画家

2010年01月07日

こんばんは。
はぐれミーシャです。

今日もドタバタと町を走り回っていたのですが、寒かったなあ。
気温自体はマイナス7度と大したことないのですが、風があったからか、かなり寒く感じました。

それにしても、顔が痛い。
乾燥しているんですよね。
顔にはクリームを塗っているんですが、それでもカサカサ。
ヒリヒリと痛みます。

明日はロシア正教のクリスマスなのですが、お正月に比べれば静かな雰囲気です。

今日は去年の夏、日本へ旅行したときのことを書きたいと思います。

私たちは日本滞在の最終日に「ゴーギャン展」を見に行くことにしました。
これは日本へ行く前からベラルーシで計画していました。
ベラルーシにいるうちから、滞在期間中にどんな催し物があるかを全てインターネットで調べておいたのです。
いやあ、便利だなあ。
だって、ベラルーシでは「ぴあ」とか「東京ウォーカー」とか売っていませんから。

会場は東京国立近代美術館。
夏休み期間中だし、大々的に宣伝しているようなので、これはかなり混むだろうと私はふみました。

なので、南千住のホテルをかなり早めに出て、美術館の開館時間よりも前に到着するようにしました。
10時に開館するところを、私たちが到着したのは9時40分。
でも、そこには長蛇の列!
うーん、考え方が甘かったなあ。
もっと早く来るべきだった。

でも、私たちの後ろからドンドン列が長くなっていく。
全体的に見たら、私たちは列のかなり前のほうに位置していることになりました。

かなり嫌な予感がします。
こういう人が多い展覧会って、商業的な匂いがプンプンして、すごく嫌な思いをしたこと、何度かありますから。
それに、人が多すぎるとゆっくり絵を見るなんて雰囲気にはなりませんから。

入り口のところまで来ると、なにやら妙な機械の貸し出しをしている。
どうやら音声ガイドなんてものがあるらしい。

はじまったよ。
これだから、この手の展覧会は嫌いだ。
素晴らしい絵があるのにさ、その絵以外に何が必要なの?
解説を聞いて、その絵が分かったつもりになって、何が楽しいの?

私は絵を見るときは思いっきり目を開いて、正面から絵と向き合わないといけないと思うんですよ。
その絵から感じるものこそが絵を見ることの素晴らしさだと思うし、そこに感動も生まれるのだと思う。
絵に深く感じる手がかりは、絵の中にしかないのだから。

こんなことを書くと、「絵の背景や画家のことを知ることによって、より深く絵を理解することができる」と反論されそう。
でも、私はそうすることを否定はしていません。
むしろ肯定しています。
でも、それを美術館でする必要があるのかって言いたいんです。

私がまだ日本にいた頃(←つまり10年近く前)、確かBunkamuraミュージアムでの「モンドリアン展」だったと思うんですが、絵の前でその展覧会の図録を見ている人がいたんですよ。
絵の前で、その絵の解説を読んで、「ウンウン」とうなづきながら、一人悦に入っている女性。
そういうことはうちへ帰ってからしたほうがいいと思うんですけどねえ。

「そんなのその人の自由だろ!」なんて言われそうですが、言われても全く気にしない。
それが「はぐれミーシャ 仕事の流儀」(←仕事?)

東京はある意味、チャンスが多すぎるのかもしれません。
しょっちゅう世界中から集められた名画の展覧会がありますから、感覚的に麻痺してしまうのではないかと。
絵との出会いはまさに「一期一会」であり、その絵との対話を楽しむことこそが、その絵に対する「礼儀」であると思うのです。

解説なんかなくても、絵そのものが雄弁に語ってくれますよ。

ちょっと長くなってしまいました。

さあ、中へ入ろう!
ロッカーに荷物を置いて、絵のほうへ歩いていくと、絵の前には人だかり。
前のほうへ行かないと絵が見えない。
こんなとき、日本人的なつつましさは非常に邪魔。
思いっきり前に出て行くのがいいでしょう。

私は絵の前に仁王立ち。
自分が納得いくまで眺め回しました。

正直、ゴーギャンって、そんなに好きな画家じゃなかっただけど、やっぱり本物はすごい!
鮮烈な色に私はノックアウトされました。
色というよりは燃えている、鮮やかな生命の燃焼という印象。
目に優しいのではなく、自分の土台から揺さぶられるような力を感じ、畏敬の念すら抱きます。

タヒチ時代の絵もいいんですが、私が特に気に入ったのは「アリスカンの並木道、アルル」という作品。
秋の風景ですが、ただ美しいというのではなくて。
「ああ、秋だ!」
ここまで来ると、言葉と芸術というのは相容れないもののように感じます。

他の人がいようがいまいが、私は絵の中に没頭できました。
そういう自分がいることにちょっとホッとしました。

でも、一応、他の人の流れに合わせて移動してましたけどね。
かなりゆっくりでしたけど。

しばらく絵を見ていると、隣にいるおじさんと若い女の子のペアが気になってくる。
というのは、おじさんがすっごく薀蓄を語るのを、女の子が「えー、そうなんですか? 知らなかったですぅ」っていう感じで。
あー、腹立つ。
それじゃあ、絵に対して失礼だろうが!

そういう人たちって、絵を見ていないんじゃないかな。
話をしに来たんじゃないの?

どんどん絵を見進めていくと、やがてあの有名な作品「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」の展示スペースへと近づいていく。
すると、その展示スペースの前の部屋に大型スクリーン。
そこには「我々は・・・」のCMみたいな映像が。

ちょっと待った!!!
作品に真正面から向き合わなければ、展覧会に価値なんかないんだよ!
何のために絵があるの?
何のためにあなたたちはここへ来たの?
展覧会で絵以外のものを見ることに何の価値があるの?
そのスペースの人の多さに、私は愕然としました。
まともじゃない・・・

キレかかっている私をなだめるベロニカちゃん。
そんな温厚なベロニカちゃんでも、その光景は「何でこんなことする必要があるの?」

そして、ついにあの名画と対面!
絵の前が黒山の人だかりなのは覚悟の上。
しっかりと心に焼き付けたい。

展示スペースに入ると・・・でかっ!
すごい大きさ!
単純にそのことに圧倒されます。

しかし。
何かがおかしい。
確かに絵を見ている人は大勢いるのだが、絵のまん前には人がいない。

よく見ると、絵に一番近いところが通路になっていて、絵からちょっと離れたところとロープで区切られている。
絵を長く見たい人はロープの向こうのちょっと離れたところ。
近くで見たい人は通路を通る。
でも、長く立ち止まってはいけない。
絵の両側には美術館員が立っていて、絶えず「立ち止まらずに前のほうにお進みください」と言い続けている。

私はベロニカちゃんに「無視無視。せっかくここまで来たんだから、楽しもう」

私たちは絵の前に立ち尽くしました。
言葉を失い、その絵の全てを全身に浴びました。
これほどの芸術を前にしてはひれ伏すのみ。
絵を目で見るのではなく、全身で感じること。
貴重な体験をしました。

しかし。
その瞬間、右側にいた美術館員が近づいてきて、「申し訳ございませんが、前にお進みください」

っていうか・・・
ふざけんな!!!

