消燈グレゴリー その三

牛隆佑のブログです。短歌。 元・空き家歌会管理人。

お知らせ一覧

〇昭和歌会・・・・・・定期開催中(毎月第2月曜日)

〇犬街歌会・・・・・・定期開催中(毎月第4日曜日)

〇葉ねのかべ・・・・・・第25弾制作中。
http://hanebunko.com/

〇歌人寫眞館・・・・・・NHK短歌テキスト11月号10月20日発売。
https://www.nhk-book.co.jp/list/textcategory-09173.html

〇フクロウ会議・・・・・・次回企画中
http://a-parliament-of-owls.mystrikingly.com/

〇牛と街灯・・・・・・「牛と街灯7」計画中
http://inumachi.main.jp/

大阪府豊中市・庄内のギャラリー&リトルプレス専門書店「犬と街灯」にて、私家版歌集に集中した本棚「牛と街灯」の取り組みがはじまっています。企画と私家版歌集の収集に協力しています。

私家版歌集とは出版社を通さずに発行された歌集です。近年、多彩な私家版歌集が生まれていますが、多くは即売会や自家通販など作者と読者の直接の関係によって届けられ、その結果として、少部数・短期間でのものに留まりがちです。私家版であっても歌集はその作者の数年間の集大成なのに。

何か一つでも集積地があることが、歌集の作者とその歌集の未来の読者の双方のために良いはず。その願望がありました。
そして「犬と街灯」は朗読家・編集者・イラストレーターの谷脇クリタさんが運営するリトルプレス出版の専門店です。谷脇さんにはzine文化を支えたいという希望がありました。

この願望と希望が交わるところにこの取り組みははじまりました。ゆっくりと時間をかけて私家版歌集の作者と読者のための本棚を作っていきます。どうぞお見守りください。

【作者の方へ】私家版歌集のお取扱いの問合せは牛(@ushiryu31)までお願いします。お気軽にお問合せください。

※2025年2月16日時点 店舗取扱私家版歌集
〇=NEW ×=在庫なし

相川弘道『SILENT NOISE』800円
青藤木葉『彗星標本』1000円
斌『ちゅるきら』500円
朝路千景『明けない夜は何をしようか』1200円
あの井『マカデミアナッツ』800円
あの井『水引』800円
天野うずめ『似た服を買う』400円
雨虎俊寛『そこに僕がいない・stand against the fire』300円
荒川甘受『文学、あるいは生きることのない世界』1000円
新棚のい『Tutte le cose belle di questo mondo』900円
新棚のい『Dazzling』1100円 
有村桔梗『夢のあとに après un rêve』700円 ×
井口可奈『プラスチックのかたち』800円
井倉りつ『スチールグレイ』700円 〇
石井大成『キラーチューン』600円
石井雅也『神様の栞(睡眠について)』500円
石村まい『パリで風邪を引いた』700円 〇
椅子マリ『コスモスクエア』1000円
犬口マズル『とこしえの犬』1000円 ×
今木今昔『僕だけの歌』300円 〇
今紺しだ『以下の問いに答えなくてよい』500円 ×
入瀬紗鳥『羽根の採集』1000円
いるこ『巡る、白昼夢』1000円
岩倉曰『harako』880円 ×
岩倉曰『ハンチング帽のエビ』1000円 ×
いわまむかし『二万キロ遠くのひとの相づちを聞く』1000円 〇
牛隆佑『鳥の跡、洞の音』900円
宇野なずき『最初からやり直してください(リメイク)』1000円
宇野なずき『花で汚れる』1200円
うゆに『遠雷』800円
大久保八億『浜離宮/プリングルス』800円
岡田奈紀佐『まぼろしスイマー』400円
岡部杏里『ごいあさつ』300円
尾崎飛鳥『こい、きおく。』800円
音無早矢『ハッピーエンド』1000円
カイヅカノリコ『平日と休日』500円
笠原楓奏『人の死なない話をしよう』2200円
カリフォルニア檸檬『み未して視みうつつひみづ』1500円
河岸景都『Curtain Call』1000円
神原百春『明日の「あ」の字の時間帯』1000円
キクハラシヨウゴ『人気の詩』500円
キクハラシヨウゴ『実力の歌』500円
岸燈花『歩かぬものを歩かせよ、風。』1000円
北原有『メロ・メロウ・メロディ』500円
キナコモチコ『観覧車が在る街』600円
木野葛紗『Lotus-eater』600円
木下こう『体温と雨 私家新版』1000円
桐島あお『花二輪』850円 ×
桐島あお『保留音』1350円
桐島あお『避雷針』1350円
窪田悠希『ほのぼのとした歌集』1000円
雲居ハルカ・町田千秋『壊れていてもかまわない』2250円
小石岡なつ海『好きな季節がない』630円
小泉スロウ『もうちょっと寝たい。』2000円
御殿山みなみ『モモモノローグ』600円
御殿山みなみ『ペトルスカ・サルド・ブムブム』500円
古都詩子『2進法で愛してるって言うからさ、』600円
桜井あらん『FRANCOIS』500円
さくらいたかよし『ひとり分の光』1200円
佐々岡矩実『ずっとずっと遠いどこかで開くから今は読まなくてもいい手紙』500円
さとうきいろ『恋文は可燃ごみです』600円
佐藤モネ『対岸へ』800円
サラダビートル『どこにも反射しない輝き』500円
サラダビートル『息を呑むほどダサくて血の滲むほどもどす』500円
柴田有理『短歌と写真』1500円
ショージサキ『ガール イーツ ガール』500円 ×
ショージサキ『Spring Has Come』700円
杉田抱僕『ぺんぎん暮らし』300円
鈴木ジェロニモ『晴れていたら絶景』1000円
鈴木雀『エンドロール・ノート』1200円
鈴木智花『いつか骨まで海になるまで』1000円
鈴木智子『舞う国』1800円
鈴木ベルキ『拾わないコイン』1000円
須田まどか『星はみずいろ』700円
菫野『水の羊』1500円
瀬志海海『恐竜の生き残り』500円
鷹野しずか『よる』700円
鷹野しずか『ふとん座』1000円
鷹野しずか『白のトレース』1000円
高村七子『句歌集あかいあかし』400円
竹村ヒカル『このように刺す』300円
田中ましろ『傘、魚、花が花芯を持っていること』600円
田中ましろ『燈心草を香らせて』700円
田中ましろ『ストレイシープ』900円
谷じゃこ『ヒット・エンド・パレード』500円
谷じゃこ『クリーン・ナップ・クラブ』1000円
谷脇クリタ『 市民たち、売り切れのフロイデ』500円
千原こはぎ『これはただの』800円 ×
千原こはぎ『春になれない』300円 〇
塚田千束『そして骨になる』600円 ×
月波『架空の臓器』1000円
土岐友浩『サーキュレーターズ』(評論集)500円 ×
土岐友浩『ナムタル』2200円
冨岡正太郎『苦しそうに眠る人』700円 ×
冨岡正太郎『檸檬一周旅行』500円
ナイス害『フラッシュバックに勝つる』600円 ×
ナイス害『午後のトラガス』400円
仲内ひより・魚須えり個『宇宙はいつだって夜』500円
中野霞『劣島』1200円 〇
中野霞『資本』1200円 〇
夏机『網戸』500円
ななみーぬ『LUCKY HELL WAVES』500円
ななめかたむき『なんとかやってる。』300円
なべとびすこ『クランクアップ』900円
能川遥『あまりにもまぶしい待ちぼうけ』500円
のつちえこ『はるくれ』600円
埜中なの『再上映』1000円
橋爪志保・domina『空耳』700円
濱松哲朗『春の遠足』300円 ×
濱松哲朗『日々の鎖、時々の声』(評論集)2000円
早川夏馬『鬼のいる春』500円 ×
早月くら『あるいはまぼろしについて』1000円
平田有『対岸へ渡る』1000円
廣瀬凌也『You now』500円
枇杷陶子『cell』500円
福山桃歌『ひかりとはきみのこと』500円
文車雨『奇譚画譜 女の怪』500円
文車雨『奇譚画譜 水の怪』500円
文車雨『むかしむかしあるところに』500円
藤野ゆくえ『字余りな僕の世界』500円 ×
藤宮若菜『春だったわたしたちへ』1500円 ×
不凍港『不凍港』700円
ぶらりん『午後の青空』400円
ぶらりん『夢そぞろ』300円
古河惺『退廃的視空間』1500円
古月もも『何にもならない』600円
穂崎円『ヴァーチャル・リアリティー・ボックス』800円
星野珠青『会おうよ』1000円
本条恵『まくらべ通信』500円
真島朱火『月の食べかた』700円 ×
真島朱火『星に願いが届くころ』700円
マツ『短歌ばっかり詠んでないで勉強しなさい』500円
松岡聖奈『半熟アイロニー』700円
松森克未『果樹園』630円
万鶴『百色ノ虹ヲ渡ル』350円
まどろみなも『AIは初給料で花束を買う』500円 ×
眞鍋せいら『いつかピアスを落とした湖畔』1000円
御糸さち『ねこのね、』500円
水沼朔太郎『オフタイマーがもうすぐ切れる』400円
水沼朔太郎『浅い夢』100円
水口キサ『どうぞ、傘です。』750円
水口キサ『流星と同じ速さで』950円
壬生キヨム『作中人物月へ行く』1000円
壬生キヨム『星間滑翔』500円
麦牛乳『三角形に切り取られた青空が世界のすべてでありますように』1200円 ×
村上航『チャイナタウン・ビギナー』500円
木曜何某『ペンギンの見る夢は白い』600円
杜崎ひらく『自転車修理屋』500円 ×
杜崎ひらく『夏ですよ』500円
杜崎ひらく『互いの窓に降りしきる』500円
八木辰『センチメンタルバーニング』1000円
山口斯『ゑんらいより』330円
山口ヤスヨ『15キロと15ギガ』700円
山口ヤスヨ『おかえり』1000円
鎗本恵美子『乙丑神無月廿八日』900円
優木ごまヲ『鵺なりに』400円
優木ごまヲ『海をまだ』500円
優木游然『深淵になってまた会いに行くから』500円
湯島はじめ『ジャッカロープの毛のふるえ』700円 ×
吉川みほ『行き先の思い出せないバス』1100円
ヨシダジャック『夜の発明・犬を預ける』500円
ヨシダジャック『DOT』600円
ヨシダジャック『桃』700円
吉田恭大『光と私語』2300円
吉田衣織奈『角虫』1000円
吉村のぞみ『あったかい虚空』1000円
米田麻酔『リメンバー・ユー』300円
米田麻酔『落星軌道』1000円
夜夜中さりとて『ハニー・バニーとパンプキン』800円
龍翔『Delikatessen』1000円
六条くるる『やっぱりやめる』600円
若杉有紀『Gateway Drug』1000円
脇川飛鳥『ラストイヤー』1800円 ×
   『(あなたが名付ける短歌集)』500円
   『(あなたが名付ける短歌集2)』500円

アンソロジー『いつか行きたい場所2022』800円 ×
アンソロジー『チャリティー百人一首』1300円
アンソロジー『七物語』700円




まだまだ増やしていく予定です。どうぞよろしくお願いします。通販対応可

昭和歌会は、大阪、天王寺から2駅、古民家スペースでの短歌の会です。事前申込は不要です。仕事や用事の帰りに時間と気持ちが合って、ふらっと来る感じでお越しください。

■開催日:2月3日(月)※通常時と異なり第一月曜日です
■場所:昭和サロン(大阪市阿倍野区昭和町4-3-23)
 ※JR阪和線 南田辺駅 徒歩3分、大阪メトロ御堂筋線 西田辺駅 徒歩7分
■時間:19:00~20:50
 ※18:30から入れます。
■参加費:500円
■申込:不要
■進行:牛隆佑
■問合:牛隆佑(ushiryu313131@yahoo.co.jp)まで



犬街歌会は、大阪、梅田から4駅、ギャラリー&リトルプレス専門店「犬と街灯」での短歌の会です。こちらも事前申込は不要です。買い物や用事の帰りに時間と気持ちが合って、ふらっと来る感じでお越しください。

■開催日:2月16(日)※通常時と異なり第三日曜日です
■場所:犬と街灯(大阪府豊中市庄内西町3‐10‐27)
 ※阪急宝塚線 庄内駅 徒歩5分
■時間:17:00~18:50
 ※店舗は12:00より営業。
■参加費:500円(300円分クーポン付)
■申込:不要
■進行:牛隆佑
■問合:牛隆佑(ushiryu313131@yahoo.co.jp)まで

【共通】
参加者は会場に短歌を一首用意して会場に来ます。提出は当日のその場で構いません。既発表未発表も問いません。短歌を歌会用の用紙に書き、みんなで閲覧します。作者名を伏せたまま鑑賞し、自由に感想を言い合います。
また、自作以外の短歌を一首選んできてください。好きな歌でも気になっている歌でも構いません。こちらも自由に感想・批評を言い合います。
自作の歌や好きな歌のどちらかだけ、という参加の仕方や、どんなことをしているのかを見てみたい、というだけの参加の仕方も大丈夫です。お気軽にご参加ください。

これは願望ですが、今後、数年のうちに出版社を通さずに個人でデザインや印刷業者などを手配し制作した、いわゆる私家版歌集の波がきます。すでに2017年には、穂崎円『ヴァーチャル・リアリティー・ボックス』、ナイス害『フラッシュバックに勝つる』、宇野なずき『最初からやり直してください』などの質の高い私家版歌集が次々と現れ、内容と装丁の両面で評判になりました。また、それらは多くの冊数(数百冊単位!)を売り上げていることにも注目したいと思います。

ことさら売上冊数を強調するのは、これこそ新しい傾向ではないかと思うからです。しばしば耳にする「君もそろそろ歌集を出す時期だ」という言葉の中の「歌集」とは、いわゆる歌集出版社から刊行された歌集(以下、出版社歌集とします)のことを示し、それ以外のもの(私家版歌集や電子書籍)についてはどこか「非公式」あるいは「社会実験」といったイメージだった印象です。さらに言えば、私家版歌集も電子書籍も、出版社歌集には費用(あるいは世間体など)にハードルがあり、それならば「私家版【で】いいか」という代替的な形態として語られることが多かったように思います。費用面で明らかなメリットがありながら(一般的に10分の1以下の予算で出版できる)、これまでに慣例として定着したと言えなかったのは、出版社歌集に対しての「妥協」として捉えられてきた、という意識に因る面があるのではないでしょうか。

ところが、最初に挙げた3冊も含めて近年刊行された私家版歌集には、至る経緯は様々でありながら、より主体的に積極的に私家版歌集の形態を選択していると見受けられるものが多々あります。関西のその歌人の先鞭と言えるのは六条くるるで、2013年刊行の『恋愛アレルギー』をはじめ3冊の歌集と1冊の合冊版歌集を刊行し、じわじわと読者の幅を広げつづけています。また、2016年刊行の谷じゃこ『ヒット・エンド・パレード』もその後に並べるべき私家版歌集と言えます。これらの歌集は主に文学フリマや小規模書店、通販サイトなどで販売されており、この小回りの良さは費用面やデザインの自由性と並び、私家版歌集の大きな利点となるものです。(小規模書店が大規模出版社と取引できないケースがあったりするのはよく知られた話です。)もちろん、出版社歌集のメリットを補えるものではありません。いわゆる書籍流通に乗せることはしにくく、それゆえに書評などにも取り上げられにくい点はあります。しかし、1万人の読者を得るのは困難でも、1000人の読みたい人に届けるのであれば、十分に、むしろより効果的に展開できる性質を私家版歌集の形態は持っている、その力を感じます。

