麻雀荘メンバー語録 version2.0

日本プロ麻雀協会所属麻雀プロ、木原浩一による個人的な麻雀についての考え方、戦術等を紹介するブログです。

2013年08月

第8期最高位戦クラシック当選しました。

ことあるごとに「優勝」ではなく「当選」という表現を用いてきたのは、自分の麻雀に対する考え方を理解していただきたいという気持ちのあらわれからです。

これが正しいと主張する気はありません。強要もいたしません。
ただ、興味のあるかただけお付き合いください。

タイトル戦は「勝者」を決めるけれども「強者」を決めるわけではない

この記事のタイトルにもなっています。優勝は偶然か必然かといえばもちろん「偶然」です。
麻雀に必然の勝利などないのです。

勝ちに不思議な勝ちあり、負けに不思議な負けなし

勝者の謙遜の言葉、敗者の自戒の言葉としてありますが、麻雀に置き換えると

勝ちに不思議な勝ちあり、負けにも不思議な負けあり

ですね。なぜこのようなことがいえるのか?
それは麻雀というゲームが、選択と抽選を繰り返し繰り返し行うゲームだからです。

麻雀に選択の機会有り。これはすべて自己責任です。
自分の判断力を問う機会。これこそが実力を発揮する機会といえましょう

麻雀に抽選の機会有り。これは打ち手の意志を介しません。
想いだとか心意気、気合とか執念、技術とかなにもかも無関係に選ばれます。

抽選の機会をより有利に受けるため、選択の機会に心血を注ぐ。
我々にできることはそれだけなのです。「必然」の選択を目指し、「偶然」の結果を待つ。
それを繰り返し繰り返し行い結果を競い合うゲームなのです。
da(1)


東1局南家・ドラ一索

4巡目に親が東東ポンから打三萬三、ピンズのペンチャン二筒一筒を手出しした後の上の手牌。どのような選択をしますか?

オーソドックスなのは打一筒(1)。しかし手牌の七萬八萬七八は、巡を追うごとに危険度が増す牌です。最高位戦クラシックルールは一発裏ドラがありません。加えてノーテン罰符もありません。通常ルールの一発裏ドラ複合マンガン狙い作戦も、流局時に入るノーテン罰符収入でリーチ棒支出チャラ作戦も使えません。

終盤になればなるほど、この手でリーチをかけるのは損。
終盤になればなるほど、手牌の七萬八萬七八を切るのは損。

とすればこの巡目で打八萬八。親の安全牌である一筒(1)を抱えつつ、テンパイ巡目と場況次第ではリーチも辞さずの構え。
tedasi

10巡目、更に親から手出し七筒が入った後に引かされた四萬四。これで巡目的にも撤退を意識。うまく四萬四が通った時だけ勝負する。
kekkaha

結果は完全撤退。親が八萬八をツモ、4000オールの和了りとなりました。

7巡目打八萬八は、僕にとって必然の選択で、放銃回避できたのは偶然の結果。もしここで親のテンパイが間に合って、放銃となったとしてもそれは同じこと。その結果だけを見て善し悪しを判断するのではなく、選択の段階だけで優劣をイメージするということです。

麻雀の結果についても同じです。結果だけを見て判断すること――
「勝った=強い」とか「負けた=弱い」とは一概に言い切れないのではないかと思います。

タイトル戦は「勝者」を決めるけれども「強者」を決めるわけではない

しかし、負けた後にこのタイトルで記事を書いたらみなさんにはどう思われるでしょうか?

負け惜しみなのではないか

勝者をディスリスペクトしているのではないか

負けに対する反省がないのではないか

このような印象を受けるのではないかと思います。
自分の思うことを正直に言うことで対外印象を損ねてしまう。そういうこともままありますよね。

冒頭のリンクで「苦節12年」と書かれていますが正確にいうと13年半くらいです。
それまでにタイトル獲得の機会は約60回(この記事参照)
その内4回を決勝まで進出して、1回獲ることができました。

