アキネ会の日常

ライトノベルコミュニティー「ラノベdeアキネイター」の参加メンバーが“共同運営”するライトノベルレビューブログ

3
>技師が手を抜けば、戦場で騎士が死ぬ。騎士が死ねば、守るべき人間も死ぬ。
>だから僕たちは、いついかなるときでも最善を尽くす。

というわけで、ファンタジア文庫の新作にチャレンジです。

最近流行りと思われる、頭脳派、非戦闘員の主人公が、なんやかんやでバトルする話です。
それ以上でもそれ以下でもない。

あらすじから固有名詞のオンパレードで読むのが大変そうですが、意外や意外、数多い専門用語に戸惑うことなく読み進めることができたのは好印象。その場その場で必要十分な用語説明が挟まれていて、置いてきぼりにされることがありませんでした。

作中で何度かあった戦闘シーンにおいて、どの戦闘でも主人公が「違った勝ち方」をするので、読んでいて飽きないです。主人公は一流の技師なわけだけど、技師としての技術で勝つのか、知識で勝つのか、非戦闘員ゆえの狡賢さで勝つのか。一口に「技師としての戦い方」と言っても、いろんなバリエーションがあることをこの1巻の中で披露してくれたことは高く評価したい。

キャラクターは……振り返ってみると、主人公やヒロインを含め、あまりキャラの内面を書いた描写がなかったように思います。ゆえにテンポよく話が進んだというのはありますが、物語を上から俯瞰して読むタイプはともかく、人物に感情移入したい人にはちょっと物足りないかもしれません。

ダメだった点を二つ。

ひとつは、主人公が一度も負けなかったこと。ギャグシーンじゃなくて、シリアスな場面でね。騎士と技師がそれぞれの役割を果たすべきという世界で、技師である主人公が無双してたら、じゃあ騎士は要らないじゃん、という話。「技師であるはずの主人公が一線で活躍する」というのなら、「騎士としては活躍できない」という場面を見せてもらわないと、これじゃあ巷に溢れる滅法強いだけの主人公と変わりません。

もうひとつは、物語のキーになるはずの「7年前」について、さすがに情報がなさすぎです。意図的に伏せているのではなく、作者も考えてないんだから行間に現れようもない、というのが正直なところではないでしょうか。読んでいて、「7年前を描いた過去編を読みたい」という気持ちに全くなりませんでした。
作者は本当に7年前の物語を考えているのか?そこから今日にいたるまでの物語を考えているのか?それらを踏まえたうえでの、満を持しての第一巻がこの1冊なのか?残念ですが、そういう重みのようなものが、ないんです。

どちらも、2巻以降でいくらでも巻き返せることなので、ぜひ期待したいところではあります。双装やD粒子の設定そのものは面白いし、キャラクターの掘り下げもまだまだ出来そうです。アズリィの実力は学園3位とのことだけど、これは2位や1位を出してもらわないといけないしね。

2巻、出るんでしょうか……

感想:tartarous



3
昨年末から始まった野村美月の新作シリーズ。

とりあえず言いたいのは2巻のタイトルに「1番目」とか入れるのやめてもらえませんかねぇ……
危うく2巻から読み始めるところでしたw
ちなみに僕は、同じ作者の「文学少女シリーズ」で6巻に当たる水妖を読み飛ばしたまま進めた前科があります(キリッ
最終巻読んでる途中で違和感を覚えて、読み終わってから既刊一覧を見た時のやっちまった感は今でも忘れません……

野村美月の作品は上記の「文学少女シリーズ」(水妖と見習い含まず)しか 読んでいないんですけれど、素直に登場人物同士をくっつけようとしないのは、らしいなぁと思います。
たちが悪いのが、原因が外的要因ではなくヒロインの内的要因なのがね……

主人公がいいやつなだけに応援したくなるんですけど、壁が高そうなのがなんとも。
そして追い打ちをかけるように効いてくるのが、作中、森のなかで 出会った謎の少女の予言。

「おまえは望めば楽園の主にもなれるだろう」

 「他人が羨むすべてを、おまえは手に入れる。地位も、富も、愛情も、平穏もだ。そのために必要な一番目から六番目まではお前のものだ」
「だが、七番目だけは、お前の物にならない」
「泣き叫ぶほどに願う、たったひとつのものを、おまえは決して 手にすることは叶わないだろう……」 


