・サルヴァトーレへの貢ぎ物にしようと連れだしたのですが、別のマフィアのボス・クラウディオたちが横取りをしたんです。
だから、クラウディオたちは自分たちに有利な交渉が出来るように、サルヴァトーレへの新たな貢ぎ物にしようと、最初は考えていたんです。

そんなことを一切知らされていなかった里玖。義父がなぜ飛行機に乗せた理由すら、知らなかったし、母からも「おとうさんの言うことを聞いて」と、薄々事情をわかっていながら、そういわれれば、母からも捨てられたんだと悟る里玖。
里玖自身は、幼い頃から受けてきた義父たちの暴力に、いつか母が気がついて庇ってくれると信じていたんです。
ですが、母は自分の息子より男を選んでいたんですねぇ。
そんな生い立ちが可哀相で。
その生い立ちのせいで、諦めることを知っているし、滅多に自分を主張することもないし、多くは望まないし、もちろん大きく育つことも出来ず、見た目がえらく幼くて。
まさに薄幸の主人公なわけですね。
おまけに、海外へ連れてこられても、ジイさんへの貢ぎ物にされようとしているし、少しだけクラウディオの屋敷で幸せな雰囲気を味わったのに、やっぱり取引の貢ぎ物に差し出されようとしているし。

格好いいクラウディオのことを好きになり、マンマたちに優しく扱われ、少しずつではあるけれど元気になっていくんですよ、里玖は。
ですが、クラウディオと言葉が通じないので、直接コミュニケーションが取れません。お互いのたどたどしい英語が唯一出来る手段で、親友が通訳をしてくれないと、突っ込んだ会話は全く出来ないのがもどかしかったですねぇ。
だから、里玖だけが好きになっていってるんじゃなくて、クラウディオも健気な里玖をだんだんと好きになっていくんですが、言葉が通じないから里玖はちゃんとわかってないんです。
おまけに、それまでクラウディオの女性関係は派手だったから、自分はいい玩具くらいに思っていたし、自分を取引材料にしようとしていると知っても、クラウディオを責めることなく、クラウディオの役に立つならと言うことを聞こうと決心するのが何とも不憫で。

いやいや、クラウディオ自身は、里玖を抱いた時点で、そんなことはしないと決めていたようですが、里玖には全く通じてませんよね。
クラウディオの隣に立つにふさわしい、えらく色っぽい女性まで登場するし、リビングでウエディングドレスのカタログをマンマが見てるし。
里玖が勘違いするのも無理はない。

ということで、言葉が通じないという設定が、上手く使われてるなぁと思いました。

そして、白いタキシードを着せられ教会へ連れて行かれ、そこに現れたのはあの色っぽい女性。
「ああ、クラウディオとの結婚式だ」と里玖は思いこんで、教会の外へ出るんですが、そこへ現れたあの老いぼれボス。
里玖が捕まり、銃撃戦が始まり血が流れるんですよ〜。
さすが、マフィアのボスの設定だわ。

まぁ、クラウディオたちの活躍で、里玖は助かり、いろんなことの説明がようやく里玖になされます。
そして、クラウディオのプロポーズ。
これでやっと里玖は人並みの幸せを手に入れるのかなぁ? でも、だんな様はマフィアのボスですけどね。苦笑

最初、里玖が連れてこられたときは興味すらなかったようだし、マフィアのボスという立場もあって、いつ相手に引き渡すかわからないから緊張感が漂ってましたねぇ。老いぼれボスとの対面シーンとかもあったし。
ですが、今では里玖にメロメロな感じで、年の差があるし、今まで不幸だった分まで、うんと甘やかしてあげて欲しいなぁ。

コミコミさんで買うとおまけの小冊子が付いているし、あとよくよく見ると、この番外編の同人誌『私の天使』というのが出てました。う……気になる。
健気な受けが、攻めに甘やかされているのを読むのが大好きです。

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