平凡な雀士の極々平凡な結果だと思います。
偶然タイトルを獲っただけで、自分が強者であるなどと勘違いも起こしようがありません。

ただ、今期の最高位戦クラシックにおいて一番強かった人は誰ですか?
という問いには、胸を張って答えてやろうとは思っていますよ。

「それはプロ協会の木原浩一だよ」

――と



最高位戦classicルールの主な特徴は

一発裏ドラなし

順位点が +12 +4 −4 −12

「素点重視!」
「ドラが超エライ!」ってことですね。

親は和了りのみ連荘

ノーテン罰符がない

「局数が少ない!」
「オリ得なケースが多い!」

親権維持とかノーテン罰符狙いで無理にテンパイ取る必要がない。
つまり失点は放銃とツモられだけ。非常にシンプルですね。

その分和了りがないと加点することもできません。
このオリ得ルールでリーチして出和了りするのは厳しいです。

出したリーチ棒を回収できずにラスでした。こんなこともままあるのです。

序盤、中盤、終盤隙だらけの僕は、結構雑な放銃をしてしまいます。
予選の段階でもちらほら。特に酷かったのは親のメンチンピンフイッツーに放銃したとき。
24000・・orz ダマテンは卑怯です・・・

なんか全く勝てる気がしません。
そこで心の師匠にアドバイスを求めました。

木原「はぁ・・・ねぇ、ダマテンってどうやって看破したりするの?」

tikuki






「木原さん。できないことを無理にやろうとしてもダメですよ」

そうですね。麻雀なんて急激に上手くなるわけでもないし。
今まであまり他人の手牌を気にしてこなかった僕が、いまさら・・・ってことですね。

私は何でもはできない。できることだけ――


それでも運良く決勝までたどりつくことができました。
先日決勝初日が行われまして、その結果を報告したいと思います。

配牌を開けばドラドラ、ツモってはドラドラになる、たまに和了ってドヤドヤと
もうね。何回ドラドラの手牌があったことでしょうか。

この「ドラが超エライ!」ルールでこれは完全に恵まれていましたね。
そうだ。勝ったら「運王」を名乗ろう!そんなことを考えながら打ってました。

<4回戦終了時>

木原浩一  +39.3
鈴木たろう −12.3
川上貴史  −12.6
佐藤聖誠  −14.4

なんとひとり浮き!しかも全員を均等に沈めて!
classicルールではそう簡単にひっくり返らないポイント差ですよ!

初日の最終半荘、5回戦目も好調でトップ目でした。迎えた南1局――
kurasiku






画像見えますか?またしてもドヤ・・いやドラドラ。6巡目にしてこのイーシャンテン。
最高位戦classicでは牌を落とす前に洗牌(牌を混ぜること)をするのです。

これが効いてか配牌は大体悪いです。
言い方が悪いですね。よく混ざった配牌が来ることが多いです。
アルティマに慣れている僕にはカス配牌のオンパレードに見えてしまいます。

しかし、この時ばかりは違いましたね。いける!やれる!
しかもこの景色!見てくださいよ!!とっても和了れそうな気がしませんか??
くらしこ





しかし先制は鈴木・C・たろう(親)。そう、アイツですよ、あ・い・つ
ミドルネームのCは皆さんで想像してください。

正直いってこれだけ和了れそうだと思ったら、あんまり他人の河とか気にしないです。
たろうの河は変則っぽいですが、序盤の手出しとかよく見てません。
唯一覚えていたのがリーチ前の南南が手出しだったような・・・

一発で引かされたのが六筒(6)です。パッと見クソ危ないですね。
おさらいをしましょう。親は和了りのみ連荘です。ツモられなければ失点もしません。
しかも現状この半荘トップ目トータルでもダントツといっていいでしょう。

しかし僕は完全安全牌を切るかの如くサラッと六筒(6)を切りました。
おかしいでしょうか?それはどうかわかりません。

天鳳なら三索3切るでしょう。ROSSOでも三索3ですね。
プロ協会ルールなら六筒(6)ですかね。

これは僕なりに考えた対classicルールバランス。
「素点重視!」「ドラが超エライ!」なおかつ和了れそうなら全プッシュ!そう――

「進撃のclassicプッシュ」 なのです!