大事なのは「本当に自分の歌集に大切なことは何なのか」というところなのかもしれません。そうすると、出版社歌集なのか、私家版歌集なのか、それとも電子書籍なのか、と様々な選択肢が等価値に浮かび上がってくるのではないでしょうか。今、ネットプリントやnoteなどで定期的に短歌を作りつづけている人たちはおそらくその選択を自然にできる世代なのだと思います。だから、これから私家版歌集の波が来ます。これは予言です。

(「うたつかい」30号 2018年)

こちらもぜひどうぞ。
※濱松哲朗「プラットフォームはどこですか?」(「塔」2018年7月号 短歌時評)

年末に歌会をします。「最後歌会」です。

■日時 2024年12月30日(月)14:00~17:00(予定)
■場所 梅田(駅前第2ビル)※詳細は個別にお伝えします。
■定員 12名前後(先着順)※定員に達したため締め切りました
■会費 500円
■進行 牛隆佑
■申込 Xにて牛隆佑(@ushiryu31)にDMをお送りください。
■形式
無記名。票入れ有り。自由詠1首(前日までに提出)

今会は正選と逆選を2首ずつ選びます。正選は一般的な選で「評価したい短歌・好きな短歌」をお選びください。逆選は単純に「ダメと思った歌」ではなく、「自身の短歌観と最も離れている短歌」をお選びください。「未熟だから逆選」「好みでないから逆選」という選び方はしないようにお願いします。

「エミューの会」はダンサーの升田学とエメスズキ、川柳の八上桐子、短歌の牛隆佑の主催による、漂流詩と吟行の会です。
漂流詩は、升田学とエメスズキがその場の知覚を身体や言葉の動きに変換する対話の表現。
吟行は、詩人たちがその場の知覚を身体を通して言語化する詩の表現。

参加は、俳人でも詩人でも歌人でも川柳人でも創作者なら誰でも。つまり誰でも

今回は梅村とコラボレーションし、実験的に少人数のオーディエンスに入ってもらう予定です。そのため、作品が出来次第、端材などの「モノ」に直接テキストを記入しその場に残す、という方法です。
今回
【実施日・場所】
11月23日(土祝)梅村(バイソン)

【スケジュール】
10時30分 阪急高速神戸駅 集合
11時00分頃 梅村到着
11時30分 吟行開始
12時30分 漂流詩
14時30分 吟行終了・作品批評会開始(梅村内茶室)
17時00分 終了・解散

【参加費】
1000円(会場費)

【申込・問合】
牛隆佑(@ushiryu31)までご連絡ください。

【主催(エミューの会)】
升田学(ますだ・まなぶ)
美術家、ダンサー、グラフィックデザイナー。2008年まで「維新派」に在籍。2002年にデザイン室「アートーン」設立。2006年よりハリガネによるドローイングを発表。

エメスズキ(えめ・すずき)
ダンサー。2004年より「+ちいさなこどもたち」プロジェクト。2018年「からだのアトリエ バオバヴ」発起人。2019年、升田学との共同プロジェクト「漂流詩」。

八上桐子(やがみ・きりこ)
川柳。2007年まで「時実新子の川柳大学」会員。2011年より神戸新聞文芸川柳選者。2018年に句集『hibi』(港の人)発行。

牛隆佑(うし・りゅうすけ)
短歌。2023年まで「空き家歌会」管理人。2019年、八上桐子、櫻井周太とのユニット「フクロウ会議」開会。2023年に歌集『鳥の跡、洞の音』(私家版)発行。

大阪府豊中市庄内のギャラリー&リトルプレス専門店「犬と街灯」(店主:谷脇クリタ)で、私家版歌集の本棚「牛と街灯」があり、取りまとめと、年2回のイベントを行っています。イベントで展示された私家版歌集のリコメンド文を載せておきます。


牛と街灯(2022.3)

体温と雨』(私家新版) 木下こう
春泥をあなたが踏むとあなたから遠くの水があふれだします  p10
「あなた」が「彼方」とのダブル・ミーニングであることは分かります。ただ、それ以上は謎めいた歌としてまずは捉える人が多いはずです。ところが、読み進めていくと、もしかするとこの不思議さは、木下こう的リアリズムなのではと思い至ります。読了してから再読するともう、そりゃあ遠くの水からあふれだすよな、としか思えなくなります。 / デザイナーには、元の砂子屋書房版では2首組だったものを3首組にして、その上で静謐さは維持してください、と無茶な注文をしました。開いたページを飾りたいほど美しいレイアウトです。(牛隆佑)
解説:西尾勝彦  装画:keito  デザイン:とみいえひろこ  発行:牛隆佑  印刷:ホープツーワン(本体)、プリントイエロー(カバー)  2019年  1000円


交番におまわりさんじゃない人がいたけど道を教えてくれた  p74
交番にいた人はひょっとしたらちょっとやばい人だったかもしれません。でも道を教えてくれた。この著者の短歌には一貫して、世界への肯定力と受容力があります。しかし、それは世界のありようをそのまま受け入れるのではなく、自分自身で見つけて選び取ったもので世界を再構築していく力です。「あとがき」は著者の世界観と短歌観がよく表れた名エッセイでもあります。 / 5首単位の小連作を中心にした構成や、p64-65の「短歌の楽しみ方」のイラストなど、短歌を知ってもらうための1冊としても機能する内容になっています。(牛隆佑)
編集・装丁・挿絵:谷じゃこ  装画:アラセ  印刷:しまや出版  2016年  500円


これはただの』 千原こはぎ
あぁこれはすごくデートだどう見てもデートだ春のあふれる街で  p26
すべて恋歌で構成されたこの歌集の本質を示している一首です。歌い尽くされてありふれたようにさえ思える恋の、その一つ一つが分類不可能・代替不可能の感情であること。そのことに気づいた瞬間の鮮やかさがあります。一人の主体像で統一された歌集ではなく、無数の個別の瞬間を描いた、超ショート・ショートの作品群であり、だからこそ、この著者は恋歌の名手なのです。 / ぜ、全ページがカラー印刷。しかし、前述の内容を考えれば、この色彩の鮮やかさは、この歌集にむしろどうしても必要な要素だったのではないでしょうか。(牛隆佑)
解説:嶋田さくらこ  写真・イラスト・編集・装丁:千原こはぎ  印刷:RED TRAIN  2015年  800円


戦争をずっとしている。液晶の向こうで、つまり、この、めの、まえ、で  p102
この歌の詞書には「幾百の軍靴ひびきぬ思ほへば三年まへよりひびきつきざる(福田栄一 1943)」とあり、現代語訳というか本歌取りというかアレンジであると示されています。たとえば、歌集を読んで現在の様々な情勢を想起する人もいるかもしれません。けれども、予言の書ではなくて、ずっと存在していながらも見落としていた、または目を背けていたものに向かい合った短歌たちなのです。 / 美しい表紙は、本体とは別に制作しているレトロ印刷製のカバーです。ひりひりと痛みのある短歌と柔らかい紙の手触りが調和を生んでいます。(牛隆佑)
デザイン:倉又美樹  印刷:ちょ古っと印刷(本文)、レトロ印刷(カバー)  2017年  800円


シロクマがバク転しているのにあなた被害者の方を見てたんですか  p22
ちょっと考えてみます。文の感じからすると、ドラマで刑事さんが真犯人を追い詰めるシーンのようです。真犯人である目撃者の供述の矛盾点として、その時その場所で実はシロクマのバク転という殺人よりもインパクトのでかい出来事があった、という。ここでやっと、(え? シロクマが?バク転?)とシュールな情景に混乱させられます。この混乱がとても愉しい。 / 歌集の装丁やレイアウトは比較的シンプルであるものの、その見た目も、謎の武道の達人がノーガードの構えで迂闊な飛び込みを誘っているような佇まいがあります。だまされてはいけない。(牛隆佑)
制作協力:ひつじのあゆみ、卵焼兄妹  印刷:しまや出版  2021年  600円


15キロと15ギガ』 山口ヤスヨ
人生は人生ゲームによく似てる日々何となく金が出て行く  p56
分かる分かる、面白い、で済ますには勿体ない短歌です。そもそも人生ゲームは人生を模したゲームなのだから共通項があるのは当然です。しかし、この歌ではむしろ、人生が人生ゲームのようだ、と歌います。日々の生活の慌ただしさと、それゆえに逆にどこか現実感が失われた感じ。育児の、というよりも、子と自分とに向かい合ったこの歌集の象徴的な一首に思えます。 / 歌集タイトルの「15キロ」「15ギガ」の答えは歌集の中の短歌で明かされます。しかし加えて、キロ(10の3乗)からギガ(10の9乗)までの果てしなさを想起させる深遠なタイトルになっています。(牛隆佑)
装画・挿絵:大久保ナオ登  編集・装丁:山口ヤスヨ  2016年  700円


やっぱりやめる』 六条くるる
僕たちは歌を歌うよ法律で定められてるから嫌々に  p29
普通に読み解くと、この「歌」は国歌でしょうか。でも国歌とは書かれていないから、もしかしたら「法律」が比喩であって、たとえばスピッツ「チェリー」であっても不思議ではありません。「僕たち」が歌を歌おうとする時に、それが個人的な営みで外的な力で強制されたものではないと言い切れるでしょうか。(なんか面倒くさそうな奴だなあ)と思ったら、それも六条くるるの魅力です。 / あとがきで著者本人が書くように、六条くるるの短歌にはブレがありません。そのブレなさは活動面にも及び、文学フリマ大阪が開かれる前から一貫して私家版での発表を続ける稀有な歌人です。(牛隆佑)
装画・装丁:原田ちあき  組版:六条くるる  印刷:サンライズパブリケーション  2018年  600円


牛と街灯2(2022.8)

キラーチューン』 石井大成
鱗雲きれいで見てる 応えたいな 無理かな ごめん、聞いてなかった  p80
言葉と言葉の間には、感情があって、言わなくても伝わりませんか? って顔で読者の心まで届けられてくる、ことのすごさを思う。普通の短歌は、言わないと、感情は発散してしまう。そこを字あけの膨張力と定型の収束力の両方を駆使して、いまにもこわれそうな形で、ぎりぎり留めて届けてくる。そんな歌が並ぶ。 / 私家版歌集にはもったいない? 違う。これだけの熱量のこもった歌たちを、自分の手で並べきることでできる、私家版歌集だからこそのアチーブメントだ。表現の欲求を止めることは誰にもできない。発表の場が限られているという現実はあるけれど。短歌じゃなくても、何かを形にしようと思うには、熱が必要だ。その熱がこの本にある。(御殿山みなみ)
デザイン:石井大成  印刷:ちょ古っ都製本  2021年  600円


とこしえの犬』 犬口マズル
くちびるがさみしいかたちになっていく あ、いま、泣く わかれたくない p17
生活がのべーっと横たわっていて、そこはすこし暗がりのようで、でも犬がいたり恋人がいたりする。主体は自暴自棄になったり、戻ってきたりする。この揺らぎが、通奏低音のように他人と共有される。涙を流すとき、自覚症状はどこに現れるだろう。眼が潤みだすより先に、口元の震えに気づくことは自分にもある。身体さえコントロールできないのに、きみは、人生はさらに、という切実が響く。 / 表題の連作「とこしえの犬」やあとがきでは、筆名の理由や歌集に込めた想いも読むことができる。自分のために言葉をかたちにすることが、歌を詠む原点であったと改めて思わせてくれる。(永井駿)
表紙デザイン:やまなし  サークル:メビウスと犬  印刷:STARBOOKS  2021年  1000円


短歌ブック ふとん座』 鷹野しずか
8月の32日 おわります うそが上手なひとに撫でられ  (Summer Greeting)
カレンダーには存在しない8月32日、それは夢のなかの時間です。でも完全な夢の世界じゃなく、終わるか終わらないか、帰ってくるかこないか、ぎりぎりのあわいの時間、そして世界です。うそが上手なひとに撫でられることによって、夢の世界は終わる。それくらい儚いのが夢です。 / 「短歌ブック」とあるから、本当は歌集ではないのかもしれない。ページ番号を振らない構成、1ページごとに異なるレイアウト、レトロ印刷の淡い色合いとざらっとした手触り、それらすべてが、はっきりと秩序だった形を持たない夢そのものを表しているように思えます。(牛隆佑)
制作:鷹野しずか  印刷:レトロ印刷JAM(表紙:ねずみ 本文:スクレ 糸:ばら)  2021年  1000円


拾ったら楽しい台詞やったので次すれ違う犬にあげよう  p30
台詞という、人にしか伝わらなさそうな楽しさも、犬に伝わる。「わたし」だけの肯定じゃない。「あなた」までの肯定でもない。世界全体、犬も猫も、生き物すべての肯定がここにある。 / 目次を開けば、「いい歌」という題名のいい歌の集合体と、ふたつの連作があるだけ。「好きなところから好きなようにお読みください」とも書いてある。でも、どこを開いても楽しくなる。すべてのページが楽しさのホームランを放てるクリーンナップだ。歌集って、本来そういうものかもしれない。せいぜいが、一行程度の歌の集まりなんだから。著者の「好き」と「楽しい」が詰め込まれている一冊、早く読んでください。私家版歌集、つくりたくなってきませんか?(御殿山みなみ)
装画:あらせ  編集:谷じゃこ  印刷:イニュニック  2020年  1000円


さようなら そーらーぱわーで手を振ってくれる雑貨のようなきみの手  p66
別れの思い出、「きみの手」は雑貨のように儚い。太陽光で動くとはいえ、雑貨のぎこちなさ。その力はまさに「そーらーぱわー」だ。著者のフラッシュバックの克服を狙うかのごとく、著者自身の思い出と思われるものが歌にされていく。でもそれはみんな、一様に読者のほうを向いている。読者を笑わせ、しんみりさせ、びっくりさせにきている。 / 雪舟えまの解説がある。はらだ有彩の挿画がある。批評会も行われた。歌壇の歌集文化にも通じるそれらを全てやった上で、この私家版歌集は、著者自身だけでなく、読者に相対する形で世に問われた。歌集を作るって、そういうことだ。私家版歌集を作ることだって、そういうことだ。そして、それは可能だ。(御殿山みなみ)
装画・挿絵・装丁:はらだ有彩  編集・組版:スコヲプ  印刷:しまや出版  2017年  600円


空耳』 tanka: 橋爪志保 illust: domina
輪郭が見えるくらいにはっきりとかわいそうって思ったし言う  p10
24ページ、フルカラーイラスト、18首。これを書くだけでも、私家版歌集の多様性に嬉しくなる。かわいそう、という言葉の扱いは非常に難しい。憐憫は、かえって相手を傷つけることが多い。しかし主体は、自身がかわいそうと思ったことを「輪郭が見えるくらいにはっきりと」自覚し、それを隠さずに言う。そこには相手を想う心が見えて、このかわいそうは、自分なら、欲しい。 / イラストのタッチ、色使いは非常に繊細で、短歌の情報を補完し過ぎない。かといって、短歌の内容からかけ離れてもない。絶妙な相互作用により、読者の想像力を刺激してくれる1冊。(永井駿)
表紙・編集:domina  印刷:プリントオン株式会社  2021年  700円


果樹園』 松森克未
生者こそ死者を置いてゆく海だからあなたを乗せた馬が溺れる  p13
死者を乗せる馬は、お盆の精霊馬からのイメージかもしれない。わかる。でも、この歌は生者こそが死者を置いてゆくのだという。そうかもしれない。いや、そうだったのだ。その人を忘れてしまうのはいつだって生きている側の人間だ。一見、静かに見えながらもその下には激しくうずまく海流のなかにいる私たちの方です。 / 言葉によって言葉の意味を変容・反転させる。このターコイズカラーの美しい歌集では「柘榴」も「花瓶」も「うさちゃん」もすべて新しい言葉として現れるあざやかさがあります。(牛隆佑)
制作:松森克未  印刷:プリントキング  2022年  630円