1巻で提示されたルディが「泣き叫ぶほどに願う、たったひとつのもの」、その可能性があるものは2つ。
どちらかが失われるのか、それとも何か別の何かなのかはまだわかりませんが、 作者の緻密な心理描写でこれからそれが描かれていくのだとしたら、今から胃が痛くてしょうがないです。
いや、作者があとがきで「幸せなハーレムを完成させてみたい」とか言ってるから大丈夫だと信じたいw

兎にも角にも、また楽しみなシリーズが一つ、増えました。

それにしても「ツンドラ」って表現が定着したのはいつからだろう……


レビュー:ぼくだ


 

4
2016年春クール覇権アニメ(当社比)、『甲鉄城のカバネリ』の前日譚的なお話です。

アニメ本編から2年前の顕金駅を舞台に、生駒と逞生の出会いだったり、来栖が菖蒲様に認められるようになるまでだったりのエピソードが語られます。

2年前の話なので、そんなにメインキャラクターの人となりが変わっていたりはしない。菖蒲様は愛される聖人だし、来栖は真っ直ぐな堅物でいいやつだし、巣狩も斜に構えたでもいいやつだし、侑那さんはいいタイミングでいい仕事をする。
2話で早々に退場した菖蒲様の父上も、いいやつでした。いいやつばっかりだなこの作品……

個人的に最も印象に残ったのは、アニメでどうしても引っかかっていた生駒の生き方への疑問を、逞生がきちんと生駒に投げかけてくれたこと。

「――生駒さ、なんでそう非日常に逃げたがってんの?」
「みんながみんな、そう気を張って生きれるわけじゃねぇよ」
「怯えて閉じこもるよりも外に出て立ち向かえだっけ?確かにお題目としてはカッコいいけどさ――今怯えてるのは俺のほうなのか?それとも生駒のほう?」

生駒は過去の妹の件があるから、そういう捨て身の生き方をするのも無理はない。が、それを他人に押し付けていいのかよという話。アニメ本編では常に緊急事態なので、あんまりそのあたりをゆっくり議論する暇がないのだけれど。
まあ結局、それからの2年間で生駒の考え方が変わったわけではないけれど、ずっと頭の隅で気になっていたことを逞生が言ってくれたなと思います。

他にも、ツラヌキ筒のヒントだったり、カバネに噛まれてもカバネにならない方法のヒントだったり、カバネに襲われた外国の話だったり、現在の日ノ本の国や幕府、駅の仕組みだったり……アニメに繋がるエピソードがところどころに満載です。


これは他のライトノベルの1巻にも思うことなのですが、時系列で言えばこの「暁」が1巻にあたるわけです。ですが、アニメの1話はこの2年後から始まっている。面白い作品、シリーズというのは、時系列で言えば3巻目くらいのところからスタートするのが、一番なんですよ。

もっと言えば、第1巻を書き始める前に、1,2巻分のエピソードを用意できるか……これが、傑作と呼ばれる作品になるための条件なんじゃないのか、くらいに思っています。それは、ラノベに限らずアニメも同じなのですね。


そんなこんなで過去編でした。これを書いている現在、アニメは10話。
残り2話くらいでしょうか……いやーほんとどうすんですかねこれ。

感想:tartarous

小説 甲鉄城のカバネリ 暁 (マッグガーデンノベルズ)
笠岡淳平
マッグガーデン
2016-06-10


3

「踊る星降るレネシクル」「俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる」の作者の新作です。
そういえば、るるルの6巻読んでないなぁ……

俺修羅に関しては、1巻しか読んでいないのでなんともいえませんが、るるルを読んでいる印象としては、斜め上のキャラと設定で王道な話を作る人、という イメージです。
著者紹介でも「直球しか投げられませんし、投げません」と言っている辺り、本人も似たような認識なんじゃないかと思います。
まあその直球がどの方向に向かっているかは知りませんが……

本編を読んでみた感想としては 、「ラブコメじゃなかった!」の一言に尽きると思います。

どうみても近年流行りのお仕事系ラノベです。


前半はシリーズ物のラブコメでよくあるキャラ紹介で、話が進まない上に、パロディネタが多すぎてかなりテンポが悪いように感じました。
あらすじの内容に追いつくまでに、ほぼ150p近くかかっているので、序盤は少し辛いかもしれません。
しかし、後半のスパートは間違いなく面白かったです。
上層部から降ってくる無理難題 、足りていない人材、予期せぬ妨害、すり減っていく体力と精神。
そういうありきたりと言われそうな 展開を、しっかりと王道と呼べる作品に仕上げている辺りは流石ですね。