私はブチ切れて、ロシア語で「○○ったれ! 何言ってやがんだ! こんな状況で絵が見れるわけないだろ!」
美術館員、一瞬固まってました。
(キレているときはどうしてもロシア語になってしまいます)

歩きながら絵を見る展覧会って・・・見れるわけないだろ!
何考えてんだ?

「たくさんの人に絵を見てもらうため」
そんなことを言えば、聞こえはいい。
でも、それって正しいことなの?
私には「たくさんの人に絵を見てもらって、入場者を増やそう」→「利益が上がる」という感じにしか見えませんでした。

「たくさんの人が見られるように」
そんな表面的な平等、私は最高に嫌いです。
好きなように見ればいいじゃない!
確かに絵の前に人だかりができたら、絵が見にくい人が出てくるだろうし、同じ人が絵の前にずっと立っていたら、次の人たちは前の人がいなくなるまで待たないといけない。
でも、それって当たり前のことじゃないの?

自由に絵を見るのが展覧会。
ここまで散々「うんちく親父」や「図録おばさん」などをこき下ろしてきましたが、それでも好きなように絵を見ていいと思うんですよ(←個人的に私が嫌いなだけで)。
でも、今回のように勝手に規制するのは許せない。
見る側の自由を奪う権利は誰にもありません。

よっぽど主催者側に苦情を出そうと思ったのですが、ベロニカちゃんが「そんなことにエネルギーを使うのは時間の無駄」と私を説得してくれたので、何も言いませんでした。
どうせ「クレーマーの戯言」として片付けられるんだろうしね。

とにかく。
絵を邪魔するような余計な要素が多すぎる!
絵を見てもらいたいという心が全く感じられない展覧会。
ある種のテーマパーク、展覧会というよりはお祭りのような雰囲気。
音声ガイドがあったり、解説があったり、文化的な感じがしますが、私が感じ取ったのは商業的な匂いだけ。

もっと絵に集中できる環境を作ってくれたらいいのになあ。
絵以外のものに頼りすぎです。

あと、もう一つ気になったこと。
子供が多かったんですよ。
それはいいことなんですよ。
ただ、その子供たちが何か一生懸命メモを取りながら絵を見ているんです。
子供たちの話を聞いていると、展覧会の感想を書くのが夏休みの宿題なんだそうで。

子供たちを本物の絵画に触れさせるという意味なんでしょうね。
でも、どれほど効果があるのかなあ。
「きれいだった」とか、「色が鮮やかだった」とか。
そんな感想を子供たちが書いたとしたら、それは表面的な感想としか言えないですね。

もし、そんな子供たちの中に本当に心から感動して、絵画に興味を持ったり、絵を描きたくなったりする子供がいればいいですよ。
そういう子供が少しでもいれば、素晴らしいことでしょうね。

展覧会で絵を見ていた女の子が「この絵、よくわからないなあ」と言ったのを耳にしました。
こういう意見のほうがよっぽど素直ですよ。
私はそれでいいんだと思います。

ある絵を見ていた母と娘、「この絵、きれいだね」「うん、私もこういうの好き」
こういう会話、これでいいんですよ。
専門家じゃないんだから。
それを「印象派がどうこう・・・」なんて会話をするから、絵そのものが見えなくなってしまうんですよね。

今の日本人、薀蓄が多すぎやしませんかね?
知識が増えるのはいいことだけど、それで見えなくなってしまうもの、ありませんか?

イライラした状態のまま美術館をあとに。
今考えると、その場で主催者側に何かを伝えるべきだったと思います。
感想を書くノートがあったら、書けばよかったなあ。

でも、ゴーギャンは素晴らしかった!
やはり絵そのものが何よりも雄弁だったということです。

東京のように、日本にいながらにして世界中の絵画を鑑賞できるというのは幸せなことだと思います。
ベラルーシにはそういうのが足りないんです。
芸術的な刺激が。

でも。
東京にいた頃はいろいろな展覧会に行ってました。
それらの展覧会は「たくさんの展覧会の中の一つ」という位置づけになりやすかったんですよね。
でも、たまに日本に帰って見る展覧会は「たった一つの経験」。
一つ一つの経験が輝きます。
5年前に帰国したときに行った「マン・レイ展」。
今でも忘れられない強烈な印象が残っています。

今回の「ゴーギャン展」も一生の思い出になりました。
素晴らしい絵画との出会いは人生の宝物ですね。

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2009年06月29日

19世紀ギター・デビュー!19世紀ギター・デビュー!
アーティスト:福田進一
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発売日:2002-06-21
おすすめ度:4.5
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今日の音楽はギターです。
ギター、かなり好きです。
アグアドの「華麗なロンド」が好き。
でも、村治佳織の演奏になれちゃっているから・・・
あの若々しいエネルギーはすばらしいですよね。

今日もかなり疲れました。
大学は夏休みなのに、私は日曜日に6コマ。
授業は7月の中旬までで、その後は休みを取ることになっているので、それまでの我慢です。

それにしても、疲れたなあ。
よく一日の最後に、ベロニカちゃんとお互いに肩のマッサージをするのですが、今日は私の肩の状態はかなりひどかったようです。
まあ、一年間の疲れがたまっていますから。

さて。
今日は以前から書きたいと思っていた話を書きたいと思います。

ベラルーシの現代の美術についてです。
私はベラルーシでは数人の画家と交流があります。

P5281335実は一ヶ月ほど前、私の知り合いの画家が中心となっている画家グループの展覧会があったんですよ。
毎年行われているもので、その都度、テーマが違います。
今年の展覧会のタイトルは「私たち(мы)」。
これは環境、自然、人間関係などが含まれているのだそうですが・・・

正直に言えば、例年に比べればかなり低調でした。
はっきり言って、このグループの展覧会で見るに値するような絵を描く画家は二人だけ。
あとは、かなりひどいんです。

これは言葉では伝えにくいのですが、要は「狙いすぎ」。
全て「どうだ。俺の絵、新しいだろ」という狙ったような感じがかなりあるのです。
あー、そういうのすっごいむかつく!
全然、新しくないっちゅうねん!

