麻雀荘メンバー語録 version2.0

日本プロ麻雀協会所属麻雀プロ、木原浩一による個人的な麻雀についての考え方、戦術等を紹介するブログです。

カテゴリ:プロ公式戦 > 第11期雀竜位決定戦

麻雀について悩み始めた子供「誠司」とその友人「まさし」と『父親』の会話。

第15章「目無し」

まさし 「さて、いよいよ最終半荘です」

誠司 「条件は??」

 『渋川とトップラスで91700点差だよ』

誠司 「ひえぇぇぇ〜。無理じゃん!」

 『決定戦の最終半荘という特殊な場所以外では無理だろうね』

まさし 「まだワンチャンスあると?」

 『あるかもね。てか狙うよ!』

まさし 「木原起親でした。テンパイすらせずあっさり落ちました」

誠司 「ダメだこりゃ・・・」

まさし 「次局金8000オール炸裂!更に金、加点して7万点!!」

誠司 「でも、金も条件が厳しいね。渋川をラスにした上で、さらにこの後7万点差つけなきゃだもの。1番近くて仲林だもんね。ここでもトップラス4万点くらいが必要」

まさし 「まだまだ渋川余裕でしょう。さて東4局仲林の親、木原1000−2000ツモってますが、和了り拒否?」

 『仲林がリーチだからね。こんなの和了っても渋川が喜ぶだけじゃん』

誠司 「和了らないのにゼンツなの?じゃあなんで仕掛けたの?」

 『仲林がテンパイするとは限らないでしょ?渋川の和了り阻止に備えただけだよ』

まさし 「その後仲林が加点、木原マンガンツモで南1局、さあ木原最後の親です」

東家・木原12200 南家・金64700 西家・渋川3900 北家・仲林19200

 『なんとか並びはできた!4000オール5回ツモって優勝だ!!』

まさし 「可及的速やかに流されました。本当におつかれさまでした」

誠司 「ねぇ?これからどうするの??」

 『なまら高い手をつくって渋川直撃狙い。最後せめて役満ツモ条件が残るくらいにはしたい』

誠司 「とすると?」

 『ハネマン直→バイマンツモ→役満ツモで優勝さ!』

誠司 「ねぇ・・それ言ってて虚しくなんない?」

 『少し・・・』

まさし 「何事もなく南2局、金の親は終了。南3局は渋川の親ですね。ラス親は仲林」

誠司 「父さんも金も事実上ここで敗退だね」

 『まーそれでもしぶしぶ考えてたよ。えっとここでの条件はバイマンツモ&次局に役満直撃だったかな?』

まさし 「渋川が12000和了りました」

 『えーと・・・トリプルツモ&次局役満直撃かな?』

まさし 「渋川が1000オールツモりました」

 『えーと、えーと・・・』

20090511_534707








そのうち木原は考えるのをやめた














誠司 「か、悲しい話だねぇ〜」

まさし 「和了らない木原、金を尻目に、容赦ない渋川の猛攻がこの後約40分間続きます」

 『敗者にムチ打つ悪魔のような所業やったわ・・・』

木原浩一before









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誠司 「し、死んでるね・・・」

 『そりゃ計10時間だもの・・・』

まさし 「で、でもちょっとでも緩めて万一仲林に捲くられでもしたら、渋川は悔やんでも悔やみきれませんからね」

 『そうだね。文句はひとつもないよ』

まさし 「オーラスについてコメントを」

 『父さんね。決定戦の採譜、何回かしたことあるんだよね』

誠司 「えっ?そんなことが??」

 『うん。2回ほど印象に残ってることがあって、2人ともオーラス目無しだったんだ。ひとりはね。誰にも鳴かせない、放銃しないという打ち方。もうひとりはね。それでも億に1もないであろう可能性を追った打ち方』

誠司 「どうなったの?」

 『前者はね。10万点詰めれば優勝という条件のオーラスの親が連荘しまくって、確か残り3万点差まで詰め寄った』

誠司 「へー?あわやだね〜」

 『その時は思ったね。「これでひっくり返っても茶番だな」と』

まさし 「その選択は追うものにとって圧倒的に有利になる選択ですものね」

 『後者はね。そのおかげというかで優勝者がひっくり返ったんだよね』

誠司 「そんなことが・・・」

 『まあどちらの選択をしても、どちらかに偏って有利になってしまうんだよね』

まさし 「本人にその意図はないにせよ、結果的にはそうなってしまいますよね」

 『うん。こうなってしまった以上、打牌選択に自分の意志は加えたくないんだよ。だから――』

木原「全てツモ切りますからそのつもりで」

全部ツモ切り
















まさし 「宣言してましたね」

誠司 「そして全部ツモ切り・・・ねぇ?宣言する意味ってあるの?」

 『リーチに一発だろうが、ドラだろうが、海底だろうがなんでもツモ切りますよ。だから片方の和了りを阻止したかったら自力で阻止してね。ということを伝えたかったんだよね』

まさし 「うーん・・・確かに有利不利はちょっとだけ少なくなるような気がしないでもないですが、試合放棄にとられて不真面目な印象を与えませんかね?」

 『本人至って大真面目なんだけど。それを許さないという声が多かったらもちろんやめますよ』

誠司 「なんか麻雀のゲーム性が壊れるような・・・」

 『あのね。自分の利を追求しない時点で既に壊れてると思うのよね。目無し何もせずは何を目指して選択するわけ?』

まさし 「確かに。目無し何もせずは、よくよく考えるととても違和感のある選択ですね」

 『まあこれが正しいなんて主張するつもりはないよ。ただ投了の在り方のひとつとして、こういう選択があってもいいと思う。目無し何もせずが最も良いと思われている風潮に対するアンチテーゼだね』

まさし 「なにか目無し問題についていい改善案はありますか?」

 『うーん・・・3人麻雀?』

誠司 「サ、サンマ?」

 『最終戦、南場親落ちの時点で、役満ツモでトータルを捲れない点差だったら、その時点で強制投了。以後強制オールツモ切り』

まさし 「そこからは3人麻雀ですからチーは禁止ですね」

 『例えば今回の場合、南1局で父さんは終了。南2局で金も終了だね。そしたら2人麻雀か』

まさし 「えー???なんか違和感ありますね」

誠司 「きもいー!!麻雀じゃないよ〜そんなのー」

 『目無し何もせずだって気持ち悪いだろ?それが嫌なら2位、3位、4位にも格差を付けるしかないよ』

まさし 「うーん・・・決定戦で目指す方向が一緒じゃないのもちょっと・・・」

 『なんにせよ最初は違和感があるかもしれない。けど、色々試してみるのがいいでしょう。あともうひとつ!提案があるのだけど長くなるから別記事にしよう』

まさし 「難しい問題ですね。でも、新たなことにチャレンジしてみるのもいい時期ですよね?」

 『そうだね。でもそんなこともいったけれども、本来ここまで勝ち残った人は「本決定戦において自由に打牌を決定する権利を有する」とも思っているんだよね』

まさし 「他人にどう思われようが好きに打て!とういことですね?」

 『それに加えて「決定戦に残った4人は優勝者を決定する権利も有する」とも思うんだよね』

まさし 「今回の場合、途中で渋川の優勢勝ちを認めた時点で勝負を速やかに終わらせに行くということですか?」

誠司 「プレイヤー兼ジャッジメントだね。そっちのほうがスマートかもね」

 『それにあんまり表立っていないけど、優勝に全く関係のない和了りで幕を閉じた決定戦だって多々あるんだよ』

まさし 「そうですね。それはプレイヤー兼ジャッジメント的な考えに近い決着のつけ方だったのかもしれません」

 『ただし、認める認めないは対局者の主観に依るところ。この認識に個人差が大きくあるようだと八百長疑惑にまでなってしまうかもしれないからね』

まさし 「そういう懸念があるなら、いっそルールとして拘束してしまったほうがよいのかもしれません」

 『そうだね。なんにせよ新しい事を試すということはとても勇気がいることだ』

まさし 「それがなくてもそれなりに上手くやれてる場合は特にそうですね」

 『今から約30年前、巷のフリー雀荘に赤牌が導入されるようになったとき、周りの反応はどうだったと思う?』

誠司 「えー?面白いと思われたんじゃない?」

まさし 「最初だけは違和感あったんじゃないですかね?」

 『うん。そんなの麻雀じゃねぇ!邪道だ!とかいう意見も多かったそうな』

まさし 「もはや巷のフリー雀荘に赤牌は常識。だけど最初から受け入れられていたわけではないんですね」

誠司 「いままでのルールに愛着もあったんだろうねー」

 『そういった感情はとてもよく理解できるんだ。でも、愛着が過ぎると執着になる。執着するあまり、ひとつの考え方に固執するようになり、やがてはそれが信仰じみたものになってしまう』