ハニー・バニーとパンプキン』 夜夜中さりとて
愛に気をつけてね愛でくくったらこぼれるものはたくさんあるよ  p70
著者は東京で散歩を嗜む好青年である。景色の些細な違和を言語化することに長けている印象だが、独自のリズム感でまとめられた連の中には、突如感情の在り処に触れてくるような歌がある。愛を分かっていて、否定するわけではなく、愛に気をつけてね、と言う。愛以外何も要らない、というような豪速球のラブソングに共感できない自分に、明確な答えをそっと差し出してくれる。 / 1ページ1首のレイアウトに、B6変形の歌集としては小さめのサイズ。ポケットにも収まりがいい。著者本人はきっと作っていて楽しかっただろうな、という、歌集を作ることの良さも感じられる1冊。(永井駿)
編集・装丁・組版:夜夜中さりとて  印刷:ブロス  2022年  800円


牛と街灯3(2023.3)

水引』 あの井
左手に結婚線が12本ある人として話題にあがる  p51
装丁を見たときに「このアイデアがあったか!」と思った。『水引』というタイトルで実際に水引がかけられている。しかもタイトルがエンボス加工だ。水引は祝儀袋のイメージが強かったが、結婚式を明確に想起する歌は少ない。「水引」について軽く調べると「結び」の意味があり、作中の繋いでいる指や抱擁のモチーフに繋がっているのかな、と思った。水引にはもうひとつ、魔除けの意味もあるらしい。あの井さんの歌は自虐的な歌や生きづらさを感じる歌も多いが、全体的にユーモアの匂いで包まれている。ユーモアもある意味社会と対峙するための魔除けの一つなのかもしれない。(なべとびすこ)
表紙イラスト:ゐヌちゃん  印刷:株式会社明光社 STARBOOKS  2022年  800円


気に入らない過去は消してもいい何度作り替えてもあなたの船だ  p87
「誰ひとりきみの代わりはいないけど上位互換が出回っている」という短歌が無断転載されてはバズっている。作者は宇野なずきで、初出はこの歌集だ。上位互換の歌やタイトルから、皮肉っぽい印象を受けるかもしれない。しかしリメイク版として新たに2つの連作が収録されたことで印象が変わるかもしれない。「リスタート」という連作では、最初からやり直すという言葉の違う側面が見える。以前から収録されていた歌のなかにも、上位互換の短歌と対になっている歌があるので探してみてほしい。片面から見れば絶望に見えても、もう片面から見れば希望だ。両面を歌集で確かめてほしい。(なべとびすこ)
表紙デザイン:なべとびすこ  印刷・製本:しまや出版  2023年  1000円


遠雷』 うゆに
ふいにあなたに歓びをもたらす人になりたくなって、なるよ、見ていて  p15
「ふいに」が「なりたくなって」に係ると読むときの、ある種のエゴイズムには清々しさを覚える。そういう他者への関わり方をしたくなる瞬間は、ある。また、書名の由来となる一首では「わたしらしさ」に言及している。歓びをもたらしたいという願望も含めて「わたし」は形成されるが、「あなた」にも「あなたらしさ」はある。わたしたちはどのように「らしさ」を尊重し合うのか、という問いが終始鳴り響くような歌集だった。黒の遊び紙が最初と最後にあり、劇場の幕を想起させる。本文のラストは「ウユニ・オブ・ザ・デッド」というドラマタイトルのような連作で、こういう幕引きをしたい、というメッセージだとすれば、遊び心も忘れてはいない一冊だ。(永井駿)
装丁・写真・組版:照井陽智  印刷・製本:株式会社栄光  2022年  800円


モモモノローグ』 御殿山みなみ
詳細な日記をつけた 明確な記憶から 天気だけ調べて  p46
記憶とは、自分がどう思ったかを脳が恣意的に記録していることであり、主体が明確だ、といえば誰もそれ以上は追及できない。一方、天気は調べれば証拠が出てくるから、それは調べて書く。自身の感情は信頼しているが、記憶は実は信頼していないよ、という裏腹が人間臭くて、いい。 / モノローグとはひとりごとであり、それがモ、モ、とはみ出す歌集名。その名の通り、馴染みある日常の景から、瞬間瞬間の心の動きを淡々と渡される。何故か、わたしはこの歌集を読むと安心する。それは、稀有なことだと思う。章の最後のページには章のタイトルの独特な英訳があり、タイトルを見返したくなる仕掛けも、にくい。特に初めての歌集に猛プッシュしたい一冊。(永井駿)
表紙・裏表紙デザイン:のつちえこ  印刷・製本:しまや出版  2020年  600円


宇宙はいつだって夜』 魚日和(仲内ひより/魚須えり個)
一定の悲しみまでなら当社からお送りする蚊で食い止められます。  
手製本であること、表紙が三色あること、イラストとのコラボレーションであること、全ての文字がフォントではなく手書きの文字であること。どれも単純に私家版歌集のアイデアとして魅力的だが、それ以上に作者の歌と混ざり合って、本の世界観を作り上げるのに一役買っている。仲内さんの短歌は、掴めそうで掴めない。現代の現実的なシーンに即して考えてしまうとすり抜けていく何かがある。ページをひらいて冒頭の一首を読んだときから違う世界の扉が開いている。まずはページをひらいて、その世界のなかで、その世界にいる自分として楽しんでほしい。(なべとびすこ)
著者:仲内ひより  イラスト:魚須えり個  組版:早川夏馬  2023年  500円


FRANCOIS』 桜井あらん
私にだけ教えてほしい読んだ本よりも読むのをやめた本とか  (秋)
人との親密さについてとても敏感で、でも自らのこだわりもある、そんな主体を想像する一首。読むのをやめた本というのは小さい挫折のようにも読める。案外、強いところよりも弱いところ、良いところよりも悪いところを知りたいという気持ちは、普遍的かもしれないと思った。 / 著者撮影の写真もいくつか掲載されており、そのため写真のノリが良い紙(筆者は紙の種類に疎く名前は不明)が使われていて、手触りが写真集のよう。短歌投稿サイト「うたの日」の投稿作品を連作に仕立てた章もあり、画面で見ていた短歌が表情を変える様も楽しめる。歌集全体を通して、肩の力がいい具合に抜けた歌が多く、本のサイズ感もあって、外に連れ出して読みたい一冊。(永井駿)
2022年  500円


通ったことのない道が割とあるこれから私たちありふれる  p36
「ありふれる」は通常、「ありふれた」と使うので、まずこの言い方が面白い。語源は「有り+触る」であり、「どこででも触れられるように有る」という手触りの認識です。通ったことのない道を実際に歩きながら知っていくたびに、知られていくたびに、未知のものを一つずつ減らしていってありふれた普通の存在になる。それはなんと心地の良い感覚なのでしょうか。 / 右開きでも左開きでも読める造本で、両側から読んでいくと、二つの物語が真ん中で交わるようになっています。短歌が一行詩であることを生かした見事な構成です。(牛隆佑)
折り返しイラスト:そら、はるか  印刷・製本:プリントキング  2022年  500円


月の食べかた』 真島朱火
傘を差す人と差さない人がいる町であなたと傘を持つ僕  p92
普通のわたしと普通のあなたの普通の町での普通の生活。それを綴った歌集なのだけれど、読み進めていくと、なにか捉えづらい寂しさといじらしさがあるなあ、と気づきはじめたところで、この一首に出会います。この歌集のなかで、「わたしとあなた」はいつも「第三の選択」をさがしているようです。わたしや僕だけではできない、君やあなただけでもできない、たったひとつの方法です。魔法とは、二人で傘を持つような、案外こんな些細なことなのかもしれません。 / 装画もいい。黒い夜を白いお皿に変えて、本当に月を食べられるかもしれないと思えてきます。(牛隆佑)
印刷・製本:ちょ古っ都製本工房  2022年  700円


夜の発明・犬を預ける』 ヨシダジャック
最高に満ち足りていた。弟とぼくが読書を発明した日  p17
「読書」という行為と概念を覚えたのはいつだったのだろう。字を追うのではなく、字が集まってできた「言葉」、言葉が集まってできた「物語」や「情景」。「時間」も「世界」も、字を積み上げることで、自分の心に創りあげられるなんて。それは間違いなく「発明」と呼ぶべきものです。この歌集の言葉や短歌は、そのことの愉悦をまた新たな気持ちで味わわせてくれます。 / ちなみに背表紙のQRコードを読み取ると、無料で中身を閲覧できます。発行部数の少ないリトルプレスならではの配慮と工夫なのかもしれません。(牛隆佑)
挿画:Randolph Caldecott  発行:Yoshida Marketing Office  印刷・製本:株式会社フジプラス  2021年  600円


牛と街灯4(2023.8)

どこにも反射しない輝き』 サラダビートル
俺がどれだけ損をしているかということだけ理解して電気屋を出る  p14
電気屋では「〇〇に買い替えると〇〇おとく!(そうしないお前は損をしている!)」ということを複雑な専門用語を使いながら丁寧に説明してくれます。結局は買わないし、その仕組みを理解したのでもないから、分かったのは損をしているということだけ。でも、不思議とみじめさはありません。 / 混沌に戸惑わないために最適化された秩序で覆い隠しているのがこの世界です。その秩序を一つ一つひっくり返して明らかにしていくような短歌が並ぶ歌集です。ギクリともドキリともさせられますが、それ以上に「わざわざ余計なこと」をする行為の昂揚感があります。(牛隆佑)
装画:極彩夜うい  印刷・製本:ちょ古っ都製本工房  2023年  500円


そして骨になる』 塚田千束
晴れしのちひときわかたく冷えゆけば美しさとは鋭さのこと  p5
「そして骨になる」に載っている短歌に描かれる季節は春夏秋冬、どの季節も静かで音のない景色が見える。歌集を読みながらそのおだやかさにたゆたっていると、突如キラーフレーズというか言い切りがかっこいい歌が現れておお!と1首にバッサリ切られた気分になる。 / さりげないタイトル、オーロラのようなやさしい色合いのドッツセレクト箔のあしらいも歌集の雰囲気と合っているなあと最初思ったのだけど、光が当たるとタイトルが雷のようにパキッと光ることに気づいてからはよりこの歌集にふさわしい装丁に感じている。おだやかにみえて閃光のように鋭い短歌を味わいたい人におすすめの歌集。(ショージサキ)
装丁デザイン:マユコ  印刷:スターブックス  2022年  600円


午後のトラガス』 ナイス害
鬱という字に住む鳥よその青い卵を隠すならどこにする?  p8
漢字の中の一部分に注目する歌かと思いきや、鬱という字に鳥は存在しない。けれど、何かが住んでいそうな感じの漢字だから、わかる気もする。そうやって作者の想像に乗っかった卵が、青い。なんだかずんとする…… / ユーモアのある歌が多い。けれど、その多くは素直に理解されることを拒んでいる。上手いことを言っているわけじゃなくて、「ウケ」の要素をチラ見せさせながらイメージの世界に言葉が逃げていく。それを追いかけていくのがとても面白い。変なものが、変なまま変な世界に存在している感じ、必見です。(御殿山みなみ)
表紙デザイン:ナイス害  組版・校正:スコヲプ  2022年  400円


クランクアップ』 なべとびすこ
祝日に出勤するたびちょっとだけ会社の好感度が薄くなる  p82
たまにあるなぜか祝日出勤の会社。「※休日は当社社内カレンダーに準ずる」と書いてある系の会社ですね。きっとそこまで嫌な会社じゃないんだろうけど、なんか腑に落ちないまま出社する。少したどたどしいリズムは、行きたくないと駄々をこねているインナーチャイルドが短歌の中にいるように感じる。(ちなみに著者は祝日のたびにこの短歌をSNSに投稿している気がするのでおそらく実景なんだと思う。) / 「クランクアップ」の短歌はいつも少しだけアンラッキーな世界で暮らしていて、当たる光も決して眩くはないのだろうけど、居心地の良い不運というものもあるんだということを教えてくれる気がする。(ショージサキ)
装丁:ユキチ  組版:谷じゃこ  印刷:しまや出版  2022年  900円


ねこのね、』 御糸さち
美容院めっちゃあるよね人間の頭の数は決まってるのに  p18
「日本にある美容院の数はコンビニよりも多い」らしく、その差大体4倍だという。多ッ! 髪はどんどん伸びるし滞在時間が長いので確かに数は必要だが、客のことを「頭の数」と言ってしまうと、平和な街に不穏な空気が急に立ち込める。髪の毛ではなく代替のきかない頭部を美容院に差し出してしまうような。 / 「ねこのね、」は家族や子どもとの生活がベースの歌が多い印象。しかし微笑ましい歌にニコニコしながら次のページをめくると、エッとなるような思考の短歌がたまにあって、勝手に思い浮かべていた平穏で無害そうな人物像が急に歪む。微笑ましくない、ただ一人の人間が突如現れる。そこがとても怖くて面白い。(ショージサキ)
発行・デザイン・DTP:千原こはぎ  印刷:ちょ古っと都製本工房  カバー印刷:プリントパック  2020年  500円


自転車修理屋』 杜崎ひらく
十年後にはやめるとも知らないで煙草を買いに行く秋うらら  p22
「十年前の思い出」に、しっかり十年前へ頭を戻して浸っているのがよい。この「秋うらら」はただの追憶ではなくて、追体験。しかもこの「十年」は、歌集中の他の歌で描きこまれている。 / 自伝的な歌集だと言っていいと思う。作者も主体と同じく自転車修理屋だ。どちらかと言えば修理屋に「なるまで」が丁寧に追われる歌集で、コンパクトな製本の中に人ひとり分の時間を丁寧につぎ込めている。 / この薄さ、この大きさ、この密度で、一冊の歌集になる。こだわって私家版で通さないと、このちょうど良さはでてこない。(御殿山みなみ)
製作:ペーパー・プレーン・レターズ  印刷:ちょ古っ都製本工房  2022年  500円


たましいでおいでよ朝の森みたくつめたいシャツを仕立ててあげる  p64
ひんやりとしたシャツは気持ちがいい。しかも、「朝の森」のような清浄とも静謐とも言える冷たさならなおさらです。「たましいだけでおいでよ」か「たましいの状態でおいでよ」か、いずれにしても実体のない相手を、私の仕立ての技で実体化させる。なんと美しい(原始的な意味での)相聞歌でしょうか。 / 「ジャッカロープ」は鹿の角の生えたウサギのこと。未だ確認されない存在ながら、絶妙にどこかにいそうな感じもします。現実と幻想の中間領域を自由に泳ぎ回る言葉遣いの心地よさがある歌集です。(牛隆佑)
画:湯島はじめ  印刷:ちょ古っ都製本工房  2023年  700円


光と私語』 吉田恭大
恋人の部屋の上にも部屋があり同じところにある台所  p98
集合住宅のフロアの共通性を掬った描写に、重層的な生活がにじんでくる。恋人の生活だけでなく、上階の人の生活が(空き部屋だったとしても)浮かんでくる。生活の一断面を提示するだけでも、短歌は奥深い。 / これ以上ないくらい、平面的な装丁の本だ。ページを開き切ることができ、並ぶ短歌はより平面的に感じる。その解像度は抽象的で、幾何的なデザインとあいまって、全ての収録歌が歌集の断面なのだということを思わせる。読んでいて没入感がすさまじい。ここで描かれる町は、きっとあなたの町と根を同じくしている。(御殿山みなみ)
発行:いぬのせなか座  装釘・本文レイアウト:山本浩貴+h(いぬのせなか座)  印刷・製本:シナノ印刷  2019年  2300円