簡単に言えば、「他の人がやっていないことをやれば目立つ」という感じが見え見え。
私の感想を言わせてもらえば、「そんなのずっと前に誰かがやってるんですけど」

厳しいことを言えば、レベルが低いです。
そこそこテクニックのある人が魂の全くない絵を描くのですから。

いつもだと気に入るはずの画家の絵も今年はいまいち。
私たちの知り合いの画家の絵は私は大好きなのですが、今年は「テーマに溺れた」という印象。

とにかく、ベラルーシでは現代の画家でいい人というのが、ほとんど見当たらないんですよ。
私の好みで言えば、一人、非常にいい抽象画家がいます。
彼の絵は見る人が見れば、結構評価するのではないかと思っています。
いつかその画家の絵を御紹介できればと思っています。

その展覧会から二週間後、私たちはまた知り合いに招待されて、展覧会に行きました。
その展覧会のテーマは「ベビーブーム」。
名前を聞いただけで、死ぬほどいやな予感がしますが、知り合いなので行くしかないという感じです。

基本的に若い人が中心の展覧会。

入口のそばにひときわ大きい写真がありました。
それは私たちの知り合いの写真。
いや、最初は写真だってわからなかったんですよ。
写真とはわからないほどに加工してあって。
Photoshopなどのプログラムを使っているんですね。
はっきり言って、ここまで胸に響くことがない写真と言うのも珍しいと言うか。

だって、写真って、「一瞬を切り取る」ことの勝負ですよね。
後からコンピューターで加工するなんて、瞬間も何もあったもんじゃないでしょ。
まあ、いろんな写真の撮り方があるんでしょうから、「一瞬」という言葉に執着はないですが。
いずれにせよ、現場で撮る写真とパソコンの前で作る写真との間には、かなりの開きがあります。

実は私のうちに来ているアニメグループの中にも写真を趣味にしている人が多いんですよ。
その中にはベラルーシ国立芸術アカデミーで勉強している女の子がいるんですが、その子が「先生、私の撮った写真を見てもらいたいです」と自分のサイトのアドレスを教えてくれたんです。
これが、もう原型がないほどに加工してあって。
「写真とは別物」として見れば、問題はないんでしょうけど。
彼女に「先生、どうでしたか?」と聞かれて、「うーん・・・」と言葉に詰まっていると、彼女は「わかりました・・・」とかなりがっかりしていました。
でも、あんな写真では評価のしようが・・・

展覧会の会場は写真撮影OKだったので、ここで御紹介してみます。

P6101504P6101505何かのオブジェ。
南アメリカのおみやげ物を連想させます。
特に私は感じるところがないのですが、ベロニカちゃんが写真を撮ったので。



P6101508この衣装はベラルーシの民族衣装なのですが。
「で、どうしたの?」









P6101513亀なんですかね。
足の赤い色が毒々しいです。
面白いですが、学生が「狙って」作ったという域を出ないものだと思います。







P6101514うーん・・・












P6101525ううーん・・・














P6101533うううーん・・・











いやあ、正直、まいりました。
知り合いに感想を求められるたびにコメントを考えるのが大変で。
私は専門家じゃないので何ともいえないのですが、一言言えるのは、私には、少なくとも私には伝わってくるものが少しもないんですよね。

ベラルーシの一番の問題は情報量の少なさだと思います。
日本みたいに、外国の有名美術館の絵が展示されるなんてことは滅多にないですから。
別に有名だからいいというわけではありませんが、いろんなものを目にする環境というのはいいものだと思います。

ベラルーシの人に聞くと「そんな絵は見たことがある」という感じの反応が多いんですよ。
でも、インターネットなどで見た、と言う程度。
やっぱり本物をみないと、その作品を理解するのは難しいですよね。
確かに、外国旅行に行くほどのお金がないと、全ての名作を自分の目で見ることは難しいですが、行けない人は行けない人なりの謙虚さというのが必要だと思うんですよね。

そういういながらにして、世界の名品が見られる環境にないというのも問題ですよね。
まあ、それも良し悪しだとは思いますが。
逆に言うと、日本にいながらにして世界中の名作に出会えるのはある意味いいことかもしれませんが、やっぱり、その絵が生まれた国に行って名作に出会ういいような気がします。

ベラルーシの若いアーティスト(←アーティストと呼ぶのもどうかと思うようなレベルの人が多いのですが)には求道者精神が全く欠けているという印象があります。
ベラルーシで、特に若い人なんかはまるですでに偉大な芸術家でもあるかのように振舞う人が多いんですよ。
誰かが何かを言っても、「そんなことは知っている」という感じ。
それが最高にむかつきます。
謙虚さがないんですね。

私は絵画じゃないですが、演劇の勉強をしている彼女がいたので、その辺のところはよく知っているんですよ。
絶対に自分の非を認めなかったですね。
そして、まだ半人前のくせに、さも全てを知っているかのように説明するという・・・
まあ、それは芸術家に限ったことじゃないですが・・・

かなり展覧会から話が外れました。
中には気に入ったものもあったんですよ。

P6101524例えば、これ。
漫画ちっくな感じが素敵。
まあ、面白い。
子供の落書きっぽいところが、逆に素敵です。









P6101527これはいい感じでしたね。
心の中にすっと入ってきました。
うちのベロニカちゃんもお気に入り。
ベロニカちゃんの夢の中のようです。





P6101538写真はいいものがなかったのですが、強いてあげればこれ。






とにかくPhotoshopが多かったんですよ。
写真そのままを見せるのではなく、加工した写真ばかり。
これを見ていて、私はあるテレビ番組のことを思い出しました。

それはルー大柴とちはるが司会をしていた、NHKの「ファイト!」という番組。
写真がテーマで荒木経惟さんがゲストだったんです。

ゲストがそういう人だから、ぶっ飛んだ写真がほめられるのかなあと思ったら、ほめられたのは割りと素直な写真。
そこで、一人の男子学生が写真などを切り張りしたコラージュを自信満々に疲労した瞬間、ゲストの顔が急変。
非常に強い口調で非難したのです。
「若いうちからこんなことをやっているようじゃダメだ」とこんなのは見る価値もないというほどの強い口調でした。
写真という芸術と正面から向き合っていない姿勢がすぐに見えたんでしょうね。

