UNDER THE HEAVEN〈上〉
 (ビーボーイノベルズ)

かわい 有美子 立石 涼
4862639097
UNDER THE HEAVEN(下)
(ビーボーイノベルズ)

かわい有美子 立石 涼
4862639240
1997年に出版されていた『MIKADO〜帝〜』の新装版です。
いまから14年も前のお話ですので、結構重い展開ですね。
あとがきや噂(ネット上という範囲で)を聞くと、ラストなんか今だったら商業誌では出せなかったんじゃないかってくらいのバッドエンドだったようで。
でも、今回はそのラストもハッピーエンドに変わっているので、安心して読めるかな?
それと、重い展開とはいえ、不幸な受けは好きな設定なので、サクサクと読むことができました。

両親を失い、施設で育てられた高城史貴(たかぎふみたか)は妹・麻里絵と、同じく施設育ちのアレックスと一緒にマフィアの帝王・ハーベイに引き取られる。ハーベイの実子・イェインと共に成長していく中、史貴は寡黙だが頼れる兄的存在のアレックスにほのかな想いを抱くようになっていた。しかし、イェインの歪んだ欲望のはけ口が史貴へと向けられ、その秘密をアレックスに知られてしまい…。
かわい有美子の衝撃作「MIKADO―帝―」が大幅改稿してついに登場。

施設からずっと一緒に育ったアレックスへの恋心を自覚した史責。しかしルームメイトだった友人の裏切りで、敵対するマフィアの手に堕ち、心と身体に二度と消えない「傷」が刻み込まれてしまう。完全に自分を喪失した史貴は捨てられるようにして帰宅を果たす。「愛してる」アレックスの声が凍てついた史貴の心を震わせた―。
衝撃作「MIKADO―帝―」が、大幅改稿して、新たなラストでついに完結。

史貴と麻里絵の兄妹は、幼い頃に両親を事故で亡くし、施設で育ちました。
その施設にはアレックスという年上の少年も一緒に暮らしていました。
このアレックスも、両親を一度に亡くし、その亡くなり方は尋常ではなく、父の仕事の関係でマフィアに抹殺されたんです。
施設で孤高な存在だったアレックスですが、史貴も麻里絵も懐き、本当の兄妹のように過ごしていたところに、ニューヨークでは有名な存在であるマフィアのボス・ハーベイが、実子のイェインの将来の右手になる少年を探しにやってきて、アレックスに目をつけます。
イェインもアレックスを気に入ったんですが、同時に麻里絵も気に入り、ハーベイは二人を引き取ることにするんですが、迎えに来た時、輪離れたくないと史貴の手を離さなかったため、史貴も一緒に引き取られ、4人兄妹として育ちます。

でもね、この引き取られ方が、いつまででも史貴の心に影を落とすことになるんですよねぇ。
「自分はいつもおまけ」って考えるようになって。
しかも、施設にいるころからたよりになるアレックスに、大きくなるにつれてほのかな恋心を感じるようになった時、麻里絵もアレックスのことが好きなことを知り、自分は男同士だし、麻里絵のおまけで引き取られたんだから我慢しなきゃ…ってことを考えるわけです。

史貴にとって可愛くて仕方がない麻里絵ですが、まだ12歳の時に複数の男にレイプされ、男性恐怖症(よりももっとひどい症状です。大事な兄である史貴だってなかなかそばに寄れなかったくらい)に陥り、そんな麻里絵からアレックスを取り上げることは…出来ないですよねぇ。

まぁ、肝心のアレックスは史貴のことが好きだったし、イェインはそばに寄れないながらも麻里絵のことがずっとずっと大好きだったし。
好きすぎて、そばに寄れない麻里絵の身代わりとして、史貴を無理やり抱いちゃうという暴挙に出てしまうんですが…。
でもね、それすらも史貴は麻里絵のおまけなんだから…と受け入れちゃうんですよねぇ。
麻里絵だけはこのことを知らなくて、アレックスは気がついて、3人の秘密みたいになって。
ホント、恋ってままならないもんですよ。

