麻雀荘メンバー語録 version2.0

日本プロ麻雀協会所属麻雀プロ、木原浩一による個人的な麻雀についての考え方、戦術等を紹介するブログです。

カテゴリ: 麻雀検証

最近、個人で麻雀配信してるんですよ。

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http://gae.cavelis.net/user/%E7%BD%AA%E6%AD%8C%EF%BC%92


こちらです。アカウント名はあまり気にしないでください
告知はツイッターより

天鳳および配信告知専用ツイッター

麻雀について悩み始めた子供「誠司」と『その父親』の会話

麻雀の検証例1

「こんなこといちいちやってられないよ!」

『そうだね。ちゃんと検証しようとしたら相当な時間を費やさなければならないね。たいていの人は、【検証に費やす時間】に対して【向上する雀力】が見合わないからそういうことはしないだろうね』

「でも父さん一応プロなんでしょう?こうした麻雀の研究を進めていくのもプロの役割なんじゃあないのぉ?」

『プロなんだからどうこう・・・って話はちょっとややこしい話になるんでとりあえずおいといて・・・誠司は「科学する麻雀」を読んだことはあるかい?』

「うん。とつげき東北氏のでしょ?」

『麻雀検証というプロセスを経て結論を導き出すという手法をとった唯一の戦術書で画期的だったよね』

「あれっ?父さんの否定意見載ってなかったっけ?」

『載ってたね(笑)ただ勘違いされそうなのでいっておくけど、手法に対してはものすごく評価してるし、麻雀のゲーム性についての考え方も結構似てるんじゃないかなぁとは思うけどね』

「じゃあなにがいけないの?」

『うん。あらゆる場況に対して共通していえることって少ないと思うんだよね。データの取り方っていえばいいかな。たとえば・・・』


ケース

一索東五筒七索一萬北
三萬横

1東(5)7一北
三(リーチ)



ケース

一索東五筒七索四萬北
三萬横

1東(5)7四北
三(リーチ)


『氏いわく「ソバテンは必ずしも危険とはいえない」「3切りリーチの2はそうでないときの2よりも安全」としてるんだけど、上2つの例ではどうだろう?他の無筋よりも二萬五萬二五の危険度は少なくとも5倍以上は高いと思うけどね』

「えっ?なんで5倍以上なの?ねぇ?ねぇってば!」

『うーんとねぇ・・・これについてはまたしばらく後で話すことにするよ。父さんもまだ研究途上段階なんでね。「じゃあおまえがデータを取って証明してみせろや!」”なんて氏にも怒られそうだしね(笑)』

「フーン・・・いけないのってこれだけ?」

『他にもあるよ。「○フーローのテンパイ率」なんてフーロー者の捨牌や場況によって違うだろうし「裏スジは危険ではない」っていってもそれもリーチ者の捨牌にもよるんじゃないかな?』

『要するに“Aのパターンに対して有効なデータ。Bのパターンに対して有効なデータ”ってそれぞれ違うと思うんだ。その場合分けが圧倒的に不足しているよね。これが氏の否定している「読み」という分野なんだろうけど。まあまだまだ研究の余地がいっぱいあるんじゃない?ってことさ』

「フーン・・・じゃあさ。父さんがデータをとって研究進めてみなよ」

『考えとくよ(笑)いま僕の周りに優秀なブレインがいるんで(最近麻雀に対する情熱が薄れかかっているようだが(笑))いつかヤツをけしかけて本格的な麻雀検証をやってみたいなーなんて思ってます』

麻雀の検証例の続きです。

Sample

トップ目で迎えたオーラス。並びは

南家27000−東家26000−西家24000−北家23000 という設定


南家4巡目の手牌 ドラ 無視

一萬二萬三萬五萬六萬七萬九筒九筒五索赤五索六索北北北 という牌姿でテンパイ。

一二三五六七(99)5r56北北北 rは赤

捨牌が

九索西一索

9西1

選択chanceA五索5切りリーチ。

選択chanceB五索赤5r切りリーチ。


検証の結果
選択chanceBのほうが優秀であるという結論になりました。


いやちょっと待てよ。

このとき検証に参加した3人が相手ならば、「選択chanceBのほうが優秀」という結論でよいけれど、選択chance傾向が全く違う3人が相手だったら、また違った検証結果が出るのではないだろうか?

たとえば
「トップを取る」ということに対して異常に偏った満足度(参照・選択chanceにおける満足度)を持っている3人がこの検証をしたらどうなるだろう?

“和了トップのオーラス”という点数状況。
放銃のデメリットを軽視し、和了りの可能性を少しでも高めようとする選択chanceをとるのではなかろうか。(人はこれをゼンツと呼ぶ)

その場合五索赤5r切りーチであったとしても、その情報に影響を受けて手を曲げるようなパターンが少なくなることが予想されるわけですよ。(とはいえラス落ちの危険を目の当たりにして、和了りの可能性が少ないと思えるような牌姿からゼンツできる人も少ないとは思いますが)

従って

「トップを取る」ということに対して異常に偏った満足度を持つ3人相手ならば、選択chanceA(五索5切りリーチ)のほうが優秀である。

しかし、これはあくまで仮説です。では実際に検証してみましょう。


・・・・

・・・・


ホラ!面倒くさいでしょ?(笑)




続く

>絶対優位な選択chanceとは、期待的に抽選chanceを最も有利に受けられる選択chanceのことです。それを追求することこそが正しい麻雀の検証方法だと思います。

木原流なんて大げさにいいましたが(笑)
それを検証する方法の一例を紹介してみようと思います。


Sample

トップ目で迎えたオーラス。並びは

南家27000−東家26000−西家24000−北家23000 という設定


南家4巡目の手牌 ドラ 無視

一萬二萬三萬五萬六萬七萬九筒九筒五索赤五索六索北北北 という牌姿でテンパイ。

捨牌が

九索西一索

選択chanceA五索切りリーチ。

選択chanceB五索赤切りリーチ。

あなたはどちらの選択chanceが期待的に有利だと思いますか?



