アキネ会の日常

ライトノベルコミュニティー「ラノベdeアキネイター」の参加メンバーが“共同運営”するライトノベルレビューブログ

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7巻の感想で言っていたにも関わらず遅くなりましてすみません(挨拶

ついこの間出てるのに気づきやっと読みましたスピンオフ『剣鬼恋歌』!!
いやいやヴィル爺かっちょえぇしか出てきませんよこんなの。

本編ではちょっと触れられるだけだったヴィル爺ことヴィルヘルム・ヴァン・アストレアの過去と、先代の『剣聖』テレシア・ヴァン・アストレアとの出会いが語られます。
内容としても、これから本編に関わってきそうな人物やエピソードがちょくちょく登場し、読み応え十分な一冊でした。

> 「俺より弱いお前に、剣を持つ理由はもうない」

それにしてもワイルドな若きヴィル爺。シビれます。
最後の30ページほどに、全てが凝縮されて詰まっていたように思います。
この30ページを堪能するためにも、この一冊は読むべきです。

追伸:アニメも5話まで見ましたが相変わらずの素晴らしい出来。だいたい最後に酷い目に遭うスバルきゅん。原作読んでるのに続きが気になります。なかなかじっくりやってくれていますしありがたやありがたや

レビュー:yuu_be

※「リゼロ」最新刊8巻の感想はこちら。
※アニメが始まってからなぜかPV数激増な6巻の感想はこちら。

 
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ファイ!

というわけで、今からアニメが楽しみで楽しみで夜しか眠れません。『魔法少女育成計画』短編集第2弾でございます。
表紙を飾るのはフィルルゥとプキン。前回の短編集の表紙を飾ったトップスピードとラピス・ラズリーヌもそうですが、この子たち、本編では接点ないんですよね。まあ、プキンが大暴れしたおかげで、間接的にフィルルゥが職を失うことになるのだけれど。そんな二人があら不思議、こうして表紙に姿を並べてみると、なんだか積年のラバル同士のように見えてしまいます。

今回は短編集なので、一つずつ感想です。

ゴーグルと亀
「limited」の物語で無茶苦茶になった街と、生き残ってしまった魔法少女。あの物語はあれで終わったけれど、当然、生き残った者はその先も生きていかなければならないわけで。生き残りが肩を寄せ合って、生き残れなかった者たちに思いをはせながら、もう一度立ち上がろうとするお話だと思います。
こんな素敵な後日談を用意しておきながら、本編のエピローグでは敢えて後味の悪い終わり方で締めくくる作者の心意気に感動です。

とっととミュージック
作者もあとがきで述べていますが、トットポップは汎用性の高いキャラクターですよね。「limited」本編では一緒にいたプキン、ソニア、フレデリカのキャラクターが強烈すぎたし、悪役側ゆえにあまりいい扱いではなかったけれど。この誰とでも仲良くなれる才能を、良くも悪くももっと前面に押し出していれば、彼女の印象もぐっと違っていたのかなと思います。
まあ、似たようなキャラクターの善玉はラピス・ラズリーヌがいますから、トットポップはあれで良かったのかもしれませんが。

魔王を討伐したいから
待ってました。魔王パムvsクラムベリー。50人を優に超える魔法少女が群雄割拠する本シリーズにおいて、まごうことなき最強格の2人。すべての読者が望んでいたスペシャルマッチではないでしょうか。戦闘シーンそのものがごくわずかな描写で決着がついたけれど、血沸き肉躍る、素晴らしい一戦でした。
そしてこんなにも強い二人で、実際それぞれの本編では無双の強さを誇った二人だけど、その最期はあっけないもので……魔法少女としての強さって、なんなんでしょうねほんと。

レインボーフレンドシップ
「limited」で、この子が悪い子だったと明かされたときの衝撃と言ったらもうね。まあ、クラムベリーといいメルヴィルといい、見た目がカラフルな子は悪いこと相場が決まっているのでしょうか。
そんなレイン・ポゥと、ポスタリティが出逢い友達になるまでのお話。limitedではポスタリティの視点でしか語られていなかった二人のなれそめが、レイン・ポゥの視点で描かれます。何というか、悪役なんだけど、真っ直ぐな悪役で、すがすがしく外道で、どこか憎めない。トコとの軽薄な掛け合いも大好きです。