Gateway Drug』 若杉有紀
遺書以外残せるものが何もないせめて読んだら笑ってほしい  p21
「遺書以外何もない」と言いながらも、どうしてもその希求の果てしない深さを感じます。むしろ遺書が「私」のすべてであるような。それ以外は「私」ではないような。 / 「ゲートウェイドラッグ」とは麻薬などの入り口となる薬物のこと。薬と毒との「Drug」の二面性は、この歌集の短歌にも表れていて、生への希求がそのまま死への希求を、そしてあるいはその逆を、思わせます。生きるための足掻きは、他者には時に喜劇にさえ映ることでしょう。思わず笑ってしまっているかもしれない。たぶん、それは泣き笑いです。(牛隆佑)
装丁:横井卓哉  挿絵:ぶんちん  2023年  1000円


牛と街灯5(2024.4)

まぼろしスイマー』 岡田奈紀佐
雲と雲がこすれる音を聞いていたただそこにあることを知りたい  p23
自分だけに聞こえる音がある。そこに意味なんてない。音も、聞こえる自分も、ただそれだけでいいという世界。岡田さんは、修辞を凝らすのではなく、生まれる(聞こえる)言葉を一心に書き留めていく。彼女の歌やエッセイは、独白を聞くように読むうちに、その余白に読者が自分自身を投影することになる。彼女に何かを見透かされているのはこちらの方なのだ。 / 冊子は薄く、シンプルな装丁だけど、全て読み終えてから「まぼろしスイマー」というタイトルに戻ってきた時、改めて表紙の色彩に胸を打たれた。7つの短歌作品と3つのエッセイ、それに「あとがき」も作品の一つと数えたい。タイトルの秘密がここにあるのだから。(嶋田さくらこ)
印刷・製本:ちょ古っ都製本工房  2023年  400円


Lotus-eater』 木野葛󠄀紗
たすけての「た」の発音がなってない溺れるところからやり直し  p28
「助けを求めても良い」の裏側にあるのは「助けを求めない場合は助けない」であり、それをさらに悪い方に進めると「正しい手続きで助けを求めなければならない」となります。いわゆる「トーンポリシング」という語を持ち出すまでもなく、今の世界にはこの短歌に似た事象が多々見受けられます。そのことを象徴的に言い表した見事な一首です。 / 短歌ごとにフォントを変える構成や、「あとがき」や「近影」のこの歌集のユーモアの部分も、もしや言葉や自我さえもがモンタージュとなった現代社会を示しているのではないかと少し怖くさせます。そういえば「ロータス・イーター」(蓮食う人)も、憂いを忘却して享楽的に暮らす人々のことですね。(牛隆佑)
パズル作成システム:お絵かきロジック工房  印刷:ホープツーワン  2019年  600円


花二輪』 桐島あお
くちびるはわざわいの元うつくしい思い出になる権利を捨てる  p34
この歌は、恋に悩んでいたときに何度も唱えたお守りだ。桐島さんの歌はいつも恋の残酷さを直視している。そのかっこよさに泣きたくなる。 / 本書は百合、つまり女同士の恋愛を描いている。おそろいのピアス、はずかしいあだ名、くちびる。それらが鮮やかに胸に迫る。読了後は、岡藤真依さんによる美麗な表紙に、作中の様々なふたりを投影してしまう。 恋のひりひりやどきどきを掬いとる手つきがとにかく素晴らしい。二輪の花のむせ返るような芳香にたちまち魅了されてしまう。読み終わるとしばらく胸が痛く、その痛みも愛おしく思える一冊だ。(ツマモヨコ)
表紙:岡藤麻依  印刷:しまや出版  2022年  850円


ほのぼのとした歌集』 窪田悠希
ねえいっしょに6時なったら7時なったら8時なったら9時しよう?  p191
究極の日常とはこういう感覚かもしれません。一緒に買い物に行く、とか、テレビを観る、とかではなく、6時になれば6時という時間を過ごし、7時になれば7時という時間をともに過ごす。ただただ、時間の移ろいと二人の存在だけがある。 / 歌集の制作でまず悩むのが1ページに何首を掲載するか、ということで、一般的には1ページあたり1首の配置が単独の短歌を最も引き立たせる贅沢な構成と言えます。ところが、な、なんとこの歌集は【2】ページで1首の配置です。すごい。この構成がそれぞれの短歌、つまりそれぞれの場面や感情にゆったりとした時間の流れを与えています。(牛隆佑)
印刷・製本:ちょ古っ都製本工房  2023年  1000円


Spring Has Come』 ショージサキ
やわらかな命令形は時としてわたしを崖から離してくれる  p34
「崖」とは、言葉にならないほどの小さな不安や焦燥、恐れにまみれている日常だ。「やわらかな命令形」を発してくれる人といる一時は、大地の真ん中に立つことができる。ショージサキさんは、平易な口語の文体で、わたしたちの日々に薄く染み込む寂しさや、気付かないくらいの一瞬の痛みなどの繊細な感覚を伝えてくれる。 / この冊子は35ページに60首が一つの連作として納められ、春の海を旅する二人に寄り添いながら、淡い明るさがまぶしい幸福感を残す。印字は太目ゴシックの紺鼠色、表紙は凸凹のある艶のある印刷、本紙もつるつるとざらざらの面があり、手触りも楽しい一冊。短歌研究新人賞受賞後すぐの発行であることも見逃せない。(嶋田さくらこ)
印刷:レトロ印刷(JAM)  制作:ショージサキ  2022年  700円


届きますように彼や彼女ではなく二人称現在のあなたへ   (リン)
棺型にくり抜かれた表紙。「蓋」が栞として、読み進める友となってくれる。この詩歌集には、人生の何か一つの時期が終わった、そういう感慨が込められているように思う。だからお別れのために表紙の棺に納めたのだろう。一つの時期を生き抜いた自分を。終わった物語のため、これまでの自分、出会った人、通り過ぎたもの、生きた場所にと思いを馳せながら本書を編み始めたとき、作者にとってはその作業が、主演、共演、ロケ地とまさにエンドロールを紡ぐようだったのではないか。「ソーダ水の海」はエンディング曲だ。私は最後まで席を立てなかった。劇場に明かりが戻ったあともしばらく。(杜崎ひらく)
装画:サカナ丘  装丁:小月デザイン  印刷と製本:西村謄写堂  2023年  1200円


恐竜の生き残り』 瀬志海海
あなたの喉に生息している生き物になりたい声が通過してゆく  p18
泥になりたい、水鳥の羽根になりたい、魚のひれに、雨に、くじらに。なりたい、なる、なったの、なります、なれるなら、なれない。本歌集には、多くの「変身」の歌が登場する。今の姿では成しえないことへの憧れや、ifへの夢想、またはもともとの身体的な感覚に依るものなどバラエティに富んでいる。これらを素直に主体の願いと受け取っても良いけれど、作者の駆使する多彩な喩として読むのも面白いだろう。喩は世界や相手との関わり方でもある。もしくは自分との。様々に関係を結び直しながらどうにかして関わりたい。知りたい。その切実な奮闘の傷跡、そこに注ぐ光に胸を打たれる。(杜崎ひらく)
印刷:株式会社栄光  2023年  500円


よる』 鷹野しずか
ぼく以外みんな世界がよく見えるメガネをかけているんじゃないの  p4
世界が良くない、と言いたい感じはそんなにしない。世界側ではなくて、自分側をひずませるような世界観。それでも自分と世界はつながっている。 / 夢や夜や空想の世界を通じて、心でつながりかけてくる歌に溢れた一冊だ。肯定をうたうにも、孤独をうたうにも、集合無意識のようなつながりを、歌を介して作者から読者に伸ばしてくれる印象がある。やさしい語彙に裏打ちされるやさしいまなざしに感じられる。糸かがり綴じのふんわりした製本も、よくマッチしていると思う。私家版製本ならではの手触りの良さが手元にあふれてくれる。(御殿山みなみ)
印刷:レトロ印刷JAM  2019年  700円


不凍港』 不凍港
病院に一緒に担ぎ込まれてもいいの、いいよと展望台で  p31
負傷を前提として交わされる信頼が、鈍い光となって読み手の胸をじわっと刺す歌。唐突な質問に似合わない展望台がどこか可愛らしく、いびつなのにまっすぐなコミュニケーションに打たれる。 / 日常を脱するのではなく、日常そのものの表情を変えてしまう歌集だ。街は彩度が低く、時に気怠げ。主体が眼差す世界は、さみしく鋭いのになぜかあたたかい。世界との小さな断絶を描き、それでも世界の、そして他者の手触りを手放さないためだろう。 / 冬でも凍らない港は軍事的・経済的に重宝されるという。時に鈍く、時に鮮烈に港を照らす光のような歌集に、あなたもきっと夢中になる。(ツマモヨコ)
発行者:片上長閑  発行元:恥露離庵  印刷:株式會社ポプルス  2023年  700円


二十余年村人Aとして過ごすあなたのたった一人になりたし  p2
王子でもなく英雄でもない「村人A」のあなたを選ぶけれど、わたしはあなたに選ばれるとは限らない……誰かの「たった一人」になるということはそれほど難しい。だけど、作者の歌は数年をかけてその「たった一人」に届き、意図せず壮大なラブレターになってしまった。(これは別で配布された「あとがきと言い訳と謝辞」によって知り得た情報だけどあえてここに書いておく) / そう聞くと、表紙を覆うトレース紙は花嫁のヴェールのようだし、白紙に青緑色の印字と綴じ糸の青色には、作者の「雨」という名を思う。わたしは彼女の筆使いや描かれる女の子の異界感のある雰囲気も好きで、短歌を読むとともにイラスト集として大切に眺めている。(嶋田さくらこ)
発行・編集:文車雨  2024年  500円


星に願いが届くころ』 真島朱火
目覚めたら別人になる今日泣いた私は遠い列車に乗った  p24
日常にぽかりと浮かぶやるせなさを、一泡ずつよく掬い取った歌たちが並ぶ歌集だ。詠まれる情景には疲労がにじみ、チューハイの空き缶がまだテーブルに残っていたり、抽出に時間のかかる後悔のせいで長風呂をしたりしている。そんな肩を落としがちな日々を呼んでしまうのは、庭先に咲いた小さなバラや、通過してしまう無人のバス停に咲くミニヒマワリに気づける心ゆえかもしれない。でも、読むたびに背中を押されるのは、小さな意欲や、決意、頑張り、強さがきちんと夜を照らしているからだ。自分は世界で独りぼっちだ、そう思ってしまう夜にこの歌集は常に私の星となってくれた。(杜崎ひらく)
印刷・製本:ちょ古っ都製本工房  2023年  700円


浅い夢』 水沼朔太郎
ふしぶしの怠さに足を運びつつ籐椅子は投げやりの感情  p6
怠さに足を運ぶという言い回しはあまり聞かないが、身体に起こっていることは「そう」としか言えない、という感触がある。座る者でなく籐椅子自体が感情を纏うのも不思議なのに、その定義を受け入れてしまう。この歌だけの論理が体内に自然に流れてきて、まるっと全身の細胞が入れ替わるような感覚を覚える。 / 3枚の紙を折った横書きの歌集。シンプルな佇まいがかっこいい。阪急電車や寝屋川公園など、固有名詞に土地の空気を感じる。生活の感触や時間の不可逆性がリアルで、でも少し夢っぽい。下から上にえいっとページをめくる清々しさは微風のようで、それが歌にぴったりで本当に嬉しくなる。(ツマモヨコ)
2023年  100円


花束をお前のために買ってやる すると花束になるあぶく銭  p27
この語順だから、「花束を買いたい」が先で、「自分の金はあぶく銭なのだ」が後に思える。主体の「あぶく銭」が救われた気がする。「お前」へのひたむきな気持ちもわかる。裏社会の男のハードボイルドな世界観が展開される大連作から引いた。リアルな一人称というよりは、サブカル的な一人称の歌だ。でも、サブカルでも漫画的でも、一人称の物語性は確立できるし、されている世の中だ。 / いたって短歌的な一人称の連作も併録されていて、どちらも楽しめるのが面白い。作りたくてこの本を作った感じがすごく出ている。一番大事なことだと思う。(御殿山みなみ)
印刷・製本:K9  表紙イラスト:永井軒間  2023年  500円


ゑんらいより』 山口斯
檜扇が咲いて夕べに萎れたるこの先の夜いかに美し
檜扇(ヒオウギ)は夏にオレンジ色の花を咲かせます。大きく花弁を広げる様子が貴族の扇に似ることから名付けられ、御所の庭園にも植えられているそうです。朝に咲き夕方には萎れる一日花で、その黒くつややかな種子は「烏羽玉(ぬばたま)」と呼ばれ、和歌においては「夜」に掛かる枕詞となりました。だから、「この後に訪れる夜はどんなに美しいだろうか」と詠めるのです。重層的なイメージの広がりがこの歌を支えています。そして、花が萎れても、美しい実が成り、その実からまた花が咲き、と時間は円環します。 / 装丁はどうでしょうか。幾種類もの紙を重ねており、和歌の重層的な構成の具現化に思えます。一貫した美意識を感じずにはいられません。(牛隆佑)
発行:山口斯  2022年  330円


DOT』 ヨシダジャック
きみが美しく逆立てているその眉は点描法で描かれていました  p11
逆立つ、という動的な切り取りと、点描法、という静的な切り取りのギャップが際立つ。絵の歌のようだし、絵でなくとも、すべては点描法でできているともいえる。そんな解体感。 / すごくミニマムな歌集だと思う。連作も、エッセーも、詩も、細かな思索のひとつぶひとつぶに立脚している感じ。まさにドットだ。装丁も、あえて作品ごとに区切りをつけてくれるようなこだわりを感じる。製本に使われているBCCKSは、そういうこだわりをとことんやれるいいサービスだ。どこからだって読みたくなるような、想像力とエッセンスが詰まっている。(御殿山みなみ)
発行:Yoshida Marketing Office  印刷・製本:株式会社フジプラス  2022年  600円


牛と街灯6(2024.8)

プラスチックのかたち』 井口可奈
チーズケーキにちょっとジャム入ってる 絵がかけたらっていつも思ってる  p23
薄い本、という俗語があるが、この本は物体として薄く内容として濃い本である。井口は現代短歌社賞を受賞し『わるく思わないで』という歌集を出版したが、この本は受賞一年前の刊行だ。舌足らずな助詞省略や結句の字余りの饒舌さから来る独特のリズム感は、頭の中を無理やり覗かされているような感覚があって、やみつきになる。 / また井口は「芸人短歌」というレーベル(?)を運営しており、この本は相川道弘『SILENT NOISE』大久保八億『浜離宮/プリングルス』と同時刊行だ。表紙にはアーティストの松岡柚歩の作品が使用され、ゆるやかなシリーズ感が収集欲を掻き立てる。レーベルとしての私家版歌集というのも注目すべき点だろう。(永井駿)
表紙:松岡柚歩「outline(check#25)」  企画編集:井口可奈  印刷:プリントパック  2022年  800円


