アキネ会の日常

ライトノベルコミュニティー「ラノベdeアキネイター」の参加メンバーが“共同運営”するライトノベルレビューブログ

2013年12月

3
音大でユーフォニウムを専攻する摩周英司は、恩師の紹介で女子中学生たちの楽器のコーチをすることになり―

オーバーラップキックオフ賞「金」賞受賞作。
よく「楽器版ロウきゅーぶ!」と言われているみたいだけど、私の率直な感想もその通りかな。
熱い部分ありラッキースケベありで、まさに“まんま”な感じです。

主要人物みんなが楽器を、そして音楽を愛しているということが伝わってきて、とても気持ちがいい作品。
作者がプロのユーフォニウム奏者だということで、こだわりが感じられたな。
デビュー作ということもあってか作者の「こうであったらいいな」というような妄想のようなものも感じられたけど、しかしここまでやられるといっそ清々しいです。

肝心の演奏シーンは…うーん。
「ドラフィル」なんかと比べると、一枚落ちるか。
臨場感というかリアル感というか、目に浮かぶような感じはなかったかな。
音を文章で伝えるというのは本当に難しいことだと思うけど、そこが良くなればもっといい作品になると思う。
ロウきゅーぶはバスケシーンもよかったからね。
作者がもう一皮むければもっとよくなりそうな作品です。


レビュー:しゅん



 
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3
今期アニメ放映していた『アウトブレイク・カンパニー』原作、2巻まで読み終わり。
どうやら2巻で一区切りなのでまとめて感想を。

1巻を読んだ限りでは「えーと、これはどういう話なんだ……?」という消化不良な感じだったんですが2巻まで読んでみてやっと合点がいきました。確かに面白そう。2巻まで読んどいて面白そうという感想もどうかと思いますがとにかく話はまだまだこれからなのです。
日本政府が企図していた「オタク文化の押しつけからの文化侵略」という野望はひとまず潰えますが、それにまつわる両文化圏の反応が面白い。異世界にオタク文化を持ち込んだらどうなるか……というテーマに対する作者の一つの答えがこれなのでしょう。いろいろと都合がよすぎるところとそれに対する考察と理屈がくどいなーと感じるところはありますが、それでも作者が書きたいものはしっかりと伝わってきたのでやっぱり榊さんは上手いなーと。今後の展開も期待です。
そしてゆーげんさんのイラストが相変わらず幻想的でビューティフル。このポイントは大きいですね。ミュセルもペトラルカもやばいくらいかわいいっす。

とりあえず8巻まで一気買いしちゃったのでこれからもちょくちょく感想を書いていきたいと思います!

レビュー:yuu_be

 
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4

おもしろかったー!

SAO以降急速に増えているVRMMOが舞台のお話です。

主人公もSAOのキリトと同様にチート級の能力持ちで、レベル差が絶対的な力の差につながるゲームにおいて、レベル1での低レベル攻略を目指します。

正直なところ、序盤は「また俺TUEEEE! かよ……」と思っていたんですけど、なぜ主人公が低レベル攻略にこだわるのか、その理由が明らかになって以降はひたすらのめり込んでしまいました。
最終目標の到達条件があまりにも過酷で、そこまでにたどり着くのも恐ろしく困難。主人公のチートな能力があったとしても本当に到達できるのか不安になります。

作者の田尾さんの作品は「ギャルゲヱの世界よようこそ」を途中までしか読んでないんですけど、相変わらず逼迫した雰囲気を書くのが上手いなー、と感じました。
文章から主人公の焦りや苛立ちが伝わってくるんですよね。

そして悪役。

勝つためには手段を選ばない、自分の欲望に忠実。と言った典型的な悪役なんですけど、このキャラも非常に魅力的だったと思います。
この場合の魅力はキャラ自体の魅力ではなく、読者を作品に惹きつける魅力ですね。
確かに言ってることは理解できるし共感出来る部分もある。でもやってることは許容することはできない。というすごくバランスのいいキャラだったと思います。

とにかく展開が熱く、読んでてワクワクする作品でした。


レビュー:ぼくだ


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5
> 「声優はね、もう夢じゃないんだ」

一言でいえば絶賛です。
この奇をてらわないまっすぐな、それでいてクセのある独特な掛け合いがたまりませんね。
1巻のときはここまでではなかったんですけどねー。いやーいいですこれ。

