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お久しぶりです、生きてますよー。
最近は水棲生物みたいな巨大戦艦と戦っています、ピラニアとカサゴは許さない。

テストは全科目満点、校則は完璧に守る優等生。当然エロゲなんか全く知らない非オタ美少女・水崎萌香から…「私をあなたの―カノジョ(奴隷)にしてほしい の」告白されて、付き合うことに!?隠れオタでエロゲ趣味な俺に、まさかこんな彼女ができるなんて…って浮かれていたら、俺の理想のヒロインを知るため、 一緒にエロゲをすることに!?「このスカート、短すぎない?」それ制服だから…「胸の大きい子が好きなのね」やめてください、しんでしまいます!「私も首 輪してみた…にゃー」どんどんエロゲに影響受けてない!?「私を…調教してくれる?」これ、なんてエロゲ!?

いつものあらすじ。
あらすじからは特に新鮮味もないラブコメものといった感じですね。
ファンタジア大賞の金賞受賞作です。
ファンタジアは表紙や帯から大賞のどれを受賞したのかわからんのがな…(帯の折り返しでは確認可能)
と思っていましたが普通はそこまで気にしない人の方が多いんでしょう、きっと。

オタクが主人公の作品は数あれどエロゲにスポットを当てた作品というのは少ないはずですが…そもそも18禁シーン自体がラノベとして扱いづらいとか読者層の年齢とか色々ありそうです。
エロゲのパロネタが多いわけでもなくあるあるシチュエーションなんかをヒロインが真似て主人公にアタックしていくといった構図。
ヒロインからアタックしていく構図もありがちで受賞するには個人的にはパンチが弱いかなと思います。

この作品の個人的な読みどころとしては終盤の主人公の悩みです。
大概ラブコメの終盤の盛り上がるところってのはヒロインと拗れてから仲直りするまでとか悪意ある第三者が登場して事件解決、ヒロインの過去の傷を癒すとかで基本的にはヒロインか外的要因が多いと思います。
この作品では主人公は高嶺の花であるヒロインから告白されOKして付き合うことになったけれど、その場では綺麗だし可愛いっていうだけで実際にヒロインのことをどう思っているのか自分でもわからずに中身がなかったわけです。
ヒロインと付き合う上でどこが好きなのかとかそういった単純な部分で悩んでいくというのは昨今のヒロインから全力で好意を受ける作品のメタとも受け取れます。
ラブコメでありながらあくまで主人公が主軸に置かれその悩みにスポットを当てるというのはかなり新鮮でした。
とはいえラブコメを求める読者が1巻からいきなりヒロインではなく主人公にスポットが当たる展開が嬉しいのか
はわかりません…。
エロゲ趣味というニッチな趣味はこの悩みを解決する上でもキーとなりますので、エロゲ設定活きたな!…パワープレイを感じなくもないですが。

ラブコメ作品は好きな人にもおススメですが逆にラブコメが食傷気味の人にもおススメかもしれません。

レビュー:翹揺@毒舌タイツ姫