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落花流水 (SHYノベルス)落花流水 (SHYノベルス)
凪良ゆう / 石原 理
大洋図書 2010-04-27
by G-Tools

楽天→落花流水
健気。一途なんだなぁ、攻めがっ!
ヤクザにはなりきれない、中途半端なチンピラ。
それが、好きだった人と再会して、その人のために必死になって動くんだけど、裏目裏目となりどんどんと落ちていく……なのに……なお話。
年下一途攻めはすご〜くよかったんだけど、どうにも受けがね。
何で気がつかない? 好きだったんだし、今も好きなんだろ?? って思うんだけど、肝心なことがわかってなくて。
あ〜も〜!

自堕落な生活を送る井上一也(いのうえかずや)は、ある日想いを寄せていた、成田夏生(なりたなつき)に再会する。夏生は五年前、軽蔑と嫌悪の眼差しをむけ、一也の前から突然、姿を消した男だった。
夏生は借金を作った婚約者の妹が、風俗店で働かされそうになるのを身を挺して助けにきたのだ。そんな夏生に、どうすることも出来ない苛立ちを感じた一也は、借金のカタをつける代わりに、夏生に身体を要求する。期限つきの関係でいい。心まで望まない。夏生が欲しい──と。

ピンクサロンで働く一也の前に現れた夏生。
5年前、教育実習生として一也と知り合い、実習が終わったあとも個人的に友人として付き合ったいました。
でも、一也はいつの間にか夏生を好きになり、ついキスをしてしまうのですが、夏生はそれ以来消息を絶ち、一也の前から消えたのでした。
そして、ホストに入れ込んだ女子大生が、借金のカタに一也の働くピンサロへ連れてこられたのですが、その女子大生の姉が、なんと夏生の婚約者で、その女子大生を助けにやってきた……という、あまり嬉しくない再会でした。

一也は母子家庭で育ち、高校もやりたかったバスケをやめてまで、母を助ける意味でバイトをして、卒業したら就職をして……と、その辺にいる高校生と比べたって、すごくいい子だと思うんです。
なのに、その母はあっさりとチンピラを家に引き込み、再婚すると言いだし、父の仏壇までも処分され、父も自分も家での居場所をなくしてしまいます。
そんな不安定なときに夏生と仲良くなり、好きになり、キスをしたら消えられて。そりゃ傷つくというもんです。
家にも帰らず、高校も結局は中退し、いろんな仕事を転々としながら、どんどんと落ちていき、行き着いた先はヤクザからもスカウトが来るほどのチンピラ。
でも、ヤクザになる気は毛頭ない。ヤクザも並大抵ではない大変さや不条理さを持っていることを、しっかりと理解しているんですね。裏社会というものをちゃんとわかっているんです。
こんな時に、好きだった、いや今でも好きな夏生と再会なんて。

夏生は公務員として堅実に仕事をしているんだから、ヤクザに目を付けられたら終わりだと、一也はよくわかっているために、その女子大生のシャレにならない金額(400万円)を肩代わりすることにします。
もちろん夏生には上手く言いくるめてますが。
その条件として、結婚を控えているから、それまでという期間限定で夏生の身体を要求します。夏生もそれに応じるんですね。
そう、夏生も一也のことが好きで、キスされたあと姿をくらましたのは、のめり込まないようにするため……って、一也の気持ちなんかお構いなしって、大学生だったといっても一也より年上なのになぁ。
考えなしもいい加減にしなよと言いたくなりました。

その借金を返すためには、今まで以上に働かないと返せません。
となると、多少やばいことを引き受けなければならなくなるわけですが、大好きな夏生のためならがんばれる一也。
声を掛けてきたのは、一也を気に入っているヤクザ・仁志田と敵対している組のヤクザの九条です。
仁志田のシマで賭博を開きたいので、その賭博場で働きながら、仁志田の情報をもってこいというのです。

昼間はピンサロ、夜は賭博場。その合間に夏生との逢瀬。
きっとくたびれていたはずなのに、何も、本当に何も気がつかない夏生には呆れました。どこまで鈍感なんだと。
借金だって夏生がした訳じゃなく、本当なら嫌ってもいいはずの夏生の婚約者の妹ですよ。しかも、その婚約は、お互いわかった上での偽装結婚なんですから。
開いた口がふさがらない。

いくら一也が「話はついた」と言ったって。400万ものお金なんて簡単には返せません。夏生だってそれをわかっていたんだろうし、婚約者の妹だからって言うんなら、自分が別の真っ当なところで借りてそれで返したっていいわけですよ。
もちろん、借金をした女子大生が一番悪いんだから、カラダで返せって言われてもしたがないと思うんだけど。