あと、お仕事系ラノベというジャンルの性質上、仕方ないことかもしれませんが、対象年齢が高めです。
主人公が29歳ということもあって、90年台ネタをガンガンぶち込んできます。デジモンとかたまごっちなんて序の口で、かみつきばばあの話題が出てきた時は懐かしすぎて泣きそうになった。そして僕が持ってたのがパチモンだと知って泣いた。
 

トータルとしては面白かったと思える作品でしたが、序盤のだるさと年代を選ぶネタで、素直にオススメはできないという扱いに困る作品な気がします。


レビュー:ぼくだ




 

4
7巻の感想で言っていたにも関わらず遅くなりましてすみません(挨拶

ついこの間出てるのに気づきやっと読みましたスピンオフ『剣鬼恋歌』!!
いやいやヴィル爺かっちょえぇしか出てきませんよこんなの。

本編ではちょっと触れられるだけだったヴィル爺ことヴィルヘルム・ヴァン・アストレアの過去と、先代の『剣聖』テレシア・ヴァン・アストレアとの出会いが語られます。
内容としても、これから本編に関わってきそうな人物やエピソードがちょくちょく登場し、読み応え十分な一冊でした。

> 「俺より弱いお前に、剣を持つ理由はもうない」

それにしてもワイルドな若きヴィル爺。シビれます。
最後の30ページほどに、全てが凝縮されて詰まっていたように思います。
この30ページを堪能するためにも、この一冊は読むべきです。

追伸:アニメも5話まで見ましたが相変わらずの素晴らしい出来。だいたい最後に酷い目に遭うスバルきゅん。原作読んでるのに続きが気になります。なかなかじっくりやってくれていますしありがたやありがたや

レビュー:yuu_be

※「リゼロ」最新刊8巻の感想はこちら。
※アニメが始まってからなぜかPV数激増な6巻の感想はこちら。

 
Re:ゼロから始める異世界生活Ex (2) 剣鬼恋歌 (MF文庫J)Re:ゼロから始める異世界生活Ex (2) 剣鬼恋歌 (MF文庫J)
長月 達平 大塚 真一郎

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ファイ!

というわけで、今からアニメが楽しみで楽しみで夜しか眠れません。『魔法少女育成計画』短編集第2弾でございます。
表紙を飾るのはフィルルゥとプキン。前回の短編集の表紙を飾ったトップスピードとラピス・ラズリーヌもそうですが、この子たち、本編では接点ないんですよね。まあ、プキンが大暴れしたおかげで、間接的にフィルルゥが職を失うことになるのだけれど。そんな二人があら不思議、こうして表紙に姿を並べてみると、なんだか積年のラバル同士のように見えてしまいます。

今回は短編集なので、一つずつ感想です。

ゴーグルと亀
「limited」の物語で無茶苦茶になった街と、生き残ってしまった魔法少女。あの物語はあれで終わったけれど、当然、生き残った者はその先も生きていかなければならないわけで。生き残りが肩を寄せ合って、生き残れなかった者たちに思いをはせながら、もう一度立ち上がろうとするお話だと思います。
こんな素敵な後日談を用意しておきながら、本編のエピローグでは敢えて後味の悪い終わり方で締めくくる作者の心意気に感動です。

とっととミュージック
作者もあとがきで述べていますが、トットポップは汎用性の高いキャラクターですよね。「limited」本編では一緒にいたプキン、ソニア、フレデリカのキャラクターが強烈すぎたし、悪役側ゆえにあまりいい扱いではなかったけれど。この誰とでも仲良くなれる才能を、良くも悪くももっと前面に押し出していれば、彼女の印象もぐっと違っていたのかなと思います。
まあ、似たようなキャラクターの善玉はラピス・ラズリーヌがいますから、トットポップはあれで良かったのかもしれませんが。

魔王を討伐したいから
待ってました。魔王パムvsクラムベリー。50人を優に超える魔法少女が群雄割拠する本シリーズにおいて、まごうことなき最強格の2人。すべての読者が望んでいたスペシャルマッチではないでしょうか。戦闘シーンそのものがごくわずかな描写で決着がついたけれど、血沸き肉躍る、素晴らしい一戦でした。
そしてこんなにも強い二人で、実際それぞれの本編では無双の強さを誇った二人だけど、その最期はあっけないもので……魔法少女としての強さって、なんなんでしょうねほんと。