三角形の彼方
「JOKERS」で登場したエレメンツのお話。この4人、どうしてもスノーホワイトと縁故のあるインフェルノや、一人だけ生き残ることになるデリュージと比べると、テンペストとクエイクの影が薄くなりがちです。実際、この二人から脱落しましたし。
魔法少女としては対等な二人だけど、オタク気質な女子大生と、おませな小学2年生という組み合わせはなかなかレアだと思います。

Primula farinosa
プリムラ・ファリノーサ……調べたら花の名前だそうですね。
スノーホワイトと袋井魔梨華……ではなく、姫河小雪と袋井真理子のお話です。作中で小雪が驚いている通り、あの武闘派の袋井魔梨華の中身がこんな人物だったとは。シリーズが進むにつれて、「元の姿」が描かれない魔法少女も増えてきましたが、どんなに非常識な存在であろうとも、もともとは普通の人間だったんだなーと。そんなことを思い出させてくれる一篇でした。

三姉妹育成計画restart
「ACES」から登場したプクプック派の魔法少女3人が、「restart」のゲームの試作版に紛れ込む話。基本的にはコメディ調で話が進む上に、今回の3人はあの時の魔法少女たちとは段違いに強力な魔法少女なので、緊張感はない。
ですが、ところどころで「ああ、このステージであの子が死んでしまったんだよなー」というのを思い出し、なんだか複雑な気持ちになりました。

我らのリアルは充実しているか?
「JOKERS」で全くと言っていいほど見せ場のなかったカフリアのお話。地味な衣装、地味な魔法。それでもめげずにフリーの魔法少女として生きている彼女たちが、ちょっとだけ「普通の魔法少女」っぽいことをします。
話それ自体はパッとしない感じでしたが、「清く正しい普通の魔法少女」と「魔法の国から給料をもらう優秀なサラリーマン魔法少女」、そしてどちらでもない「フリーランスの魔法少女」。そういう分類をはっきりしめしてくれたところが面白かったかなと思いました。

監査部門の妖精
表紙を飾るフィルルゥを主役に、お相手はトットポップとパトリシア。今回のお話では破天荒で見るからに武闘派なトットポップとパトリシア、「JOKERS」においてもスノーホワイトや袋井魔梨華の影になってあまり目立たなかったフィルルゥですが、彼女だって魔法の国から給料をもらうだけの実力がある、れっきとしたプロ。
そんな強力な魔法少女3人が、勘違いの末に一つの事件を解決しちゃうお話です。生真面目で、実力者なのに常に不運な立場なフィルルゥの魅力がギュッと詰まった一遍。

プキン将軍の事件簿
プキンとソニア・ビーンの過去編。冒頭では「すごく昔のお話です」と書かれていたけど、どれくらい昔なんだろう。もうこのころから、プキンもソニアも「limited」で我々が知っている通りの彼女たちでした。というだけの話。
どうせなら、違った側面が見たかったなーというのが本音です。

青い魔法少女は忙しい
前回の「episodes」に続いて、今回も短編集のオオトリを飾るのは彼女!ラピス・ラズリーヌです。
どんなに悪意害意敵意を向けられても、それを善意に受け取り、実際に善い方向へ動いて見せる。それを成し遂げうる、彼女の強さと真っ直ぐさが大好きです。


以上です。ところどころ、これまでに登場したことのない魔法少女の名が挙がっていたのが気になるところです。彼女たちには今後の本編で出番はあるのでしょうか。
基本的にはLimited以降のキャラが多かった中で、やはり注目すべき派はクラムベリーVS魔王パムですね。最近はどの魔法少女も上級者で、魔法を駆使したガチバトルが減っていますので、そろそろこういう真っ直ぐな戦闘も復活させてほしいところです。

