これの話題ばかりになるけど一旦口を出した手前、その後の顛末らしきものについての状況確認及びコメントを記しておきたい。

http://blog.livedoor.jp/akindoknight/archives/989103.html
 前のこの話(の一部)の続き。


・「日本ユニセフ協会との裁判に降伏しました」
http://kitaharak.exblog.jp/15259056/
・「お詫び」
http://kitaharak.exblog.jp/15259013/

 日本ユニセフに訴えられていたブロガー側が主張を撤回し、非を認めて降伏するという旨を表明した模様。
http://my.reset.jp/~yuhto-ishikawa/viking/tapnagoya.html
 問題になっていたこちらのページは以前の内容を削除した上でお詫びが綴られており、ブログの関連するエントリもほとんど削除されていた。プロバイダからも、このままだと手続きに則って削除措置などを検討するという旨の通知があったらしい。


 さて、件のページの記述が問題だらけだったことは先のエントリでも述べたので繰り返さないが、これについて被告は少なくとも今回の記述で列挙されている点の誤りを認めて撤回・謝罪している。それは当然のことだし、気付くのが遅すぎるとも思うが、遅かったとしてもここで理解して止まれたのは悪い事ではなかろう。
 ただここで私が残念だったと思うのは、現に今受け入れられているそれを、これまで受け入れられていなかったということ。


 名前は出せませんが、最後の頼みの綱として、東京管轄で尚且つネット事件にもスラップ訴訟にもユニセフ問題にも、関連するあらゆる事件のエキスパートとして高名な事務所所属の先生に、“この人にダメといわれたら本当にアウトだろう”と覚悟を決めて弁護受任の相談を申し込んでみました。

 すると、想像以上に頑なな受任拒絶と共に、大変辛らつな叱責を受けました。

 その先生から、法律とは何か、民事裁判とは何か、証拠とは何か、ジャーナリズムとは何かを懇切丁寧に教示頂き、私の行動や姿勢、発言の数々はそういった倫理や常識から、当初より逸脱していることを、懇々とお説教されてしまいました。
 特に、提訴後に裁判の進捗をあけすけにネット配信するのは、法律家からすれば全く理解できない非常識な行動だったそうです。

 以前からも私淑としており、全幅の信頼を寄せていたその法律家さんからそういったお叱りを受け、「これはもう削除した上に謝罪して相手側へ誠意を見せる以外、道は無い」とご教示頂いた上で、今回の提訴では私に非があることを認めるに至りました。


 今回の判断に至った経緯はこのように記述されている。この弁護士の先生にはっきりと指摘されてようやく理解したということらしい。まあこれ見てもなお日本ユニセフ側を悪者にしようとする人によって攻撃されかねないから、名前を出さないのは正しい判断だろう。
 しかしジャーナリズムの基本から講釈したという弁護士の先生に頭が下がると同時に、弁護士のそれもエキスパートだという大先生にそんなレベルのことを講釈させてしまった状況そのものがやはり残念極まりない。
 そして死者に鞭打つようで気が引けるけど、さらに言うなら、ユニセフ問題や関連するあらゆる事件のエキスパートというところからして、「信頼する」というのはつまり「規制反対派属性の権威的に逆らえない大先生」から言われてようやく諦めて飲み込んだだけではないのか、と思う。

 たとえば当ブログの先のエントリでもある程度のことは書いたし、同種の指摘をする人は他にもいたはずだ。また一度既に他の弁護士から一蹴されていたはず。そこから情報を汲み上げられず、たまたま良識ある「被告にとっての権威」が足止めしてくれるまで暴走し続けた。逆に、ここでその先生が言ってくれなかったらどうなっていただろうか。もちろん弁護士として理性的な判断はしてくれたはずだが、その権威ある先生がそこまで丁寧に教示してくれるなんてのは本来望むべきことではない。この経緯を考えると釈然としない。