誠司 「ちょっと大げさなようだけど……あるかもね」

 『そうすると、よりよい方法を取り入れようとする気がなくなるだろう?』

まさし 「うーん……これは麻雀以外でもありそうな話ですね」

 『前回も言った通り、ネットでの動画配信環境も整いつつあるこの時期にね。とにかく色々考えてみたらいいのではないかと思うんだ』

誠司 「時代に乗り遅れるなってことだね!」

 『ちょっと違うけど(笑)』

まさし 「人様に見せるつもりなら、よりよいものを見せられるように工夫したほうがよいということですよね?」

 『そうそう。そうしていったほうが双方にメリットがあると思うんだよね』

誠司 「なるほどー。ところで第11期雀竜位戦、優勝は渋川プロでいいの?」

 『え?・・・ん、まあその・・・ オメデトウゴザイマス』

まさし 「来年リベンジですね!」

 『あのね。簡単に言うけど大変なんすよ。A級で勝つのは』

誠司 「父さんに足りないのは気合だよ!あの南3局の連荘地獄を逆に来年喰らわせてやるぜ!!くらいのつもりでやらないと!!」

 『それは違うよ誠司』

悔しくて悔しくて、泣いたあの日のことも
次こそは絶対に負けないと誓ったあの日のことも

過ぎ行く日々の中、次第にその気持ちは薄れてゆく。
そして、次が近づくと共に思い出す。

「今度こそ――」

これでは遅いんだな。大切なのは気持ちではない。
日々の積み重ねを怠らないこと。それだけは忘れてはならない。

あるかどうかわからないその時のために――


 『これは父さんのコラムを一部抜粋したんだけど――』

まさし 「そうですね。麻雀はそう簡単に強くなれるものではないですものね」

 『そうさ。自分が凡人だと自覚しているからこそ、このことは常に心に留めているよ』

誠司 「ふーーん。努力アピール?」

 『そ、そういうつもりはないんだけどなぁ・・・下地がないのに気持ちだけで勝てるもんじゃねぇよ!って話さ』

まさし 「ということでした。雀竜位決定戦ちょっと自戦記、長い間お付き合い頂きましてありがとうございました」

誠司 「父さん。今度は勝った時のブログも読みたいもんだねっ!」

 『うん。それはいつかね。きっと――』

誠司 「それではみなさん。ごきげんよう〜」


終わり


麻雀について悩み始めた子供「誠司」とその友人「まさし」と『父親』の会話。


第14章「魔神の掌の上で」

まさし 「まさかの3連勝で、ついにトータル2番手に浮上!ポイント差も首位渋川まで約120P!」

誠司 「もう俄然やる気だねっ」

 『父さんだってツイてりゃ「強いね!」っていわれることだってあるんだよ』

誠司 (そりゃ誰だってそうだろ……)

まさし 「ギャラリーも増えてきました。過去最高の入りなのでは??」

誠司 「鈴木たろう、鈴木達也がいた雀王決定戦の時よりも多かったよね」

 『そうだね。観戦に来る動機としては、麻雀の内容に対する興味というよりも個人に対する興味のほうが、より強いんだろうね』

誠司 「完全に渋川人気ということだね!」

 『間違いないな〜』

まさし 「でも、たろうさんも達也さんも人気がないわけではないと思うのですが・・・」

 『そうだね。ふたりとも個性的でとても魅力のある打ち手だと思うよ』

誠司 「でも渋川ほどではないということ??」

 『違うね。誠司は行動決定の原理って知ってるかい?』

誠司 「なにそれ??」

 『人は行動する時、行動しようとする時、無意識の内に脳内で計算するんだよ』

まさし 「欲求と労力を天秤にかけるということですかね?」

 『そうだね。そして人が行動を起こすとき、その行動によってその人の行動ポイントが消費されるものなんだよね』

誠司 「行動ポイント??」

 『うん。1円=1Pとしよう。誠司、渋谷から神楽坂まで行くだけで1000円もらえます。そしたら行くかい?』

誠司 「えーやだなー。めんどくさいよ〜」

 『だね。5000円ならどう?』

誠司 「行く!」

 『2500円ならどう?』

誠司 「う〜ん微妙…行く…かなぁ?」

 『じゃあ誠司は神楽坂に行くだけで大体2000Pくらい行動ポイントを消費する人なんだ』

まさし 「なるほど。いかに観戦が無料とはいえ2000円+交通費以上の価値がなければ、誠司君にとっては消費する行動ポイントに見合わないということですね」

 『そう。観戦は金銭的に無料かもしれない。だが、行動するための行動ポイントが必ず消費される』

誠司 「なんかゲームみたい・・・」

 『出不精な人の行動ポイントは、そうじゃない人よりも多くの行動ポイントを消費する』

誠司 「わかるわかる〜」

 『そして欲求が強ければ強いほど、消費する行動ポイントは少なくて済む』

まさし 「これは個人差がかなりありそうですね」

 『麻雀観戦が好きな人は、観戦をしたいという欲求は強いので行動ポイントの消費は少ないんだよね。でも麻雀好きな人が、必ずしも麻雀観戦も好きとは限らないんだ』

まさし 「で、でも自団体のタイトル戦なら協会員は見に来るべきではないでしょうか?」

 『父さんはそう思わないな』

まさし 「し、しかし見学に来るのも勉強になるし、モチベーションだって高まるじゃないですか!」

 『その考えには同意するよ』

まさし 「な、なら!」

 『でも、その人の行動消費ポイントに見合わないのならしゃーないな。そもそも開催する側は観戦者を増やしたいのかな??』

誠司 「そりゃそうじゃない?」

 『見に来て当然、見に来るべき、みたいに思う人は――』

自分の得る満足感=大衆が得る満足感 

 『ここまで極端ではないにせよ、これに近いことは思っているのだろうけど、実際に観戦に来てる人数を見れば、それは違うということは理解できるはず』

まさし 「自分が良いと思うことを勧めるのくらいいいじゃないですか!」

 『勧めるのはもちろんいいよ。これは良いとか悪いとかいう話じゃなくてさ』

まさし 「そ、そうでした・・・」

 『観戦者が期待よりも少ないと思うのであれば、その原因は来ない人たちにあるのではなく、観戦に来たくなるような魅力が足りないのではないか?どうしたら観戦に来るように興味をひけるのか?という思考に至らないとね』

まさし 「告知の方法とかでしょうか?」

 『告知というよりプロデュースの方法だね。渋川がたろう、達也よりも明らかに優っているところはここです』

誠司 「でも、そんなにプロデュースしてたかなぁ?」

 『してるさ。コラムの内容、著書の質。多くの人の共感を得ていると思うよ』

まさし 「確かに。麻雀プロとしてこれ以上のプロデュースはないかもしれませんね」

 『きっかけは天鳳だったりブログだったりするんだけど、それにだって相当な時間を費やしてるだろうからね。妬む人もいるのだろうけど、きっかけ作りさえロクにしていないのにそんな機会が与えられるわけないじゃないか』