終わり。


4
いやもうみなさんすでに言ってると思いますが完全に表紙詐欺ですねこれ!?
フェルトちゃんの出番どこーどこー(涙目

はい、数か月ぶりのレビュー更新ですyuu_beです。
『リゼロ』アニメもはじまり盛り上がってきましたね!
1時間スペシャルのアニメ1話見ましたがこれはなかなかのクオリティ。
どこで切るのかと思っていた引きもすばらしい演出で終わり、個人的には期待大です。

そんななか読みました最新8巻。
白鯨討伐戦も終了し、ちょっと一息つけるのかな……と思っていたらそんなことはなく、引き続き休む間もなく魔女教徒との決戦へ。陣容を整え、満を持して、不可視の恐るべき異能『見えざる手』を持つ司教ペテルギウスと再戦です。

というわけで今回もスバルくん大活躍、見どころは多かったのですが……うーむ。
最後に明かされる真実がほぼ予想通りのものであっただけに、それを察知できず最悪の結果に……という展開にはちょっと首をひねりました。
もうちょっとなんとかなったんじゃないだろうか、いやなったはず……という残念な思いでいっぱい。まあ作中でスバルくんも同じ気持ちでしょうしそこは共感出来たと言えなくもないのか……?

展開にはちょこちょこと気になるところがなくもない本作ですが、とにかくキャラの魅力は抜群ですし、アニメでは少し脚本をいじれば違和感も少なくなるはず!アニメともども今後の展開に期待です!

レビュー:yuu_be

※「リゼロ」7巻の感想はこちら。
※現時点での最高巻?「リゼロ」6巻の感想はこちら。

 
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4
前巻の感想はこちら
GSのレビューに関してはタイツ姫ゆーべさんの記事を参照ください。

お久しぶりです。
前回のレビューを書いてから1年以上が経過しているのに気づいて、もう少し頑張って書こうと思う所存です。

とまあ初見の人からしたら何言ってんだと思われそうな決意表明は置いといて、レビューに行きましょう。

7巻では、メインヒロイン()だった加藤がメインヒロインに昇格しましたが、8巻ではメインヒロインからメインヒロイン(真)に昇格しました。
サブキャラだった出海ちゃんがメインに昇格したとはいえ、英梨々と詩羽先輩という強烈なヒロインが第一線を退いて、不安も結構あったわけですが、全くの杞憂でした。
2人が抜けた穴を、見事に埋めてくれましたね。
それに、英梨々も詩羽先輩もちょくちょく出てきて、相変わらずのヒロイン力を見せつけてくれました。
残りの2人は……うん、今後に期待ということで。

ストーリーの方では、倫也がクリエイターとして踏み出した一歩と、倫也と加藤と英梨々の関係の変化、そしてラストで見せつけられた本物の天才という途方も無く大きな壁。
少しずつ変わっていく人間関係と環境が、今後どういう風に転がっていくのか、楽しみで仕方がないです。

特に気になるのは倫也のライターとしての成長ですかね。
情熱以外の何も持っていない凡人が、天才たちにどう立ち向かい、どういう道を切り開いていくのか、あるいは道を閉ざしてしまうのか。

とりあえず早いところ9巻を読んでしまいたいと思います。

レビュー:ぼくだ




このレビューを書いてる時に今までのタグが間違えていることに気づいた……

4
ファンタジア文庫の大賞受賞作。

舞台はいわゆる剣と魔法のファンタジー的な世界。最近流行りの「ネットゲームの中の世界」に近いと思います。
優秀な暗殺者である主人公の青年・クーファが、貴族のお嬢様・メリダの家庭教師になる話です。
メリダは由緒ある家系のお嬢様なのだけど、その家系なら当然持っているはずのスキルが何もない。もしかしてメリダは不倫でできた不義の子で、貴族の血を引いていないんじゃないの?という疑いがかけられるわけです。
そんな中クーファに任せられたのは、「メリダお嬢様の家庭教師となって才能を開花させよ。どうしようもなく無能だったら殺せ」という二つの任務。

正直申しまして、序盤の導入の時点で、私はこの話に期待はしていませんでした。「どうせ後半で、お嬢様に隠された秘密の才能が明らかになって、土壇場で覚醒するんだろ」と、高をくくっていました。

