花好きじじいの山野草談義

野山を歩いて撮影した花々と、それにまつわる話題。

野生のアズキ

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azuki


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5秋田では10月末ともなると朝晩かなり気温が下がり降霜のニュースも聴かれる候ともなると稲刈りも殆ど終わり寒々として晩秋の風景となります。

5そんな風景の中に何故か収穫が済んでいない大豆畑だけが取り残されているのがひと際目立ちます。
5それも、除草も行き届いて整然と管理された大豆畑というのは少なくて、雑草だらけの荒れ果てた畑というのが大部分なのです。
恐らく、高齢化の進んだ農家では畑作にはなかなか手が回らず放置されたままなのだろうと考えています。因みに、畑に出ている若い人を見かけることは殆どありませんから、畑仕事は老人に任せ青壮年は外に働きに出ているためと考えられます。
5ところで、こうした手入れの悪い荒れた大豆畑に繁茂した各種の雑草の中には何種類かの野生のアズキの仲間と見做されるマメ科の植物が混じって生えているのに気付き、昨年これを調べてみようと思い立って種子を採取してきてプランターに植栽して観察してみました。

5野生のアズキについての記載について調べてみると野生アズキ(ヤブツルアズキ)Vigna angularis var. nipponensis雑草アズキ(ノラアズキ)学名ナシとがあるとされています。
5野生アズキについては、茎が長く延びて蔓になって他にからみつく。全草に黄褐色の開出する粗い長毛があり。葉は3出複葉。果実は4〜9cm無毛の黒色線形。種子は3〜5mm暗褐色の長楕円形ないしは短円柱形とあります。
5昨年、職場近くの土手を埋め尽くしたした蔓性植物はクズだろうと何気なく見過ごしていたものに8月末に黄色い花が咲いたのを見て初めてアズキの仲間だと気ついて観察していたところ、10月には豆果が熟して黒色の線形の莢の中に長径4mm前後の黒色種子をつけたので栽培アズキの原種と考えられる野生アズキ(ヤブツルアズキ)だと知りました。
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5他方、大豆畑の雑草として生えたアズキの仲間と見られる植物は、草丈が30〜40cmと大豆とほぼ同じ大きさで3出複葉で蔓性ではないため大豆と見紛う外観なのですが、8月には大豆が淡紫色の小さな蝶形花を付けるのに対してこの雑草では黄色の大型の蝶形花を付けるので区別は容易にできます。
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59〜10月になると5〜11cmの線形の豆果となりますが、熟すと莢の色と種子の色との組み合わせで4種(形質?)見られることが分かりました。
5○莢の色が褐色で --- 種子は黄土色
5○莢の色が黒色で --- 種子は黄土色:莢の色だけが違って上と同じ
5○莢の色が黒色で --- 種子は黒色:野生アズキより大型
5○莢の色が褐色で --- 種子は暗紅色:栽培アズキより小型
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gh比較のため左端に
栽培アズキを並べ
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5これら野生の4種は莢、種子の色が違っても同一種として雑草アズキ(ノラアズキ)と総称されるとしたら、こうした形質の違いも種内変異と見做されいるのかも知れません。また、その成り立ちについても、栽培アズキが逸出したとも栽培アズキと野生アズキが交雑して生まれたものなどとも言われていますが確定してはいないようです。
5こうした形質が安定して継代するものかどうかを知るために来春種子を10粒ずつプラターに播種して育ててみるつもりです。

5雑草アズキを使った炊き込みご飯お汁粉作りを試みてみましたが、ほとんど栽培アズキ(市販)を使って作ったものと変わることなく美味しく食べられることが分かりました。  
ij雑草アズキ黒を使った炊込みご飯





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l栽培アズキ(左)
 雑草アズキ黒(中)
雑草アズキ黄土(右)


ノラニンジンとニンジンの比較


5野生種ノラニンジンと栽培種ニンジンとは極めて近縁の種なのですが、両種の関連については、これまでにも野生種から栽培種を作られたとする説と野生種は栽培種が逸出したものとする説とが長く論じられていますが何れとも結論は出ていません。
5私にはそうした両種の前後関係については「卵が先か鶏が先 か」に似た不毛な論議に思えてあまり関心がありませんが、私の生活圏では最近ノラニンジンがかなり増えてきているように思えるため両種の違いを調べてみようと2017年4月に両種の種を庭のプランターに播いてみました。その中で越冬できたものが今年開花し結実しましたので比較してみました。
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 荒地や道端に群生しています。





根部

5プランターの培養土での植栽のため発育が抑制されていて自然の状態とは言い難いのですが、ニンジンでは著しく膨隆して赤味を帯びてくるのに、ノラニンジンでは白く側根を出していて明らかに違っています。
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5自生のノラニンジンでは3〜6本の株立ちのものが多いのですが、植栽のニンジン、ノラニンジンでは多くは一本立ちで分枝しています。両種とも円柱状の茎は有髄で皮部には隆条があります。ニンジンには薄い微毛が
あって触感はスムースですが、ノラニンジンにはかなり粗い毛が密生していてざらついた触感があり明らかに違いがあります。
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52〜3回羽状複葉でよく似ていますが、茎中央部の葉を比較すると裂片の幅はニンジンの方が狭いことが分かります。
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5茎頂には複散形花序を付けます。下の画像はノラニンジンの花序ですが、約2000個以上の白色小花が傘形(ドーム型、平型)に密生しています。
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5全体の花序(大花序)には樹枝状に細裂した総苞片9〜11個、そこから出ている50〜60の小花序には苞片5〜7個、小花の花弁5枚なども両種で違いが見られません。
ニンジン            ノラニンジン
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両種での特徴的は違いは、ノラニンジンのほぼ半数の花序の中央に色有花(暗紫色、紅紫色)が見られることです。
(なお、この有色花の役割に関しても諸説ありますが、何れもが納得できるものではありません)
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種子
5卵形長楕円形で木質の刺毛が並ぶ果実には両種で違いは見られません。
5下の画像ではやや違って見えますが採集して時間が経ったニンジンからは刺毛が殆ど脱落しているためです。
5参考までに、市販のニンジンの種の画像(右)を載せてみました。刺毛は見られません。
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                                               (画像は拡大してご覧ください)           


ギシギシの幼葉

53月末、ようやく残雪も消えた荒地には越年草ギシギシの若い葉が目立ちます。
5昨年秋に枝先に付けた花の形から種を特定して、マークしておいた場所に生えたギシギシ、エゾノギシギシ、ナガバギシギシ、アレチギシギシの若い葉を撮影しました。
5叢生する幼葉は生長とともに形状が多少変わってきますが、種によってかなりの違いがあることも分かります。 

5ギシギシ     5エゾノギシギシ    ナガバギシギシ
ギシギシエゾノギシギシナガバギシギシ 







5アレチギシギシ    4種の比較
アレチギシギシ gishigishi 

 




5叢生する若い葉の間から茎が伸びて花、そして実を付けるまでを経過を追って観察してみたいと思います。
 
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