何でもそうですけど、その仕事にどっぷり浸かるくらいじゃないと、いい仕事は出来ないと思います。
小細工に逃げるようではダメだということですな。

しかし。
私たちが行った展覧会。
それは小細工のエレクトリカルパレード。
何にも心に伝わるものはありません。

これがベラルーシ芸術の一番大きな問題だと思います。
目先の目新しさにばかり気をとられ、いろんなものを見失っているような。

そして、「これがベラルーシ芸術だ!」というものがない。
でも、それを「問題」と名づけるのも、日本人の驕りなのかもしれませんが。
だって、それはベラルーシ人が悪いわけじゃないし。
ソビエト時代に画一化されたものから、いきなり「ベラルーシ人のアイデンティティー」なんて作れないでしょう。

ただ将来のアーティストには、表面的な技法に走るのではなく、もっと本質的なもの、横に広げていくのではなく、縦に深く入っていくような深みを見せてほしいなあと思います。

芸術についていろいろ書いてきましたが、これは私の個人的な意見です。
それは言い訳として書いているわけじゃなくて、自分の意見として堂々と言いたいと思います。
自分の意見を堂々と言うのって、日本では難しいんですかね?

長くなりました。

こういうことを書いているから、「厳しい人」だと思われるんですかね?
昨日、日本から来た留学生の男の子も「ブログを読んでいて、厳しい人だと思いました」って、言ってました。
そんなこと、ないですよ!
楽しい35歳ですよ!

明日も授業が多いなあ。
ゆっくり寝よう・・・

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2009年05月06日

昨日まで、ヴィテプスクという町を3回にわたって御紹介しました。
いかがでしたか?
シャガールの生まれ故郷だというのに、日本での知名度は低い町ですよね。

でも、ヴィテプスクの町を歩いていると、シャガールの絵に出てきそうな景色がたくさんあるんですよ。
ヴィテプスクには特に観光の名所があるわけでもないんですが、シャガールの絵の中に迷い込んだかのような錯覚を覚えてしまいます。
町を歩いているだけで、私なんかは満足しますね。

しかし。
ベラルーシ人に「シャガールは好きですか?」と聞くと、「好きじゃない」という答えが返ってくることが非常に多いんですよ。
何故なんでしょう?
シャガールの生まれ故郷なのに。
私が質問したベラルーシ人の中で「シャガールが好きだ」と答えた人は、2人しかいません。

自分の国では評価が低いということ、時々ありますよね。
北野武も日本よりも海外で評価されているということをよく耳にします。

ベラルーシではレーピンやシーシキンなどのリアリズムの作風の画家が好まれるようです。
好みが保守的ということがあるのでしょうか。
前衛的なもの、現代的なものは好まれない傾向を強く感じます。

それはおそらくソビエト時代の芸術政策がいまだに影響しているのではないかと思われます。
当時はロシアのクラシックな絵画やオランダの絵画など、リアリズムばかりが歓迎されたそうです。
それ以外の前衛的なものは民衆の害となるものだという発想だったんですね。

ソビエト時代のベラルーシでは、一般大衆にはシャガールの存在自体が知られていなかったそうです。
まあ、ソビエト時代、シャガールの絵はベラルーシに一枚もなかったそうですから、知らないのも当然でしょうが。

カンディンスキーのことも知られていなかったようですし。
マレーヴィッチにいたっては、「黒い正方形」の存在以外は知られていませんでした。
今でも、「黒い正方形」に関してはバカにした様な態度をとる人が多いです。
「あんなの芸術じゃない!」「あんなの誰でも描ける」という言い方をする人が多いんですよ。
ちなみに「黒い正方形」、私は大好きです。

そんなベラルーシ人に「好きな画家は誰ですか?」と聞くと、多くの学生、特に女子学生が挙げるのがサルバドール・ダリ。
なぜそんなに人気があるのかわからないほど、ダリの名前を挙げる人は多いです。

そういえば、二年前にヴィテプスクに行ったとき、ヴィテプスクの人に「シャガールは好きですか?」と聞いても、「あまり好きじゃない」という答えばかりだったなあ。

日本の美術館に行くと、シャガールの絵を目にする機会は多いですよね。
日本に帰ったら、美術館に行こうかな。
シャガールの故郷に住んでいるのに、日本へ行ってシャガールの絵を見るというのも・・・

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2009年05月04日

P7060660今日もベラルーシ北東部に位置する町、ヴィテプスクを御紹介したいと思います。

今日、御紹介するところは地元のヴィテプスク市民も行ったことがない人が多い観光地です。
それはロシアの画家、イリヤ・レーピンが夏をすごした別荘です。

そもそも、「レーピンって誰?」と思った方が多いかと思います。
この人は1844年生まれで、1930年に没した、ロシア帝国時代の超有名な画家です。
ベラルーシ人に「ロシアで一番有名な画家は誰?」と聞くと、ほとんどの人が「レーピン」と答えます。
おそらく、ロシア人もそうではないでしょうか。

詳しくはウィキペディアなどで調べればわかります。
いろんなサイトで絵も見れますよ。
有名なのは「ヴォルガの船曳」とか、「イワン雷帝と皇子イワン」と言った絵画でしょうね。
ロシア語を勉強した人なら一度は目にしたことがあるかと思います。

この博物館、ヴィテプスク市内から北へ16キロのところにあります。
普通のバスでも行けるようですが、車をチャーターして行くことをお勧めします。
周りには何もないようなところなので、たどり着けたとしても帰れるかどうか怪しいので。

P7060684場所の名前は「イリヤ・レーピン別荘博物館」とでも訳せばいいでしょうか。
場所の名前はZDRAVNYOVO。
駐車場に立っているこの看板には、この別荘がレーピンが1892年から1900年にかけて夏を過ごしたと書かれています。

P7060655メインの建物はこんな感じ。
正直に言って、当時の面影というものはあまり感じられません。
全て復元したものに見えます。
ベラルーシではこの手の建物、多いんですよ。
戦争でかなりひどくやられた国なので。
まあ、きれいといえばきれいかな、という感じの建物です。

P7060664P7060662P7060663中に入ると、いろんなものが置いてありますが、全体的に殺風景な感じは否めません。
生活の匂いがしないんですよ。
シャガールの博物館だと、その当時の空気が感じられましたが、この博物館ではそういうものはほとんど感じません。
その家に元々あったものではなく、当時使われていたものを集めてきたものらしいです。

P7060648P7060654P7060681P7060682この博物館の魅力は、博物館そのものより、周りに広がる自然だと言ったほうがいいでしょう。
非常に整備されている、整備されすぎている感じはあります。
でも、これはその当時とは違った姿なのでしょうから。
レーピンが心惹かれた理由が分かるような気がします。
彼は地元の人たちとも積極的に交流していたそうです。

P7060651敷地内を歩いていると、地元の音楽学校の学生の演奏が始まりました。
この日はあいにくの雨で、私達以外に観光客はいなかったのですが、普段はもっと人がいるらしいです。
演奏が終わっていろいろ話しましたが、これは実習の授業の一環なのだそうです。
最初はベラルーシの民族舞踊のようなものだったのですが、ギターを弾く子が弾き語りしたんですよ。
曲目はビートルズの歌。
レーピンとどんな関係があるの!?