検証

南家の手牌14枚と南家の捨牌3枚は固定します(計17枚)。

まずは選択chanceAで1局試行します。

このリーチを受けて東家、西家、北家はどのような選択をするのか?
これを実際に1局やってみるんですね。

終局したらリーチ前(4巡目南家切り番)までの状態に
すべての牌を完全に元に戻します

そして今度は選択chanceBで1局試行します。

同じように東家、西家、北家はどのような選択をするのか?やってみます。
この場合全く同じツモがくるわけですが、もちろんその情報を知らなかったものとして進行させて下さい。

それも終わったら固定した17枚以外の牌全てを洗牌して山を積み直し、東家、西家、北家は、また新しい配牌、新しいツモで進行します。4巡目南家切り番になったら再び選択chanceA、Bの両方を試行します。

この作業を何度も繰り返し、選択chanceA、Bの結果をそれぞれ集計します。
試行回数は多ければ多いほどよい。途中で集計結果に大差つくようであれば、その時点で優劣を判断してもいいでしょうね。

集計結果の平均値を比較する。
平均値が高いほうの選択chanceが、期待的に抽選chanceを有利に受けられる選択chanceといえます。

みなさんも結果を予想してみてください。













さて、余談ではありますが・・・

この検証をしたのは2年半も前のこと。
選択chanceBのほうが優秀だという検証結果は出たのですが
実際に赤切りリーチを試行したことはまだ1度もありません。

なぜかというとこのようなケースに遭遇することがないからです。
つまり全く無駄な、全く役に立たない検証だったということです(笑)

レアケースを検証し、優劣を比較したところで
それが収支に影響を及ぼすようなことはことはないのですから・・・・



続く

麻雀について悩み始めた子供「誠司」と『その父親』の会話

「ねぇ父さん。麻雀を検証するってそんなに難しいことなの?」

『そうだなぁ・・・難しいっていうより、とても骨の折れる作業ではあるよね。そのため打牌選択の優劣ひとつ比較するのにも、面倒な検証を省いて結論を出そうとする傾向ってあるんだよね』

「えっ?それじゃあ結論を出したとしても、それが本当に正しいかどうかはわからないってこと?」

『そうだね。想像の域でしかものをいえてないわけだからね。それはこのブログの内容にだっていえることなんだけどね』

「そうなんだ・・・簡単にできるもんじゃないんだね・・・」

『うん。ああそうだ!いま父さん先日行なわれたAリーグの整理牌譜(※)をやってるんだけど――』

(※)整理牌譜=Aリーグは1人1人麻雀の記録(牌譜)を取っています。その卓の、つまり4人分の牌譜を1つの対局の記録としてまとめる作業を整理牌譜といいます。←結構しんどいです。

「あっ知ってるよ!ボッコボコにやられたやつでしょ?」

(うっさいわ!ボケッ!)『ん?う・うん・・・まあね・・・』

「ねぇねぇ?やっぱり父さんでもAリーグの壁は厚かったの?ねぇ?ねぇってばぁ〜?」

(しつけーガキだな!埋めたろか!)『まあ確かに負けたよ。まあそれはいいとしてさ(汗)たとえばその完成した整理牌譜を見て、前回の対局の敗因を検証するとしよう』


>あのときあれを切ればよかったとか――

>鳴かなければよかったとか――

>リーチするんじゃなかったとか――

>攻めときゃよかったとか―― 

>オリときゃよかったとか――


『こういったことが麻雀の検証と勘違いする人もいると思うんだ』

「えっ?違うの?」

『全く違うってわけじゃないけどさ。父さんの考え方はね』


>その一時一時の結果に絶対はないけれども、絶対優位な選択chanceは存在する。

>ここでいう絶対優位な選択chanceとは
 期待的に抽選chanceを最も有利に受けられる選択chanceのことです。



『ということだから。期待的に抽選chanceを最も有利に受けられる選択chanceを探求することこそが正しい麻雀の検証方法だと思うんだよね』

「なんかよくわかんにゃ〜い・・・・でもさ?○○すればよかった―― とかね。そういった後悔をしないように打牌選択できればそれでいいんじゃないの?」


>本人が納得できればOK

>後悔しない1打


『といえば聞こえはいいけれども、それは自分自身“最も満足度の高い選択をする”ということであって、それが最も有利な選択であったとは限らないわけだ。もちろんそのことが悪いこととは思わないんだけど、どうせやるなら勝ちたいじゃん?最も勝つ確率の高い選択chanceを考えたいって思わないかい?』

「じゃあどうやって考えるの?教えてよ!」

『そうだなー。それじゃ次回に木原流の麻雀検証方法を例を挙げて説明することにしようか』

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