溶けかけの雪ってなんか汚いね もう僕らにはことばが無くて  p83
プロデュース、という言葉がパッと頭に浮かぶ歌集はそう多く無くて、しかしこの歌集を読み終えた時にはプロデュース、と頭に思い浮かぶ、そういう歌集。もう少し言葉を砕くと、北原は引用歌に有るような「なんか」をPOPに落とし込んでこちらに渡そうとしてくる。POPであることは軽薄であるように言われがちだが、ブレないことで音の厚みがどんどん増すような、そんな感覚。それは歌に加えてパッケージング(挿絵がまたいいんです)がうまくて、プロモーションが(Xで解説文の寄稿者を公募し購入者特典とする)考えられていて、トータルで達成されているのだと思う。私家版歌集を作るということは、プロデューサーになる、ということなのだ。(永井駿)
表紙絵・挿絵:田中友海  表紙デザイン:S  印刷:ちょ古っ都製本工房  2023年  500円


体温と雨』 木下こう
草木を食むいきものの歯のようなさみしさ 足に爪がならぶよ  p16
草食動物の歯は四角く丸くすりつぶす形をしていて尖りはなくやさしい。自らの足の爪を見て、そんな草食動物の歯を思い浮かべ、それを「さみしさ」という。 /  〈春の夜にでかけてゆけばみつけさう羽根の尖ったやさしきものを〉から始まるこの歌集は、余白の多い装丁や白を基調とした装画も相まって、淡白で静謐な印象があります。歌を読んでいくと、白の向こうのひかりの果ての透明感さえも纏っているようで、それは日常の穏やかさの中にふと取り出された非日常感にも似ていて、時折どきりとさせられてしまう、油断ならない一冊です。やさしさと尖った気持ち、どちらも持っているからこそ人は「さみしい」のかもしれません。(千原こはぎ)
装画:keito  ブックデザイン:とみいえひろこ  印刷:ホープツーワン  2019年  1000円


もう二度と生まれられない 昔観た映画ばかりを繰り返し観る  p74
右開き左開き、それぞれから読めるようになっている珍しい構成。奥付は本のちょうど真ん中に挟まっている。左右で題材が異なっているが、どちらも主体にとっての〈家族〉を考える歌だ。左からは自分の親元としての家族、右からは愛する人とこれから組み立てていく家族。自分も、親も、きょうだいも、恋人もその先の未来も、もう二度と生まれられない。主体、ひいては多くの人が、先天性の家族と後天性の家族という「二度と生まれられない」者たちの連鎖のさなかに居る。そういうグラデーション的な〈家族〉そのものが両開きの本の構成に立ち返ってくる。この本はわたしなのかもしれない。(吉田衣織奈)
折り返しイラスト:そら、はるか  印刷・製本:プリントキング  2022年  1000円


晴れていたら絶景』 鈴木ジェロニモ
ちゃんぽんが麺の名前と知るまでは拾った石に名前があった  p6
彼の短歌は〈見直し〉だと思う。気付きやあるあるとはまた違う、かといって写実的とも違う、彼のフィルター越しに〈見直し〉た光景。適当にがばっと開いて数首読むだけでもその面白さは伝わる。歌集全体そのフィルターを楽しみながらすいすい読んでいけるが、ふとした一首で「見直しによって失われる当然さ」があることに気付く。フランクで愉快なたくさんの代表歌の陰に引用歌のような取り返しのつかなさが見え隠れするからこそ、とても人間的で面白い。薄く、小さく、つるつるの表紙。ぜひ家の外に連れ出して〈見直し〉を探し、一緒に取り返しがつかなくなりませんか。(吉田衣織奈)
表紙:sae osawa  企画編集:井口可奈  印刷:株式会社ポプルス  2023年  1000円
手の温さアイロンがわりにしてシャツのしわちょっとだけ、のびたのびた  p58
なんというか、ものすごく健やかな歌集なのだ。この本には楽しさも悲しさもちゃんとそれぞれ出てくるけれど、主体はそれをただ自然に健やかに、無理しない範囲で携えている。ずっと気持ちの良い風が吹いている。換気されている心地よさがある。軽やかな話し言葉。触りたくなる紙質と厚み。表紙、挿絵、書体。この人は好きに詠んで好きに本にしているんだと思えて嬉しくなる。その上歌人としての巧みさもビシビシに感じられる。 / 読みやすいので最初の歌集にもおすすめだが、短歌に向き合いすぎてよく分かんなくなっちゃった人にもよかったら読んで欲しい。(吉田衣織奈)
編集:谷じゃこ  装画:あらせ  印刷:イニュニック  2020年  1000円


LUCKY HELL WAVES』 ななみーぬ
永遠に会えなくなるということのよくわからなさにくらくらするね  p50
会えないことでも、会えなくなることでもなく、「よくわからなさ」にくらくらする。この叙述が現実感と臨場感を与えて見事です。章段の内容から察するに、身近な存在との死別のことを詠んだ短歌ですが、より普遍的な別れ、さらには日々体験し、そしてすぐに忘れてしまう出来事の一つ一つを表しているようにも思えます。この瞬間性と一回性のかけがえなさは、まさしく「青春」であり、歌集は青春の煌めきと儚さに溢れています。 / 奥付からInstagramに辿ると分かるとおり、作者は2018年デビューの「りぼん」の少女漫画家で、表紙絵も重要な歌集の中の作品の一つです。感情のそれぞれはかけがえないものとして、青春を天馬のハイスピードで駆け抜けていきます。(牛隆佑)
装丁・装画:ななみーぬ  印刷・製本:ちょ古っ都製本工房  2015年  500円


交配を重ねてわたしたちはもう人魚ではなく人人人魚  p28
人間の祖先が海から来たことを思えば、あながちファンタジーではないのかもしれない。人人人人人人人人…………、と延々とさかのぼる先に行き着く「魚」が、現在を生きる私たちの奥底にあることを教えてくれます。 / 歌集を開くとレイアウトに驚かされ、そして唸らされます。このレイアウトはそれぞれの一首の独立性を際立たせる効果を担います。さらに、表紙(と裏表紙)の漫画がすばらしい。できれば中身を読み終わってから裏表紙の漫画を読んでください。誰かたった一人が褒めてくれた記憶が御守りになり、その人を思わぬ遠くまで運び得ます。私家版歌集やZINEの愛おしさは、たった一人でいいその誰かと出会わせてくれるかもしれない、という希望にあります。(牛隆佑)
漫画:terayama  印刷:ちょ古っ都製本工房  2024年  500円


ねこのね、』 御糸さち
詩がころぶ詩がたちあがる詩がわらうまだしゃべれない詩のうつくしさ  p66
子どもというのは存在自体が「詩」なのだ──言葉遊びのような繰り返しに最初は何のこと?と思いつつ、下句で「あぁ…」と気づかされる、御糸さちの歌は技巧がありつつ⁠詩的で美しい。そんな歌に感動していると、〈振り向けばやっと寝かせたはずの子が大スフィンクスとして蘇る〉なんていうコミカルな一首に出会い、思わず笑ってしまう。母としてだけではなく一人の人間として、どんな些細な日常も生きることのすべてが短歌になり得るのだと、この本を読むと思い知らされます。そんな本を著者は当初自力で10冊しか作りませんでした。それはいけない(自分が読みたい)という理由で、制作させてもらったのがこの『ねこのね、』です。(千原こはぎ)
デザイン・DTP:千原こはぎ  印刷・製本:ちょ古っ都製本工房  2020年  500円


乙丑神無月廿八日』 鎗本恵美子
新しき住居へ移る日を待ちし亡夫は在まさず今年もバラ散る  p10
亡夫、亡母、亡父、亡弟……この歌集にはたくさんの亡くなった人々と著者との、何気なくもかけがえのない思い出が綴られていて、読むたびにまるでアルバムを見せてもらっているようです。 / 著者の親族から「存命のうちに形にして残したい」との依頼を受け、制作に関わらせてもらった一冊です。年配の方にも読みやすくしっかりとした歌集になるよう気を配りながら、大急ぎで作りました。私家版歌集だからこそのスピード感だったのでは。 / もうここにはいない人々も著者も、歌の中にはいつまでもいて、読まれるたびに姿や想いが今へ立ち還ります。日々を丁寧に歌に残した著者の、最後の一冊に関わらせてもらったことをありがたく思います。(千原こはぎ)
編集:牛隆佑  組版・装丁:千原こはぎ  印刷:株式会社ブロス  2024年  900円


好きだった髙橋さんは結婚し高橋さんになってしまった
「髙橋さん」から「高橋さん」へ。無関係な他者からすれば、どうでもいいくらいの些細な変化ではあるものの、当人や、そして主体者にとっては実は決定的な変化なのです。誰も気に留めないゆえに、そこには自分だけの悲しみがあります。誰しもがこうした悲しみを持つはずで、だからこそ、これが「あなたの短歌」になり得るのです。 / 歌集タイトルや作者名の概念がない異質な歌集です。奥付の記載もなく、商品としては不便この上ない。しかし、そのことが逆説的に、「歌集」というものがこの社会において短歌を流通させるための「規格」であることを暴き立てます。「短歌にとって歌集とは何か」を問いかけるこの短歌集は、それ自体が批評的存在と言えるでしょう。(牛隆佑)
500円


チャリティー百人一首』 胎動短歌会
まだたったn度目の春 あさなさなぼくらはひかる窓をみている  (井上法子) p23
A6サイズ108頁のコンパクトな裏表紙に100人の名前が書かれていて、壮観。チャリティーという名の通り、能登半島地震被災者支援を目的に、運営費を除く収益を寄付する企画だ。 / 祈りは、タイムラインに流すべきではないと私は常々思う。起きてしまった事象に対して短歌は無力であるが、無力なりに形にすると決めた発起人の志に賛同し、多くの歌人たちが「花」の短歌を寄せた。その短歌の多くは直接的な震災詠ではない。かといって単なる題詠のアンソロジーでないことも伝わってくる。私たちはいつを起点にしてこの春をたったn度目だと感じるのだろう。この本は、何があっても生きていくんだ、生きていこう、という祈りの凝固のように思う。(永井駿)
企画・編集:ikoma  装丁:竹田ドッグイヤー  組版:はちみつちひろ  印刷:booknext  2024 年  1300円

「エミューの会」はダンサーの升田学とエメスズキ、川柳の八上桐子、短歌の牛隆佑の主催による、漂流詩と吟行の会です。
漂流詩は、升田学とエメスズキがその場の知覚を身体や言葉の動きに変換する対話の表現。
吟行は、詩人たちがその場の知覚を身体を通して言語化する詩の表現。

参加は、俳人でも詩人でも歌人でも川柳人でも創作者なら誰でも。つまり誰でも。

【実施日・場所】
2月4日【日】林崎松江海岸(明石)

【スケジュール】
11時45分 山陽電鉄・林崎松江海岸駅 集合
12時00分 吟行開始 ※途中で升田・エメによる漂流詩を鑑賞
14時00分 吟行終了
(休憩)
14時30分 作品批評会開始
17時00分 終了・解散

【参加費】
1000円(会場費)

【申込・問合】
牛隆佑(@ushiryu31)までご連絡ください。※定員に達したため締め切りました。

【主催】
升田学(ますだ・まなぶ)
美術家、ダンサー、グラフィックデザイナー。2008年まで「維新派」に在籍。2002年にデザイン室「アートーン」設立。2006年よりハリガネによるドローイングを発表。

エメスズキ(えめ・すずき)
ダンサー。2004年より「+ちいさなこどもたち」プロジェクト。2018年「からだのアトリエ バオバヴ」発起人。2019年、升田学との共同プロジェクト「漂流詩」。

八上桐子(やがみ・きりこ)
川柳。2007年まで「時実新子の川柳大学」会員。2011年より神戸新聞文芸川柳選者。2018年に句集『hibi』(港の人)発行。

牛隆佑(うし・りゅうすけ)
短歌。2023年まで「空き家歌会」管理人。2019年、八上桐子、櫻井周太とのユニット「フクロウ会議」開会。2023年に歌集『鳥の跡、洞の音』(私家版)発行。

トラベラーズ歌会@渋谷

こんにちは。大阪で短歌をしている牛隆佑と谷じゃこです。一緒に歌会をしませんか。

【日時】11月10日(金)18:30~21:00
【会場】カフェミヤマ渋谷東口駅前店
    東京都渋谷区渋谷3‐19‐1 渋谷オミビルB1F

【会費】500円と各自飲み物をご注文ください。
【定員】最大8名
【進行】牛隆佑・谷じゃこ
【申込】X(旧Twitter)にて牛隆佑アカウント(@ushiryu31)までDMをお送りください。
    申込後、前日までに自由詠1首をお送りください。

鳥の跡、洞の音_書影






























歌集:鳥の跡、洞の音
発行:2023年9月10日
著者:牛隆佑
装丁・組版:谷脇栗太
サイズ:四六版
150頁 364首収録
栞文:八上桐子、門脇篤史、西尾勝彦
価格:900円(+税)

内容紹介
牛隆佑の第一歌集です。14年分、364首を収録しています。もちろん、私家版歌集です。「歌人とは何者か」を考えてもよく分からなかったので、ひとまず「結社・同人誌に所属しない」「新人賞に応募しない」「歌集を作らない」ままで「歌人」になってみようと思って、いろいろやってきました。そうするうちに近ごろはごく自然と「自分は歌人だな」と思えるようになりました。なので、歌集を作ることにしました。もちろん、greeで短歌をはじめて、1000人を超える人たちと一緒に短歌をしてきて、それぞれの短歌との関わり方を知れたことも大きな理由の一つです。『鳥の跡、洞の音』はそういう歌集です。どうぞよろしくお願いします。装画を含むデザインのすべては「犬と街灯」の谷脇栗太さん、栞文は、フクロウ会議やエミューの会での盟友の川柳人の八上桐子さん、結社に所属して新人賞を受賞して歌集を刊行したけれどもやっぱり同じ歌人の門脇篤史さん、最後の後押しをしてくれた詩人の西尾勝彦さんに書いてもらいました。ありがとう。


【取扱書店】

犬と街灯
大阪府豊中市庄内西町3丁目10-27
金土日(12:00-19:00)
通販 犬と街灯online store

がたんごとん
北海道小樽市塩谷2丁目41‐5
平日(10:00‐16:00)土日祝は要予約
通販 がたんごとんonline shop

ボタン
宮城県仙台市青葉区花京院2‐1‐40南側
木金土日(12:00‐18:00)
通販 ボタンonline store

渋谷Longbooks
東京都渋谷区渋谷2-21-1 渋谷ヒカリエ8階 渋谷◯◯書店内
不定休(12:00‐18:00)

うたとポルスカ
東京都世田谷区祖師谷1丁目9-14 BOOKSHOP TRAVELLER内
月木金日(12:00-19:00)土(12:00‐20:00)
通販 うたとポルスカweb store

七月堂 古書部
東京都世田谷区豪徳寺1丁目2-7
日月木金土(11:00‐19:00)
通販 七月堂古書部online shop

恵文社一乗寺店
京都府京都市左京区一乗寺払殿町10
(11:00‐19:00)年中無休
通販 恵文社一乗寺店オンラインショップ

hoka books
京都府京都市下京区小泉町100-6
水~日(13:00‐19:00)
通販 hoka booksオンラインストア

とほん
奈良県大和郡山市柳4-28
金~水(11:00‐17:00)
通販 とほん通販サイト

長谷川書店
大阪府三島郡島本町水無瀬1-708
平日(10:00‐22:00)土(10:00‐21:00)日(11:00‐20:00)

blackbird books
大阪府豊中市寺内2-12-1 緑地ハッピーハイツ1F
火~日(10:00‐19:00)第三火休
通販 blackbird books shop site

葉ね文庫
大阪府大阪市北区中崎西1‐6‐36 サクラビル1F
火(15:00‐21:30)木(19:00‐21:30)土(11:00‐21:30)