レインボーフレンドシップ
「limited」で、この子が悪い子だったと明かされたときの衝撃と言ったらもうね。まあ、クラムベリーといいメルヴィルといい、見た目がカラフルな子は悪いこと相場が決まっているのでしょうか。
そんなレイン・ポゥと、ポスタリティが出逢い友達になるまでのお話。limitedではポスタリティの視点でしか語られていなかった二人のなれそめが、レイン・ポゥの視点で描かれます。何というか、悪役なんだけど、真っ直ぐな悪役で、すがすがしく外道で、どこか憎めない。トコとの軽薄な掛け合いも大好きです。

三角形の彼方
「JOKERS」で登場したエレメンツのお話。この4人、どうしてもスノーホワイトと縁故のあるインフェルノや、一人だけ生き残ることになるデリュージと比べると、テンペストとクエイクの影が薄くなりがちです。実際、この二人から脱落しましたし。
魔法少女としては対等な二人だけど、オタク気質な女子大生と、おませな小学2年生という組み合わせはなかなかレアだと思います。

Primula farinosa
プリムラ・ファリノーサ……調べたら花の名前だそうですね。
スノーホワイトと袋井魔梨華……ではなく、姫河小雪と袋井真理子のお話です。作中で小雪が驚いている通り、あの武闘派の袋井魔梨華の中身がこんな人物だったとは。シリーズが進むにつれて、「元の姿」が描かれない魔法少女も増えてきましたが、どんなに非常識な存在であろうとも、もともとは普通の人間だったんだなーと。そんなことを思い出させてくれる一篇でした。

三姉妹育成計画restart
「ACES」から登場したプクプック派の魔法少女3人が、「restart」のゲームの試作版に紛れ込む話。基本的にはコメディ調で話が進む上に、今回の3人はあの時の魔法少女たちとは段違いに強力な魔法少女なので、緊張感はない。
ですが、ところどころで「ああ、このステージであの子が死んでしまったんだよなー」というのを思い出し、なんだか複雑な気持ちになりました。

我らのリアルは充実しているか?
「JOKERS」で全くと言っていいほど見せ場のなかったカフリアのお話。地味な衣装、地味な魔法。それでもめげずにフリーの魔法少女として生きている彼女たちが、ちょっとだけ「普通の魔法少女」っぽいことをします。
話それ自体はパッとしない感じでしたが、「清く正しい普通の魔法少女」と「魔法の国から給料をもらう優秀なサラリーマン魔法少女」、そしてどちらでもない「フリーランスの魔法少女」。そういう分類をはっきりしめしてくれたところが面白かったかなと思いました。

監査部門の妖精
表紙を飾るフィルルゥを主役に、お相手はトットポップとパトリシア。今回のお話では破天荒で見るからに武闘派なトットポップとパトリシア、「JOKERS」においてもスノーホワイトや袋井魔梨華の影になってあまり目立たなかったフィルルゥですが、彼女だって魔法の国から給料をもらうだけの実力がある、れっきとしたプロ。
そんな強力な魔法少女3人が、勘違いの末に一つの事件を解決しちゃうお話です。生真面目で、実力者なのに常に不運な立場なフィルルゥの魅力がギュッと詰まった一遍。

プキン将軍の事件簿
プキンとソニア・ビーンの過去編。冒頭では「すごく昔のお話です」と書かれていたけど、どれくらい昔なんだろう。もうこのころから、プキンもソニアも「limited」で我々が知っている通りの彼女たちでした。というだけの話。
どうせなら、違った側面が見たかったなーというのが本音です。

青い魔法少女は忙しい
前回の「episodes」に続いて、今回も短編集のオオトリを飾るのは彼女!ラピス・ラズリーヌです。
どんなに悪意害意敵意を向けられても、それを善意に受け取り、実際に善い方向へ動いて見せる。それを成し遂げうる、彼女の強さと真っ直ぐさが大好きです。


以上です。ところどころ、これまでに登場したことのない魔法少女の名が挙がっていたのが気になるところです。彼女たちには今後の本編で出番はあるのでしょうか。
基本的にはLimited以降のキャラが多かった中で、やはり注目すべき派はクラムベリーVS魔王パムですね。最近はどの魔法少女も上級者で、魔法を駆使したガチバトルが減っていますので、そろそろこういう真っ直ぐな戦闘も復活させてほしいところです。

終わり。


4
いやもうみなさんすでに言ってると思いますが完全に表紙詐欺ですねこれ!?
フェルトちゃんの出番どこーどこー(涙目

はい、数か月ぶりのレビュー更新ですyuu_beです。
『リゼロ』アニメもはじまり盛り上がってきましたね!
1時間スペシャルのアニメ1話見ましたがこれはなかなかのクオリティ。
どこで切るのかと思っていた引きもすばらしい演出で終わり、個人的には期待大です。