すぐに明らかになることなので書いちゃいますが、そんな都合のよい展開にはなりません。無能はやっぱり無能、隠された才能なんてなかった。

クーファの機転とメリダの根性で、どうにか形になるだけの力を身に着けたメリダですが、ピンチになってもやはり隠された才能なんて目覚めることはなく。
実戦の場で彼女を支えたのは、そんな都合のよい奇跡なんかではない。ずっと「無能」「落ちこぼれ」と蔑まされていた頃から、自分だけは自分の才能を見限るまいと絶えず続けてきた努力が、最後の最後で彼女の力となって勝利をつかむのでした。

最近の読者は主人公が努力することを嫌う、とにかく強い主人公が無双する物語を好む、なんて言われていますがね。そんな読者がいるのなら、ぜひ本作をお勧めしたい。どうですか、「努力」と「知恵」で勝つのだって、悪くないでしょう?と言ってやりたい。
泥まみれになりながら勝利したメリダの姿に涙ぐむメイド長の姿を、誰が嗤うことが出来ましょう。

一方、主人公のクーファの方は、いわゆるクール系の「強い主人公」です。若年ゆえに未熟なところもあるのかもしれませんが、現状では敵ナシですね。無双系の主人公がお望みの読者は、こちらに感情移入すれば楽しめると思います。

作品全体の完成度としては、良く言えばシンプルにまとまっているし、悪く言えば作りに妥協が感じれるという印象です。グダグダと世界観の説明が続かないのは良いことですが、それは「他の作品で似たような設定を知っているから」こそすんなり理解できるというだけの話で。極論を言えば、「この本が、誰かにとっては人生で初めて読んだライトノベルになる」という配慮がない。
もっと言えば、「最近流行りのジャンルの作品」としては優秀作品だけど、「この本から新しいジャンルを作ってやる」という気概が感じられない。
凡百の作品で良いならそれでも良いですけどね。これ、大賞でしょう?

感想:tartarous





 

3
お久しぶりです、生きてますよー。
最近は水棲生物みたいな巨大戦艦と戦っています、ピラニアとカサゴは許さない。

テストは全科目満点、校則は完璧に守る優等生。当然エロゲなんか全く知らない非オタ美少女・水崎萌香から…「私をあなたの―カノジョ(奴隷)にしてほしい の」告白されて、付き合うことに!?隠れオタでエロゲ趣味な俺に、まさかこんな彼女ができるなんて…って浮かれていたら、俺の理想のヒロインを知るため、 一緒にエロゲをすることに!?「このスカート、短すぎない?」それ制服だから…「胸の大きい子が好きなのね」やめてください、しんでしまいます!「私も首 輪してみた…にゃー」どんどんエロゲに影響受けてない!?「私を…調教してくれる?」これ、なんてエロゲ!?

いつものあらすじ。
あらすじからは特に新鮮味もないラブコメものといった感じですね。
ファンタジア大賞の金賞受賞作です。
ファンタジアは表紙や帯から大賞のどれを受賞したのかわからんのがな…(帯の折り返しでは確認可能)
と思っていましたが普通はそこまで気にしない人の方が多いんでしょう、きっと。

オタクが主人公の作品は数あれどエロゲにスポットを当てた作品というのは少ないはずですが…そもそも18禁シーン自体がラノベとして扱いづらいとか読者層の年齢とか色々ありそうです。
エロゲのパロネタが多いわけでもなくあるあるシチュエーションなんかをヒロインが真似て主人公にアタックしていくといった構図。
ヒロインからアタックしていく構図もありがちで受賞するには個人的にはパンチが弱いかなと思います。