梅田 蔦屋書店
大阪府大阪市北区梅田3-1‐3 ルクアイーレ9F
(10:30‐21:00)不定休
通販 梅田 蔦屋書店online shop

エチュードブックス
大阪市中央区谷町6‐5‐26 「萌」2F
不定営業
通販 エチュードブックスonlinestore

古書みつづみ書房
兵庫県伊丹市宮ノ前3‐1-3 浅岡ビル1F
火~金(13:00‐20:00)土(11:00‐20:00)日(11:00‐17:00)
通販 みつづみ書房オンラインショップ

1003
兵庫県神戸市中央区栄町通1‐1‐9 東方ビル504
木~月(12:00‐19:00)
通販 1003オンラインストア

文藝イシュタル
岡山県津山市高野本郷1278−3 BARNDOOR富岡珈琲内
(10:00‐18:00)
通販 文藝イシュタルshop

古京文庫
岡山県岡山市中区古京町1丁目2-8
不定休
通販 古京文庫site

本屋ルヌガンガ
香川県高松市亀井町11-13 中村第二ビル1階
水~月(10:00‐19:00)
通販 本屋ルヌガンガnet shop

書架 青と緑
島根県松江市大正町434-15 ランパルフェ2階
金土日(12:00‐23:00)

本のあるところ ajiro
福岡県福岡市中央区天神3-6-8 天神ミツヤマビル1B
水~金(15:00‐19:00)土日(13:00‐19:00)
通販 本のあるところ ajiro online store

本屋ウニとスカッシュ ※実店舗休止中
長崎県長崎市中川2丁目15-15
(10:00‐19:00)不定休
通販 本屋ウニとスカッシュnet store


4回目を迎えました「牛と街灯」のお知らせです。大阪府豊中市庄内のギャラリー&リトルプレス専門店「犬と街灯」での、牛隆佑3日店長の私家版歌集フェアです。今夏は8月18~20日の3日間。ゲストリコメンダーの御殿山みなみさん、ショージサキさんとともにおすすめ私家版歌集を展示で紹介します。

中日の8月19日(土)は、土岐友浩さんとトークイベント(配信あり)を行います。17時開始予定。短歌をめぐる様々な周辺状況や近年の流れを踏まえて、私家版歌集の可能性についての話を伺います。ツイキャスにて配信を行いますが、もちろん現地での観覧もできます。無料です。

最終日の8月20日(日)は、第3日曜日ということで、恒例の犬街歌会です。 事前申込、事前提出不要の歌会です。こちらも17時から。暑さに気をつけて、ふらっとお越しください。参加費500円ですが、当日から使える300円分クーポン券が付いてきます。

まだまだ暑い時期なので、どうか無理はせずに遊びに来てください。短歌や歌集の話を聞かせてください。
牛と街灯4

「エミューの会」はダンサーの升田学とエメスズキ、川柳の八上桐子、短歌の牛隆佑の主催による、漂流詩と吟行の会です。
漂流詩は、升田学とエメスズキがその場の知覚を身体や言葉の動きに変換する対話の表現。
吟行は、詩人たちがその場の知覚を身体を通して言語化する詩の表現。

参加は、俳人でも詩人でも歌人でも川柳人でも創作者なら誰でも。つまり誰でも。

【実施日・場所】
2月12日【日】岡本(神戸)

【スケジュール】
10時45分 阪急岡本駅集合
11時00分 吟行開始 ※途中で升田・エメによる漂流詩を鑑賞
12時30分 吟行終了
(休憩)
13時30分 作品批評会開始
16時30分 終了・解散

【参加費】
800円(会場費・ドリンク、ミニケーキ付)

【申込・問合】
牛隆佑(@ushiryu31)までご連絡ください。

【主催】
升田学(ますだ・まなぶ)
美術家、ダンサー、グラフィックデザイナー。2008年まで「維新派」に在籍。2002年にデザイン室「アートーン」設立。2006年よりハリガネによるドローイングを発表。

エメスズキ(えめ・すずき)
ダンサー。2004年より「+ちいさなこどもたち」プロジェクト。2018年「からだのアトリエ バオバヴ」発起人。2019年、升田学との共同プロジェクト「漂流詩」。

八上桐子(やがみ・きりこ)
川柳。2007年まで「時実新子の川柳大学」会員。2011年より神戸新聞文芸川柳選者。2018年に句集『hibi』(港の人)発行。

牛隆佑(うし・りゅうすけ)
短歌。2012年より「空き家歌会」管理人。2018年「NHK短歌テキスト」連載開始。2019年、八上桐子、櫻井周太とのユニット「フクロウ会議」開会。

「エミューの会」はダンサーの升田学とエメスズキ、川柳の八上桐子、短歌の牛隆佑の主催による、漂流詩と吟行の会です。
漂流詩は、升田学とエメスズキがその場の知覚を身体や言葉の動きに変換する対話の表現。
吟行は、詩人たちがその場の知覚を身体を通して言語化する詩の表現。

参加は、俳人でも詩人でも歌人でも川柳人でも創作者なら誰でも。つまり誰でも。

【実施日・場所】
10月23日(日)箕面滝道(※滝まで登る必要はありません)

【スケジュール】
10時30分 阪急箕面駅集合
11時00分 吟行開始 ※途中で升田・エメによる漂流詩を鑑賞
13時00分 吟行終了
(休憩)
14時00分 作品批評会開始
17時00分 終了・解散

【参加費】
500円(会場費)

【申込・問合】
牛隆佑(@ushiryu31)までご連絡ください。

【主催】
升田学(ますだ・まなぶ)
美術家、ダンサー、グラフィックデザイナー。2008年まで「維新派」に在籍。2002年にデザイン室「アートーン」設立。2006年よりハリガネによるドローイングを発表。

エメスズキ(えめ・すずき)
ダンサー。2004年より「+ちいさなこどもたち」プロジェクト。2018年「からだのアトリエ バオバヴ」発起人。2019年、升田学との共同プロジェクト「漂流詩」。

八上桐子(やがみ・きりこ)
川柳。2007年まで「時実新子の川柳大学」会員。2011年より神戸新聞文芸川柳選者。2018年に句集『hibi』(港の人)発行。

牛隆佑(うし・りゅうすけ)
短歌。2012年より「空き家歌会」管理人。2018年「NHK短歌テキスト」連載開始。2019年、八上桐子、櫻井周太とのユニット「フクロウ会議」開会。

平日夜、仕事帰りの歌集読書会です。気になっていた歌集を、この機会に読んでみよう。

【日時・場所】
2020年11月26日(木)19:30(19:00受付)―21:30
らこんて中崎2F(大阪市北区中崎2丁目3−29)
大阪メトロ谷町線中崎町駅2番出口より徒歩30秒

【歌集】

【定員】
6名

【会費】
300円(当日支払)

【申込】
主催の牛隆佑ツイッターアカウント(@ushiryu31)までDMか、メール(ushiryu313131@yahoo.co.jp)でご連絡ください。

【概要】
自由に歌集を読んで、自由に感想を言い合おうというものです。一通り目を通しておくのが望ましいかと思いますが、当日手に入れてから参加してもらってもかまいません。

【注意】
当日は各自検温の上、会場では手指消毒・マスク着用・換気へのご協力をお願いします。また、参加者の感染が判明した場合に備え、連絡先のご提出をよろしくお願いします。

平日夜、仕事帰りの歌集読書会です。気になっていた歌集を、この機会に読んでみよう。

【日時・場所】
2020年10月22日(木)19:30(19:00受付)―21:30
らこんて中崎2F(大阪市北区中崎2丁目3−29)
大阪メトロ谷町線中崎町駅2番出口より徒歩30秒

【歌集】

【定員】
6名

【会費】
300円(当日支払)

【申込】
主催の牛隆佑ツイッターアカウント(@ushiryu31)までDMか、メール(ushiryu313131@yahoo.co.jp)でご連絡ください。

【概要】
自由に歌集を読んで、自由に感想を言い合おうというものです。一通り目を通しておくのが望ましいかと思いますが、当日手に入れてから参加してもらってもかまいません。

【注意】
当日は各自検温の上、会場では手指消毒・マスク着用・換気へのご協力をお願いします。また、参加者の感染が判明した場合に備え、連絡先のご提出をよろしくお願いします。

平日夜、仕事帰りの歌集読書会です。気になっていた歌集を、この機会に読んでみよう。

【日時・場所】
2020年9月24日(木)19:30(19:00受付)―21:30
らこんて中崎2F(大阪市北区中崎2丁目3−29)
大阪メトロ谷町線中崎町駅2番出口より徒歩30秒

【歌集】

【定員】
6名

【会費】
300円(当日支払)

【申込】
主催の牛隆佑ツイッターアカウント(@ushiryu31)までDMか、メール(ushiryu313131@yahoo.co.jp)でご連絡ください。

【概要】
自由に歌集を読んで、自由に感想を言い合おうというものです。一通り目を通しておくのが望ましいですが、近くに葉ね文庫がありますので、当日手に入れてから参加してもらってもかまいません。

【注意】
当日は各自検温の上、会場では手指消毒・マスク着用・換気へのご協力をお願いします。また、参加者の感染が判明した場合に備え、連絡先のご提出をよろしくお願いします。

平日夜、仕事帰りの歌集読書会です。気になっていた歌集を、この機会に読んでみよう。

【日時・場所】
2020年8月27日(木)19:30(19:00受付)―21:30
らこんて中崎2F(大阪市北区中崎2丁目3−29)
大阪メトロ谷町線中崎町駅2番出口より徒歩30秒

【歌集】
谷じゃこ歌集『ヒット・エンド・パレード』(私家)
※作者は参加しません。

【定員】
6名

【会費】
500円(当日支払)

【申込】
主催の牛隆佑ツイッターアカウント(@ushiryu31)までDMか、メール(ushiryu313131@yahoo.co.jp)でご連絡ください。

【概要】
自由に歌集を読んで、自由に感想を言い合おうというものです。一通り目を通しておくのが望ましいですが、近くに葉ね文庫がありますので、当日手に入れてから参加してもらってもかまいません。

【注意】
当日は各自検温の上、会場では手指消毒・マスク着用・換気にご協力をお願いします。また、参加者の感染が判明した場合に備え、連絡先のご提出をよろしくお願いします。

昨年、出版された尾崎まゆみ『レダの靴を履いて 塚本邦雄の歌と歩く』(書肆侃侃房)がこれまでにない塚本邦雄の鑑賞本として話題になっています。塚本邦雄生誕100年を迎える2020年、尾崎まゆみさんと一緒に塚本邦雄の短歌を読んでみませんか?

【日程・場所】
2020年3月22日(日)13:00(12:30受付)―17:00
※新型コロナウイルスの感染予防のため延期(時期未定)といたしました。
らこんて中崎1F(大阪市北区中崎2丁目3−29)
大阪メトロ谷町線中崎町駅2番出口より徒歩30秒

【定員】
20名

【会費】
1,000円(当日支払)

【概要】
第1部 尾崎まゆみと千原こはぎと牛隆佑でかたる塚本邦雄(13:00~15:00)
・塚本邦雄ビギナーの千原こはぎと牛隆佑を聞き手として、尾崎まゆみさんが塚本邦雄の短歌の魅力についてやわらかく語ります。
(※本を持っていなくてもご参加いただけます)

第2部 みんなで語る塚本邦雄(15:30~17:00)
・好きな塚本邦雄の短歌や気になる塚本邦雄の短歌を2首ご持参ください。2テーブルに分かれてそれぞれ持ち寄った短歌についてみんなで読んでいきます。
(※当日に書きますので、事前の提出は不要です。その場で選んでもらっても構いません)

【出演者】
尾崎まゆみ(おざき・まゆみ)
1955年愛媛県生まれ。1987年に塚本邦雄に出会い師事、「玲瓏」に入会。現在、「玲瓏」選者、編集委員。歌集『奇麗な指』(砂子屋書房)ほか。塚本邦雄はエスプレッソに角砂糖を二つ入れる人でした。

千原こはぎ(ちはら・こはぎ)
大阪府生まれ。Twitterでは2010年から作歌開始。「短歌なzineうたつかい」編集部や「鳥歌会」主催など。歌集『ちるとしふと』(書肆侃侃房)。塚本邦雄は自分からは遠いイメージだったのですが実はいろいろと縁があるようで不思議に感じています。

牛隆佑(うし・りゅうすけ)
1981年大阪府生まれ。2009年より短歌をはじめる。「空き家歌会」管理人、「フクロウ会議」メンバー。短歌をはじめてすぐの頃に塚本邦雄全集読破を試みて3ページで挫折しました。


塚本邦雄(つかもと・くにお)
1920年滋賀県生まれ。岡井隆・寺山修司らとともに「前衛短歌運動」を推進し、今日までに至る現代短歌の礎を築いた、とされている。歌集『水葬物語』はじめとにかくたくさん。2005年逝去。


体温と雨SNS用









歌集:体温と雨

発行:2019年6月1日
著者:木下こう
編集・発行:牛隆佑
ブックデザイン:とみいえひろこ
サイズ:B6版

装画:keito
解説:西尾勝彦

価格:1000円(+税)


内容紹介:
本書は2014年に砂子屋書房より刊行された歌集を、新装および増補して新たに私家版歌集として刊行するものです。
2014年の刊行後、早々に品切れとなり長らく入手困難だった歌集『体温と雨』を著者の協力のもと、出版社の許諾を得て、私家版歌集として刊行し直しました。その際に『体温と雨』以降の短歌49首を「Ⅳ」として編集し、増補しました。大阪中崎町の書店「葉ね文庫」での展示「葉ねのかべ」で著者とコラボレーションしたkeitoさんが装画を描き、詩集『歩きながらはじまること』『のほほんと暮らす』(共に七月堂)の西尾勝彦さんが解説を書き下ろしました。

砂子屋版の美しい静謐さはそのままに、また新しい手触りの歌集として生まれ変わらせることができました。ゆっくりと多くの方に、遠くの方に届けられればと思います。どうぞよろしくお願いします。


たまごからこぼれるやうに醒めにけり あなたが空と陸である夢(Ⅰ「エスパドリュー」)
錠剤のひとつぶづつをのせてゆくてのひらは匙のうすさをもちぬ(Ⅱ「椅子」)
はつなつのひかりはほそく射しながらわたしの指の上を寒がる(Ⅲ「指を寒がる」)
朝は胸に夕は踵にあるやうな悲しさのためにくつしたを履く(Ⅳ「あはくてあかるい」)


【取扱書店】※在庫状況は各書店にお問合せください。
(北海道)
ほうきとアトリエと本の店 がたんごとん
※現在は小樽市への移転準備中。online shopをご利用ください。