そんななか読みました最新8巻。
白鯨討伐戦も終了し、ちょっと一息つけるのかな……と思っていたらそんなことはなく、引き続き休む間もなく魔女教徒との決戦へ。陣容を整え、満を持して、不可視の恐るべき異能『見えざる手』を持つ司教ペテルギウスと再戦です。

というわけで今回もスバルくん大活躍、見どころは多かったのですが……うーむ。
最後に明かされる真実がほぼ予想通りのものであっただけに、それを察知できず最悪の結果に……という展開にはちょっと首をひねりました。
もうちょっとなんとかなったんじゃないだろうか、いやなったはず……という残念な思いでいっぱい。まあ作中でスバルくんも同じ気持ちでしょうしそこは共感出来たと言えなくもないのか……?

展開にはちょこちょこと気になるところがなくもない本作ですが、とにかくキャラの魅力は抜群ですし、アニメでは少し脚本をいじれば違和感も少なくなるはず!アニメともども今後の展開に期待です!

レビュー:yuu_be

※「リゼロ」7巻の感想はこちら。
※現時点での最高巻?「リゼロ」6巻の感想はこちら。

 
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4
前巻の感想はこちら
GSのレビューに関してはタイツ姫ゆーべさんの記事を参照ください。

お久しぶりです。
前回のレビューを書いてから1年以上が経過しているのに気づいて、もう少し頑張って書こうと思う所存です。

とまあ初見の人からしたら何言ってんだと思われそうな決意表明は置いといて、レビューに行きましょう。

7巻では、メインヒロイン()だった加藤がメインヒロインに昇格しましたが、8巻ではメインヒロインからメインヒロイン(真)に昇格しました。
サブキャラだった出海ちゃんがメインに昇格したとはいえ、英梨々と詩羽先輩という強烈なヒロインが第一線を退いて、不安も結構あったわけですが、全くの杞憂でした。
2人が抜けた穴を、見事に埋めてくれましたね。
それに、英梨々も詩羽先輩もちょくちょく出てきて、相変わらずのヒロイン力を見せつけてくれました。
残りの2人は……うん、今後に期待ということで。

ストーリーの方では、倫也がクリエイターとして踏み出した一歩と、倫也と加藤と英梨々の関係の変化、そしてラストで見せつけられた本物の天才という途方も無く大きな壁。
少しずつ変わっていく人間関係と環境が、今後どういう風に転がっていくのか、楽しみで仕方がないです。

特に気になるのは倫也のライターとしての成長ですかね。
情熱以外の何も持っていない凡人が、天才たちにどう立ち向かい、どういう道を切り開いていくのか、あるいは道を閉ざしてしまうのか。

とりあえず早いところ9巻を読んでしまいたいと思います。

レビュー:ぼくだ




このレビューを書いてる時に今までのタグが間違えていることに気づいた……

4
ファンタジア文庫の大賞受賞作。

舞台はいわゆる剣と魔法のファンタジー的な世界。最近流行りの「ネットゲームの中の世界」に近いと思います。
優秀な暗殺者である主人公の青年・クーファが、貴族のお嬢様・メリダの家庭教師になる話です。
メリダは由緒ある家系のお嬢様なのだけど、その家系なら当然持っているはずのスキルが何もない。もしかしてメリダは不倫でできた不義の子で、貴族の血を引いていないんじゃないの?という疑いがかけられるわけです。
そんな中クーファに任せられたのは、「メリダお嬢様の家庭教師となって才能を開花させよ。どうしようもなく無能だったら殺せ」という二つの任務。

正直申しまして、序盤の導入の時点で、私はこの話に期待はしていませんでした。「どうせ後半で、お嬢様に隠された秘密の才能が明らかになって、土壇場で覚醒するんだろ」と、高をくくっていました。

すぐに明らかになることなので書いちゃいますが、そんな都合のよい展開にはなりません。無能はやっぱり無能、隠された才能なんてなかった。

クーファの機転とメリダの根性で、どうにか形になるだけの力を身に着けたメリダですが、ピンチになってもやはり隠された才能なんて目覚めることはなく。
実戦の場で彼女を支えたのは、そんな都合のよい奇跡なんかではない。ずっと「無能」「落ちこぼれ」と蔑まされていた頃から、自分だけは自分の才能を見限るまいと絶えず続けてきた努力が、最後の最後で彼女の力となって勝利をつかむのでした。