この作品の個人的な読みどころとしては終盤の主人公の悩みです。
大概ラブコメの終盤の盛り上がるところってのはヒロインと拗れてから仲直りするまでとか悪意ある第三者が登場して事件解決、ヒロインの過去の傷を癒すとかで基本的にはヒロインか外的要因が多いと思います。
この作品では主人公は高嶺の花であるヒロインから告白されOKして付き合うことになったけれど、その場では綺麗だし可愛いっていうだけで実際にヒロインのことをどう思っているのか自分でもわからずに中身がなかったわけです。
ヒロインと付き合う上でどこが好きなのかとかそういった単純な部分で悩んでいくというのは昨今のヒロインから全力で好意を受ける作品のメタとも受け取れます。
ラブコメでありながらあくまで主人公が主軸に置かれその悩みにスポットを当てるというのはかなり新鮮でした。
とはいえラブコメを求める読者が1巻からいきなりヒロインではなく主人公にスポットが当たる展開が嬉しいのか
はわかりません…。
エロゲ趣味というニッチな趣味はこの悩みを解決する上でもキーとなりますので、エロゲ設定活きたな!…パワープレイを感じなくもないですが。

ラブコメ作品は好きな人にもおススメですが逆にラブコメが食傷気味の人にもおススメかもしれません。

レビュー:翹揺@毒舌タイツ姫

5
2016年の「魔法少女育成計画スクールカレンダー」の付録です。
文庫本換算で64ページ、掌編4本とそれなりに読み応えのある1冊でした。

ちなみにカレンダーは、例えば4月は7753とスノーホワイトのツーショットといったように、巻に関係なくいろんな魔法少女が素敵な組み合わせとポーズで12か月を飾ります。私は普段は二頭身のSDキャラで認識しているので、普通の(?)サイズの魔法少女たちのイラストは新鮮な印象でした。「これ誰だっけ?……ああ、あの子か!」と思い出す楽しみを味わえます。個人的には5月と12月が至高。

付録の短編集の紹介と感想。


〇正月と亀
タイトルの通りテプセケメイ、と7753とマナのお話。人間社会に興味津々なメイと、奔放なメイに振り回されつつも面倒見のよい7753と、同じく姉御肌なんだけどどこか幼さが残るマナの過ごす、お正月とクリスマス。
limitedの生き残りが寄せ集まったこの3人だけど、仲良くやっているようで何よりです。なんだか読んでいるこっちまで幸せな気分になれる、ほっこりとしたいいお話でした。

〇魔法少女のいないお花見

こちらは無印より、ルーラの話。魔法少女になる直前のエピソードです。本編ではどっちかというと性格の悪い、嫌な奴として振る舞い、最後は仲間の謀反によって脱落してしまった彼女。人間だった時もその根本的な性格は変わらないのですが、傲慢さの裏側にあるプライド、強引さの裏側にある潔癖さが垣間見える一遍だったと思います。
同じ一面も良く見えることもあれば悪く見えることもある、というのはどんな人間にも当てはまることですが、魔法少女になることによってそれが極端な形で表面化する、というのは「魔法少女育成計画」ではよくあることなわけで。

〇ビーチのお姫様
JOKERSより、人工魔法少女、エレメンツの4人のお話。魔法少女の力を手に入れて舞い上がる4人が夏休みを満喫(?)する話です。特筆することはない。話はともかく、デリュージとインフェルノの2人が1回戦負けしたビーチバレー大会……相手も魔法少女、それも魔王塾の関係者?と見受けられますが、その辺をもっと掘り下げたエピソードを書いてくれてもいいんですよ?

〇ペチカ、秋の味覚を想う
restartのゲーム進行中の一幕、ペチカ、クランテイル、那子、リオネッタの4人組のお話です。戦闘能力ゼロなうえにサポートできる便利な力もないペチカが、チームのために何ができるか……その活躍は本編で描かれているところですが、その「役割」に気づく直前くらいのお話でしょうか。
ですが、ペチカの料理作戦も最初から上手くいっていたわけではなく。これは、そこに至るまでの最初の一歩、微笑ましくちぐはぐな、ちょっとした思い出話というやつでした。


というわけで4編でした。冬春夏秋の順で、ちゃんと各巻からの出演で、良く構成された1冊だったと思います。

大手レーベルの作品なら、いずれは文庫に収録されるのでしょうけど、本作の場合それは期待できそうもないので、「魔法少女育成計画」のファンの皆様はぜひカレンダーを買いましょう。