六筒(6)は通りました。
ふふっ・・・せやろ?たろう、たろうよ。麻雀の3大原則なんつったっけなぁ??あ――
korasiko2



く、クレイジー・・・
このルールでそれ曲げてきますか・・・

panel_suzukitarou







「だって、西アンコ落としでオリ打ちとかも狙えるでしょ?」

そんな声が聞こえてきそうです。さすがはスーパーポジティブシンキング。
とりあえず耳は塞いでおきましょう。うざいわ・・・・

<初日終了時>

木原浩一  +15.2
鈴木たろう +12.7
佐藤聖誠  − 5.5
川上貴史  −22.4

おかげさまでこんなになってしまいました。
この時は何とも思ってなかったのですが、改めて牌譜を見直すと――

「オリてもよかったわ・・・・」

なんて思ったりして。


8月25日(日)Classic決勝 最終日12:00開始

会場神楽坂「ばかんす」

最終日は今度の日曜です。
たまにはよい報告ができるといいですね。てか当たれ!

麻雀について悩み始めた子供「誠司」とその友人「まさし」と『父親』の会話。

誠司 「父さん!最高位戦classic決勝進出おめでとう!」

まさし 「最高位戦classicとは他団体のタイトル戦ですね。詳しくはこちらで

 『結果は馬鹿ヅキだったね。でも、麻雀打ってて久しぶりに痺れちゃったな〜』

誠司 「痺れる?父さんでもそんなことあるの??」

 『そりゃあるよー』

まさし 「な、なんか意外ですね」

 『うん。リーグ戦の昇級争いとか、決定戦進出争いとか、父さん勝つときはたいてい圧勝で通過することが多いんだよね〜』

誠司 「何それ?自慢??」

 『違うよ、むしろ逆。競っているときはたいてい負けてるってことさ』

まさし 「競り弱いということですか?」

 『そうは思いたくはないんだけど、歴史がそう証明しているからな〜』

まさし 「今回は接戦で痺れたということですね」

 『そうだねー。特に5半荘目かなー(準決勝は全6半荘) 東場にマンガンテンパイ2回空振りして、僅差のラス目迎えた南2局東家8本場で――』

誠司 「8本場?!」

ドラ・知らん
四萬七萬七萬二筒三筒四筒四筒五索六索六索北北中中

 『うん。そしてこんな配牌』

誠司 「きたこれ!」

 『第一打四萬四じゃん。クラシックルールならポンポンポーン!ってやりたいんだけど』

まさし 「強引にトイトイ狙いですね」

 『和了りたすぎて、和了りたすぎて、逆に固まっちゃったよね。北北をスルーして七萬七もスルー。結局中中から仕掛けて――』

七萬七萬二筒三筒四筒五索六索七索北北   ポン中中中横

 『ちょっとねー北北はともかく七萬七は鳴かないとダメだったなー』

まさし 「慎重になりすぎて声が出なかったってやつですね。わかります」

 『最後の半荘はベストを尽くせたと思う。これで捲られたならしゃーないな』

誠司 「ギリギリ通過だったね」

kurasiko











まさし 「5位と3P以内、6位とも10P以内でしたね」

 『そう、最終的にこれくらいの差で競るのは想定内だったんだよね。でも4半荘目にさ、オーラストップ目南家で――』

東家24900・南家41000・西家30900・北家23200

ドラ・知らん
三萬四萬七萬七萬三筒四筒五筒三索四索五索五索六索七索

 『7巡目に絶好のテンパイに見える二萬五萬二五待ち、ヤミテンに受けてしまったんだよね』

誠司 「え?何で??2着と10100点差でしょ?リーチ棒出さないのは普通じゃない?」

まさし 「いや、これはわかりますよ。クラシックの順位点は+12・+4・▲4・▲12ですものね」

 『そう。普段順位点が大きいルールで打ち慣れているから、オーラスにこういうのを反射的にヤミテンにしてしまうのだけれど』

まさし 「特に天鳳はそうですね。順位点しかないですものね」

誠司 「そうか!1着順落ちで8Pしか減らないのなら、マンガン和了って8P獲得できそうだったらそのリスクに見合うってことだね!」

 『うん。そうだね。しかも、直接対決でポイントを削れるチャンスでもあるよね。リーチして高めツモなら親とは18P差、子でも15P差』

