第二十三回空き家歌会(二〇一九年七月六日)詠草
「日」(題詠もしくはテーマ詠)

A 風の日の図書館前ですれちがうドン・キホーテに酷似の男

B 夏の日のあなたが風にならないようゆっくりゆっくりくだる坂道

C 向日葵の背丈を超えてゆくときに少女ひとつのかなしみを負う

D 燃えているごみか、生きているごみか こんなに晴れた空の日なんだよ

E 日が落ちる 約束がずっと約束のままであなたが閉じる小説

F こんなにもかわいい狐の嫁入りのためならとっておきの日傘で

G 少年立ちて夜の終はりを見たやうなホルンを吹けりワグナーの忌に

H ひとりひとりねむりたくなる日を起きて軽トラックへ渡すもやもや

I 誕生日おめでとう初夏生まれの人  キラキラ絵文字既読スルー

J 六月のあの日ふたりに差し込んだ栞から雨は染み込んでゆく

K 炊飯のボタンは押した日勤と夜勤の間にだらだら眠る

L むちむちの上司の袖のはてしなく捲られていて日向小次郎


歌会参加者
森下裕隆さん、雀來豆さん、涸れ井戸さん、千原こはぎさん、虫武一俊さん、谷じゃこさん、特上あいうさん、三枝真凛さん、辻聡之さん、五十子尚夏さん、山田誠久さん、牛隆佑

以上、十二首です。選歌の方式は「持ち点制」です。当日、5点を自身以外の歌に自由に振り分けて投票します。(たとえば、五首に1点ずつ、一首に2点・三首に1点ずつ、など)
また、当日の空き家歌会まで各歌への個別の言及はお控えください。では、歌会で!