まさし 「麻雀の結果は運かもしれませんが、こうした評価は完全に実力ですよね?」

 『そうそう』

誠司 「渋川自戦記ブログもよかったね!もしかしたらこのブログとかも興味をひく一因になったかもしれないね!」

 『このブログはどうかわからないけどな。個人のプロデュースはともかく、対局のプロデュースの方法は他にもたくさんあるよ』

事前インタビュー記事を載せる

観戦記ではなく戦前記を書く

優勝者予想記事をA級敗退者のコメントを拾って書く

 『昨今対局の動画配信も増えてきただろ?ただ対局風景を流すだけではなく、興味を持ってもらうために事前に働きかけるようなこともこれからは必要なんじゃないかな?』

誠司 「ところで父さん。麻雀の話は?ラスト2半荘だよ!」

 『ああ、それね。そう、今にして思えばさ――』

ドヤ顔








渋川「木原さん。まあよくやってくれたよ。後はもう大丈夫だからさ(ドヤ)」

木原




木原「な、なにがだ?」

なんば




渋川「他2人を抑えてくれたからさ。木原さんにはいくらトップを獲らせてもたいして痛くないからね。そろそろ本気出すよ」

木原




木原「な、なにぃ?」

東2局・東家・渋川・ドラ六索裏ドラ二索
一萬二萬三萬二索三索六索七索八索南南南發發 一発ツモ一索

なんば



渋川「ね、後は寝てていーよ♪」

じゃがばやし



仲林「させるか!」

南1局・西家・仲林
五筒五筒六筒六筒八筒八筒九筒九筒東西西中中 ロン東

まさし 「南場木原の親番で15巡目、痛恨のオリ打ちでした。これが決定打ですかね」



まさし 「そろそろお別れの曲が木原の脳内では流れていることでしょう」

誠司 「いい曲だねぇ〜」

東家・金10300 南家・木原11400 西家・渋川37400 北家・仲林40900

 『なんの!このオーラス、トリプルツモればいいんだよ!』

まさし 「渋川からバイマン直撃でも夢は繋げますか」

誠司 「いつかかえーる♬ そのときまーでぇ〜♬ ゆめはすてーなぁ〜い〜♬」

南家・木原・ドラ三萬・8巡目
一萬二萬三萬三萬四萬四萬八萬九萬九萬二筒二筒三筒四筒ツモ二萬

誠司 「メンチンだよ!メンチン!」

まさし 「後4枚引きですか?それよりもそれよりも――」

 『リーチツモったピンフでリャンペーコとオモオモおっと裏裏、足んねー・・・んじゃ一発。これでいいよ。誰かカンとかしないかね??』

まさし 「打一萬一としました。五萬四筒(4)と引いてタンピンを狙ってテンパイを外してゆくぅ〜」

なんば



渋川「リーチ」

誠司 「残りツモ番1回でリーチキター!渋川は海底だ!!」

まさし 「それを見て仲林ツモ切りリーチ!協会ルールはツモ番なくてもリーチが打てます!親の金は少考して現物を抜く。どうやらノーテン。ここでこの半荘終わりっぽいぞ!」

 『死ねや渋川!海底で掴むのは俺の和了り牌だ!!』

南家・木原・ドラ三萬
二萬二萬三萬三萬三萬四萬四萬五萬二筒二筒三筒四筒四筒 ツモ五筒

誠司 「テンパった!リーチ一発海底ロンならバイ直クリア??」

まさし 「いや・・しかしこれは・・・」

8巡目・打一萬

 『これダメじゃん・・・』

まさし 「思わず声が漏れた木原。残念でした」

誠司 「ヘタクソ」

まさし 「お疲れっした〜」

14回戦終了時トータル
渋川+126.7
仲林▲3.9
木原▲45.0
金 ▲83.8



続く

麻雀について悩み始めた子供「誠司」とその友人「まさし」と『父親』の会話。

第13章「常に背水の陣」

誠司 「さて、後3半荘!3回トップだねっ!」

まさし 「200P差ですからね。もしかしたら3トップじゃなくても捲れますね」

 『まあなんにせよ渋川より着順下だったら、その時点でほぼ終了だね』

まさし 「はい。東1局は7巡目、その南家渋川から先制リーチです」

誠司 「全員丁寧に回っているね」

 『そりゃー和了れそうにない手でここに突っ込むヤツはおらんやろ〜』

まさし 「木原の11巡目――」

北家・木原・ドラ四萬
三萬三萬四筒四筒四筒七索八索八索八索北北發發

まさし 「三萬三は表示牌ですが、北北、發發は初牌!ちょっと盛り上がりますね」

誠司 「12巡目、渋川がツモ切る發發をスルー?なんで?」

 『脇のふたりが降りてる状況ならね。この巡目なら2鳴きでいいよ』

まさし 「あくまで四暗刻狙い?というわけでもなさそうですが・・・」

 『山か金、仲林の手の内にあることは確定じゃん。これは慌てなくても出る!ツモれば超おいしい!』

まさし 「同巡に金から打たれた北北もスルー??」

 『この北北はリーグ戦なら喜んで鳴くのだけど、山越で仲林から發發で和了ってしまいそうなんだよね』

誠司 「不満なの??」

 『不満じゃないけど、最大満足ではないね』

まさし 「金の北北は手出しでした。この巡目、回っている状況ならトイツ落としも十分考えられます」

 『そう、1回待つよ』

誠司 「もしそうだったら、仲林が發發切ったら金から北北で和了っちゃうことになるよ?それにその1巡で渋川にツモられたり、危険牌持ってきたらどうするの??」

 『そのときはゴメンナサイ』

誠司 「謝って済むの?温くね??」

まさし 「一発当てたい気持ちが高かったのでしょう。僕はこの選択、いいと思いますけどね」

誠司 「あっ!金トイツ落としだ!」

まさし 「發發を1鳴きして七索7を勝負してたら、この北北は出なかったかもしれません。あの巡目の發發スルーはよかったですね」

誠司 「そしてテンパイ。15巡目にツモってくるドラ四萬四もツモ切り!二萬五萬二五に待ち変えして拾う気無しだね!」

 『当たり前だ!この巡目で發發は鉄板山1。渋川に掴ますわ!!』

まさし 「しかし、發發を掴んだのは木原!三暗刻もついてハネマンの和了りでした」

誠司 「幸先いい〜」

まさし 「この後金の親番で多少積まれて詰め寄られますが、4本場でマンガンツモ!完全に抜けた!しかもラス目は渋川!!」

東家・木原45700 南家・仲林13100 西家・渋川11300 北家・金29900

まさし 「東4局木原の親、南家仲林の仕掛けが2巡目に一索1ポン、8巡目に發發ポンでした」

南家・仲林・ドラ北
南三萬九萬九筒六萬七筒
七筒中

裏裏裏裏裏裏裏 ポン發發横發 ポン一索一索一索横

まさし 「そして木原の手牌――」

東家・木原
二萬二萬二筒三筒三筒四筒六筒六筒一索七索八索白白 ツモ三筒

誠司 「ここから七索八索78落とし?なんで??」

まさし 「アシストということでしょうか?」

 『そうだね。最悪放銃になっても点数的には構わない』

誠司 「親番で加点は狙わないの?」

 『そりゃ手牌によるだろ〜。それにもっといいこと起こるかもしれないよ〜』

まさし 「仲林が渋川から和了るとかですね」

 『そうそう』

まさし 「しかし、木原の打七索八索78に仲林微動だにせず」

誠司 「う〜ん?もうテンパイしているのかなぁ?」

南家・仲林・ドラ北
三索四索五索六索七索北北 ツモ五索 ポン發發横發 ポン一索一索一索横

誠司 「テンパイしてた!八索8見逃されてるよ!」

 『惜しかったな。渋川掴めば出るのになぁ〜』

まさし 「南場は金が加点、仲林が失点する展開。そしてオーラスはこのような点数状況――」

東家・木原40200 南家・仲林11600 西家・渋川9300 北家・金38900

まさし 「現状で終わればBEST。しかし木原、金間が1300点差、仲林、渋川間が2300点差です」

誠司 「和了り止めがないのもキツイね」

 『最優先事項は自身のトップ終了。渋川ラスは2の次だね』

誠司 「うーん・・・できれば決めたいとこだけどー・・・」

まさし 「仲林6巡目、六筒(6)を両面チー。同巡渋川リーチ!」

誠司 「父さんも仲林も完全に全力プッシュだね」

まさし 「9巡目、木原追いつきました」

東家・木原・ドラ四萬
二萬三萬四萬四萬一筒二筒三筒三索四索五索六索七索八索

誠司 「ヤミテン??なんで?渋川叩き落とすチャンスじゃん!」

まさし 「いや・・・これは相当微妙だよ。リーチ棒出した瞬間、金とは300点差。仲林にツモられても、渋川にツモられても2着落ち確定ですから」

誠司 「そんなこといってんじゃないよ!父さんリーチしたら仲林も任せてくれるかもしんないじゃん!一騎打ちなら全然勝てるよ!」

 『そうなんだよねぇ〜』

まさし 「でも最優先事項はトップ死守ですからねぇ」

誠司 「最優先事項は雀竜位制覇だからっ!!」

 『仲林はタンヤオだから一萬一は出るだろ?それで一旦ラスに叩き落としたとしても次局1本場で渋川との点差が2500点差。これならなんとかなるだろう。アシストもしやすいしな』

