日本人から学ぶべきこと
非常に何かを云いにくい映画だと思います。云うべきことがないときは黙っていた方が賢明かとも思いますが、分からないということをそのまま分からないといってみるのもひとつの手、という得意のパターンです。
まず、誰に向けて作られた映画なのかがよく分からない。自分がこの映画の観客としてふさわしかったかどうかもわからないし、じゃあ、他に観客としてふさわしい人間がどこにいるのかということを考えてもよく分からない。
キャスティングもよく分からない。コニー・ニールセンとクロエ・セヴィニーという女優の共演が引きになるのかもわからないし、この2人のどこに魅力があるのかもさっぱり分かりません。(これが、ほとんど致命的だと思うんですが)
旅客機の中、ホテル、日本の路地、3ヶ国語が入り乱れる会議、渋谷のクラブ、懐石料理屋、CGアニメーション、拷問映像、女同士の格闘、セックス、どのシーンを取ってもあんまり成功しているとは思えません。
こういう作品を見せられてしまうと、もうフランス人はどん詰まりだという気がしますねえ。日本映画には絶対に勝てないですよ。少なくとも日本人ならこんなにヘタな映画はつくらない。アメリカ人もフランス人もみんな日本に映画を学びに来たらいいんですよね。世界が日本に教えを請う段階に来ていると思います。
しかし、それでも、アサイヤスの次回作を観たくないとは思わないですね。次回作に期待します。