今回は待ってましたの修羅場回。まあこれを修羅場というのかどうなのかの判断は人によると思いますが個人的にはよい修羅場。主人公のユウくん悪くないですね。この高校生らしい青っぽさは完璧超人が満ち溢れる昨今のラノベ主人公とくらべても格段に好感が持てますね。まあでもこういう感情の流れをしっかり描くのはなかなか難しいでしょうからできる人にしかできないのかも。

あと新キャラのカグヤザカじゃなかった神楽坂先輩もいいですね。こういう先輩いいですね。直にエロい感じというかエロいのがよく分からないので直な感じというかなんか上手く言語化できないですけどいいですね。もっともっと物語に絡んできていいのよ(隠語

そしてこの卑怯な引きはなんなんですかね。まるで1巻が売れたから2巻の企画の時点で3巻以降の続刊が決まっていたかのような引きですね。最近こういうの少なくなってきたのですごくいいと思いますねいいぞもっとやれ!

というわけで1巻の頃からかなり好きっぽい感じはしてたんですが2巻で確信した感じになりました。スニーカー文庫筆頭の期待作として絶賛楽しみにしたいと思います。

レビュー:yuu_be

※1巻のレビューはこちら。

 
俺の教室にハルヒはいない2 (角川スニーカー文庫)俺の教室にハルヒはいない2 (角川スニーカー文庫)
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3
源氏物語随一の汚れ役、六条御息所が今回のモチーフ。
原典では「車争い」と呼ばれるくだりが高校の教科書にも載ってますので、朝顔や朧月夜よりはメジャーなのではないでしょうか。

それはさておき、いよいよ人間関係がややこしくなってきた本編。葵と帆夏が正面から赤城に告白という、学園物ではお約束の修羅場シーン。しかしいよいよ決断を迫られるというところでまだ一つ事件が起こり、その件はうやむやに。
旧家名家の政治的陰謀と、思春期の女の子たちの年相応の恋愛模様が良い感じに混ざり合って、ベタベタな展開ながらもニヤニヤと楽しませていただきました。

ただ、その辺の心理描写はわりと毎巻のことですし、正直もうお腹いっぱいなんです。それに今回の事件だって細部が非現実的だし、だいたい学生が積極的に関わる犯罪行為なんかアレしかないし、黒幕も分かりやすい人物だったりで、イマイチ盛り上がれないまま終わってしまいました。

とはいえ、次がいよいよクライマックス。タイトルはもちろん「藤壺」。“文学少女”本編のラストが大好きな私としては、ぜひこちらの物語も美しい幕引きを見せていただきたいところです。

感想:tartarous
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2
かつて「鉄球姫エミリー」でSD文庫の大賞を取った八薙玉造さんの新シリーズ

 史上最強の異能力を持ち、
 破滅から世界を救った主人公
 しかし、仲間のヒロインたちに裏切られ、
 その力を消失。
 最強から最弱へと転落してしまった。
 彼は自分を裏切ったヒロインに復讐を誓う!


という作品。

かつて最強だったのに無能力者となってしまい、
世界でも有数の力を持つかつての仲間と戦う。
という展開は実に燃えるいい話です。

持たざる主人公が
いかにして最強の一角を崩すか。
そういうジャイアントキリングは、
カタルシスに満ちた面白い作品になるはずなのに……

主人公がとる手段が卑怯で卑劣すぎて正直引くわ、
物語のほとんどがエロと萌えで埋まってるわで。

 なんかもうがっかりです!!

こんなに面白そうな話なのに、
なんでこんなにつまらないの?!