誠司 「仲林から12000は和了りたくないと?でも5800和了って次局、金とも8100点差でしょ?」

 『そうなんだよねぇ・・・』

誠司 「歯切れ悪いなぁ。リーチなら仲林降りるよ!リーチリーチ!」

まさし 「いや・・・難しいな。ダマのほうがいいかも・・・」

西家・渋川
一萬一萬一萬二筒二筒二筒三筒四筒五筒四索六索南南 ツモ五索

まさし 「渋川700−1300で決着!木原3連勝!」

13回戦終了時トータル
渋川+109.3
木原▲17.4
金 ▲31.1
仲林▲64.8


誠司 「常に薄氷の勝利だねっ」

 『つ、つかれた』

まさし 「トータル2番手に浮上。逆転もようやく現実味を帯びてきましたね」

誠司 「あと2半荘!」


続く

麻雀について悩み始めた子供「誠司」とその友人「まさし」と『父親』の会話。

第11−2章「初老の憂鬱」

前回の続き

 『もうここまでで2時間以上経過してるんだが??』

まさし 「流局、連荘多かったですものね。次局金5巡目リーチ!ピーンチ!しかし、仲林が1500の和了り。協会ルールは和了り止めできません」

誠司 「ついに捲くられたかぁ〜」

 『まあ金の和了りじゃないだけマシさ。終わっちゃうもん』

まさし 「3本場。木原トップまで500点差の5巡目にこの牌姿――」

南家・木原
一萬一萬一萬三筒四筒五筒六筒七筒七筒八筒九筒四索五索

 『はい勝ちました。我慢したかいあったねぇ』

まさし (たいして我慢してないような・・・)

誠司 「あっ!でも仲林、7巡目ドラの二筒(2)ポン!次巡、金もリーチ!またまたピーンチ!」

 『や、むしろチャンスかも。絶対にここで決めるから!』

まさし 「木原ツモ三索3でテンパイした!あ、あれ?」

南家・木原
一萬一萬三筒四筒五筒六筒七筒七筒八筒九筒三索四索五索 打一萬

西家・金
一索西八索九索發九筒
四筒八索七筒横 リーチ

まさし 「渋川が七筒(7)を2巡目に切ってます。マンズの染めっぽい河。仲林がドラ二筒(2)ポンでタンヤオ風。これは七筒(7)切って三筒六筒九筒(369)待ちでリーチのほうが良いのでは?」

誠司 「そうだよ!九筒(9)とか場に1枚切れで誰ももってなさそうじゃん!しかも切る牌は現物だし!」

 『や〜。まさにその通りだよねぇ。切った後、サーッと血の気が引いたもん。まじで』

誠司 「緩みまくりじゃん!この大事な局面でさっ!」

 『サ、サーセン・・・』

まさし 「おじさん疲れちゃったんでしょうね。2時間半、この厳しい展開で・・・あっ」

誠司 「五筒(5)出た!」

 『麻雀ってアレだよねぇ。最善の選択が最高の結果に繋がるとは限らないんだよねぇ』

まさし 「山4:山3でしたね。大差はなかったわけですがそれは結果論。下手過ぎて和了れたってやつです。まあとにかくよかったですね」

11回戦終了時トータル
渋川 +157.5
仲林 +30.4
金  ▲60.5
木原 ▲131.4


誠司 「あと4半荘!!」


第12章「対渋川専用プッシュ」

まさし 「さて12回戦です」

 『もう疲れたんだけど??』

誠司 「だらしないなぁ・・・」

まさし 「長かったですものね。こればっかりは本人にしかわからないでしょう」

 『やっぱ歳かなぁ・・・死ぬ前にタイトル獲ってみたかった・・・ゲホッゲホッ・・・』

まさし 「そんな木原でしたが、またしても起親。あっという間に40000点!」

 『歳とか関係ないね〜』

まさし 「親落としは渋川。マンガンツモでヤな感じです」

誠司 「ざいうーだね!」

まさし 「そして東2局2本場、南家渋川が12巡目リーチ。木原が以下の手で――」

北家・木原・ドラ四萬
五萬六萬六萬七萬七萬八萬六筒六筒七筒八筒九筒六索七索

誠司 「無筋3連プッシュですね」

誠司 「ピンフのみ?だけど??トップ目?だけど??」

 『渋川リーチにはそうそう簡単に降りないさ!』

誠司 「またトップ目から放銃したら、他2人に怒られちゃうよ!」

 『うるせぇ!俺は他人のために打牌選択してるわけじゃねぇ!』

まさし 「メチャクチャいってるようですが、麻雀はこのくらいわがままでいいような気がします。そして――」

誠司 「ツモ番無しリーチいったー!渋川の一発放銃抽選を受けるんだね?」

まさし 「手替わり+これも狙っていたんですね」

 『そうだね。まあ見てなよ。今日はお前に掴ませてるからよ!』

まさし 「空振りました。でもプレッシャー与えるにはいい戦略かもしれません」

誠司 「感じるかなあ〜?」

 『まあちょっとでもブレてくれればいいよ』

まさし 「果たしてそうなるでしょうか?」

誠司 「この後はあんまり見せ場なかったね」

 『他の人はあったみたいだけど、これ自戦記だからなぁ〜』

まさし 「オーラスはこんな点数状況です」

東家・金27800 南家・木原31800 西家・仲林15800 北家・渋川24600

南家・木原・ドラ六萬
三萬三萬四萬七萬一筒一筒三筒四筒六筒五索五索六索六索

まさし 「6巡目に打たれた六索6はスルーです。違和感はないですが、木原さんはこういう六索6ポン、オーラスに限ってするようなイメージでした

 『ああ、「全力ポンチー」のことかい?』

誠司 「ぜんりょくぽんちぃ??」

 『和了りだけがエライ局面ではやることもあるよ。けど、この場合はよーく考えてみてよ』

まさし 「ん?和了り止めがないことでしょうか?」

 『それもある。金にちょっと捲られる程度なら気にならない。渋川には絶対和了られたくない!』

まさし 「マンガン和了りで渋川トップなら、ここで雀竜位戦が終わってしまいますものね」

 『そして中林。今回は多分父さんの味方だ』

まさし 「点数状況的に木原からはハネマン以上じゃないと和了らなそうですね」

 『ハネツモもトップ変わらず。なら無理せず焦らず様子を見ようじゃないか。渋川リーチだけはマジ勘弁な』

まさし 「はい。結果金に3本場まで積まれ一旦捲られるものの、最後和了りで締めて木原連勝でした」


12回戦終了時トータル
渋川+137.3
仲林▲15.7
金 ▲49.3
木原▲76.3


誠司 「すごいねっ!2半荘で半分縮まったよ!!」

 『それより1半荘目が17局、2半荘目が18局。もう15時半やないけっ!』(11時スタート)

誠司 「でも今回は締まってたよ!緩んでなかった!」

まさし 「どうです?手応え的なものは」

 『知らん。疲れた』

誠司 「疲れたじゃないが??ここからでしょうが?」

 『おう!この次の半荘にすべてを賭けるよ。絶っ対に緩まない!!』

誠司 (結局それか・・・)

まさし (まあ仕方ないでしょう・・・)