まさし 「ポイント的にはほぼ2着順分の順位点と一緒ですものね」

 『この局はヤミテンで2000点を和了ったんだけど、このチャンスを生かせなかったばかりに決勝進出を逃したら悔しいよねー』

誠司 「なんか勝ち自慢なのか反省会なのか知らないけど、とにかく決勝面子と日程も教えといてよね!」

 『そうだね。面子は――』


鈴木 たろう (日本プロ麻雀協会) 現雀王

川上 貴史 (最高位戦日本プロ麻雀協会) 現RMUクラウン

佐藤 聖誠 (最高位戦日本プロ麻雀協会) 現發王


誠司 「全員現タイトルホルダーきたこれ!」

まさし 「いい面子ですね。特にたろうさんには去年の雀王決定戦のリベンジですね」

 『まあタイトルなんて備えさえあれば向こうから勝手に転がり込んでくるもんだから!今回はそれを証明してみせますよ!』

まさし 「なんかタイトルコンプレックス丸出しの痛い発言っぽいですが、まあ頑張ってください」

日程

8月18日(日)Classic決勝 第1節
8月24日(土)雀王戦Aリーグ 第8節
8月25日(日)Classic決勝 最終日

会場神楽坂「ばかんす」

誠司 「そっか!Aリーグも佳境だね!」

e-














 『全10節。残りは3節12半荘。こっちも負けられないんだけど』

誠司 「色々なルールで麻雀って、結構たいへんじゃない?」

 『そうでもないよ。イメージトレーニングは常日頃からやってるしな』

誠司 「ROSSOで打ってても?天鳳で打ってても?」

 『そうさ。協会ルールならこうだなーとか、クラシックルールだったらこうしてみたい、とかね。打ってる最中もずっと考えてるよ』

まさし 「考えることこそが練習って、木原さんよくいってますものね」

 『そうだね。イメージや戦略を練るのが練習、本番に必要なのはそれを体現する決断力、度胸っていってもいいね。実戦でばんたび悩んでしまうのは、単に練習量が不足しているだけなのでは?って思っちゃうね』

誠司 「へー?ルールが違ってもあまり関係ないんだ?」

 『もちろん近いルールで練習したほうがよいのだけれども、それが適わないからといってできることがないわけではないってことさ。現に今まで父さんはクラシックルールで練習したことないんだよね』

まさし 「なるほど。でも人事は尽くしてる――と」

 『そこまで自信満々ではないけど、それは他3人だってたぶん一緒だよ』

まさし 「しかし羨ましいですね。こんないいところで打てるなんて、競技麻雀選手冥利に尽きますね」

 『でもさ、予選で負けるより本選で負けるほうが、準決勝で負けるよりも決勝で負けるほうが――』

まさし 「リーグ戦で負けるより決定戦で負けるほうが――ですね」

 『うん。ずっとずっと悔しいんだよね。そう考えるとさ、競技麻雀選手って負けることのほうが圧倒的に多いわけで、しかも勝ち上がれば勝ち上がるほど悔しいなんてさ――』

まさし 「まさにマゾヒズムの極みですね」

 『まさしくん。キミは完全にそっち側の人だよね』

まさし 「そ、そ、そんなことないですよ!ぼ、僕はドSですからっ!」

 『冗談だよ(笑)とにかくいくらいい勝負をしたとしても、負けて満足することだけは絶対にないから!』

誠司 「メチャクチャ勝ちたいってことね」

 『大事なところで負ければ負けるほど次は勝ちたくなるんだよねー』

誠司 「ところでこんなに仕事休んでいいわけ?」

 『休むのは構わないけど、たまにシフトが組めなくて困ることがあるよね。というわけでROSSOでは土日専用アルバイトを大募集しています!』

麻雀ROSSO 0364160243 担当 木原

 『アルバイト希望はこちらまで。土日休みの方、腕に覚えのある学生の方、歓迎です。よろしくお願いします』

誠司 「ちゃっかり求人かよ!条件は?」

 『アルバイトは時給1250円以上、ゲームバック有り、交通費全額支給などなど。詳しくは直接ね』

まさし 「はい。僕のモデルとなってる人にも会えるかもしれませんね」

誠司 「それはどうでもいいんじゃ・・・」

このページのトップヘ