アレックスとなんとな〜く気持ちが通い合ってるじゃないの?って雰囲気なんだけど、そう簡単にはいかないんです。
史貴に思いっきり不幸が襲います。
大学進学を機にハーベイの屋敷を離れ、ルームメイトのクォと部屋をシェアしながら楽しく大学へ通っていた史貴でしたが、ルームメイトのクォこそ、ハーベイの敵対組織のボス・ヴィンセントと組んでいる中国系マフィアのボスの親戚で、そのボスの命令により史貴を罠にかけていたんです!
そしてタイミングを計り、別のマフィアのボス・ヴィンセントに引き渡され、薬漬けにして刺青を入れちゃって。
ヴィンセントの別名である『毒蜘蛛(タランチェラ)』にちなみ、背中一面に蜘蛛の図柄の刺青。そりゃ〜醜悪で…。涙
この拉致も、麻里絵の身代わりなんですよねぇ…。
ホント、気の毒で気の毒で。

これでもかって史貴を襲う不幸。
ですが、アレックスだって史貴のことが好きなんだから、そのまま引っ込むはずもなく、その刺青ごと史貴を受け入れるって告白して。
うわぁ〜〜〜、男前!
ホントに愛されてるよねぇ。

でもね、アレックスにだって苦悩はあるんですよ。
育ててくれたハーベイが、実は両親の敵だったんです。
しかも、割と早いうちにアレックスをガードとして育てた上司から、その秘密を打ち明けられていて。
何でこんなに早いうちから種明かしが?って不思議でしたが、その秘密を史貴に打ち明けることで、二人の絆が深くなったのかなぁ?
あ〜それよりも、アレックスの苦悩を共有することで、史貴も精神的に強くなっていったのかなぁ?
実際、不幸を乗り越えることで、史貴は非常に強くなっていってます。

養父であるハーベイが亡くなり、後を継いだイェインを執拗に潰そうとするヴィンセント。
そんなヴィンセントに立ち向かうために、一致団結する史貴・アレックス・イェイン。けれど、内部に裏切り者がいるらしく、大けがを負うイェイン。
死んでは元も子もないため、当面は姿を消すことにし、いつか再会を誓いバラバラになるんですよねぇ。
切ない選択でしたが、生きていくために選んだ道。
血は繋がらない(史貴と麻里絵は別ですが)けれど、本当の家族のようになってましたね、最後は。
書き下ろしのSSでは、イェインの想いが麻里絵に通じたようで、ちゃんと結婚式を挙げていたし。

とはいうものの、ラストにかけて、あれ?ヴィンセントは?っていうあたりはちょっとばかり消化不良気味。
まぁ、ページ数だのいろんなことで、仕方がなかったのかなぁ?
旧版とはラストがかなり違うらしいので、いろいろと事情があったんだということで。

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 ・24日0時台にコメントをくださった方、そうです〜!マンガ家シリーズキャスト総出演ですよ!これ、CDになったらどんなに嬉しいか。無理だとわかるから、望んじゃうんですが。イチャラブしてるのは、やっぱり読んで安心できていいですよね。喜んでいただけたようでよかったです。コメント、ありがとうございました。

 ・21日23時台、22日6時台、12時台、16時台、22時台、23日11時台、13時台、14時台、18時台、21時台、22時台、23時台、24日3時台、4時台、6時台、11時台、17時台、21時台、25日0時台、19時台、22時台に拍手をくださったみなさん、ありがとうございました。

 ・21日22日『榎田さんの全サ小冊子到着!』の記事下に拍手をくださったみなさん、ありがとうございました。

メルフォレス
 ・23日にメルフォをくださった方、何と、知ってたんですね、これが。和彦さんだったか、勝さんだったか、イトケンさんだったか、どなたかのブログに予定が書いてあったのを読んでいたんです。しかもしかも、TVCMまで流れてたんですよ。すごいですね。まだ行けるかどうかわかりませんが、行ってみたいです。情報、ありがとうございました。