続きは来週〜

麻雀について悩み始めた子供「誠司」とその友人「まさし」と『父親』の会話。

第11−1章「凡人の読み」

誠司 「あれ?父さん?もう書かないんじゃなかったの?」

 『ん?まあこれは自分なりの反省会みたいなもんだからなぁ〜』

まさし 「そういえば雀王決定戦で負けた後もLivetubeで反省配信してましたね」

誠司 「そうそう。なんか決定戦のニコ生観ながら8時間くらい配信やってたよね。ぷぷっ(笑)」

 『ひとり反省会くらい誰でもすると思うけどな〜』

まさし 「友達いないですものね」

 『ダメなの??』

まさし 「い、いやそんなことないです(汗)さて、11回戦ですね。後がありませんが、どういうことを考えましたか?」

 『この半荘にすべてを賭けるよ。絶っ対に緩まない!!』

誠司 「えっ?そしたら次は??」

 『知らん』

まさし 「意気込み的なものでしょう。起親でした。先制リーチ空振りの後1本場――」

誠司 「7巡目、九筒(9)チーからはいった仲林に対して、10巡目にイーシャンテンからドラの發發をぶっ放してるね」

東家・木原
四萬五萬五筒六筒七筒七筒二索二索三索四索六索七索八索

 『そりゃ切るよ。父さんは大体鼻息荒いからな』

まさし 「16巡目にテンパイ。残りツモは後2回です」

東家・木原
四萬五萬五筒六筒七筒二索二索三索四索六索七索八索九索 ツモ六索

まさし 「ちなみに仲林は10巡目、發發ポンして打白白、あとは全てツモ切りですね」

北家・仲林・ドラ發
白一萬東七萬四萬中
五筒六筒八索白五萬五萬
八筒一筒白二萬

裏裏裏裏裏裏裏 ポン發發發横 チー九筒横七筒八筒

誠司 「押しておけば良かった・・なんて悔いは一片も残さない――だったよね?」

 『そうさ。だけど絶対に緩まない!ともいっただろ?』

まさし 「打四萬四ですね。この巡目では和了りはあまり見込めませんからこれがいいでしょう。1〜6引きで再度テンパイも取れますしね」

誠司 「貴重な親番なのにぃ?」

 『緩まないっていったのは攻めだけじゃないよ。守りだって緩めないさ。大体これ、打点的に見合わないだろ?』

まさし 「二索五索25引きの、九索9勝負だったらテンパイ取りそうですね」

 『そりゃね。その時はリーチだよね』

誠司 「そうなの?打点的に見合うから?」

まさし 「二索2と九索9を比較すると放銃確率が相当違いますからね。最終手出しが自分で切っている白白、前巡に切っている八索8なら九索9で放銃するパターンが――」

八索九索九索白899白から八索8を切ったバッタ待ち

七索八索八索白788白から八索8を切ったリャンメン待ち

 『ドラの役牌を鳴いて死ぬほど和了りたいのに、鳴けるかもしれない牌はイーシャンテンで切らないでしょ?』

誠司 「でも、完全に通るとはいえないでしょ?そうする人もいるかもしれないじゃん!」

 『だから見合う見合わないの話だよ。例えば自分の手牌の価値が2000点だとしたらさ、放銃確率15%の8000点の牌は勝負するに見合わないけど、放銃確率5%の8000点の牌は勝負するに見合う。そういうことだよ』

誠司 「自分の手牌の価値って・・・和了れないかもしれないじゃん!」

 『それにはもらえるかもしれないノーテン罰符収入とかも含まれているの!期待値の話、昔しただろう?』

誠司 「あ、そうか!忘れてた」

まさし 「結局五索5引きでテンパイして親番キープ。二索2は当たりでした!良かったですね〜。そして繋げた親番3本場で――」

東家・木原・ドラ八筒
一筒一筒一筒六筒七筒八筒六索七索八索東東白白 ロン東

まさし 「ついに苦節11半荘目にして渋川からHIT!一発で討ち取りました」

 『嬉しくて危うくこれで満足してしまいそうだったよね』

誠司 「渋川からみれば、父さんに振り込む分にはどうでもよかったのかもしれないね」

 『当然その考えは渋川にはあるさ。でも、こっちとしてはありがたいことだとね。そこをつくしかないわけだからな〜』

まさし 「しかし、相変わらず二の矢が出ない木原。対して渋川は、仲林から東2局、東4局にマンガンを和了り一気に復活します。そしてオーラス――」

東家・仲林9100 南家・木原39700 西家・金30800 北家・渋川20400

南家・木原・ドラ北
六萬八萬七筒九筒二索三索七索七索八索九索西白白

誠司 「親の第1打、九索9をチー!これ大丈夫なの??」

 『そう?和了るだけならこれでいいよ。上家がアシストしてくれそうな相手ならこういう仕掛けはしないけど、点数状況的に仲林はそうじゃないからね』

誠司 「仲林が渋川をラスに落とすのを待たないの?」

 『待たないよ。金にマンガンツモられるのも、渋川が金を捲るのも困るんだよね。その2つが起こる頻度と仲林が渋川だけを捲くって自分がトップの頻度、これ比較すると結構な大差だと思うよ』

まさし 「そうですね。とりあえず80P縮めておきましょうか」

じゃがばやし



「6000オールですが?何か?」

 『はいはいはい・・・』

誠司 「うぉぉぉぉ!でもこれで念願の対渋川トップラスだね!」

 『そうさ!ここで和了るさ!』

南家・木原
二萬三萬三萬六萬七萬八萬六筒七筒二索四索五索七索九索

まさし 「これも7巡目、八筒(8)チーですね」

 『和了りトップなら鳴くさ!鳴きますよ!!』

まさし 「しかしこれが全くテンパイしません。そして12巡目渋川が――」

北家・渋川
九索一萬發七萬九筒九萬
四萬一索五筒北五索

裏裏裏裏裏裏裏裏裏裏 チー一筒横二筒三筒

まさし 「3枚目の一筒(1)をチーして、ドラ五索5を切りました」

誠司 「前巡の一筒(1)はスルーなのにね。明らかに渋チーだねっ。渋川だけに」

まさし 「そして同巡木原が――」

二萬三萬四萬六萬六萬七萬八萬二索四索五索 ツモ東 チー八筒横六筒七筒

まさし 「東東は安全牌。ここで珍しく1分くらい長考しましたね」

 『うん。これは考えたらわかるかもしれなかったからね。まず形式テンパイはない。切ったのがドラ五索5だからね。仲林の上家で形式テンパイならこの巡目でそんなことはしない』

まさし 「役牌もすべて枯れてましたからね。確かにこれは読めそうです」

 『マンガンクラスも考えにくい。2枚目渋チーだからね』

まさし 「これはきっと仲林や金にトップを獲られるくらいなら、ラスのままでも和了ってしまおうってやつですね」

誠司 「父さん頼りないから〜」

 『うるさい!まずソーズとマンズの123の枚数を数えるよね』

まさし 「3色ですね」

 『そしてピンズの456789の枚数も確認する』

まさし 「1通ですね。手の内含め、完成している可能性は?」

 『だったらもうちょい粘るかもなぁ・・・もしそうだったらしゃーない!そして1通なら――』

二筒三筒四筒五筒七筒八筒九筒

 『これは絶対に鳴かない!だったらドラ五索5のくっつきテンパイ狙うもの!そしてこれもない!』

二筒三筒四筒五筒六筒七筒九筒

まさし 「同じ理由ですね。五筒(5)も九筒(9)も切っているので更に考えにくいでしょう」

 『というわけで1通ならペン四筒(4)かペン七筒(7)やね。それよりもなによりも――』

まさし 「カン二索2の3色ですね。ものすごくありがちです」

 『どちらかとういとそのような気がしてきた。うん、きっとそうに違いない!』

まさし 「また思い込みの激しさが・・・・」

 『いや〜でもまさか渋川と結託することがあろうとはね・・・』

まさし 「そうですね。でも最終日1〜3回戦までは十分その可能性はありますね」

 『でもー・・・なんか渋川がこういってるような気がしてさ〜』

ドヤ顔








渋川「来なよ木原さん。トップ獲らせてあ・げ・ゆ・♪」  

まさし 「イラッとしたんですね。しかしこの写真、圧倒的ドヤ顔ですね」

誠司 「ダメだよ父さん!選択の段階で感情交えちゃー!」

 『そうだね誠司。だからさ、結局――』

岬くん








木原「パスだ!渋川くん!」 

まさし 「打二索2です!が、しかし――」

なんば



渋川、微動だにせず

 『うぉぉぉぉぉぉ!!外したぁぁぁぁぁ!!』

まさし 「所詮凡人の読みです」

誠司 「ペン四筒(4)の方だったね。差し込むなら第2候補くらい手の内に持ってないとダメだね」

まさし 「そしてこの局はなんと1人ノーテン!これは痛い!痛すぎる!!」

誠司 「二索2を残してたらテンパイしていたのにねっ!」

 『う、うるさいっ!』

まさし 「これで仲林とは2600点差、金とは4900点差、渋川にもハネマンツモで捲くられてしまうところまで詰められました。次回は2本場!木原危うし!」



文字制限のため明日に続く

麻雀について悩み始めた子供「誠司」とその友人「まさし」と『父親』の会話。


第10−2章「共闘という考え方」

前回の続き

 『南3局、トップ争いは三つ巴だね』

東家・仲林2700 南家・金31700 西家・渋川32100 北家・木原33500

北家・木原・ドラ一萬
三萬四萬一筒三筒八筒一索三索東東南南中中 ツモ三筒

 『こう来たのがまだ2巡目。何切る?』

誠司 「えっ?八筒(8)でしょ?」

 『そうだね。誠司は「牌効率」って知ってるよね?』

誠司 「うん」

 『でも巷で使われている「牌効率」って、いいかえれば「一人麻雀におけるテンパイスピード効率」という代物だと思うんだよね』

まさし 「最速のテンパイ=最速の和了り、ではないと??」

 『そうじゃないんだなぁ〜。例えば打八筒(8)したとして最速のテンパイ目指してみようか』

A・三筒三筒南南 チー二萬横三萬四萬 ポン中中横中 ポン東東東横

B・三筒三筒一索三索 チー二萬横三萬四萬 ポン南南横南 ポン中中横中

C・三萬四萬東東 チー二筒横一筒三筒 ポン南南横南 ポン中中中横

 『まあこうなるよね』

まさし 「南3局微差のトップ目ですが、これでは不満ですか?」

 『もはやトップは必須なんだよね。A、Bテンパイなら25%、Cテンパイなら30%和了りできるとしようじゃないか。オーラスを迎えこの点差、何%トップを維持できると思う?』