かなり好きな作家さんなのですが、
このシリーズはなんか期待できません。
「鉄球姫エミリー」や「獅子は働かず、聖女は赤く」は、
すごく面白いんですけどね。


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5
久しぶりに、ド直球の心躍る冒険活劇を読ませていただきました。

アルティーナ4巻は、視点を変えて第三皇子バスティアンが主人公。3巻ラストでベルガリア帝国に攻撃を仕掛けてきたハイブリタニア王国ですが、その同じ時間軸、ハイブリタニア王国に留学しているバスティアンと、ブリタニアの王女エリザベスのお話です。レジス&アルティーナ組と対になる、まさに「もうひとりの主人公&メインヒロイン」たる二人組がここに登場しました。

突然の女王の崩御。即位のために辺境の学園から王都を目指すエリーゼと、道中を共にすることになったバスティアン。立ち塞がる対立派の追手や刺客を時にすり抜け時にやっつけ、これまた厄介なもう一人の王女マーガレットとその参謀オズワルドと対峙します。

強くて勇敢な王子と賢くて美しい王女の逃避行とか、男子の心を直撃します。最近の主人公といえばレジスのようなヘタレ頭脳派か、クールで無敵の俺TUEEEEが主流で、バスティアンのような真っ直ぐな脳筋って少ないんですよね。そんな彼の隣を走り、守られつつも支える健気なヒロインという構図が、実は大好物だったりします。

敵対するマーガレットとオズワルドも一筋縄ではいかない大物で、ここまでぶっ壊れていてくれると逆に好感度高いです。これまたこの先も物語を引っ掻き回してくれそうで大いに期待。世界情勢も、最後はⅢ巻ラストの展開とキッチリ繋がって、この先バスティアン・エリーゼ組とレジス・アルティーナ組がどうやって歴史を動かしていくのか……ベルガリア中央のラトレイユや、逃亡してきたフェリシア陣営の動きも気になります。

いやー、これは面白くなってきましたよホント。

感想:tartarous

覇剣の皇姫アルティーナIV (ファミ通文庫)
むらさきゆきや
エンターブレイン
2013-10-30

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5

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戦って、喰え!!
半額シールが舞う時『狼』たちの咆哮が上がる!
庶民派青春学園シリアス・ギャグアクション、開幕!

上のは我が家の本棚です。
店でもないのにコーナー作ってどうしようと言うのか…w
いっそPOPでも付けてみようか←

★祝!ブログ開設1周年記念企画★「この10年間のベスト」はコレだ!


さてさて一周年を一ヶ月過ぎてしまうという大遅刻ですが、殿をつとめさせていただきます。
このラノ2014集計のここ10年のベスト50より1作を選ぶとのことで自分からは特別思い入れの深いこちらを挙げさせてもらいます。
どうせなら完結した作品の方がいいかな?とも思ったのですが3年間くらいこのラノ1位投票し続けた身としてはこれを選ばないわけにはいきませんでした。

しかし半額弁当争奪のバトルものってどこからどう聞いてもイロモノなのにメジャーになったものですわ…。
自分が読み始めたのは数冊刊行され、既にラノベ読み界隈では火が点きはじめていたころです。
ハマった当初はもっと早く読んでおくんだったと後悔したくらいで。
どうも自分はバトルだギャグだ恋愛だとあらゆる要素をごった煮にしたような作品が好きなようで、おまけに食べ物ジャンルも大好きなもんだから今になって思えばそりゃ好きになりますよねw

この作品の魅力を挙げ出せばキリはないのですが、強いて言えばキャラクターでしょうか。
男性陣は主人公のサトウをはじめ思考がおかしかったりむさかったりうざかったりするキャラが多数いて(褒めてます)巻数が二桁を数えるシリーズにあっても記憶にしっかり残っているやつらだらけというのはやはり凄い。
そんな中お気に入りは作中の貴重な常識人枠の二階堂。
終盤まさかな相手とくっつきましたがそれもかなり嬉しかったりしましたね。
女性陣はいいキャラ多すぎてお気に入りとか言ってられないけど新しい幼馴染の形を見たあやめ、黄金ペアなオルトロス、本筋に絡んでこないのにインパクト大なあせびちゃん、ロリなのになぜかお色気枠兼もはやメインヒロインな茉莉花あたりはみんな大好き。
あと忘れちゃいけないのが食事シーン。
空腹時に読んで何度苦しんだことか…。
弁当のうまそうなことうまそうなこと。
あとどん兵衛食べる機会が間違いなく増えました自分。

そんな愛着あるこのシリーズも本編自体は完結であと一冊のおまけ?を残すのみ。
本音を言ってしまえば本編ラストの11巻、オチに不満がなかったといえば嘘になります。
ただそれを差し引いても本当に心から大好きなこの一品。
もう味わえないというのは寂しい限りです。



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2
奈須きのこ激賞!!