 そして私は、これは決して被告だけの問題ではないと思う。

 確かに、現に私をはじめ批判する人がいても被告が受け入れなかったという状況はある。もちろんこの当事者である被告に責任があり、責任が重いのは当然だ。だがしかし、それでも、周りで止められる、諌められる人が皆無だったとも思えない。これはその先生を引っ張り出さねばならないような事件だっただろうか?
 先のエントリで、この被告のように「全く無関係」と言ってしまう人たちはユニセフと日本ユニセフは違うという巷の偏った強調に騙されて真実から遠ざかった実例ではないか、と書いた。被告の責任そのものは否定されないが、同時に被告は被害者でもあるのではないか。

 たとえば今回なら、この裁判の話を被告に好意的に取り上げた人たち、ツイッターやブログで拡散した規制反対派の人たち、費用に困っているという被告に任意閲覧料としてカンパした人たちは、被告がこんな状態になるまで何をしていたのだ?

 もちろん皆に「自分に興味の無い事まであらゆる分野に責任もって、人と喧嘩してでも口を出し、悪を糾せ。」とは言えない。それこそ先のアグネスと中国・チベットの話じゃないけど。
 私だって、日本ユニセフの訴状など割と手抜きで不完全に思えて手放しに支持できない面もあるけど、先のエントリは被告や巷の日本ユニセフ批判の問題点を主題として書いた。それとは逆に内容と関係の薄い日本ユニセフの行為の欠陥の方にだけ大きな関心があれば、専らそれを批判するというのもありだろう。


 しかしこの批判の内容に関心のある人、この被告が起訴されたのをダシにして日本ユニセフ批判を展開してた人、裁判などの経過を記事やエントリにしていた人たちがいる。そういう人たちが、この被告を最初から無視するのではなく利用するだけ利用しておいて、弱者である彼のために正面から最も重要な忠告をしてあげなかったことはあまりに冷淡すぎないか?

 そしてなにより、応援すると言ってた人たちは、他人事のように「残念だ」「お疲れ様でした」とか言ってる場合じゃない。外から本人より客観的に見てたくせに、今や本人すら非を認め、弁護士の先生にも「倫理や常識から、当初より逸脱している」と言われる活動を「応援する」なんて言ってた自分の事を弁明するのが先だろうし、本当に応援する気があるなら、今回被告が降伏を決意するくらいに重大な急所について何故真剣に忠告してやらなかったんだよ!

 実際に日本ユニセフの組織の問題について真剣に考えて判断しようと情報収集し、最低限その点についての日本ユニセフの公式見解公式発表に目を通していれば、あの被告のページがおかしいことくらい一発で気付いて当然だ。
 というか日本ユニセフに対して一般人レベルに無知だろうと、信憑性のあるソースも示さずにあれだけの事を書く時点でまともな行為ではないと理解できるはずだ。サイゾーで取り上げられた記事を見たなら、密かに証拠を押さえているわけではないことも分かるはずだ。

気付かなかったとしたら、どこを見て何を非難してるんだ?
分かってて言わなかったとしたら、何が目的で何を応援してたのだ?


 中でも特にカンパした人たちは、何も言わなければ、被告の示した主張と方針に異議を挟まずに金銭で加担したことになる。もしその金が使われる事によってその状況が長く続き、現在被告自身も認めている不当な中傷が長引いていたら、その誹謗中傷の被害拡大に加担していた事になると分かっているのか?