誠司 「協会ルールだと絶対トップを狙いに来るよね。競っている2人に和了りされたらほぼ捲られるということは・・・50%くらい??」

 『まあそうしておこうか。父さんは2巡目三索3切ったよ』

誠司 「ええっ?和了りの価値が高い局面なのに??」

 『そう。Cテンパイだけは狙いつつ、ピンズにくっつけばホンイツ。縦引きならトイトイ。マンガン狙いさ』

まさし 「なるほど。トップは必須条件。巡目も早い。無理してもA、Bテンパイと和了り確率はそんなに変わらない」

 『そのかわり、和了ればオーラスのトップ維持確率がぐんと上がる。見合う選択だと思うね』

3巡目に東東をポン打一索1。上家から出た二萬二をスルーしてツモ一筒(1)→打八筒(8)

三萬四萬一筒一筒三筒三筒南南中中 ポン東東東横

まさし 「間髪入れず中中をポンして――」

 『ここまで来たら「牌効率」とはいわないだろう?』

誠司 「うん!三萬四萬三四落としだね!」

選択α 和了確率27%でトップ確率50%

選択β 和了確率22%でトップ確率80%

 『αとβの和了確率に5%の差があったとして、その中にどんな酷い出来事が起こるかもしれないよ?それでも今はβを狙わずにはいられないんだよね』

誠司 「なるほど「牌効率」ではなく「期待値効率」で打牌を選択しろってっことだね」

まさし 「しかしこの局の結果は、仲林→金2600の横移動でした」

誠司 「900点捲くられちゃったね。そしてオーラス――」

東家・金34300 南家・渋川32100 西家・木原33500 北家・仲林100

北家・仲林・ドラ二索
三筒三筒四筒四筒五筒三索四索五索白白 チー五萬横三萬四萬 ロン二筒

まさし 「仲林が渋川から1000点和了りで終了しました」

 『これがあったな・・・』

まさし 「仲林からすると渋川3着固定がオーラスの必須条件みたいなものですからね。当然アシストも入るでしょう。それを加味すると、南3局は安手で和了りしてもトップ確率はもっと高かったかもしれませんね」

 『共闘って難しいんだよね』

まさし 「そうですね。目に見えて利害が一致するような局面ならともかく、どちらかの利はもう一方の害であることのほうが圧倒的に多いですもの」

 『例えばこの10回戦でもさ――』

東家・渋川29500 南家・木原23100 西家・仲林15700 北家・金31700

ドラ六萬
六萬六萬六萬九筒九筒三索四索五索六索七索發發發 ロン二索

まさし 「南1局、仲林の先制リーチに木原が追っかけ、一発で和了った局面ですか」

西家・仲林
東北九索南西一萬
四筒南八萬四萬横リーチ

 『この中林のリーチどう思う?』

まさし 「そうですね。トータルで争う渋川が親で2着目、自分がラス目。どのようなパターンもありそうですね」

 『そう。例えば――』

>渋川の親落とし優先の安手好形リーチ

>渋川に圧をかける愚形でもちょっと良い待ちに見えるリーチ

>渋川に被せる目的本手のリーチ

 『あらゆるパターンが考えられるわけだ』

まさし 「いずれにおいても木原から和了らない理由がないですものね」

 『そう。他家のテンパイが明白な以上、リーチの見逃しは和了れなくなるというリスクが相当高い』

誠司 「でも、父さんはトータルポイント的に仲林よりも相当不利じゃん?見逃して被せたらカッコイイよ!」

まさし 「この和了りで渋川を3着に落とし、なおかつ自分は3着からトップ目に立てるんだよ?その確定事項を放棄するなんて、期待的にも相当不利じゃやない??」

誠司 「あの人ならやるかもね〜」

 『うん。最終日はそれくらいやんなくちゃダメかなーとは思ってるよ』

まさし 「お互い渋川の親番、リーチは他家から出和了りしない協定でも結べば良いのですが・・・・」

 『それは無理だろ』

まさし 「あったとしても1〜2回戦くらいじゃないですかね?ちょっとスコアが動けばそれぞれの条件が変わってくるわけですからね」

 『2軒リーチ見逃しは難しいけど、できる範囲はなんとかしたいね〜』


最終章「誰がエースやねん」

2日目終了時

渋川 難波
+202.1

仲林 圭
+19.2

金 太賢
−40.3

木原 浩一
−185.0


e-su

誠司 「エース・・ぷっ・・・・」

まさし 「ダメだよ誠・・くっ・・・・」

 『ハイハイ。笑えばいいさ』

誠司 「ゴメン・・・」

誠司 「最終日に向けて何か抱負とか意気込みとかはないのですか?」

 『なまらムカついたべさ』

まさし 「は?それだけですか?」

 『ブログ書いててだんだん怒れてきたよね。でも最後に!一言だけいわせてもらおうと思います!』

10-nakabayashi

 『仲林プロ。彼はホントに間合いがいいよね』

誠司 「間合い?」

 『うん。危険牌を打ち出す時も、安全牌を打ち出す時も、ちょっと悩ましげな牌姿から打ち出す時も、タイミングがほぼ一緒なんだよね。テンポが素晴らしく良い』

誠司 「それって凄くない?」

まさし 「そうですね。4人の中では一番牌に触っている時間が少ないはずなのですが」

 『そうだよ。それでいて選択の精度も落ちない。ホントカッコイイよ!』

まさし 「絶賛ですね。僕も本当に強いと思います」

panel_kim

 『金プロ。点棒支払うとき返事とかするじゃない?』

誠司 「ハイって?」

 『初日とかさ、あんなひどい展開でフルボッコだったのに、声がブレることがなかったんだよね』

誠司 「えー??僕、声が出なくなっちゃうことあるな〜」

まさし 「あまりにツイてないとき、怒りで声が震えてしまうことあるかもしれません」

 『ああやって自分の中で感情をリセットしているのだろうけど、あれは中々できないよ。相当メンタル鍛えられてるよね』

まさし 「金プロとは今年もいたるところで対局しそうですが」

 『うん。俺が俺がタイプの父さんとはぶつかることが多いと思うんだけど、まあ今年も仲良くケンカしましょう』

まさし 「これも絶賛ですね。もちろん僕も本当に強いと思います」

sibutemu

 『最後に渋川プロ。てめぇヘラヘラ笑ってんじゃねぇよ!!

誠司 「と、父さん」

まさし 「ま、まずいですよ。心の声がだだ漏れです」

 『あ、すいません。少し取り乱してしまいました・・・』

誠司 「でもホント強かったよねぇ〜」

 『そうだね。正直さ。ちょっと甘く見てたよね』

誠司 「えっ?そうなの??」

 『ネット麻雀で打ち筋みたり、フリーで同卓したときの印象とかでね』

まさし 「どのような印象でしたか?」

 『先制クソリー、クソ仕掛け、そして守備力だけはやたらと高い雀士だと思ってた』

誠司 「それはダメなの?」

 『ダメじゃないけど、協会ルールならもっと違うところに重点おかなきゃ、その中で強い面子相手には勝ちきれないんじゃないかな〜と・・・』

まさし 「麻雀強い人ならルールに対応できますよ。そんなの当たり前じゃないですか」

 『そうだね。実際に対峙してみて、牌譜を見て、能力というか麻雀センスの高さが随所に垣間見れるよね』

誠司 「印象ってホントあてにならないんだね〜」

 『そういうもんさ。麻雀センス◎。天才だよね。彼は』

誠司 「へ〜?これも大絶賛だね!じゃあこんな強い人達に囲まれて負けて悔いなしだね!」

 『いや、父さん負けるの大嫌いなんだけど』

誠司 「ハイハイ・・・」

 『そういえば某雀ゴロの方にそのことを話したら――』

hukuti
某「木原さんには老害代表として頑張ってもらわねば――」

 『こんな励ましのお言葉をいただきまして』

誠司 (だ、だれ?)

