麻雀荘メンバー語録 version2.0

日本プロ麻雀協会所属麻雀プロ、木原浩一による個人的な麻雀についての考え方、戦術等を紹介するブログです。

カテゴリ: 選択chanceの考え方(引き際)

<A1>
押す押さない 1

鳳凰卓東風戦・東3局東家
現在23400点同点3着目・下家からリーチの一発目何切る?

鳳東の順位点配分は 60−30−0−▲100
トップだと6千円もらえて、2着だと3千円、ラスだと1万円払う。こう思っていただければ。

ラスは引きたくない。けど相手も手練揃い。
横移動しなかった場合、自身のラス確率も高くなるわけだ。

さて、ここで何切る?話をしたいわけではないんだ。
これから話すことは「押し引きの考え方」

まず和了り点、放銃点
この手、和了るとすると+100P、一発で放銃すると△100Pと考えていただきたい。
この数字はテキトーだ。ルールによって和了り+150P、放銃△50Pにもなったりもする。

次に和了り確率。テンパイすれば今のところ好形確定。
それよりも大事なことは巡目巡目ですよ。

先制リーチを受けて7巡目
まだこの段階では和了り確率はそこそこ高いということ。和了り確率30とする
基本、巡目の経過ごとに和了り確率も低下するものと考えます。

次に放銃確率。これは18分の1理論とか
放銃抽選確率を考える辺りを参考にしてもらいたい。放銃確率10とします。

<A2>
押す押さない 2


今度はこちら。1巡経過して何切る?<A1>と変わっているところは

>一発ではないので放銃点がダウン          100→80
>1巡経過したことにより和了り若干確率ダウン    30→28
>他の無筋が通ったことにより放銃確率がアップ    10→12

<A1>(100×30)−(100×10)=2000
<A2>(100×28)−(80×12)=1840

重ねて言うが数字はテキトーだ。比較するため使った。突っ込まないように。
当然<A2>のほうが分が悪い勝負となる。

このように巡目の経過、放銃確率の上昇により押し引きの判断は変わってくる。
でも実際はこういう計算を細かくしている訳ではない。

何となーく「まだいけるぜ!」とか「もうダメかな?」とか、感覚的に決める。
リーチを受けた瞬間「無筋3つくらいはいけんじゃね??」と思っていたのだが

六筒(6)プッシュして、七筒が通り
九萬九も通ったが、あんま危険牌候補に入ってなかったのでそれは保留。

そうなると二筒(2)プッシュまではオケーだが、次の四索4で・・・

20100120_1698046

こんな感じですかね。だからここでやめじゃボケ。
でも、もう1プッシュくらいはアリかな〜?とは思ってはいる。

もちろん<A1>の時点で九筒(9)打ちもありだとは思う。そうすると――

>和了り確率が大幅ダウン。
>放銃確率は取り敢えずゼロ。

周りがブンブン丸なら横移動にかけるのもアリだが
それがなかった場合確実に失点してしまう。うーんどうかな?


――――――――

「一貫性」

麻雀打ちはこの言葉を使う人が多い。いっかんせい?
もちろん自分の戦略に一貫性をもたせるのはよいことかもしれません。しかし

「押すなら押す」

「引くなら引く」

これを一貫性といわれると―???なんですよね。
だって麻雀ってそういうゲームじゃないっしょ?それは精神論じゃね?

とか思うんですよねー。

<A3>
押す押さない 3

結局これはこうなった。ここでまた何切る?

>打点は高めイーペーコーが追加された分若干アップ。
>巡目的にはまだ和了れそう。しかし<A1><A2>時より若干ダウン。
>放銃確率は若干アップ。

ここで五萬プッシュとか。これを単体でみるとそんなに酷い勝負ではないように見えるが

これこそ戦略的一貫性が無い選択だと思いますね。
だったら<A2>の段階で二筒(2)押してるほうがよかった。

ここまで来て「ん?第一打ドラの一萬一ってことは二萬五萬二五待ちあまり無いかも?」
なんて勝手読みに頼って突然五萬五をプッシュしようとする人がいたとしよう。
その人には問いたい

その読みで放銃確率どれくらい下がってると思うの?
自分が押したいからただ理由つけてるだけじゃないの??



最後に誤解をされないよう
五萬五を押すのが悪いといってるわけじゃないんだ。

7巡目<A2>二筒(2)を押さないでここで五萬を打つコンビネーションはテンコシャンコ。

そういえばこういう選択傾向があるZIPANGの元メンバーを「テンコちゃん」と呼んでたなぁ。
「テンコちゃん」元気かなぁ?これ読んだら直ちに遊びに来るように!