(東北)
ボタン
宮城県仙台市青葉区花京院2‐1‐40南側

(関東)
H.A.Bookstore
東京都台東区蔵前4-20-10 宮内ビル4F

古書ますく堂
東京都豊島区西池袋4‐8‐20‐102

kuutamo(閉店)
東京都杉並区高円寺北2‐1‐22

七月堂 古書部
東京都世田谷区松原2‐26‐6‐103

本屋B&B
東京都世田谷区代田2-36-15 BONUS TRACK 2F

うたとポルスカ
東京都世田谷区北沢2‐26‐7 アパートメントストア1F BOOKSHOP TRAVELLER内

東京都武蔵野市西久保2‐3‐16‐101

(中部)
ヒトトキ
長野県松本市五常6437 Kajiya敷地内

ON READING
愛知県名古屋市千種区東山通5‐19 カメダビル2A

(関西)
恵文社一乗寺店
京都府京都市左京区一乗寺払殿町10

ホホホ座
京都府京都市左京区浄土寺馬場町71 ハイネストビル1F・2F

開風社 待賢ブックセンター
京都府京都市上京区大宮通椹木町上る菱屋町818

とほん
奈良県大和郡山市柳4‐28

長谷川書店
大阪府三島郡島本町水無瀬1‐13‐708

blackbird books
大阪府豊中市寺内2‐12‐1 緑地ハッピーハイツ1F

犬と街灯
大阪府豊中市庄内西町3‐10-27

葉ね文庫
大阪府大阪市北区中崎西1‐6‐36 サクラビル1F

梅田 蔦屋書店
大阪府大阪市北区梅田3‐1‐3 ルクアイーレ9F

シカク
大阪府大阪市此花区梅香1‐6‐13

みつづみ書房
兵庫県伊丹市宮ノ前3‐1-3 浅岡ビル1F

古本屋ワールドエンズ・ガーデン
兵庫県神戸市灘区城内通5‐6‐8 1F

1003
兵庫県神戸市中央区栄町通1-1‐9 東方産業東方ビル504号室

(中国)
書店喫茶 文藝イシュタル
岡山県真庭市久世2896

古京文庫
岡山県岡山市中区古京町1‐2‐8

りんご堂
広島県広島市中区小網町1-9 あおば園1F


(四国)
本屋ルヌガンガ
香川県高松市亀井町11‐13 中村第二ビル1F

(九州)
ナツメ書店
福岡県福岡市東区西戸崎1‐6‐21

本のあるところ ajiro
福岡県福岡市中央区天神3-6-8 天神ミツヤマビル1B


※随時更新していきます。


【問合せ】
牛隆佑(ushiryu313131@yahoo.co.jp)

【掲載】
2011年12月~2021年9月
うたつかい』(制作:うたつかい編集部)
五首自由詠に毎号参加

2013年4月
短歌男子』(制作:田中ましろ)
二十首連作「マリッジ

2013年6月
ぺんぎんぱんつの紙 膝~もしぺんぎんぱんつが膝を打ったら』(制作:ぺんぎんぱんつ)
五首連作「土井真

2013年9月
かたすみさがしWEB』(制作:田中ましろ)
五首連作「希求する/しない

2014年3月
NHK短歌』四月号
七首連作「先進国に生まれてよかった」リスペクトブックス「森本平『町田コーリング』」

2014年7月
大阪短歌チョップメモリアルブック』(制作:大阪短歌チョップ実行委員会)
五首連作「スローモーションの雄叫び」(タイトル提供:三潴忠典)

2014年8月
ぺんぎんぱんつの紙 十二支』(制作:ぺんぎんぱんつ)
十二首連作「果ての果て

2014年11月
ぺんぎんぱんつの紙 ジューシー』(制作:ぺんぎんぱんつ)
六首連作「空き家を燃やす

2015年4月
ぺんぎんぱんつの紙 イヨはまだ16だから』(制作:ぺんぎんぱんつ)
五首連作「私が正岡子規になっても

2015年7月
食器と食パンとペン わたしの好きな短歌』(安福望著/キノブックス)
一首掲載

2015年9月
うたつかい』2015年秋号(制作:うたつかい編集部)
エッセイ「うたつかい四周年に寄せて

2016年1月
ぬくたん』(制作:千原こはぎ)
六首連作「十一月二日/長い夢


2016年1月~2019年9月
うたつかい』2015年冬号~2019年32号(制作:うたつかい編集部)
コラム「牛さんの短歌なう!」連載

2016年6月
みずつき5』(制作:千原こはぎ)
六首連作「水曜の使者」 

2016年9月
歌人のふんどし』(制作:田中ましろ)
六首連作「家電について」(タイトル提供:藤島優実)

2016年9月
『短歌の本音』(制作:中村成志)
エッセイ「短歌なのだから

2017年1月
『とり文庫』vol.2(制作:千原こはぎ)
散文+短歌三首「空白は

2017年2月
『さくはなの』(企画:尾崎まゆみ、松城ゆき)
五首鎖歌連作「さくはなの

2017年2月
大阪短歌チョップメモリアルブック2』(制作:大阪短歌チョップ2実行委員会)
五首連作「再構築します

2017年6月
夕化粧』vol.12(制作:いくらたん)
題詠一首+十首連作「労いて哂おう

2017年9月
歌人のふんどし2017』(制作:田中ましろ)
六首連作「あらかじめ失われたサウダーデ」(タイトル提供:綿菓子)

2017年10月
『濱松哲朗トリビュート 作品集交響曲とコギト』(制作:龍翔)
五首連作「インカのめざめ

2017年11月
短詩系マガジン『guca』リニューアル創刊号(制作:guca編集部)
エッセイ「ただそこにある葉ねのかべ」

2018年3月
サイト「詩客 SHIKAKU」(代表:森川雅美)
リレー時評(俳句)「クラシック奏者よりも俳人が望ましい」

2018年5月~2021年3月 奇数月担当(偶数月担当:天野慶)
NHKテキスト『NHK短歌』(発行:NHK出版)
インタビュー・構成「短歌STATION 短歌のキップ拝見します」
2018年度
・5月号 岡野大嗣
・7月号 加瀬はる
・9月号 小林幹也
・11月号 生田亜々子
・1月号 吉岡太朗
・3月号 ユキノ進
2019年度
・5月号 金川宏
・7月号 橋爪志保
・9月号 窪田政男
・11月号 田丸まひる
・1月号 楠誓英
・3月号 勺禰子
2020年度
・5月号 浜﨑結花
・7月号 辻聡之
・9月号 なべとびすこ
・11月号 松本実穂
・1月号 曾根毅
・3月号 門脇篤史

2018年8月
歌人のふんどし2018』(制作:田中ましろ)
六首連作「星座に名前を付けましょう」(タイトル提供:岩間龍也)

2018年8月
八月の水』五号(発行:BOOKLORE 編集人:西尾勝彦)
十七首連作「水族館にワニはいなかった」

2018年9月
『短歌の本音~この短歌本を言いたい!』(企画編集:中村成志)
エッセイ「究極の短歌」

2018年9月
ねこまんま』vol.4(発行者:のらねこ歌会)
五首連作「ケンタウルス」

2018年11月
Cahirs』vol.9(発行人:二方久文)
十首連作「ちきゅうとゆーのわでっかいぶどうです」
エッセイ「野菜は牛が食うとる」

2019年8月
歌人のふんどし2019』(制作:田中ましろ)
六首連作「それ何太郎の結末だっけ」(タイトル提供:西村湯呑)

2019年8月
蕪のなかの夜に』(制作:フクロウ会議)
三十二首連作「たぶんせぶんいれぶん」
短歌「海でピザ/私たちは恥ずかしい/夜を見ていた」(散文:奈良絵里子)

2019年10月
KOKOKU』(制作:SHIGA TANKA)
解説「詩が短歌」

2020年2月
短歌ムック『ねむらない樹』vol.4(発行:書肆侃侃房)
コラム「ただ一人の」

2020年6月
note「パンデミックと私と」2020.6.14
エッセイ・五首連作「不要不急の短歌」

2020年7月
ネットプリント『七物語2020』(制作:嶋田さくらこ、千原こはぎ)
十三首連作「愛とは」

2020年11月
短歌連作サークル『あみもの』第三十五号(編集発行人:御殿山みなみ)
七首連作「森羅万象宝くじ」

2020年12月
短歌アンソロジー『短歌な大忘年会2020 in the zine~うたげ』(企画・運営:龍翔、千原こはぎ)
七首連作「可能性」

2021年2月
短歌ペーパー『短歌村、短歌をつくる。』(編集:谷じゃこ)
五首連作「ムラ社会」

2021年3月
短歌誌『うたそら』創刊号(編集:千原こはぎ)
短歌リレーコラム「この前の歌会でちょっと思ったことがあったんですよ」

2021年5月~2022年3月 奇数月担当(偶数月担当:天野慶)
NHKテキスト『NHK短歌』(発行:NHK出版)
インタビュー・構成「私の投稿時代 短歌のキップ拝見します」
2021年度
・5月号 武富純一
・7月号 太田宣子
・9月号 虫武一俊
・11月号 小川佳世子
・1月号 近藤かすみ
・3月号 五十子尚夏

2021年8月~(不定期連載)
Webマガジン『TANKANESS』(編集長:なべとびすこ)
インタビュー・構成「短歌の企画者に話を聞いてみた」
・第1回 御殿山みなみ(「あみもの」)
・第2回 嶋田さくらこ(「うたつかい」)
・第3回 天野うずめ(「歌会たかまがはら」)
・第4回 月岡烏情(「最適日常」)
・第5回 泳二(「CDTNK」)
・第6回 千原こはぎ(「うたそら」)
・第7回 武田ひか(「まいつき短歌祭」)
・第8回 荻原裕幸(「短歌ヴァーサス」)
・第9回 なべとびすこ(「短歌ワークショップ」)

2021年10月~
短歌同人誌『西瓜』第2号~第5号(発起人:江戸雪、岩尾淳子、嶋田さくらこ)
五首連作「その渓谷」(第2号「ともに」欄)
五首連作「くらいみず」(第3号「ともに」欄)
五首連作「きゅうりの歯応え以外の部分」(第4号「ともに」欄)
五首連作「遷移」(第5号「ともに」欄)

2021年12月
短歌アンソロジー『短歌な大忘年会2021 in the zine~うたげ』(企画・運営:龍翔、千原こはぎ)
七首連作「昨日のこと」
エッセイ「はじめて会う」

2022年1月
朝日新聞・夕刊』1月12日号
八首連作「深夜中」(「あるきだす言葉たち」)

2022年5月(奇数月)~
NHKテキスト『NHK短歌』(発行:NHK出版)
インタビュー・構成「うたびと横丁 歌人寫眞館」
2022年度
・5月号 工藤吉生
・7月号 飯田彩乃
・9月号 野上卓
・11月号 沼尻つた子
・1月号 尾崎まゆみ
・3月号 木下龍也
2023年度
・5月号 鈴木加成太
・7月号 関根裕治
・9月号 石畑由紀子
・11月号 岩倉曰
・1月号 中込有美
・3月号 西村曜
2024年度
・5月号 冨樫由美子
・7月号 熊谷純
・9月号 月岡烏情
・11月号 ショージサキ
・1月号 岡本恵/朧
・3月号

2022年5月
『うみの会フリーペーパー』(発行:うみの会)
川柳五句

2022年10月
尾崎まゆみ歌集『ゴダールの悪夢』一首評フリーペーパー(デザイン:千原こはぎ)
プロデュース・一首評

2022年11月
『いつか行きたい場所2022』(制作:ショージサキ)
エッセイ・短歌一首

2022年11月
短歌同人誌「水面」第2号(同人:奥村知世、貝澤駿一、田中翠香、西村曜、久石ソナ)
ゲスト書評「短歌の死」(「アララギ」第35巻第2號)

2023年3月
Webマガジン『TANKANESS』(編集長:なべとびすこ)
コラム「朝ドラ『舞いあがれ!』が現実の短歌シーンを映し出している件」

2023年5月
短歌ネットプリント「夕星パフェ」第10号(制作:道券はな、枇杷陶子)
八首連作「よく見れば花の集合体だった」

2023年9月
第一歌集『鳥の跡、洞の音』(私家版)発行

2023年9月
大阪アンソロジー『わりかしワンダーランド01』(制作:なべとびすこ、谷じゃこ)
エッセイ+短歌三首「群雨の大阪に」

2023年11月
『短歌研究年鑑2023』(発行:短歌研究社)
レポート「以上、大阪からお伝えしました」

2024年2月
「Residence Club MAGAZINE」2月号(発行:三菱地所レジデンスクラブ)
特集「ゆるやかに楽しむ短歌入門」応募作品コメント

2024年4月
ネットプリント「ことばとつくる拾遺集」(制作:山口斯)
一首参加

2024年4月
鎗本恵美子歌集『乙丑神無月廿八日』(私家版)
解説

2024年5月
短歌誌「うたそら」第20号(編集:千原こはぎ)
八首連作「駆け抜けろ」

2024年5月
『チャリティー百人一首』(制作:胎動短歌)
一首掲載

2024年6月
『なんたる星 わっしょい号』(制作:なんたる星)
一首掲載(10年後の自分が詠みそうな歌)

2024年6月
短歌アンソロジー『海のうた』(発行:左右社)
一首掲載(『鳥の跡、洞の音』より)

2023年9月
大阪アンソロジー『わりかしワンダーランド02』(制作:なべとびすこ、谷じゃこ)
エッセイ+短歌五首「犇めき合って」

2024年9月
NHKテキスト『NHK短歌』(発行:NHK出版)
文「タンカ物産展(大阪府)」

2024年9月
オープンハウス&展示「ことばの家」(主催:一色暁生建築設計事務所、展示:八上桐子)
一句評・返歌

2024年12月
短歌同人誌「うたよみ」第一号(編集委員:岡部杏里、岩舘澄江、淀美佑子)
エッセイ+短歌四首

2024年12月
短歌アンソロジー『雪のうた』(発行:左右社)
一首掲載(『鳥の跡、洞の音』より)

2024年12月
「かばん」12月号
論考「私家版歌集はより深く潜る」(特集 私家版歌集・歌書/短歌ZINE)

2025年1月
短歌アンソロジー『かたまるたまごとろけるちーず』(制作:千原こはぎ)
頭韻鎖歌連作七首、脚韻鎖歌連作七首、エッセイ

2025年1月
短歌アンソロジー『あなぐまモール短歌店』(制作:なべとびすこ、谷じゃこ)
八首連作「二敗目のコーヒー」



【活動】
2012年5月~2023年3月
空き家歌会」管理人/司会
(会長:虫武一俊)

2012年8月
歌会たかまがはら」ゲスト
(主催:天野うずめ ゲスト:谷じゃこ)

2013年1月
「第二回 空き瓶歌会」ゲスト選者
(主宰:ユキノ進 ゲスト選者:谷じゃこ)

2013年10月~2023年1月
暇活 もしも短歌がつくれたら」ファシリテーター
(主催:コワーキングスペース往来 司会:奈良絵里子)

2013年12月~2023年3月
借り家歌会」ファシリテーター
(主催:まちライブラリー@大阪府立大学、空き家歌会) 

2013年12月
空き家パラダイス」主催/司会
(ゲスト判者:檀可南子、廣野翔一、虫武一俊、龍翔)

2014年7月
大阪短歌チョップ」実行委員
(実行委員:天野慶、岡野大嗣、田中ましろ、谷じゃこ、虫武一俊)

2014年9月・2015年1月
そうだ!歌会始行こう」ゲスト
(主催:伊丹市立図書館ことば蔵 司会:奈良絵里子)

2015年1月
かたすみぴあの」発起人/総合司会
(発起人:龍翔 ゲスト:濱松哲朗、江戸雪、吉岡太朗、虫武一俊)

2015年4月・5月
OsakaBookFesta+2015」参加(ファシリテーター)
(主催:まちライブラリー ゲスト:嶋田さくらこ、池上規公子、田中ましろ、岡野大嗣)

2015年7月
とととと展」コーディネーター
(主催:岡野大嗣、安福望、葉ね文庫 ゲスト:木下龍也、長谷川健一、柳本々々)

2015年8月~ 定期開催中
伊丹歌壇」コーディネーター
(主催:伊丹市立図書館ことば蔵 選者:尾崎まゆみ)

2015年9月
龍翔『Delikatessen/Young,Cute』読書会」発起人/司会
(発起人/ナビゲーター:辻聡之 ゲストナビゲーター:ななみーぬ)