まさし (なんとなく誰かわかりますが・・・)

 『老害かぁ・・・そういや父さん今年厄年なんだよね』

誠司 「えっ?もうそんな?」

 『うん。数え年というのは生まれた時を1歳として、年が明けるとともに1歳増えるカウント方式らしいんだ』

誠司 「0歳がないんだね」

 『そう、2月4日生まれの父さんは実年齢41歳、数え年で42歳、つまり厄年ってわけだ』

誠司 「へぇ〜知らなかったよ」

まさし 「ここはためになるインターネッツですね」

 『話がそれたね。渋川は確かに強い、強いよ。しかも、圧倒的有利なスコア。けど、決定戦はきっとそう簡単にはいかないよ』

garedakke
渋川「おまえじゃ無理だ。木原」 

uozumi
木原「俺じゃない」 

 『きっと何かが起こると思うよ』

まさし (俺じゃないって・・・)

誠司 「そんな雀竜決定戦最終日は――」

【日程・会場】
◆日程
最終日…2月23日(土)11:00開始

◆会場
神楽坂「ばかんす

誠司 「今週の土曜日に行われます。お楽しみに〜」

 『あー、あともうひとつだけいいかな?』

誠司 「何?いい加減にしないとまた文字制限に引っかかっちゃうよ!」

kinnma

 『父さん「近代麻雀モバイル」っていうところで週1でコラム連載しているんだよね』

まさし 「もうかれこれ1年近くになりますか〜」

誠司 「何?こんなバカなこと毎週書いてるの?」

 『いや、もう少し真面目な文章書いてますよ』

まさし 「宣伝ですね。日替わりコラムは大崎初音プロ、松嶋桃プロ。片チン&バビィのGPCレポートとか女流ライバル対決ですね。過去に連載していた福地誠さん、須田良規プロ、吉田光太プロなどのコラムも読むことができます。他にもコンテンツがいっぱい!よかったら見てやって下さいね」

誠司 「それにしてもかたや十段、かたや七段。かたや本誌でコラム、かたや携帯版でコラム。かたや雀竜位、かたや・・・」

 『おい。最後のはまだ全然認めてないんだが?』

誠司 「お、いいね!やっぱりそうこなくっちゃ!」

 『最後までお付き合い頂きましてありがとうございました。またいつか、機会がありましたらこのシリーズ連載したいと思います』

誠司 「ごきげんよう〜。またねぇ〜」

<参照> 雀竜位決定戦初日観戦記雀竜位決定戦2日目観戦記渋川自慢ブログ


終わり

麻雀について悩み始めた子供「誠司」とその友人「まさし」と『父親』の会話。


第10−1章「攻防一体のホンイツ」

 『たまにはね。戦術的なことでも書こうかと』

まさし 「もう今までのスコアとかキレイさっぱり忘れてですね。はい、まず10回戦、東1局です」

南家・木原・ドラ三筒
三萬三萬六萬七萬八萬九萬一筒三筒七筒南發中中

まさし 「2巡目に打たれた中中を仕掛けて打七筒(7)です」

 『仕掛けの基準は巡目と起爆材の有無だね』

誠司 「きばくざい??」

まさし 「爆発的に打点が伸びる材料ってことですよね」

 『そう、この手牌ではドラの三筒(3)役牌の南發發がそれにあたる。七筒(7)切ったことでわかると思うけど、持ってくるソーズは全てツモ切りするよ!』

まさし 「では、例えば――」

南家・木原・ドラ三筒
三萬三萬六萬七萬八萬九萬一筒三筒七筒西北中中

まさし 「この牌姿ならどうです?」

 『2巡目なら起爆剤不足で仕掛けない』

誠司 「仕掛けちゃダメってこと??」

 『そこまではいわない。だけど父さんは好みじゃないな〜』

まさし 「南場で和了りの価値が高い状況なら仕掛けますが、東場はちょっと狙いたいですものね〜」

南家・木原・9巡目
三萬三萬三萬六萬七萬八萬九萬九萬發發 ポン中横中中 ツモ發

 『ま、結果は出来すぎだけどね』

まさし 「東3局にもこんな――」

北家・木原・ドラ三筒
二萬四萬六萬八萬八萬五筒六筒東南南北北中

まさし 「4巡目、打たれた南南はスルー」

誠司 「起爆剤あるよ?東東も中中もそうでしょ?」

 『そりゃそうだけどさ(笑)いいかい誠司、仕掛けるってことはツモ番を1回キャンセルするってことなんだよ』

誠司 「し、知ってるよ!それくらい」

 『キャンセルするほど今必要な牌かなぁ?』

まさし 「和了り速度は少し上がりそうですが・・」

 『確かに。仕掛けの判断は和了り速度が上がる程度にもよるよね。そして仕掛けたい牌の出現頻度にもよる。もし打たれたのが八萬八だったら、ここからは仕掛けるね』

誠司 「南南なら1枚スルーしてもまた出てくると?」

 『そうだね。そして守備要員としても持っていて優秀だしね』

まさし 「4巡目ツモ東東でした」

 『ほらね!キャンセルしなくてよかっただろ〜』

まさし (それは結果論じゃあ・・・)

