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未必の恋―KEEP OUT未必の恋―KEEP OUT― (ルナノベルズ)
妃川 螢 / 水貴 はすの
ムービック 2010-03
by G-Tools

楽天→未必の恋ーkeep outー
題名とか表紙から、二時間サスペンスものを想像してましたが、想像通り、ラブよりも事件に重きが置かれていました。
甘さはちょっと不足気味かもしれませんが、事件が起こってそれを解決するとなれば、これくらいの塩梅でいいかなぁ？　って感じかな。
プロローグで、ちゃんと恋に落ちているから、「いつ好きになったのよ〜？」と野暮なことを言わなくてもいいしねぇ。

捜査一課の刑事である緒ヶ瀬旻仁（おがせあきひと）は、何故か科捜研に所属するインテリ男、御室誠祠（みむろせいじ）と共に捜査をすることに。風変わりな御室の態度に苛立つ緒ヶ瀬だったが、事件は連続殺人に発展したうえ、御室から突然「キスしたい」と言われてしまい──。

独身女性が続けて殺される事件が起こり、よく似た現場から連続殺人ではないかと考える警部補・緒ヶ瀬。
緒ヶ瀬は、科捜研から一課へ配属された特別捜査官・御室とコンビを組むよう言われ、二人で捜査へ向かいます。
が、その先々でことごとく邪魔をしてくれる御室に、振り回される緒ヶ瀬。

二人で捜査を続けるうち、13年前の連続殺人との関連性が浮かび上がってきます。それも、緒ヶ瀬の殉職した刑事だった父が残していた捜査ノートに、そのヒントが隠されていたんです。
しかも、鑑識の神様と呼ばれていた御室の父も、緒ヶ瀬の父同様、コツコツと個人的に調べていたものが残されていたのです。
二人の父が残したものを付き合わせて、浮かんできた人物と、13年前と現在の連続殺人事件の犯人との関わりは……？

3か所（だったと思います）ほど、明らかになっていない犯人のモノローグが入っていて、それがすごく意味深で、でもちゃんと事件の真相を語っていて。
そのモノローグが、何とも切ないんですよねぇ。自分ではどうすることも出来ないから、早く見つけてくれと。
で、最後のモノローグは“ありがとう”とか言っちゃって。
犯人も、報われない恋をしてたんですよねぇ……。

さて、元々御室は、大学で法医学の研究をしていました。
どうも鑑識で働いていた父とは、相容れない何かがあったようで、その父のあとを継ぐつもりはなかったみたいです。
でも、病院で被害者が亡くなったとき、ひとりでその悲しみにくれていた緒ヶ瀬を偶然見たときに、恋に落ちました。
そして、父の残したノートを紐解き、科捜研への転職を決めたんです。

緒ヶ瀬と一緒に捜査をすることになり、殺人犯の愛憎が男女間だけじゃないと言い出したのも御室でした。
ノーマルな緒ヶ瀬だけだったら、きっと気がついていなかったんじゃないかって感じです。御室がいたからこそ、犯人の心情に気がつき、追いつめることが出来たって感じで。
しかも、犯人の気持ちがわかったからこそ、最後承知で拉致られたりね。

ちらちらと御室の気持ちを浮き上がらせ、緒ヶ瀬にも気持ちを伝えていくんですけど、やっぱり「はい、そうですか」と受け取れるものではないですよね。
だから、まずはキスから始めて。
それが気持ち悪くなければ、次のステップに……って感じで、だんだんとラブ方面もマックスへ持って行く段階も、上手く上がって行ってます。
そして、御室が拉致られて（BLでお馴染み）、取り戻すために必死になっちゃって。

とはいっても、まだまだラブラブの恋人！　と威張って言える程の二人ではないような。
……ということは、まだ続きが出る可能性があるってことなのかなぁ？
攻めも受けも、仕事の出来る男で、これからも組んで仕事をするだろうから、二人がどんな活躍をするのかを見たいんですよ。
しかも、大学で研究ばかりしてきたと思っていた御室が、なかなか色恋に詳しい。逆に緒ヶ瀬の方がウブって言うか、体育会系なので色っぽいセリフより、手や足が出ちゃうんです。
そんな二人のギャップに、これまた萌える。

ですがですが！
このギャップ以上に萌えたのが、二人の父親ですよ。
刑事の緒ヶ瀬父と、鑑識の神様と呼ばれた御室父。
御室によると、御室父は緒ヶ瀬父のことが好きだったらしい。だから、緒ヶ瀬父が犯人を挙げられなかった事件を、鑑識の立場からコツコツと調べていたり。
その父たちでも解決出来なかった事件を、息子たちで解決するって、これまた萌える〜〜〜！

若さでキュンと来る恋愛もいいですが、こういうアダルトカップルが、やっぱり好きだなぁ。

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