220912 ロシア大敗 〜序章

伝えられている外電のとおりで、ウクライナに侵攻中のロシア軍部隊のウクライナ各地での撤退の動きがみられる中で、11日、特にロシアが要衝として最重要視していた東部ハリコフ州のイジュームからは完全に撤退を余儀なくされたことが、英仏欧州やアメリカの複数のメディアで報じられている。

日本経済新聞 2022年9月10日 21:02 (2022年9月11日 1:19更新)
【パリ=白石透冴】複数の米欧メディアは10日、ウクライナ軍が東部ハリコフ州の要衝イジュームを奪還したと報じた。6日に始まった同軍の東部での反転攻勢を象徴する節目となった。タス通信によると、ロシア国防省はイジュームの部隊を隣のドネツク州に移動させるなどと表明し、事実上の撤退宣言をした。

イジューム市長が米ニューヨーク・タイムズの取材に「今日解放された」と答えた。SNS(交流サイト)ではウクライナ軍がイジュームの入り口で国旗を掲げる動画などが出回っている。

ウクライナ保安局によると、イジュームの北にある鉄道拠点クピャンスクにも特殊部隊が進軍した。ロシア軍が前線に物資を運ぶ補給路の重要地点で「クピャンスクを奪還されればロシアに大打撃となる」(英国防省)。

ロシア軍が制圧した隣のルガンスク州のガイダイ知事は10日、SNSで同州にもウクライナ軍が到着したと表明した。同軍は南部で奪還作戦を進めていたが、6日に電撃的に東部へ進軍した。


英国防省は10日「ロシア軍は不意をつかれた可能性がある」との見方を示した。ウクライナ軍はロシアの占領地側に約50キロメートル前進したとみられるという。米シンクタンクの戦争研究所は9日、ウクライナ軍が約2500平方キロメートルをロシアから奪還したと分析した。

ロイター通信によると、ハリコフ州駐在のロシア当局者は9日「ロシア軍の防衛線が突破された」として、ウクライナ軍が「実質的な勝利」を収めたと述べた。

米CNNによると、ウクライナ軍は9日「甚大な損害でロシア軍の士気は下がっており、脱走兵が増えている」と発表した。SNSでは親ロシアのアカウントがロシア軍の失敗を相次いで批判している。

ウクライナ政府は南部奪還作戦に何度も言及して住民に避難を呼びかけていたが、東部については沈黙を保っていた。ロシア軍も南部が主戦場になるとみて兵数を増やし、反撃の構えを整えようとしていた。南部は「おとり」だった可能性がある。

南部ヘルソン州でも攻防が激化している。ウクライナ軍は10日、ロシア南部チェチェンから来たロシア兵1300人が現地に援軍として入ったとの情報を公表した。
IMG_20220916_071056


これがどういう意味を持つのか、わかりやすくひとことでいうと、北斗の拳のケンシロウではないが『ロシアよ、おまえはもう死んでいる』ということになる。

最初の一ヶ月でウクライナの首都キーウを制圧できなかった時点で、ロシアはすでに負けたも同然であった。それを認めたくないものだから約半年もの間あがき続けた結果がこの無様な撤退の連続となって現れているのだろう。

誰がこのような顛末を予想できていたのか。

欧米のメディアの多くは世界的な研究所の分析をもとにはじめからロシアの敗けは予想していた。あなたがそれを知らないのは、日本のマスコミの怠惰というか、まあ読者視聴者聴取者に対する背信のせいである。

TVには、ゼレンスキー大統領は無能だと断言し、ウクライナはすぐに降伏すべだというような主張を繰り広げていた元都知事元府知事がでかい面して出ていたし、TV朝日の朝の情報番組でも社員コメンテーターも同じ論旨でゼレンスキー大統領を批判していた記憶を持っている方も多かろう。

