作品

●古希のプレゼント


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古希を迎えられたご主人様の為に選ばれたのは「蜃気楼」と題されたロウケツ染の額絵。
砂漠の中に忽然と姿を現したアラビアンナイトを思わせるような中近東の街並みで、欲張って月まで登場しています。

あえて小さな額にしたのは広大な砂漠の世界を
小さな絵でどれだけ表現できるかの挑戦でした
茶褐色の砂に風化して融合する廃墟のような遺跡と怖いほど澄んだ空の青さが今もなお記憶に残っています。

絵画や美術がお好きなご主人様のことだからお気に召していただけるかどうか心配ですが、絵をプレゼントするとは何てステキな奥様なんだろうと思いました。
古希を迎えるまでの長い年月をお二人で歩んできた様々な思い出を語り合いながら、あの絵を渡されるのでしょうか。
きっとワイン片手に🍷




●お嫁に行ったアマルフィの帯

お客様のK様からメールと一緒に沢山の
写真が届きました。 
「南イタリアのアルベロベッロです。アマルフィにも
行ってきました。あの帯懐かしいです」
あの帯というのはやはり南イタリアのアマルフィを
イメージしたロウケツ染めの帯のことです。 

帯 - 1
ロウケツ染め帯ー迷宮の街(ローマにて撮影)

タペストリーとしても飾れるような帯を赤系、青系、白系の
3点を三部作で染めて4年前の個展に出しました。
私はこのブルーが一番気に入っていたのですが、
赤と白はお嫁に行ったのにこのブルーだけが残り
その後DMに使ったりして手元にありました。

帯 - 1 (1)
DMに使った帯の写真ーうちの猫達もお招き

それにしても体調が悪いと言っていたK様がイタリアに行ったのかしら?大丈夫かしら? 
 K様は長い事、癌と共存しながら前向きに
頑張って来られたのですが、ここのところ又癌が悪さを始めたらしく
手術をするという事でした。

だからメールを頂いてすぐに電話を入れると 
「これが最後だと思って、行っちゃたわよ」
と思いの外お元気な声。
「行って見て分かった!あの帯のイメージだった。」

K様はこの帯をず〜と覚えていて気になっていたようです。
すでに合わせる着物もあれこれ考えてられたようでした。
すぐに送って欲しいと言われ、手術の前にお送りしました。
たくさんのパワーを帯と一緒に詰め込んで。

わが娘は嫁ぎ先で少しは役に立っているかしら
気がまぎれるお手伝いが出来たかな?


そして、手術はうまく行ったそうです

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ブルーのお着物に合わせた帯、個性的な装いで
よくお似合いです。
お元気になられて嬉しい!
この次は、わが娘をアマルフィに
連れて行って下さいね〜



  








 

冬ごもりの時期ー屏風制作

仕事の予定が詰まって来ると、なかなか集中して
出来ないのが大作です。スペースを取るので、
一度広げてしまうと、身動きがとれないし、
 何日もかかりきりになるからです。
まだ動き出さない冬の時期に、2年前から試作を
重ねてきた屏風制作に着手しようと腰をあげました。

屏風1
雲を表現する 糊染め技法。まず筒描きで黒の色糊を描きます。
布を切らずに一枚のまま染めます。
糊は乾かないと次の作業が出来ないので暖かい日差しのある日
を選びます。この冬は暖かかったので助かりました。

屏風2
白地に糊で雲を描きます。嵐を予感させる雲なので、
大きな刷毛やヘラを使って大胆に重ねます。
雲は私にとって永遠の課題です。何度試作しても、
自然が見せる雲の瞬間瞬間の感動は、
表現し尽くせない面白さと難しさがあります。

屏風3
乾いては染料でぬり、又糊で描いて染料でぬりを
5回繰り返して、少しずつ作業は進み完成まであとわすか。
終了後、蒸気で蒸し水洗いして出来上がりですが、
糊染めは、水で糊を落とすまで結果が見えません。
果たして上手く行くかどうか?

2週間近い作業も、あと数日の勝負です。
無事、日の目を見ればいいけれど、、。



 





 

「麻布あきベトリーナ」 ウエブ公開

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ひよどりやメジロが来る当アトリエ。
お天気に恵まれた会期ですが、風が冷たい季節。
初めてのお披露目展に、皆様が地図をみながら
お越しいただけるかどうか 、ドキドキの毎日です。
迷われる方、タクシーで来る方、お散歩がてら
遠回りして来る方など様々で、きつい坂の上り下りが
お気の毒になりますが、都心なのに静かで緑が多いですね、
と皆様ホッとして下さいます。 

新しいあきベトリーナ、作品の一部をご高覧下さい。

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バラやミモザで染めたウエア

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柔らかい自然光が気持ちいい空間です。

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桜がちょうど咲いてくれました。

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ミモザの洗練された黄色

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バラの色はやっぱり華やかです。

明日からは暖かくなる様子。
狸穴公演の桜も咲き出しました。
麻布十番も近いので、お散歩気分でお出掛け下さい。


 

モダンに着るー渋谷区の Mさま

粋のちょっと手前の品選びや着こなしとおっしゃるMさまは、
まるで洋服を着る様に自然にお着物をお召しです。
以前は、着物など無縁であったのに、おばあ様やお母様の
お着物が沢山あって、そのままにしておくのがもったいないと
お着物を着る様になったそうです。
今では、機会を見つけては着物でお出掛けになるそうで、
帯締めや帯揚げ、小物などで楽しんでいられるご様子。
着物は、奥が深いだけに知るほどに楽しさが増すものですね。
 
宮崎さん1
 
宮崎さん2

アマルフィをイメージして染めた名古屋帯にサンドベージュの
無地の一重を合わせ、お子様からプレゼントされたトンボ玉の
赤い帯止めが、帯の赤色ととけ合い地味な着物をモダンに引き立てる心憎い個性的な着こなしです。




 
コメント
プロフィール
すずき あき
東京生まれ
桑沢デザイン研究所インテリアデザイン科卒業
卒業後、着物のロウケツ染、友禅染を学ぶ
1975年独立。約10年にわたり着物のデザイン制作
1984(伊)フィレンツェ大学へ留学
帰国後、「あき染色スタジオ」設立

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