2015年12月~ 定期開催中
葉ね文庫1周年企画「葉ねのかべ」コーディネーター
(主催:葉ね文庫)
・第1弾 高塚謙太郎【詩】×はらだ有彩【絵】(15年12月)
・第2弾 石原ユキオ【俳句・絵】(16年2月)
・第3弾 虫武一俊【短歌】×三宅愛子【写真】(16年6月)
・第4弾 八上桐子【川柳】×升田学【針金】(16年8月)
・第5弾 小島きみ子【花】×塚本佳紹【美術】(16年11月)
・第6弾 やすたけまり【短歌】×秦直也【絵】(17年1月)
・第7弾 曾根毅【俳句】×ななみーぬ【絵】(17年5月)
・第8弾 西尾勝彦【詩】×安福望【絵】(17年7月)
・第9弾 榊陽子【川柳】×利便性【漫画】(17年9月)
・第10弾 鈴木晴香【短歌】×ケント・マエダヴィッチ【絵】(17年12月)
・第11弾 池田彩乃【詩・写真】(18年3月)
・第12弾 疋田龍乃介【詩】×楠誓英【書】(18年5月)
・第13弾 工藤惠【俳句】×朝野ペコ【イラストレーション】(18年8月)
・第14弾 櫻井周太【詩】×古井フラ【クロッキー】(18年11月)
・第15弾 木下こう【短歌】×keito【絵】(19年5月)
・第16弾 八上桐子【川柳】×升田学【針金】(19年7月)
・第17弾 田中ましろ【短歌・写真】(19年10月)
・第18弾 井戸川射子【詩・絵・短歌】(20年3月)
・第19弾 中山奈々【俳句】×鈴木マヤ子【絵】(20年9月)
・第20弾 嶋田さくらこ【レ詩ピ・短歌】×小幡明【文字・絵】(21年11月)
・第21弾 古井フラ【絵・詩】(22年4月)
・第21.5弾 嶋田さくらこ【レ詩ピ・短歌】×小幡明【文字・絵】(22年11月)
・第22弾 芳賀博子【川柳】×吉村哲【絵】(23年3月)
・第23弾 佐々木紺【俳句】×山口斯【美術・字】(23年10月)
・第23.5弾 嶋田さくらこ【レ詩ピ・短歌】×小幡明【文字・絵】(24年3月)
・第24弾 枇杷陶子【短歌】×山口むかか【絵】(24年5月)
・第25弾 葉ね文庫10周年特別展(24年12月)
・第26弾

2016年2月・3月
借り家歌会α」ファシリテーター
(主催:まちライブラリー@大阪府立大学、空き家歌会)

2016年4月・5月
BookFesta2016in関西」参加(ファシリテーター)
(主催:まちライブラリー ゲスト:岡野大嗣、虫武一俊)

2016年5月
俳句短歌ライブ」企画スタッフ
(主催:伊丹市立図書館ことば蔵 ゲスト:坪内稔典、尾崎まゆみ、朝倉晴美、田中ましろ) 

2016年9月~2018年3月(全6回)
現代の名作短歌を読む会」ファシリテーター
(主催:まちライブラリー@大阪府立大学、空き家歌会)
・(1)たとへば君 ゲスト:江戸雪(16年9月)
・(2)日本脱出したし ゲスト:尾崎まゆみ(16年12月)
・(3)「はなびら」と点字をなぞる ゲスト:土岐友浩(17年4月)
・(4)さくら花幾春かけて ゲスト:中津昌子(17年8月)
・(5)サバンナの象のうんこよ ゲスト:荻原裕幸(17年12月)
・(6)好きだった世界をみんな ゲスト:田中ましろ(18年3月)

2017年2月
大阪短歌チョップ2」実行委員
(実行委員:天野慶、田中ましろ、谷じゃこ、土岐友浩、なべとびすこ)

2017年7月
虫武一俊『羽虫群』批評会」運営/総合司会
(主催:空き家歌会 パネリスト:穂村弘、染野太朗、大森静佳、魚村晋太郎)

2017年12月~2018年4月
連作相互感想会 たこ焼き」共同主催
(主催:水沼朔太郎)

2018年2月
「第79回 風の*歌会」ゲスト
(主催:紀水章生)

2018年2月
鈴木晴香『夜にあやまってくれ』批評会」運営
(主催:『夜にあやまってくれ』批評会実行委員会
 パネリスト:穂村弘、中津昌子、虫武一俊、大森静佳)

2018年5月
「句会 うみの会」ゲスト選者
(連絡人:樋口由起子)

2018年5月
「BookFesta2018in関西」参加(ファシリテーター)
(主催:まちライブラリー ゲスト:岡野大嗣、鈴木晴香、千原こはぎ、虫武一俊)


2018年7月
関西現代俳句協会青年部勉強会 句集はどこへ行くのか」話題提供
(主催:関西現代俳句協会)

2018年12月
与謝野晶子生誕祭ウィーク 文学カフェ」講師
(主催:与謝野晶子生誕祭実行委員会)

2018年12月
「関西大学短歌会vs同志社大学短歌会 歌合」判者
(企画:石勇斎朱吉、雨虎俊寛 判者:御殿山みなみ、千原こはぎ)

2019年2月
日刊デジタルクリエイターズ エセー物語」インタビュイー
(著者:海音寺ジョー)

2019年3月
「第18回こはまなぶ講座」講師
(主催:粉浜サポーターズ)

2019年5月
川柳スパイラル東京句会・八上桐子『hibi』句評会」報告者
(報告者:飯島章友 司会:小池正博)

2019年5月
「BookFesta2019in関西」参加(ファシリテーター)
(主催:まちライブラリー ゲスト:五十子尚夏、鈴木晴香、西村曜、虫武一俊)

2019年6月
木下こう歌集『体温と雨』私家再版」企画編集
(著者:木下こう)

2019年7月~継続中
フクロウ会議」参加
(メンバー:八上桐子、櫻井周太)

2019年11月
「ミニトークイベント 新鋭短歌シリーズそのものを語る」企画・出演
(出演:鈴木晴香)

2019年11月
SHIGA TANKA」スペシャルサポーター
(主催:田中ましろ、嶋田さくらこ、千原こはぎ、西村曜、五十子尚夏)

2020年2月
展示 アルデバランを踏まないように」(制作:フクロウ会議)
(ゲスト:秦直也、古井フラ、升田学、満島せしん、池上規公子)

2020年6月~
note「パンデミックとわたしと」制作部
(管理者:とみいえひろこ)

2020年8月~
中崎町読書会」主催
第1回 谷じゃこ『ヒット・エンド・パレード』(20年8月)
第2回 満島せしん『感情という名前の、』(20年9月)
第3回 宇野なずき『最初からやり直してください』(20年10月)
第4回 萩原慎一郎『滑走路』(20年11月)

2020年12月
オンライン歌会をやってみよう!〜TANKANESS ZOOM歌会の記録〜」参加
(企画:Webマガジン「TANKANESS」)

2021年1月
短歌の先輩に聞いてみよう!第1回 〜説明的な短歌ってダメなの?〜」回答役
(企画:Webマガジン「TANKANESS」 回答役:貝澤駿一)

2021年11月
府立短歌 生まれた街、生まれゆく歌 オンライントークイベント」進行役
(主催:hoka books 展示:橋爪志保、なべとびすこ)

2022年3月~
牛と街灯 私家版歌集フェア」企画・三日店長
(主催:犬と街灯)
・第1回(22年3月)
・第2回(22年8月)
 ゲストリコメンダー:御殿山みなみ、長井めも
 ゲストスピーカー:千原こはぎ
・第3回(23年4月)
 ゲストリコメンダー:永井駿、なべとびすこ
 ゲストスピーカー:千原こはぎ
・第4回(23年8月)
 ゲストリコメンダー:御殿山みなみ、ショージサキ
 ゲストスピーカー:土岐友浩
・第5回(24年3月)
 ゲストリコメンダー:御殿山みなみ、嶋田さくらこ、ツマモヨコ、杜崎ひらく
 ゲストスピーカー:江戸雪、池田彩乃
・第6回(24年8月)
 ゲストリコメンダー:千原こはぎ、永井駿、吉田衣織奈
 ゲストスピーカー:江戸雪
・第7回(25年3月)
 ゲストリコメンダー:橋爪志保、杜崎ひらく、湯島はじめ
 ゲストスピーカー:
 
2022年4月~
「エミューの会」共同主催
(共同主催:升田学、エメスズキ、八上桐子)
・第1回 王子動物園(22年4月)
・第2回 箕面滝道(22年10月)
・第3回 岡本(23年2月)
・第4回 大阪駅(23年7月)
・第5回 林崎松江海岸(24年2月)
・第6回 梅田(24年9月)
・第7回 梅村(24年11月)

2022年11月
なべとびすこ歌集『クランクアップ』発売イベント「庄内吟行&歌会@犬と街灯」協力
(主催:なべとびすこ、犬と街灯)

2022年12月
『枡野浩一全短歌集 毎日のように手紙は来るけれどあなた以外の人からである』刊行記念トークイベント「きょうちょっと短歌ブームに集まって」司会
(主催:梅田 蔦屋書店、左右社 出演:枡野浩一、岡野大嗣)

2023年1月
ろじの本屋のブックマーケット2022 Winter」参加
(主催:hoka books)

2023年3月
こんなにおもしろい!今どきの短歌」講師
(主催:岸和田市図書館 講師:金川宏)

2023年4月~(毎月開催)
「犬街歌会」主催
(会場:犬と街灯

2023年6月~(毎月開催)
「昭和歌会」主催
(会場:昭和サロン

2023年9月
おんなじことを何度もうたう 雲居ハルカ×藤宮若菜」WSファシリテーター、スタッフ
(主催:なべとびすこ)

2023年10月
下鴨中通ブックフェア2023」出店
(共同出店:嶋田さくらこ、谷じゃこ)

2023年10月
三菱地所のレジデンスクラブ レジクラ「短歌」大募集!」インタビュイー
(運営:三菱地所レジデンスクラブ)

2024年1月
スペース「ビオトプトプ」第6回「これまでやってきた短歌の企画」ゲスト
(主催:なべとびすこ)

2024年4月
鎗本恵美子歌集『乙丑神無月廿八日』編集
(発行:鎗本勝司)

2024年8月
第8回ゆにゼミ」川柳句会ゲスト選者
(主催:ゆに)

2024年10月
「下鴨中通ブックフェア2024」出店
(共同出店:嶋田さくらこ、谷じゃこ、千原こはぎ)

2024年11月
「エチュードブックス谷町吟行@タニマチアソビ」企画協力・ファシリテーター
(主催:エチュードブックス、ファシリテーター:なべとびすこ)

2024年11月~定期開催
短歌ワークショップ「短歌ラボラトリー」研究員
(主催:千原こはぎ)

2025年2月
「しがたんスピンオフ~西村曜『コンビニに生まれかわってしまっても』五十子尚夏『The Moon Also Rises』W歌集批評会」企画・モデレーター
(出演:鈴木晴香、道券はな、西村曜、五十子尚夏、千原こはぎ)

インカのめざめ

 

大阪という田園の片隅のみずたまりへとうつる窓の灯

さかさまに帰路を手繰って見えてくる十三の夕ぐれのうらがわ

東京はただの背景だと思う(行く)とはつまり「生く」ということ

インカのめざめをレンジに目醒めさせながら(望みは光よりも速いね)

打合せよりおしゃべりをしたかった遠くに響きはじめるピアノ

 

「濱松哲朗トリビュート 作品集交響曲とコギト」201710

あらかじめ失われたサウダーデ

 

街のおとが川のにおいと交ざりあうつかのま中津駅のホームに

目のくらむほどなつかしい面影を覚えてそしてわすれてゆくよ

この道がこれから帰り道になるたまにあなたの手を引きながら

啼いているほそくほそく近くで犬がそれは遠くの誰かを呼んで

そうだ僕もしあわせだったと思うだろう紙吹雪のような天気雨

晩夏ジンジャーエールの辛味 ここから老いていきたいのです

 

「歌人のふんどし2017178

※タイトルを出し合い、シャッフルで割り振られたタイトルで連作を作る。タイトルは綿菓子氏による。

小野原(旧題:労いて哂おう)

 

ここならばこの世の果ての交叉点 光しかないバスを待ちおり

夕日のような朝日のなかでダイジョウブ大丈夫とは立派な人の意

となりからとなりへ憎悪は渡されてたぶん右手で殴られている

錆びついて倒れはじめる自転車が自由になれる ここからいつか

怒鳴られているけれどラーメン屋だからいらっしゃいませなのだろうきっと

息を止めて栗の木の傍を通り過ぐつかのまぎゅっと時を留めて

死ぬことは光なのだから死ねと言って奪わないでくれそのひとつを

殺したら死んでしまうと言っている マクドナルドの阪大生が

ローソンが潰れてファミマができる町あなたは、ぼくはどこにいますか

このバス停がふるさとである人たちへ六法全書通りの土下座を

はたらいてわらおうぼくの集合であるぼくたちの未来のために

 

「夕化粧」vol.12 176

再構築します

 

ハムサンドとやきそばパンと烏龍茶 録画のような暮らしの中の

再構築(リストラ)散髪らい胡瓜

目を閉じれば僕の暗闇 取り返しがつかないのならやり直したい

たましいから温めてくれ原子力が沸かしたお湯で緑茶を淹れる

家族とはポケットのないドラえもん 春コロッケを買って帰った

 

「大阪短歌チョップ2メモリアルブック」20172

※「ポケットのないドラえもんが現れてぼくを試すかのような顔つき」(なべとびすこ)にインスパイア。

さくはなの

 

さあさあとぽいんとかーどのぽいんとがいおんの街に悉く降る

黒い焔がえすえぬえすに燃え上がりこれなら胸の葩だとおもう

春というだけで疲れる 夕闇が冬の速度を保ちいるまま

何でそんな顔をするのさ社会ではふぇいすぶっくの顔で笑って

のすたるじあ飲み干せなくて堤防にぺっとぼとるを立てる僕たち

 

「さくはなの」172

※「さくはなの」の鎖歌を集めたネットプリント集。

空白は

 

取引先から緊急の電話がかかってきたので、慌てて床に散乱した本を掻き分けて何かメモになるものをと探したら、それが死んだ友人の履歴書だった。二度目の転職活動をしたときに僕の部屋で履歴書を書いた、その書き損じだ。友人の履歴書というのは不思議な感じがある。死んでいるのなら尚更だ。普通の公立高校から現役でそこそこの大学に入り、四年で卒業して中堅の営業会社に就職して三年後に教育業界に転職している。「以上」とある。以上、人生終わり! みたいな。けれども僕は知っている。たとえば彼はWWEが好きだった。こんなに細身で顔色が悪いのに。二行で表される大学時代では二人の女性とつきあって、そのうちの一人をひどく泣かせて恨まれていた。資格の欄には「普通自動 車運転免許」としかないが、取り立ての免許でよくドライブに連れていかれたのは夜が多かった。あと、けん玉がけっこう上手いらしいというのは二度ほど聞いた気がする。縄跳びだったかもしれない。人事担当者がおそらく三分と読まなかったであろう履歴書の、その空白部分には僕だけに読める経歴や資格があるのだということは、僕を愉快にしてそしてその後、さびしくさせた。

 

職歴のその一つ目と二つ目の間に本当に色々あったのですよ

資格と言えば普通自動車運転免許 君が海へと連れだしてくれた

いまはいないはるかな人の存在を知らせて履歴書の空白は

 

「鳥文庫」vol.2 171

※「白」がテーマの回。

このページのトップヘ