という帯の宣伝文が眩しい、11月のガガガ文庫新作です。作者の桜井光という人はゲームで活躍しているらしいですが、私は全く知りませんでした。特に先入観もなく、何となく世界観が面白そうで手に取った次第です。

近未来の仮想日本、電脳世界と現実世界の境目が曖昧になった舞台で、「ホラー」と呼ばれる獣を狩る少年のお話です。いろいろ説明不足なのですが、「なんとなく雰囲気でわかる」感じが中二心を揺さぶります。とにかく、訳分かんないけどカッコイイ!みたいなね。
表の世界ではごく普通の高校生を演じる主人公が、裏の世界では最強の狩人、それもソロで活動する異端児だったというよくある設定。そんな彼が、戦いのさなかに不思議な女の子と出逢い、彼女に関わるうちに世界の中枢へと足を踏み入れていく……という王道展開。

そういうわけで、ストーリーは可もなく不可もなくという感じなのだけど……文章がとにかく読みづらいです。ポエムかっつーの。とにかく句点でブツ切りだったり、連用形で終わる文を乱発したりで、正直イライラしました。内容なんかまったく頭に入ってこない。

そんな気分で読み進めたので、最後の方は不満しか残りませんでした。ボスは世界は私のものだーとか素で言っちゃう小物なオッサン。さんざん最強最強と持ち上げられた主人公が、どう見ても弱そうな敵をコテンパンにやっつけるところなんか読んだって面白くねーんですよ。

最初に書いた通り、私はかの有名な「Fate」の派生作品も手掛けているらしいこの作者のことを全く知らなったくらいにはゲームの素養がないものでして、だから肌に合わなかったのかな―とは思います。残念ながら高い評価はつけられませんが、まあお話としては「普通のラノベ」くらいのクオリティはあるんじゃないでしょうか。

感想:tartarous
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4
ラストの方にややネタバレがあるので、未読の方は注意です。


この作品の魅力の一つに空戦の描写があることは間違いないんだけど、私みたいに深く描写を読み込まずさーっと読む人には、ちょっと厳しいかもしれない。
艦の名前も覚えられないし、空母やら戦艦やらは海上にいるのか空を飛んでいるのかもわかんないし、そもそも空戦というものに馴染みがないから情景を思い浮かべることができないし。
もちろんしっかり読まない自分が悪いんだけど、読むにつれてモチベーションが下がっていったのも事実。
恋歌や夜想曲ではそんなことなかったから、今回はちょっと作者が趣味に走りすぎてるかなぁ、と。

そんなわけで終盤は流し読み。
そうなってしまうと作品に対して斜に構えてしまうわけで。
今回のクライマックスの一つである清顕とライナのシーンも、マイナス点ばかり見てしまう。
唐突感が否めないなーとか。
大事なシーンなんだから、もう少しこのシーンに繋がる伏線をしっかり張っても良かったんじゃないかなーとか。
盛り上がってしかるべきなのに、どうも乗り切れない自分がいた。


しかし。


ラストですよラスト。
視点はミオに切り替わり、暗殺術を叩き込まれているミオが今度は要人の世話人になることに。
そこで出てきた人物。
うわー。うわー。

私は最初、王位継承者が出てくるもんだと思ってました。
この「とある誓約」で要人と言ってすぐ思いつく彼女くらいだし、何らかの理由で捕まった彼女とミオがこの地で出会い、どんな反応をするのか…
中々酷い展開だなと思いながら読み進めてみたら。
うわー。うわー。

そうだよねウラノスの地にいるのはこの人だよね。
知ってたはずなんだけど思いつかなかった。
いやーほんと、鳥肌が立ったわ。
ということはミオを出迎えたのもあいつなんだよなと思うと、感慨もより一層深くなる。
いやはや、やられましたわ。ここでこう繋がるとは。

下がっていたモチベーションが急上昇。
次巻が出たら真っ先に読みます。



~以下余談~

相変わらずバルタがいいツンデレw
この作品、こいつが一番好きかもしれない。
そんなバルタから手紙をもらったセシルのリアクションも好きだw
この二人はほんといいコンビだなー。


レビュー:しゅん



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