最近の読者は主人公が努力することを嫌う、とにかく強い主人公が無双する物語を好む、なんて言われていますがね。そんな読者がいるのなら、ぜひ本作をお勧めしたい。どうですか、「努力」と「知恵」で勝つのだって、悪くないでしょう?と言ってやりたい。
泥まみれになりながら勝利したメリダの姿に涙ぐむメイド長の姿を、誰が嗤うことが出来ましょう。

一方、主人公のクーファの方は、いわゆるクール系の「強い主人公」です。若年ゆえに未熟なところもあるのかもしれませんが、現状では敵ナシですね。無双系の主人公がお望みの読者は、こちらに感情移入すれば楽しめると思います。

作品全体の完成度としては、良く言えばシンプルにまとまっているし、悪く言えば作りに妥協が感じれるという印象です。グダグダと世界観の説明が続かないのは良いことですが、それは「他の作品で似たような設定を知っているから」こそすんなり理解できるというだけの話で。極論を言えば、「この本が、誰かにとっては人生で初めて読んだライトノベルになる」という配慮がない。
もっと言えば、「最近流行りのジャンルの作品」としては優秀作品だけど、「この本から新しいジャンルを作ってやる」という気概が感じられない。
凡百の作品で良いならそれでも良いですけどね。これ、大賞でしょう?

感想:tartarous





 

3
お久しぶりです、生きてますよー。
最近は水棲生物みたいな巨大戦艦と戦っています、ピラニアとカサゴは許さない。

テストは全科目満点、校則は完璧に守る優等生。当然エロゲなんか全く知らない非オタ美少女・水崎萌香から…「私をあなたの―カノジョ(奴隷)にしてほしい の」告白されて、付き合うことに!?隠れオタでエロゲ趣味な俺に、まさかこんな彼女ができるなんて…って浮かれていたら、俺の理想のヒロインを知るため、 一緒にエロゲをすることに!?「このスカート、短すぎない?」それ制服だから…「胸の大きい子が好きなのね」やめてください、しんでしまいます!「私も首 輪してみた…にゃー」どんどんエロゲに影響受けてない!?「私を…調教してくれる?」これ、なんてエロゲ!?

いつものあらすじ。
あらすじからは特に新鮮味もないラブコメものといった感じですね。
ファンタジア大賞の金賞受賞作です。
ファンタジアは表紙や帯から大賞のどれを受賞したのかわからんのがな…(帯の折り返しでは確認可能)
と思っていましたが普通はそこまで気にしない人の方が多いんでしょう、きっと。

オタクが主人公の作品は数あれどエロゲにスポットを当てた作品というのは少ないはずですが…そもそも18禁シーン自体がラノベとして扱いづらいとか読者層の年齢とか色々ありそうです。
エロゲのパロネタが多いわけでもなくあるあるシチュエーションなんかをヒロインが真似て主人公にアタックしていくといった構図。
ヒロインからアタックしていく構図もありがちで受賞するには個人的にはパンチが弱いかなと思います。

この作品の個人的な読みどころとしては終盤の主人公の悩みです。
大概ラブコメの終盤の盛り上がるところってのはヒロインと拗れてから仲直りするまでとか悪意ある第三者が登場して事件解決、ヒロインの過去の傷を癒すとかで基本的にはヒロインか外的要因が多いと思います。
この作品では主人公は高嶺の花であるヒロインから告白されOKして付き合うことになったけれど、その場では綺麗だし可愛いっていうだけで実際にヒロインのことをどう思っているのか自分でもわからずに中身がなかったわけです。
ヒロインと付き合う上でどこが好きなのかとかそういった単純な部分で悩んでいくというのは昨今のヒロインから全力で好意を受ける作品のメタとも受け取れます。
ラブコメでありながらあくまで主人公が主軸に置かれその悩みにスポットを当てるというのはかなり新鮮でした。
とはいえラブコメを求める読者が1巻からいきなりヒロインではなく主人公にスポットが当たる展開が嬉しいのか
はわかりません…。
エロゲ趣味というニッチな趣味はこの悩みを解決する上でもキーとなりますので、エロゲ設定活きたな!…パワープレイを感じなくもないですが。

ラブコメ作品は好きな人にもおススメですが逆にラブコメが食傷気味の人にもおススメかもしれません。

レビュー:翹揺@毒舌タイツ姫

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