調布市にお住まいの天鳳3段さんから質問いただきました。

引き際がわからないのですが、どーしたらわかるようになりますか?」

はい、直球でお答えします。ダメだと思ったら引け! 以上


・・・
・・・

あれっ?無反応ですか??
では、もうちょっとだけ・・・

ダメだと思う←このような考えに至るまでには個人差があります。

>諦めが早すぎてもダメ!

マイナスの抽選は避けられるかもしれない。
そのかわりプラスの抽選を受ける機会が減りますよ。

>諦めが悪すぎるのもダメ! 

プラスの抽選を追求しすぎた結果
マイナスの抽選機会のほうが大きくなることもあるのです。

期待ポイントを最大限に取得できる境界線はどこかにあるのです。
それは計算できるものではありません。

「まだいける!」

「もうそろそろダメかな・・・」

そういった感覚で選ぶんですよね。理屈というよりも感覚なんですよ。
期待ポイントを最大限に取得できる境界線に近い「引き際」の感覚を持つ人、こういう人は強いですよね。

というわけで今回のテーマは「引き際」の感覚。麻雀において超重要です。
麻雀の戦略的なこと。たまには書いてみましょうか。



1000点の両面テンパイ。9巡目、リーチにド無筋のドラ五筒(5)を持ってきました。
押したほうがいいですか?

漠然とこういう質問されることがあります。
そんなの押すときも押さないときもあるでしょう。「場況による」ということですよ。

これに「場況による」と答えたらとつげき東北さんは怒るのでしょうか?
いや!怒んないでしょう(笑)こんな質問場況無しではなんともいえません。


これは鳳凰卓での実戦譜。

こんな9pポンしない





この打ち手は対面のリーチ宣言牌の九筒(9)にノータイムで喰いつきテンパイ取り打二索2。

下家の親の仕掛けはソーズのホンイツほぼ確定。
オタ風ポン。八索8をチーして最終手出しは四索4。ちなみに字牌はすべて場に枯れている(重要)

こんな二索2、親だけにでも4割くらい当たりそうじゃないですか?リーチにだって通ってないし!つまり超高確率放銃抽選を受けるわけですよ!確かに六萬九萬六九待ちは優秀っぽいけど、打点が1000点では割に合いません。つまり期待ポイントがよりマイナスの選択ということ。

(鳴かず):(鳴いて打二索2)=7:3。いや!8:2くらいの大差で(鳴かず)のほうが有利だと思います。

結果この二索2はチーで済み、リーチにも通った。バカヅキですね。ハイ。

そしてその直後

こんな5p勝負する!





持ってくるドラの五筒(5)。この打ち手はここで迂回するのだが――

「あそこで押してまで和了りを拾いにいったのに、ここでオリるのは一貫性がない」

当ブログでは「一貫性」という言葉を使いません。
敢えて使うとしたら「一貫して期待的に有利な選択をする」ということ。

「一貫して期待的に有利な選択をする」
ここではドラの五筒(5)を勝負しますね。てかこの段階ではソーズの危険牌以外は全部勝負!
腹を括る?いえいえ違いますよ。

このリーチに現段階でこの手を迂回するほど放銃確率の高い牌など存在しませんから。
※参照・18分の1理論←ググッたらこれがトップに出てきた!

たった1000点なのに?いいえ。この1000点は――

超高確率和了抽選状態!!

の1000点だからです。しかもリーチ棒オマケ付き。
リーチ者が3巡目に切ってる九萬九、下家は持ってない。しかも切りそう。

もっとシンプルにいえば「超和了れそうだからプッシュ!」ってことですよ。

「放銃したら高いよ・・」
そうですね。それに五筒(5)を切らずに安全な牌を切って和了れる可能性もあります。
五筒(5)押さずは前述の二索2プッシュほど緩い選択だとは思いません。

しかし、リーチ者がツモ切る、下家がほぼツモ切る。
上家も安全牌に窮して切るかもしれない九萬九を捉えられないのは緩くないですかね?

五筒(5)を押す):(五筒(5)を押さない)=5.5:4.5くらいで(五筒(5)を押す)のほうが有利な選択だと思います。

放銃をしない=守備力が高い

ってよくいうじゃないですか。これ僕は違うと思うんですよね。
ダメなのは「どっから打っとんねん!!」という期待ポイントがよりマイナスの選択(前述の二索2のような)であって、打った方が期待的に有利な選択であれば、結果放銃したとしても全然OKだと思いますよ。その選択を積み重ねていくことが好成績を残すことに繋がるのですから。

僕もついつい高速クリックして酷い放銃してしまうことがあります(笑)
まあそれはしょーがない。その程度の反射判断力しかないのだから。実力実力。

目指すべくは「どっから打っとんねん!!率0%の選択」ということですね。


というわけでこのカテゴリーでは、天鳳実戦譜より雁纏流引き際の感覚について紹介していきたいと思います。目標は週1更新!ちょっとハードル高いかな(笑)

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