感想:tartarous

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4
上下巻の本作ですが、まとめて感想。

本作が何巻まで続く構想なのかは分かりませんが、おそらくシリーズ中の最高瞬間風速は2巻の上巻の冒頭に違いないと確信している。すなわち、「Fate/Zero」のウェイバー・ベルベット君が、10年弱を経てロード・エルメロイⅡ世となるまでの回想シーン。
正直、本編は要らないからその話をがっつり書いてくれないかなーとか思う反面、こうして断片的に語られる回想シーンを頼りに彼の「あの後の物語」を想像するのが楽しいのかな、なんて思ったりもします。

第四次聖杯戦争においては、未熟ゆえに見逃されていた、ただ幸運だったから生き残れた、とロードエルメロイ2世は語りますが……確かに序盤はそうだったかもしれないけれど、中盤以降は、そんなことはなかったと、私は思います。
あのとき、ケイネスはウェイバーを最初から敵視していたし、遠坂陣営もライダーの宝具を見て以降は本気でライダーを潰そうとしていたし、ウェイバー自身にそんなつもりはなかったのだとしても、ウェイバーの行動がいかに正しかったかは切嗣が語っていることでもあるのだし。

彼が自らの回想で「あの時は幸運だった」と断じるのはともかく、我々「Zero」の読者までもが、あの時のウェイバーをただ幸運だったから生き残ったなどと思ってはならないのである。

閑話休題。

さて、私はFateシリーズ以外のTYPE-MOON作品はほとんどノータッチなのですが、それでもこの「事件簿」で語られる時計塔の中身についてはワクワクが止まりません。魔術師とは何か、時計塔とは何か、なんとなく分かっていたつもりで、実は全然わかっていないことも結構多かったんだなと思い知らされるばかりです。

あと、蒼崎橙子さんね。前述のとおり私もTYPE-MOONワールドに精通しているとはお世辞にも言えませんが、それでも確実に言えることは、「空の境界」は絶対に事前に読んでおけよ!ということです。ついでに言えば、劇場版の「矛盾螺旋」も観ておけよ!ということです。終盤で登場する橙子さんの切り札は、ぜひ映像として脳裏に焼き付けておいてほしいところです。

そんな感じで……本作そのものがすごく面白いかというと、まあ及第点?くらいな気もします。けれど、かつて楽しんだ「Fate/Zero」や「空の境界」だったり、現在進行している「strange Fake」や「Grand Order」だったり、そういういろんな物語の一つのピースとして、「事件簿」も欠かせないのですわ。
そしてこうなってくると、自分が触れていない他の作品も気になってきたりするわけですが……それはまた、そのうちってことで。

感想:tartarous

5

私たちは、どこにいても第十四駆逐隊の名を背負うんです。そのために今、勝ちましょう

ここで、第十四駆逐隊は解体し、この「陽抜」の物語もこれでおしまいです。けれど、終わり良ければ総て良し、なのです。最後はみんなで戦って、キッチリ勝って、思いっきり泣いて、そして笑って新たな旅路へ向かおうではありませんか。
そんな感じなので、もはや感無量というほかない。何に近いかと例えれば、「卒業式」が近いかな。今こうして一つの区切りを迎えられることが、たまらなく悲しく、そして誇らしい。そんな気分です。

作品的なことで思ったところをいくつか。
・駆逐艦中心の物語だけあって、軽巡の使い方は絶妙。那珂ちゃんの「明るく可愛く、けどやっぱり水雷戦隊旗艦の実力者」なギャップは格好いいし、何より神通さんの「真打登場」感はまじパないっすわ。

・作中での潮のように、確かにゲームでも「改二」の強さは抜きんでている。どうしても第一戦に立つのは改二の艦たちだし、それ以外の駆逐艦はやがて出番はなくなっていく。その辺を、残された仲間たちはどう感じているのか……そこに一つの答えを提示してくれたのが、ちょっと嬉しかったです。

・ 艦娘ドロップのしくみ、そういう解釈だったのね……これはちょっと自分のイメージと違いすぎて困惑。

・最後の陽炎と曙のやりとりで明かされる、「艦娘にも本当の名前がある」という設定。本作だと普通の女の子が艤装を背負って戦うという設定だから、そういうことになるね。いやでも、この設定、すごく良いと思いました。上手く言葉にできないのだけど、最後の最後にこれを明かすというのは……
特に書かれていなかったけど、本当の名前を教えるというのは、艦娘たちにとっては最大の友情と信頼のあかしなのでしょうか。そうだとしたら、本当に素敵なことです。