いくら好きな人のためとはいえ、なんでここまで一也だけが大変な目に遭うのかが納得いかなくてねぇ。
しかも、一也一人だけが落ちていくんだもん。
仁志田に賭博場のことがばれて、痛い目に遭わされた上でお金を要求されて。
九条のところへ行ったら、自分で何とかしろって言われて。
まぁ、結局危ない仕事を引き受けることで、お金は用意してもらえることになりましたが。
でもやっぱり、なんで一也だけ……という気持ちは募りました。

結局、一也の頑張りは実を結ばず、夏生にも借金のことや一也の命さえも危ういというとんでもない現状がバレたので、夏生をやっと手放そうと決心するものの、もう手遅れ状態で、自ら巻き込まれていく夏生。
しかも、一也は新聞沙汰になる事件まで引き起こしちゃったことで、実名が出た夏生は役所を辞めなくちゃならなくなるし、当然婚約解消だし、一也は入院するし。
ええ〜〜〜という展開が待ってました。

ホント、この先一也はどうなるんだ? コンクリと共に海に沈んじゃうの? 夏生、早く気がついてやれよ〜、でも、気がついたところでどうにもならんか……と、ハラハラドキドキどころの騒ぎじゃなくなり、読み始めたのはすでに日付変更線を越えていたからちょっとだけのつもりが、先が気になって気になって最後まで一気読みでした。

一也の中には、夏生が好き、それしかないんです。
夏生のためなら何だって出来る、死んだって構わない、それくらいの気持ちを持ってて、もうすぐ結婚するんならそれも仕方がないけど、夏生の記憶に自分を留めておいて欲しくて、期間限定で夏生を要求して。
どんだけ健気で一途なの。
この気持ちがぶれないからこそ、どんどんと状況が悪化していっちゃうんだよねぇ。でも、そのことで夏生を恨むこともせず。

だから余計に、何も知らない夏生が憎たらしくなるんですよ。
まぁ、このお話は、夏生がどうこうよりも、一也の健気さ一途さに萌えないとダメなお話なんだろうなぁ。
私、申し訳ないけど夏生には1ミリも萌えなかった。鈍感すぎてイヤだった。

さて、いかにも……な態で登場した九条。
ところどころで一也を助け、最終的にもこっそり一也たちを助け(どこまで甘いんだと思ったわけですが)ましたが、その助けた分を一也たちはちょっとは返してました、SSで。
このSS、たぶん出るであろう九条編の導入部みたいにもなってて、いやぁ、この男、いったいどんな恋愛をして、どんな風に殺したいとまで思ったのか、気になって仕方がありません。こんな存在感ありありの九条を振り回す男って、いったい……。
でも、この九条の存在が、ドロドロッとした雰囲気の中に、ちょっとした甘さとか安心感とかを感じることが出来ました。
それに、九条がいなければ、一也と夏生は揃って海の藻屑だったのではないかと思うので。

今回も、凪良さんの引き出しの多彩さに驚きでした。
コメディだけじゃなくシリアスも。しかも、ヤクザとかチンピラとかは、初めてのようですし。

チンピラと言えば、木原さんのお話にもありましたよね。
ヤクザものだと、組長とか若頭とか、チンピラとは別次元でのハラハラドキドキ感を楽しめるんでしょうけど、今回のお話とか木原さんのお話とか、チンピラがメインだと上から潰されるという、痛かったり、死に直結していたりと、本当にドキドキハラハラしてしまいます。
逃げるのも死にものぐるいなんだもん。見つかったら即、死……みたいな。
心臓に悪いなぁ。苦笑

あ〜久しぶりに平川さんとは関係ない記事を書いたような気が……。。

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 ・6日23時台に2つコメントをいただいた方、いえいえ、行けたらいいのに……という願望を記事にしただけですので。下野さんと平川さんとの2ショット。実物が見たいです。が、福岡はちょっと遠いかなぁ。時間はあるけど、先立つものが。ということで、アニコンでもレポートを楽しみにしたいと思います。本当にダーリンが迎えてくれたらそれだけで1日の疲れは吹っ飛ぶと思います。はぁ……。コメント、ありがとうございました。あ、『ダーリン情報』の記事下にはコメントをありがとうございました。

 ・6日22時台、23時台、7日0時台、1時台、2時台、3時台、4時台、5時台、9時台、10時台、12時台、13時台、14時台、15時台、17時台、18時台、20時台、21時台、22時台に拍手をくださったみなさん、ありがとうございました。

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