P7060678最後にレーピンの銅像。

まだ観光地としては未発達な感じですが、むしろそのほうがいいのかもしれません。
レーピンを知らないと、全く面白くはないかもしれません。
しかし、自然を楽しむと思えば、楽しめるのではないでしょうか。

そういえば、博物館にメッセージを残すノートがあって、その中に日本人が日本語で書いたものがありました。
ベラルーシ人ですら知らない観光地に日本人が来てるなんて!
本当にどこにでも日本人は行くんですね。

明日もヴィテプスクについてです!

akiravich at 06:41コメント(0)トラックバック(0) 

2009年05月03日

今日からベラルーシ北東部に位置する町、ヴィテプスクのレポートをしたいと思います。
私とベロニカちゃんは2年前の7月にヴィテプスクを訪れています。
その時の写真を使いながら、数回に分けて魅力的なヴィテプスクの町を御紹介していきたいと思います。

第一回目の今日のテーマはずばり「シャガール」です。
皆さん、「シャガールはフランスの画家だ」なんて思っていませんか?
シャガールが生まれたのはベラルーシなんですよ!

実は私もロシア語の勉強を始めるまで知らなかったんです。
私が東京ロシア語学院という専門学校でロシア語を学び始めた頃のこと。
ロシア人のタチヤーナ先生が「シャガールはフランスの画家じゃありませんよ。ロシアの人です」と言ったんですよ。
私はびっくりして、「本当ですか?」と聞いたんです。
すると、タチヤーナ先生は次の授業にシャガールの画集を持ってきて、絵の中にロシア語の新聞の名前があるのを見せてくれたのです。
「ロシアの人」と言ったのは、当時のヴィテプスクは帝政ロシア領だったからでしょう。

私はシャガールの絵が大好き。
日本でも好きな人が多いですよね。
でも、そのシャガールがベラルーシの出身だということを知っている人は少ないのではないでしょうか。

ここで「ベラルーシ人」と書かずに、「ベラルーシ出身」と書いているのにはわけがあります。
シャガールはベラルーシ人というわけではなく、ユダヤ人だからです。
ただ、ベラルーシでは民族に関係なく、ベラルーシで生まれた人は「私はベラルーシ人だ」という人が多いので、ベラルーシ人かユダヤ人かと厳密に書くのも変なのかもしれませんが。

P70706872年前の7月7日、私とベロニカちゃんはヴィテプスク市内にある「シャガールの家博物館」を訪れました。
ここに書いてあるのは「マルク・シャガール博物館」という文字。
博物館全体の写真を撮るの、忘れてました!
博物館の建物を御覧になりたい方は博物館のオフィシャルサイトを御覧ください。

7月7日はシャガールの誕生日。
シャガールの誕生日には「シャガール祭り」が開かれると聞いていたので、以前から行ってみたいと思っていたのです(←その博物館には以前一度訪れたことがあります)。

P7070690これがそのシャガール祭りのポスター。
生誕120周年だったんです。
このポスター、サーカスやピエロをテーマに作られています。
その時のお祭りのテーマも「サーカス」。
シャガールはピエロやサーカスを題材にした絵をたくさん描いているので、ということらしいです。

P7070686博物館の庭がメイン会場。
その庭に入るとすぐに目に入ってくるのはこの銅像。
シャガールの絵から出てきたようなヴァイオリン弾きと馬です。
庭や建物は風船などで飾り付けされていて、お祭りムードを盛り上げています。
結構、広い庭なんですよ。
建物はかなり小さいんですが。

P7070688P7070689庭の塀には子供達がピエロをテーマにして描いた絵が飾られていました。

P7070692お祭りの開会式まで時間があったので、敷地内にある離れのような建物でやっていた展覧会を見に行きました。
そこもピエロ一色。
ピエロをテーマにした絵や置物などの作品が大量に並べてありました。
展覧会と言っても、小屋のような小さな家の中なので、あっという間に見終わってしまいます。

P7070691庭には人がかなり集まってきました。
でも、正直、もっと大々的なのかと思っていたんですよ。
だって、シャガールの生誕120周年ですよ。
シャガールの生まれた町で(←正確にはヴィテプスク近郊で生まれたらしいです。諸説あり)やるお祭りですからね。
思った以上にかなりこじんまりしていました。
でも、そういうほうがいいですよね。
観光の目玉にするとか、いろんな思惑が感じられるようなものよりも、手作りのような感じで。

P707069411時にイベントはスタート。
博物館の人の挨拶やヴィテプスクの詩人が挨拶(←恐ろしく長かった・・・)。
白黒の派手な服を着ているのはロシアの小さなサーカス団の団長。

P7070735その後、サーカスのデモンストレーションやミュージシャンのミニコンサートなどいろいろと続きました。
そこまで行くと、シャガールとは何の関係もないような感じで・・・
サーカスの芸は本当に地味な感じで。
でも、まあそれもよし、かな。

P7070696一通りのセレモニーが終わってからは、庭で子供達の写生大会。
なかなか微笑ましいものがあります。
私、こういうの嫌いじゃないですよ。

P7080737P7080739P7080740私達は博物館の中を見学しました。
小さい家なんですけど、シャガールが実際に住んでいたうちなんです。
生まれたのは違う家なんですが、シャガールが少年時代を過ごしたのが今の博物館。
小物や生活雑貨はシャガールが使っていたものではなく、その当時のものを集めたもの。
でも、その中の数点は実際にシャガールの家にあったものだそうです。

P7080736この家、シャガールが住んでいたんだなあと思うとかなり感慨深いものがあります。
例えば、ペチカというかまど兼暖房設備の上には天井との間にちょっとしたスペースがあって、そこに上がるとあったかいんですって。
博物館員の方が「シャガールもそこに上ってあったまるのが好きだったそうです」なんて説明を聞くと、何か心が温まるような感慨を覚えます。

シャガールの作品はこの博物館にはありません。
残念ながら、ベラルーシ国内にはシャガールの作品はほとんどないのです。
ヴィテプスク市内にはもう一つ「マルク・シャガール アートセンター」という施設があって、そちらにはシャガールの作品のオリジナルがあります。

P7070699この博物館の外壁にあるメモリアルプレートにはベラルーシ語で「芸術家マルク・シャガールはここに住んでいた」と書かれています。

シャガール好きなら、作品がなくても、この博物館の雰囲気だけで十分満足できると思います!

