2009年10月05日
過ぎていく時の中で今が過去になる
撮影位置を誤ると、すぐこんな写真ができあがります。
その瞬間におけるベストの撮影位置を予測して動く。一瞬の判断が写真のデキを決めます。なんて言ってられなかったのがスプリンターズSのゴール前写真。
基本的にボクたちの仕事はゴール前で「勝ち馬」を撮影すること。どんなに際どい勝負になろうと、クライアントから要求されるのは「勝ち馬」です(仕事内容にもよるけどね)。
撮影に使用するのは望遠レンズなので、早めに勝ち馬を判別し、ファインダーで捉えなければならない。これがなかなか厄介で、馬券予想より難しかったりする。
例え着差がわずかでも、馬体を併せ叩き合っているレースは楽なんです。一緒にファインダーに入るから。そうではなく、内と外で離れてしまうとどちらかに賭けるしかない。
このレースは一見するとローレルゲレイロとビービーガルダンが併せているように見えるけど、実際にはそれほど併せていません。当然ファインダーにはどちらかしか入らない。
でも、あそこまで際どい差だと見極めは無理です。運です、運(笑)。ボクはたまたま勝ち馬を撮影できたけど、今回のは2着馬を撮っても仕方ない。
レース後の検量室前には写真判定の写真が実際に貼られているわけですが、いつもはさほど足を止める人もないのに、今回だけは皆目を丸くして写真を凝視していました。ボクも何度も見に行ってしまった(笑)。
結果を知ってからでもどっちが先頭なのかよくわからん。言われてみればゲレイロの方が線から出ている鼻の面積が多いような気はするけど…。

ただ、個人的にはゲレイロは勝つべくして勝ったと思います。
以前から何度か書いているように、アンカツさんはどんなに際どい勝負だろうと、ゴール前でケツを上げて横を見ます。このレースでも最後まで内で歯を食いしばりながら必死にゲレイロを追う藤田騎手に対しアンカツさんはいつものポーズ。そしてその差が1センチ。伝説と謳われる08年天皇賞(秋)の二の舞(当時もケツ上げ)。
本人曰く「(最後まで追ったとしても)たいしてかわらない」そうですが、ならばなぜ、最後の最後まで目一杯に追うジョッキーがいるのか。勝ちたいから、一つでもいい着順でゴールしたいからでしょう。馬よりも先に人間が諦めたら、それは絶対に馬の負担になる。馬券を買っているファンだって納得できんでしょう。
あの差なら同着でいい?
否。
まぎれもなく勝者は、最後まで必死に闘った藤田騎手とローレルゲレイロで間違いない。
akitin1 at 19:19│TrackBack(0)│レースの現場で