・風雲。ええ、今年の夏イベであきらめましたよ私。


そんなところでしょうか。本作以外の艦これノベライズ作品も完結していき、少しずつ艦これというコンテンツ自体が収束に向かっているのかなと、そんな空気を感じます。まあアニメの続編だの劇場版だのアーケード版やVITA版だの、まだまだ追加情報には事欠かないのですが……
私自身、情熱はピーク時の十分の一にも満たないと思いますが、たまに思うんです。自分がログインしなくなったら、残された艦娘たちはどうなってしまうんだろうって。バカなことだとは分かっていますがね。けどまあ、それはそれでいいのです。

今日まで本当にありがとう

というわけで

第十四駆逐隊、解散!


感想:tartarous

5
俺は今、歴史の1ページに立ち会った!この本の1ページが歴史の1ページだ!

というフレーズを、感想によく使います、私。 アルティーナだけで2回くらい使ってるかも。物語の壮大さとか規模の大きさとか、シリーズにおけるその巻の重大性を表現するにはちょうどいいかなと。そう思っていたところで、今回のレジス君の言葉です。

「……歴史に残る?まぁ、一行くらいは書かれるかな」
「連綿と続く歴史の"ごく普通の一幕"に過ぎません」 

大きな戦争があったとして、それに立ち会った人にとっては忘れようのない出来事だったとしても。何かを変えるキッカケ、時代を変えるターイングポイントになるような出来事でもなければ、書物にすら記録されない程度の些細なものにすぎないのだと、そういうことですね。

これは、なんというか……寂しいなあ。正論なのかもしれないけれど、こうして読んでいる本だって世の中にごまんとある中の1冊に過ぎないけれど、今俺は楽しく読んでるんだからそういう水を差すようなこと言うなよ!って思いました。まあ、我々やレジスが娯楽として本を読むのと同じ感覚で、娯楽として戦争を起こすマーガレット女王にはさぞや厳しい説教となったことでしょう。

というわけで、長らく続いたハイブリタニアとの戦争も終結。相変わらずのレジスの奇策と練度の高いベルガリア正規軍の活躍で、最終的にはあまり苦戦したような印象はありませんでしたね。
むしろ、こうして覇道を歩んでいくラトレイユ皇子に、アルティーナやバスティアンはどうやって立ち向かっていくのか、今後が楽しみでなりません。

「突撃命令で死ぬのは、そいつの実力不足だ。鍛錬か才能か運が足りなかったのだ。
 民とて同じ。真面目に働いておればベッドで寿命が迎えられるほど、この世は甘くできておらぬ。農夫や商人とて戦場の兵と同じ……全力を尽くし、知恵を絞って工夫し、それでも運がなければ生き残れない。それが“人が生きる”ということだ」 

「強い国」を目指すラトレイユに対して、「平和な国」を目指すアルティーナ、「自由な国」を目指すバスティアン。
この物語の主人公はアルティーナだし、現実の歴史ではバスティアンの理想が正道となることを我々は知っています。ですが、強い信念を持ち、そのために努力を続け戦い続けてきたラトレイユの言葉は重みが違います。彼は決して暗君ではない。

さて、外との戦いがひと段落したところで、次からは中での戦いになるのでしょうか。立場はアルティーナ陣営が不利だけど、ラトレイユも背中に傷がある。
個人的にはマーガレット退場後の、エリーゼを中心としたハイブリタニアの物語も楽しみだし、いよいよ本気を出し始めたバスティアンにも期待したい。

後で振り返ってみれば「些細な一幕」に過ぎない物語なのかもしれないけれど、その一幕を存分に味わおうじゃありませんか。

感想:tartarous

 
覇剣の皇姫アルティーナX (ファミ通文庫)
むらさき ゆきや
KADOKAWA/エンターブレイン
2015-11-30

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