この博物館の基本情報です。
住所:Vitebsk, Pokrovskaya str.11
電話番号:+375−212−363468
開館時間:11時から18時半まで
休館日:月曜日・火曜日(10月1日から3月1日まで)、月曜日(3月1日から10月1日まで)
Адрес: г. Витебск, ул. Покровская, 11.
Тел. (+ 375-212) 36 34 68.
Музей работает с 11.00 до 18.30 часов.
Выходные дни:
с 1октября по 1 марта – понедельник, вторник
с 1 марта по 1 октября – понедельник.

P7070701P7070703博物館に行く途中にある銅像です。
シャガールの顔がちょっと疲れているように見えるんですが。
なんででしょう?

P7070706これはシャガール博物館へ行く方向を示す看板です。
実はヴィテプスクの人に聞いても、博物館がどこにあるか知らない人もいるんですよ。
タクシーの運転手とかだったら知っているとは思うんですけど。

P7070705ヴィテプスクの町並みは何かシャガールの絵画を思い起こさせるものがあります。
特に何かすごいものがあるわけじゃないんですが、いい感じに落ち着いた雰囲気がある町なんですよ。
ヴィテプスクの町を歩いていると、まるでシャガールの絵の中に迷い込んだような気分になります。
町の中を流れている川や古い建物なんかは、シャガールが住んでいた頃から変わっていないんじゃないかなと思います。

シャガールの絵を見ると、「あ、これ、ヴィテプスクの町並みだ!」と思うこと、よくあります。
ヴィテプスクに行ったことがある人なら、シャガールの絵の中に簡単にヴィテプスクの風景を探し出すことが出来ますよ。
シャガールがお好きな方なら、一度は訪れて損はないと思います。

明日もヴィテプスクの魅力的な場所を御紹介したいと思います。

akiravich at 06:28コメント(0)トラックバック(0) 

2008年07月20日

1d6f393c.JPGうちの奥さんが帰ってきました!
やっぱり、ベロニカちゃんがいないと変な感じです。
ケンカもするけど、仲がいいということなのでしょう。
ベロニカちゃんも久しぶりに親戚と会って楽しかったようです。

さて、今日はベラルーシ国立美術館についてです。
昨日の夕方、ベロニカちゃんと二人で行ってきました。
実は今まで私はちょっと敬遠していたんですよね。
というのも、いい展覧会に当たったことがなかったんですよ。

私が初めて訪れたのが8年前。
ベラルーシに来たばかりの頃でした。
ちょうどそのとき、シャガール展をやっていてかなり期待していったんですよ。
だって、シャガールはベラルーシ出身の画家ですから(知ってました?)。
美術館所蔵の絵がたくさんあるんだろうな、と思っていたのです。

でも、そこにあったのはリトグラフが少しと、デッサンばかり。
しかも、他の国の美術館から借りてきたものばかりで、かなり拍子抜け。
シャガールの作品はほとんどベラルーシには残っていないのです。
ただ出身地のヴィテプスクにはオリジナルの作品があります(このことはまた改めて書きます)。

シャガールでがっかりした後は、常設展示室へ。
そこにある絵もたいしたものはなく、もう一度がっかり。
しかも、大規模な改装工事中で展示室も小さく、見るところなし。
これでも、国立美術館なのか・・・と思ったのです。

その後、何度か訪れる機会はありましたが、たいして深い印象は残りませんでした。
数年前、通訳の仕事で訪れたときは、改修工事が終わっていて、かなり立派な新館にさまざまな展示物があり、そこそこ楽しめましたが。

そして、今回はベロニカちゃんからの提案でプライベートで行くことに。
ベロニカちゃんが「グルジアの大好きな画家がいるんだけど、国立美術館でグルジアの画家の展覧会をやっているらしくて、たぶんその私が好きな画家だと思うんだけど」という、いつものように彼女らしいアバウトな情報。
まあ、とりあえず行ってみることに。

私たちが着いたのが18時10分。
入場券を売っている窓口に行くと、そこには「一階の展示室と二階の展示室は別料金です」という張り紙が。
迷わず「どちらも見る」と言うと、「19時に閉館だから、間に合わないわよ。二階は展示物が多いし」とのお言葉。
なので、一階部分だけを見ることに。

最初にピカソの陶芸展。
ピカソの陶芸?と最初は思ったのですが、とりあえず見てみることに。
そこに書いてあった説明を見ると、ピカソ自身が作ったのではなく、ピカソが図柄を描き、彼の指揮の下に作られた量産品であるとのこと。
まあ、そこそこ面白かったかな。

それから、ベロニカちゃんお目当て(とは言っても、本当にその大好きな画家なのかはまだ知らなかったのですが)の画家のコーナーへ。
そこにあったのは日本でも有名なニコ・ピロスマニの絵。
ベロニカちゃんは「これ! これ、私の大好きな絵!」と、一枚の絵を指差して大喜び。
正直、私が好きなタイプの絵を書く画家ではないのですが、結構楽しめました。
非常にプリミティブなスタイルですが、味わい深い絵だと思います。

絵を見ていると、学芸員らしいおばちゃんが近づいてきて「あと二つ部屋があるから、そっちも見ていってね」
隣の部屋はゴブラン織の作品とガラスの作品。
作者はリトアニア、ロシア、ベラルーシの人。
正直、興味なし。

次の展示室がかなりおもしろかったんですよ。
ベラルーシのНиколай Бущик (ニコライ・ブシチク)という画家の作品。
彼が60歳になった記念の展覧会。
正直、ベラルーシの画家は私の目から見てそんなにレベルが高くないと思っていたのですが、彼の絵はかなり好み。
「色を通して見る生活」というタイトルの展覧会。
暖色系の色を使った絵が多く、色そのものではなく、それを通して浮かび上がってくるものが非常に鮮やかに描かれた、全くもって鮮やかな作品群。
これはお勧め!
でも、展覧会は8月10日まで・・・
会期中にもう一度行くぞ!