 日本ユニセフへの募金が減るということは、同時にユニセフの収益が減り、子供に向けられる利益が減るということだ。日本ユニセフに対する正当な批判の結果として募金を思いとどまる人が出て減るのなら仕方が無い。しかし不当な誹謗中傷によって募金妨害効果を生じさせることは、日本ユニセフという組織の是非なんか関係なしに、それが向けられるべき子供を不当に苦しめる行為でしかない。
 たとえ募金だろうと、その募金をしようとする人が現にいるなら、それを受けるのはその先にいる子供の正当かつ重大な現実の利益だ。その機会を不当に減らす権利は誰にもない。もっとセンセーショナルな言い方をすれば、その子供を不当に殺す権利は誰にもない。

 言葉は凶器で、人を殺す道具になる。そして、それを考えない人たちが表現の自由を語るなんてそれこそおぞましいことなのだと分かってほしい。



 あと、経緯はどうあれ既に非を認めて反省の意を示している人を責めたくはないのだけど、今回の記述で気になる事が一点あるので突っ込んでおきたい。

http://kitaharak.exblog.jp/15259056/

 今回の私の降伏を聞いて決して慌てて削除したり、提訴の心配なさったりする必要は、全くありません。

 今回の訴訟事件は私めの素行の多くに落ち度がありました。
 例えばウチの発言スタンスたるや「詐欺だー横領だー」と断定的に好きなだけ放言、しかもソースは伝聞・噂話レベルのものばかり。
 他の反・ユニセフサイトさんは大抵、“こんな謂れ、噂、醜聞がありますよ”とソースリンクを記して上手な表現を用い、誰からの追求も法的にいなせるよう、巧みに記しています。

 それはただ法律逃れが悪質になっただけだよ!
 事実としての「醜聞」とかはそれに公益があるならいいけど、証拠もない「噂」がある事を広めるのはジャーナリズムに悖る行為で、決して褒められる事ではない。まあ提訴の心配を避けられるのはその通りかもしれないが。
 本当にすべきなのは、証拠のない噂や憶測を広めて相手のイメージダウンを図るなどという卑怯な手段ではなく、事実あるいは事実と判断できることをその根拠とともに示し、その事実について正当な批判をすることだろう。

 そして被告の北原氏には、今回の事件に見られるように自分の都合だけで「応援します」と言ってくる無能で無責任な人たちよりも、私のように批判してくる人のほうがまだ役に立つよと申し上げておきたい。本当に純粋な敵ならそんな忠告せず、何も知らないままの無防備な相手を裁判の席などで殺しに来るのだから。


 というのが、一応の顛末になりそうな展開を見て思った事。
 ただ、既に裁判になってるので、案件としてはまだ終わったわけではないけど。それでも日本ユニセフ側は削除や謝罪に応じれば多額の損害賠償請求は行わないと言ってるようなので、これで問題がなければその通りに進むのだろう。これを教訓にしてもらいたい。


 そして今問題なのはむしろ非を認めて反省した被告・北原氏より、まだ分かってない人たちの存在だろう。この顛末を見て省みてくれるといいのだけど、この降伏宣言を「やり方が悪かった」という結論にする人もいる。まあそれ自体は間違ってはいないのだが、今回の事案は「やり方が悪いから内容自体も悪かった」問題であり、権威ある弁護士先生の鶴の一声がかかるまでその悪い内容が自浄されなかった事件でもある。

 また今回被告が誤りだと認めた内容は、被告のみならずわりと多くの人が軽率に発言し拡散している内容である。「多くの人が信じている・多くの人が無責任に拡散している日本ユニセフ批判が、実は誤った誹謗中傷であった」ということが、日本ユニセフに提訴された事によってようやく理解された事件なのだということを認識してもらいたい。

 実際今日でもTwitterで「ユニセフ」を検索すると(ちなみに「日本ユニセフ」だとうまく検索できない)採れたてフレッシュな「【拡散希望】日本ユニセフの正体:日本ユニセフは本物のユニセフとは全く関係ない団体~」とかいう発言が100回以上リツイートされてたり、この降伏宣言を受けてさもありなんと言う人と無念だ残念だと嘆く人が混在していたりする……って、ちょうどこんなときにヒラコーがユニセフ絡めて無駄に面白い発言しててこれの比じゃないくらい物凄い勢いでリツイートされまくってるから検索しにくくて仕方ねえよ!ww

 というわけで、いいかげん長くなったのでここまで。