こいつら揃ってバカばかり、よく言っても頭のなかが古くなって情報更新されないままの、はっきりいって年寄りばかりではないのか。

役に立たないどころではない。社会的な害毒であり迷惑人物であることはもう覆らない。

こういうのを起用しつづけるテレビ局というものが問題なのだろうし、だからわたしはテレビ局に対してこういう視聴者の迷惑千万になるような人間を『(テレビに)出すな』『自由にものを言わせるな』という要求を繰り返すのみだ。

わたしはひとりのTV視聴者として、こういう恐ろしく間抜けで半ボケしたような人間がものをいうようなテレビ番組だけは拒否して、自分の親しいもの皆に『ウソだらけテレビ情報番組は観るな、せめて彼らの言うことだけは絶対に信じるな』とこれからも主張しつづけようと我が意を固めることにした。

2

ロシア国内の情勢もキナ臭くなってきたようである。
モスクワの地区議会 プーチン大統領の辞任を要求プーチン大統領の辞任を要求(2022年9月11日) (ANN)
ロシアによるウクライナ侵攻が続くなか、モスクワ市の地区議会がプーチン大統領の辞任を要求しました。「反プーチン」の動きが表面化しつつあります。
モスクワ市ロモノソフスキー地区の議会は8日、「あなたの考え方や統治手法は絶望的に時代遅れで、ロシアの発展と可能性を妨げている」として、プーチン大統領に辞任を要求しました。

テレビ朝日news.com 2022/9/11
それがどういう意味を持つのかわたしには判断はしかねるが、モスクワ区議会のプーチン大統領に対する決議というものは、あまりにタイミングが良すぎて逆に出来レースの匂いが感じられるくらいだ。

イギリス(?)在住の某日本人国際アナリストの言うことでは、『プーチン大統領も、自らの起こした軍事行動を止めるに止められなくなり、このような自分に対する批判勢力のチカラを借りることでウクライナからの撤退の道を探ろうとしているのだろう』とのこと。

なるほどそれならばまだわからなくもない。

いや少なくとも、これをきっかけとしてプーチン政権が倒れたりロシア共和国が分裂したりというような、いかにもライトサイドの人たちが夢見るようなことにはならないだろう。

ロシア共和国の解体とか分裂なんてのは、これから十年先にあるかも知れないし、ないかも知れないひとつのシナリオでしかない。今のところ。

アフガン侵攻からソビエト連邦解体まで二十年近くもかかったということだけは頭に留めたほうがよいだろう。

3

ウクライナとロシアの停戦交渉が座礁してまったく進まない原因をウクライナのゼレンスキー大統領の責任だとする論調が(日本のマスコミの中からも)聞こえてくる。

反転攻勢に転じてから、ゼレンスキー大統領の停戦の条件としてクリミア半島の所有権までも含めることを匂わせるような発言を繰り返して、それがロシア側を刺激し硬直化させたことが(停戦に向けた交渉が)うまくゆかない最大の原因だろうとしてゼレンスキー大統領の責任としているのだ。

それはまあ確かなのだが、だからといって、ウクライナの大統領がクリミア半島を手放すとか諦めるというようなことをもし口にしたら、おそらく、ゼレンスキー大統領の支持率は急速に下がるだけだろう。そちらのほうがヤバいことにはならないのか。これ(ゼレンスキー大統領の支持率低下)はウクライナにとってもだが、私たちのような自由主義国(いわゆる西側各国)の陣営に属するすべての国にとって危険なことになる。逆にいうと、ロシア(プーチン大統領)には有利なことになることにつながる。

避けるべきなのはこのことのほうなのではないかと。

クリミア半島も(ウクライナの本来の領土)であると停戦の条件として断言しないゼレンスキーの姿勢には確かに問題はあるのだが、それをゼレンスキー大統領の責任にしてしまうような(日本国内の)論調にだけは絶対に賛同はできない。

メールはこちらから
akgoodco1224@gmail.com

下の拍手をお願いします。