いやあ、面白かった!
全く期待していなかったので、これはかなりびっくり。
これで、ベラルーシでの楽しみが増えました。
正直、ベラルーシでまともな展覧会を見たことがなかったのです。
ベラルーシは東京みたいに世界中の美術館から大量の絵が運ばれてきて、外国へ行かなくても名作が見られるような環境ではありません。
近いうちにもう一度行って、常設展示も見てきたいと思います。

ここまで読んできた方はおわかりかと思いますが、私は絵を見るのが大好き。
東京に住んでいた頃は、しょっちゅう美術館に行っていました。
ベラルーシに住んでいて、苦しかったんですよね。
「芸術が足りない!」と口癖のように言っていました。
でも、これからはその「芸術不足」も解消されるのではないかと期待しています。

今、ギターを聴いています。
ジョン・ウイリアムスの演奏で「ラテンアメリカギター音楽集」。
バリオスの「大聖堂」という曲が大好きです。
クラシックギターが好きな人なら必ず知っている名曲です。
私も子供の頃、ギターを習っていたことがあるんですよ。
全くうまくなりませんでしたが。
今でもギターを聴くのは好きです。
ギターを弾いている人を見ると尊敬してしまいます。
いいよなあ・・・

東京にいた頃のことを思い出してきた!
芸術に生きていた頃のことを!
もっといい展覧会がたくさん開かれますように・・・

ベラルーシ国立美術館
住所:ミンスク、ул. Ленина 20 (レーニン通り20番)
開館時間:11時〜19時(入館は18時30分まで)
定休日:火曜日
料金:大人4740ルーブル(約230円)、外国人15840ルーブル(約770円)
常設展示:12世紀〜20世紀のベラルーシ美術コレクション、16世紀〜20世紀前半の外国美術、18世紀〜20世紀前半のロシア美術、15世紀〜20世紀の東洋美術

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2008年06月14日

6e084743.JPG今日は朝から大学へ行って、来週月曜日の試験の説明会をしました。
その後、本当は11時から個人レッスンがあったのですが、今日は朝から肉体的にも精神的にも限界を感じていたので、授業をキャンセル。
休養を取らないとやばいと思ったので、思い切ってそうしました。
明日もあさっても仕事がかなり入っているので。

うちの奥さん、ベロニカちゃんと待ち合わせて買い物に行くことに。
最初は誕生日のプレゼントを買うためにディナモ・スタジアムへ。
何にもいいものがなかったので、そこから歩いてグム百貨店へ。
そこにも何にもいいものがなかったので、本の市場へ行くことに。
(本のバザールですね。そこについてはまた別途書きます)

で、そのバザールに行く途中に、以前から気になっていた建物を目にしたので、行ってみることに。
それは平屋の古い建物で、何か博物館のようなものだとは認識していたのですが、いったい何があるのかは全然知らなかったのです。
そこはヴァニコヴィッチという19世紀ベラルーシの画家の美術館。
ベラルーシでは有名だそうですが、私は聞いたことがありませんでした。

ベラルーシにある美術館や名所旧跡などについては、別にまたいつか詳しく書くつもりなので、ここでは簡単に。
いやあ、見るものないんですよね。
というのは、オリジナルが一枚もないんです。
複製や写真ばかり。
その建物もヴァニコヴィッチ自身が住んでいたわけではなく、彼のいとこが住んでいたという、ある意味、いわくつきの建物。
19世紀当時から、その建物にあったものというのは、大理石の彫刻と当時の本(モンテーニュの「エセー」)のみ。
あとは当時のものながら、他のところから集められたものです。

こうゆう誰も来ないような博物館・美術館ではよくあることなのですが、暇な職員がガイドをしてくれることがあります。
「ガイド料いらないから、私の話を聞いとくれ!」と言わんばかりに、おばさんがしゃべりまくり、ゆっくりと少ない展示物を鑑賞したい人にとっては、非常に迷惑だったりします。
だって、私たちが絵を見ていると横でベラベラうるさいし、おばさんはしゃべり終わると「はい、次の部屋に行きましょう」と私たちを追い立てるし。
ゆっくり見せろ、っちゅうねん!
これが通訳の仕事だったりすると最悪です。
私もひどい目にあったことが何度もあります・・・

そこから、歩いて本の市場へ行き、ベロニカちゃんが欲しがっていたファッション雑誌を買いました。
25000ルーブル(約1200円)という高価な雑誌ですが、中身はベロニカちゃんが見たがっていた最新のウエディングドレス。
そうなんです。
うちのベロニカちゃん、ウエディングドレスも作っちゃうんです。

さて、そこからカマロフスキー市場へ。
いやあ、久しぶりだなあ。
で、いつもの日本食材を売っている店へ行くと、何としょうゆがない、という非常事態!
うち、しょうゆが切れちゃって、困ってるんですよ。
そこに行くと、いつもキッコーマン、売ってるんですけど、今日は減塩しょうゆばかり。
しかたなく、市場を後に・・・

それから、今日のメインイベント、カルパッチョを食べに!
行ったのは、僕たち行きつけのピッツェリア「テンポ」、ロシア語でтемпо(пр.Независимости, 78 営業時間8:00〜23:00)です。
ここはいつも混んでいるんですよ。
ピッツァがおいしいので。

お目当ては牛肉のカルパッチョ。
我々のエネルギーの源。
行くと必ず注文しています。
値段は12000ルーブル(約600円)。
私たちにとって安くはありませんが、一ヶ月に一度の贅沢です。

今日は人が多かったからか、出てくるまでかなり時間がかかりました。
さて、到着したお肉さんは今日はたっぷりと厚めにスライスされていて、もう最高!
そして、ちょっとびっくりだったのが、別のカップに出されるチーズが今日はまともなパルメザンだったこと!
いつもだと、その辺で売っているような安いチーズなんですけど、今日は本物のパルメザンかどうかはわかりませんが、かなり近い味でした。

こっちでは肉や魚を生で食べる文化はないんですよ。
なので、わたしたちが食べていると、時々、周りの客が「うへ〜っ」という顔をしてみていることがあります。
私たちも自分のうちで生肉を食べることはいっさいありません。
こっちのお肉は生で食べるのは危険な感じがします・・・
お店だと、ちゃんと管理ができているのでしょうけど。

やっぱり、生肉はいいですよ!
僕、馬刺しとか大好きだし、ユッケも大好き。
日本へ帰ったら、思いっきり食べよう・・・

カルパッチョと一緒に食べるのはいつもピッツァマルガリータ(マルゲリータ?)。
今日は26センチの小サイズ。
これが結構おいしいんです。
2年ほど前、日本から来た音楽家の皆さんをお連れしたとき、そのうちの一人の女性が「ベラルーシに来て、こんなにおいしいピッツァが食べられるとは思わなかった!」と言っておられました。

