2017年06月19日

JAPAN本制作日記 4


ご無沙汰してしまってごめんなさい。
他の仕事が佳境に入ってしまって御報告が遅くなってしまいましたが、JAPAN本、無事校了しました!

JAPAN 1974-1984 光と影のバンド全史
アンソニー・レイノルズ
シンコーミュージック
2017-06-29




29日の発売までもう少しですので、楽しみに待っていてください。

それから、ベルクカッツェさん、 コメントをありがとうございました。
私もロキシー・ミュージック大好きなので、彼らの本はあるべきと思っています。2010年の再結成のときとか、その後の解散宣言のときとかが良いタイミングだったんですけどね。次の機会を待ちつつ、作戦を練りたいと思います。ちなみに、96年4月に出た『THE DIG』(シンコーミュージック刊)のロキシー特集は結構良いです。それから同じくシンコーからブライアン・フェリーの詩集は出したことありますね。今は亡き今野雄二さんが訳を手掛けていらっしゃいました。

zyan272

さてさて。今日は「翻訳」についてもう少し。


先のブログにも書きましたが、今回の本は、日本で初めて出るジャパンの評伝です。

御自身も熱心なジャパン・ファンであるイギリス在住のライター、アンソニー・レイノルズさんが、クラウドファンディングで制作費を募って書き上げた渾身の一冊です。


愛と情熱が原動力になって出来た本であることがおわかりいただけると思います。


そしてこのアンソニーさん、実はミュージシャンでもありまして、本国では音楽活動の方をメインにしていらっしゃるそうです。そのため本書でも楽曲の制作方法、特に『錻力の太鼓』のレコーディング秘話にはかなりのページが割かれており、レコーディングの方法や機材についてなどが事細かに書かれています。


名盤が生まれた背景にはもちろん興味がありますし、それが自分の好きなバンドとなればなおさらなんですが、いかんせん専門用語や独特の言い回し等が多くて、訳文を読んでもイマイチよくわからない……そんなわけで、専門性の強い部分はテクニカル・ライターの布施雄一郎さんにお願いして監修をしていただくことにしました。


布施さんはローランドに務めていらした方なので、一般的な音楽制作の方法はもちろん、当時のジャパンが使用していた機材も熟知しています。しかもチョー熱いジャパン・ファン! まさに願ったり叶ったりです。


かくして布施さんは丁寧に本文を読んでくださり、語句や表現の修正、レコーディング工程や特殊な用語の解説をしてくださいました。また、元々の発言者が言葉足らずだった部分なども、布施さんに補足していただくことで、あれほどちんぷんかんぷんだった内容を、ビックリするほどスッキリと理解することが出来ました。


また、その他の小さな工夫としては、曲のタイトルは、たとえば「誘惑スクリーン(Television)」や「Alien(異国人)」のように、邦題と原題を併記してあります。これは、この本を買ってくださる主たる層が、40代〜50代のオリジナルの日本盤を買っていた人たちであろうと考えたからです。


地名や固有名詞などについては、当時は“聞こえたまま”の発音をカタカナに起こしてあったものも多いですが、それも一通りアップデートすることが出来ました。たとえば古いファンの方々の中には、スティーヴが生まれた街を「スィディナム」と覚えている人(私もそう)も多いと思いますが、「シドナム」に修正したりといったことです。この本が出てからも当分ジャパン関連の書籍は出ないだろうと思ったので、「決定版」的なものにしたいという希望がありました。


さて。次回はこれまた重要な素材である「写真」の話を。




akikomima at 21:06│Comments(2)TrackBack(0)

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この記事へのコメント

1. Posted by Keiko Kurata   2017年06月26日 20:16
5 美馬さん、はじめまして。倉田 恵子です。
この度は、久保君を通じてお願いしたアンソニーの本の日本版を出版するにあたり大変御尽力頂き本当にありがとうございました。そしてこの本に関わった方々が皆JAPANファンであったことに感激し、感謝しています。

いよいよその日が近づき私もアンソニーも興奮しています。そして沢山のJAPANファンの方々が、この本を読んで下さることを心より願っています。

先日久保君より、私宛に本を送っていただけるとお聞きし大変驚いております。本当にありがとうございます。(もちろん既に予約で注文は、致しております。)

勿論英語版も、3冊持ってはいるのですが、私の英語力では到底充分理解することは難しく途中で断念しました。
だからこそこの本を心から待ち続けていたのでした。

本当にありがとうございました。
今度益々のご活躍、心より祈っております。
2. Posted by ミマ   2017年06月27日 10:04
倉田さん

コメント、ありがとうございます!

実はこのブログの次の回で「写真の功労者」として、恵子さんをご紹介する予定でしたので、御本人からコメントをいただき、嬉しい驚きでいっぱいです。

そして、本、もうすぐ到着すると思いますので楽しみに待っていてくださいね。久保さんと倉田さんがご友人同士ということをつい最近まで知らず、ご挨拶が遅れてしまって申し訳ありませんでした(発送した本にお手紙を同封してあります)。

アンソニーさんの書かれた文章は大変難しいもので、翻訳の飯村さんも苦労なさっていましたが、彼女がアンソニーさんに直接問い合わせてくださったり、布施さんをはじめとするエキスパートが力を貸してくださったりしたおかげで無事完成しました。通常の本よりも長い編集期間となりましたが、私はJAPANの大ファンなので、作り終えるのが惜しいような感じもありました。その上沢山のファンの方に喜んでいただけたら、こんなに嬉しいことはないです。

当時熱心なファンだった方々でも、今は追っていなかったりして、この本が発売されることをご存知ない方も多いようです。まずは本が出ることを知っていただくことが肝要ですね。プロモーションもがんばります!

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