逃した魚 (二見書房 シャレード文庫)逃した魚 (二見書房 シャレード文庫)
中原一也 / 高階 佑
二見書房 2011-03-23
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中原さん、2月に出た新刊『居候には逆らえない』を積んだまま、こっちを先に読んでしまいました。
だって絵師さんが高階さんなんだもん。
オビには「ウサギみたいで愛らしい」というセリフが載ってますが、正直、受けのオッサンは41歳の地味っ子です。(41歳のオッサンをつかまえて『っ子』はないか…)
高階さんのイラストにおいても、さすがにくたびれております。笑
表紙はまだ年相応かなと思うんですが、本文のイラストは「ここまで枯れてるのか?」と思っちゃうほどの地味っぷり。
そんなオッサンが、「ウサギのように…」と何度も囁かれておるのです。
まぁ、攻めの漆黒の王子様が気に入ったんならそれでいいんですけどね。

あ〜〜〜大事なことを書き忘れていた。
攻めがとある事情で別の男と関係を持ちます。直接的な描写はないものの、苦手な方はスルーで。

男の恋人ができてしまった――趣味の釣りと、美味しいお茶と和菓子があれば幸せ。
そんな冴えない中年司法書士・市ヶ谷久義(いちがやひさよし)のもとへやってきた新しい助手は、元弁護士の肩書きを持つ超ハイスペックな男・織田隆(おだたかし)だった。有能すぎる部下を持て余し気味だった市ヶ谷だが、真っ向から好意を示されついに禁断の一線を越えてしまう。見た目はもちろん、仕事の面でも優秀すぎる織田に釣り合うとは思えない…そう思いながらも、年下の男に甘やかされ久々の恋に溺れる市ヶ谷だったが……。

元弁護士の肩書を持つ織田が、同業者である祖父の紹介で、司法書士である市ヶ谷の補助者として働くことになりました。
織田は見た目もよく、スリーピースの似合う男で、おまけに仕事もできる。41歳の冴えない司法書士の補助者では、もったいないくらいのハイスペックな男…なんです。
が、弁護士を辞めて補助者として働くって、そりゃ何かそれなりの理由があるはずだよね…と思ったら、案の定…でした。

さて市ヶ谷ですが、そりゃ〜も〜冴えないって言葉がこれほど似合う男はいないってくらいの男。
事務所のあるところは、司法書士の事務所が立ち並んでいるところで、爺様司法書士がたくさんいます。そんな爺様司法書士にも負けず劣らずなやる気のなさ。
仕事の合間をいてはこっそり釣りに出かけたり、明日出来る仕事は絶対今日はしなかったり。
仕事が出来ないってわけじゃないけど、覇気が足りないというか。
まさに草食系?

そんな市ヶ谷に対して織田は、しっかり尻を叩いて仕事をさせて、でも、爺様たちのことは毒舌を吐きながらもそつなく相手ができる。
補助者としてはこれ以上望むところはないんでしょうけど、隙がなさ過ぎて近寄りがたいというか。

ですが、時間を忘れて釣りに没頭していて、叱られる覚悟で事務所に戻った市ヶ谷は、そこで今まで見たことのない織田の姿を見てしまうんです。
「鈴木さ〜ん、出てきて〜」
と床を這いまわってたんです。
織田は自分の持ち物に名前をつけ、大事にしていたんですよ。
初めて人間らしい姿を見たわけです。
そして、今までなかなか見せてくれなかった笑顔も。

このあたりから、恋愛ムードが高まって行くんです〜。
ウブな市ヶ谷を、言葉攻めっぽくいじめたり、いじめられてうろたえる市ヶ谷が可愛いわけで。あ〜これが「ウサギのようだ」ってことなのねと。

ある日、マンションの売買で偶然出会った花沢(実は歌舞伎役者・蝶十郎)に誘われ、何回か食事に出かける市ヶ谷ですが、それを知った織田の様子が変わります。
その前に二人だけで釣りへ行きバーベキューをして、「好きです」と囁かれキスをされ、カラダの関係も持ち、恋人同士になったと思っていたのに。
優しかった織田が、冷たい態度を見せたり、花沢に対して突き放すような言葉を発したり。

こうまであからさまなところを見せられると、織田と花沢の関係も気が付きますよね。
41歳の市ヶ谷よりもまだ年上の蝶十郎と付き合ってたんです、織田は。しかも、かなりのめりこんでいたみたいで。年上の色香に迷ってしまったみたいな。
ですが、いろんなトラブルを起こしてはそのもみ消しを織田に頼み、それを手段を選ばずやっちゃってたんです。が、結局破局。
それもあって弁護士を辞め、補助者として働き出したらしい。

織田の態度が変わり、一緒に食事さえも出来なくなってしまっただけでなく、織田から花沢の香りが漂ってきて、身を引くことを決意した市ヶ谷。

この悲壮な決意をするあたりで、ポロリとやられました〜〜〜。
ホント「やられた!」って感じで、ちょっと悔しかったです。笑

うん、ここまでは私の気持ちも大盛り上がり。
なんだけど、ここから先がちょい駆け足気味でもったいなかったぁ〜。
織田が市ヶ谷を守るために花沢のところに戻ったってことを告白するんだけど、これは地雷の人が多いんだろうなぁ。私も多少「うへぇ〜」となったし。
まぁ、ぼかして話をするわけにもいかない(理由を読者に説明するためにも)から仕方がないんですけどね。
だったらもう少し織田の市ヶ谷を愛する気持ちを、もっともっと何かで補うようなシーンがあればなぁ。ただ抱いて終わりじゃ、どこにでもある話かと。
織田だって、花沢ともう少し奇麗に別れておけよって話で。
多少花沢が八つ当たり気味だったこともありますが。

なんにせよ、一旦市ヶ谷の事務所を辞めた織田ですが、恋人関係の復活に伴って補助者として再び働きだし、めでたしめでたし。
これから先も、市ヶ谷の事務所は爺様たちであふれ、美味しいお茶やお菓子、軽快な会話と笑い声、そして織田の毒舌が絶えることはないんでしょうね。

あとちょっと残念だったのが、高階さんのイラスト(本文のモノクロ)の市ヶ谷が、あまりに枯れすぎていたこと。いくら41歳とはいえ、あそこまではないかなと。イマドキの41歳は、もう少し若々しいと思うのですが、いかがでしょうか?
あ〜枯れた地味キャラだから、あれでもOKなのか…。
絵で表現するにはなかなか難しい年代なんだろうなぁ。
若過ぎても年を取り過ぎてても文句が出るという…。苦笑

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