今日は中二階のような席に座っていたのですが、下のほうに目をやると一組の家族連れが。
お父さん、お母さん、娘二人(推定5歳と7歳)、息子一人(推定11歳)。
それがまあ、すごかったんですよ。
娘二人とお母さんは、それぞれ一人づつ26センチのピザ。
そして、お父さんと息子は二人で45センチのビッグサイズ。
まあ、男たちはともかく、娘二人が小さい体で黙々と食べ続け、全て平らげたのにはびっくり。

そして、うちに帰って、昼寝。
たまりにたまった疲れを出したかったのですが、学生からの電話に起こされ・・・

明日も忙しいなあ。
今日はもう寝よう・・・

akiravich at 02:54コメント(0)トラックバック(0) 

2008年05月02日

427e90e9.JPGやっぱりというか、予想通り、暖かい天気は続かず、ちょっと寒くなりました。
ジャンパーなしでは肌寒い感じでした。

今日はメーデー!
メーデーと言えば、労働組合がやるお祭りというイメージですが、ベラルーシではすっかり普通のお祭りになっています。
一応、労働者のため、ということにはなっていますが。
労使交渉をがんばろう!などと言うことはありません。

ちなみにベラルーシでは労働組合はありますが、日本の労働組合とはだいぶ意味合いが違っているように思います。
労使交渉がどうのこうの、という話は聞いたことがありません。

僕は2年ほど前、仙台の労働組合の方がいらしたときに通訳をしているので、こちらの労働組合の人には知り合いが多いんです。
今日は、うちの近くにある国立図書館の前でいろんな催し物が。
地下鉄の駅でミンスク市労働組合連合のヴラジーミルさんにばったり会いました。
彼とは通訳の仕事をしたときから、とても仲良くしています。
今日はミンスク市内のいろんな場所でメーデーを催し物があり、彼は国立図書館前の様子を見に来たのだそうです。

そして、僕達は知り合いのうちへ遊びに。
その知り合いとは、劇作家のエレーナ・ポポワさんとその御主人で画家のグリゴリー・ネステロフさんです。
実は3年ほど前、ポポワさんの戯曲を日本語に翻訳したことがあるのです。
そのときは、ミンスクにあるゴーリキー記念ロシアドラマ劇場の芸術監督だったボリス・ルツェンコさんと日本へ行って、ベラルーシ演劇を紹介するという企画があって、その中でベラルーシの戯曲をリーディング形式で上演することになったのです。
そこで、ヤンカ・クパーラ劇場の方に誰の戯曲を翻訳すればいいかどうか相談したところ、ポポワさんを紹介してもらったのです。
数日後、彼女をうちを訪ねて、翻訳の許可をもらいました。
劇作家の方と会うのは初めてだったので、すごく緊張したのを覚えています。
でも、彼女はとても話しやすい人で、例えば、翻訳で困ったことがあって彼女にちょっと意訳になっちゃうけど大丈夫かと相談したところ「もう好きなように訳していいわよ」との答えが。
普通、作家の人って、自分の書いた作品の扱われ方にはこだわるもんだと思っていたら、彼女は全然、気にしないタイプで。
そのときから、時折、お宅にお邪魔して、いろいろ仲良くしてるのです。

今日もいつものようにポポワさんの手料理を御馳走になりました。
彼女の料理はオリジナリティーがあります。
今日は丸鶏のお腹の中にクレープと干しあんずを詰めて、オーブンで焼いたものがメインでした。

彼女のうちに行くと、いつも芸術談義に花が咲きます。
演劇人の動向から、哲学的な話まで。
特に御主人の芸術論は非常に抽象的で難しいのですが、内容が深くて面白いです。
今度、彼の書いた作品を御紹介しますね。
僕は結構好きです。

非常に芸術的な刺激に満ちた時間でした。
今日は久しぶりの完全オフ。
ゆっくり休みます・・・

akiravich at 02:56コメント(0)トラックバック(0) 

2008年03月21日

37c3a890.JPG月がとってもきれいだから、写真、撮りました。
ベラルーシでは、月が異常に近く見えるときがあります。
このまま行くと、衝突するんじゃないかってくらい。
今日もかなり近かったです。

いやあ、フィギュアスケートの世界選手権!
浅田真央、優勝しましたね。
うちのベロニカちゃんと一緒にドキドキしながら、見てました。
ここにいると、日本にいたときより、日本選手の活躍が気になったりします。
愛国心が湧いてくると言いましょうか。

安藤美姫の演技の前に、有名なニコライ・モロゾフコーチがうつってました。
この人、ベラルーシ人なんですよ。
もともとアイスダンスの選手ですよね。

ベラルーシ出身の有名人って誰か知ってます?
あんまりいないんですけどね。

アンドレイ・グロムイコ
ソビエト時代の外務大臣ですね。
名前ぐらいは覚えている人もいるのでは?

アレクセイ・イグナショフ
K−1ファイター。
格闘技が好きな人なら知ってるはず。

シモン・ペレス
第9代イスラエル大統領。
もちろん、ユダヤ人です。
ベラルーシにはユダヤ人が昔から多く住んでいました。
最近ではイスラエルに移住する人が多く、その人口は減っています。
しかし、イスラエルに行って、逆に戻ってきてしまう人も少なくありません。
まあ、ベラルーシは超治安のいい国ですから・・・

マリア・シャラポワ
生れはロシアだけど、両親はベラルーシのゴメリ出身。
だから、ベラルーシ人と言ってもいいのでは?

最後にビッグネーム、いきましょう。

マルク・シャガール!
フランス人だと思っている人、いませんか?
ベラルーシ出身ですよ!
厳密に言えば、ユダヤ人なのですが、ベラルーシで生れたことは確かです。
ビテプスクという地方都市の近郊で生れています。
僕は去年の夏、行きました。
シャガールの絵を見ると、かなりたくさんの作品にビテプスクの町並みが描かれていることに気がつきます。
シャガールについてはまた別に書きますね。

ベラルーシでのみ、有名な有名人もいます。
学生などに聞くと・・・
マクシム・ミールヌィ(テニス選手、ダブルスではそこそこ活躍している)
ヤンカ・クパーラ(ベラルーシを代表する作家)
ヤクプ・コーラス(この人もベラルーシを代表する作家)
知らないですよね。

最近はオリンピックや世界選手権などで、ベラルーシの選手が活躍することが多いようですね。
うちの両親もテレビで「ベラルーシ」という言葉をよく耳にすると言ってます。
もっとベラルーシをアピールせねば!
(僕はベラルーシ政府の回し者ではありません)

akiravich at 07:16コメント(2)トラックバック(0) 
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