北家・木原・9巡目
四萬五萬六萬南南北北 ポン東東東横 ポン八萬八萬横八萬 ロン北

まさし 「これも決まった!」

 『から仕掛けるメリットもある。けど、少し攻撃も守備も落ちる可能性もあるよね。父さんは東場は速度よりも打点重視で選択したいんだ。名付けて東場フルスイング打法!』

誠司 「ドヤはもーいいよ。で?この点棒どこいったの??」

南家・渋川・ドラ四萬
二萬三萬四萬四萬四萬五萬六萬七萬中中 ポン西西西横 ロン一萬

まさし 「早速渋川が回収してますね」

なんば
渋川「中や四じゃなかったのが少々不満ですが――」 

西家・木原リーチ
五萬六萬七萬八萬九萬三筒三筒四筒四筒五筒五筒三索三索 放銃一萬

まさし 「この先制リーチを受けつつ、あまつさえ四枚目の一萬一で和了っておきながら、彼のブログにはこんなあつかましいことを書かれてしまいそうです」

じゃがばやし
仲林「・・・・・・・」

テヒョン
金「・・・・・・・」 

まさし 「この放銃に怒りの色を隠しきれないのがこの2人」

 『ちょっ、待てって!痛い!痛いってば!視線が・・・』

まさし 「直後木原、仲林との2軒リーチに競り勝ち、12000!再びトップに返り咲く。そして南2局親番を迎え――」

東家・木原36100 南家・仲林2700 西家・金 31700 北家・渋川29500 

東家・木原・ドラ三萬・7巡目
三萬七萬七萬八萬八萬七筒八筒二索三索四索七索八索九索 ツモ二萬

誠司 「いいとこ引いたね。七七萬八萬八だ」

 『この時仲林と金の捨て牌相が――』

南家・仲林
四筒二索一索五索四萬二萬

 『ソーズのペンチャン、マンズのドラカンチャンを払った捨て牌相。縦形かもしれないけど、意外と早いシュンツ手の可能性もあると思っているんだよね』

西家・金
九索九索發發六索三筒
六索

ポン西西西横

まさし 「割とツモ切りが多かった金、自風の西西をポンしてからの仲林の四萬四に反応なし、と」

 『というわけで将来的な危険度を比較すると八萬八>七萬七、つまりここは七萬七切りだね』

誠司 「割とサクッと切ったのに、そんなことまで考えてたんだ〜」

まさし 「はぁ・・・あのねぇ誠司君。こんなことは誰しも考える事なんだよ。むしろこういうことを考えないで何を基準に選択するんだい??」

誠司 「う、うるさいな〜」

 『そしてこの牌姿!ドラ含みのリャンメンターツ時、雀頭の隣の牌切るべからずの法則により、人としていや!麻雀打ちとして七萬七は切れない!!』

誠司 「何それ??」

まさし 「おそらくこういいたいんだよ」

七萬七萬八萬三筒四筒四索五索西

まさし 「雀頭が決まったリャンメン×2のイーシャンテン。普通は安全牌候補を残すじゃない?この場合だと打八萬八」

誠司 「うんうん」

まさし 「だけどドラが――」

ドラ三筒
七萬七萬八萬三筒四筒四索五索西

まさし 「このようにリャンメンターツにかかっている時は打西西として――」

ドラ三筒
七萬七萬八萬三筒四筒四索五索 ツモ三筒

まさし 「こう来たとき、雀頭をドラに受け変えられるようにしておく。と、いうことじゃないかな?」

 『しかもこの場合さ――』

二萬三萬七萬八萬八萬七筒八筒二索三索四索七索八索九索 ツモ三萬

 『こう来ると悶絶しそうなくらい嬉しいだろ?』

誠司 「へぇ〜?父さん三色好きだよね」

 『別に好きとか嫌いとかないよ。手役は何かを成すための手段でしかないからな。好きじゃないからその手段を選ばないとかナンセンスでしょ』

まさし 「しかしリーチは渋川でした。同巡木原のツモ――」

二萬三萬七萬八萬八萬七筒八筒二索三索四索七索八索九索 ツモ四萬

誠司 「あっ!テンパった。ここは当然――」

zekkyou
木原「キシャァァァァーー!!!!しぶかわぁぁぁぁぁぁ!!!!」 

誠司 「リーチだね。しかしなぜに猫?あっ!?」

北家・渋川
四萬五萬五萬六萬六萬五筒五筒五筒一索一索五索六索七索 ロン七萬


なんば
渋川「ロンです!木原さんそれ一発です!ヘヘッ♪」

誠司 「やけに伏線が長かったけど、そーゆーことか・・・」

まさし 「木原は半荘10回で渋川に9度放銃していますね。対して渋川は木原に放銃ゼロ。これでは話になりません」

 『和了ってるが??』

まさし 「ああ、失礼しました。確か箱下からの2000点でしたっけ?」

誠司 「それ1回か・・・どーでもよくって忘れてたよね」

 『うるさい!まだ俺がトップ目だ!』

じゃがばやし
仲林「・・・・・・・」

テヒョン
金「・・・・・・・」 

 『だからお願い!そんな目で見ないでぇ〜』


続く

次回最終回!!

麻雀について悩み始めた子供「誠司」とその友人「まさし」と『父親』の会話。


第8章「孤独なオーラス」


7回戦まで

渋川 難波
+154.4

仲林 圭
+115.2

木原 浩一
−122.8

金 太賢
−149.8



まさし 「8回戦はまず仲林のターン。東1局、東2局と金、渋川から2局連続マンガンを和了ります」

 『上位2人にはトップを取られたくないところだけどねぇ・・・』

まさし 「東4局、東家金が4巡目リーチ!誰も向かえず一人旅の様相ですが――」

西家・木原・12巡目
六萬九萬二筒五筒五筒一索一索二索三索四索四索五索七索七索

誠司 「まさかここから協会プッシュ??」

 『ちげーよ。大体さ――』

東家・金
九索中東六索横

 『こんなリーチに考えるだけ無駄だよね。何なに?四筒(4)3枚見えましたー三筒(3)も2枚、八筒(8)が今通りましたー。んじゃこれ!これだよ!ぽいっ』

まさし 「さして深く考えずに切った打牌が――」

東家・金・ドラ五萬・裏ドラ六筒
五萬五萬五萬六萬七萬八萬四筒六筒八筒八筒六索七索八索 ロン五筒

 『これはイラッとしたねぇ』

まさし 「これリーチどうなんですかね?脇から獲りたいところではありますが」

 『まあそれは父さんの希望だけどね。たぶん金は――』

images
金「木原くぅぅぅん?ベタオリすらできないのかい??この雑魚がっ!!ホント迷惑なんだよねぇ〜」

 『と思ったんじゃないかなー』

まさし 「なんか画像がちがうような・・・・」

誠司 「だからアニメネタはやめたほうが・・・・」

 『なんで?アニメは日本の文化だろ?』

まさし 「痛恨の18000オリ打ち、次局も金はドラ暗刻の6000オール!木原は箱を割ってゆくぅ〜!!」

誠司 「金のターン、キター!!」

まさし 「しかしここまで。今度は渋川のターン。次局に3000・6000ツモ和了り。更に次局の2900出和了りを挟んで、そのまた次局――」

まさし 「渋川リーチに木原が追いかけました。木原は箱下ですが渋川から和了りするのはトータルポイント的には有意義です。リーチ後六索6をアンカンしてこの手牌――」

南家・木原・ドラ二萬七萬
二萬三萬四萬六萬六萬三索四索七索八索九索 カン裏六索六索裏

まさし 「しかし直後渋川ツモ!」

東家・渋川
七萬八萬九萬二筒三筒四筒七筒八筒九筒五索五索七索八索 ツモ九索

誠司 「渋川つえぇぇぇぇ!!」

まさし 「完全に渋川の養分ですね。六索6ツモ切りなら2900点で済みました」

 『そ、そんな選択、あるわけないだろっ!!』

じゃがばやし
仲林「役に立たねぇな!すっこんでろや!カスがっ!!」

テヒョン
金「目無しは黙っててもらえます??」

 『・・・・・・サーセン』

まさし 「とにかく6000オール!そういえば、なんか4回戦にもこんな2軒リーチありましたね――」

東家・木原
一萬二萬三萬五萬六萬六萬六萬六萬九萬九萬六索七索八索 振込九萬

南家・渋川・ドラ南
七萬八萬六筒七筒八筒一索二索三索六索七索八索南南 ロン九萬

誠司 「父さん細せぇぇぇぇ!」

 『別にさ。どんな好形に見えたってさ。和了り牌が山に1枚とか2枚しかないってことあるわけじゃん?でもこういうのはなんとなく切ないよね』

まさし 「切ないのは仲林も一緒ですね。東場マンガンを討ち取ったはずの2人の点数が南1局には――」

渋川45400 金41100 仲林24900

まさし 「こうなってるわけですからね」

じゃがばやし
仲林「ナニコレ?オカシクネ??」 

誠司 「そりゃカタカナ表記にもなるよね〜」

まさし 「その仲林、次局怒りのリーチも渋川競り勝ち4000オール!強すぎる!!」

 『どうでもいいけど和了りすぎやろ・・・』

まさし 「渋川の親が流れて木原の親番、順番からいうと木原のターンですね!」

誠司 「3巡目木原親リーチキター!しかし流局と・・・」

 『順番とかなかったわ・・・だがやることはあるさ!こうなりゃ少しでも削って、金のオーラス親番で渋川を捲くってもらうのさ!リーチ!』

まさし 「仲林の追っかけ親リーチに12000放銃してますが・・・」

 (・・・・・)

まさし 「もう話す気力もないようです。オーラスの点数状況は――」

東家・金36800 南家・渋川47400 西家・木原自主規制 北家・仲林41400 

まさし 「ここはもうアレですね。2人のワンツーフィニッシュはまずいので、金に託す感じですね?」

 (コクリ)

誠司 「さあこの勝負の行方、どうなるでしょうか?仲林捲れるか?渋川守れるか?それとも金の2人抜き成るか??」

まさし 「金、こういう時の粘り強さには定評がありますからね。期待できるのではないでしょうか」

誠司 「しかし、流局だー!渋川、仲林はテンパイ。金は――」

テヒョン
金「ノーテン・・・」 

 『・・・・・・・』

まさし 「さて、8回戦終了時のスコアを――」

8回戦まで

渋川 難波
+223.3

仲林 圭
+138.1

金 太賢
−152.5

木原 浩一
−212.9

まさし 「長い間、雀竜位決定戦ちょっと自戦記にお付き合いいただきまして、ありがとうございました。最後に――」



まさし 「この曲でお別れしたいと思います。ごきげんよう〜」

誠司 「またね〜」


第9章「Nothing but a drop in the bucket」


 『勝手に終わんな!コラ!』

誠司 「え?ああ、ゴメン・・・」

まさし 「しかし、これは絶望的な大差ですね」

 『まだ7半荘あるが??』

まさし 「そ、そうですね。9半荘目にしてようやく木原、普通に和了りそうな手を普通に和了ります」

誠司 「だけどトップ目からまた渋川に放銃してるね。渋川好きなの?」

 『き、嫌いではないが』

まさし 「木原さんの立場からすると渋川、仲林リーチには向かいたくなるでしょう。ただトップ獲るだけならそんなことはしないでしょうけど」

誠司 「決定戦ならではということだねっ。他2人には迷惑だろうけど」

 『迷惑の掛け合いが麻雀の真髄!』

誠司 (トータルダンラスがいってもなぁ・・・)

まさし 「さて、南3局になって点数状況はこちら――」

東家・木原29700 南家・渋川30800 西家・金31100 北家・仲林8400 

東家・木原・ドラ八索四萬
四萬四萬六萬七萬八萬二筒三筒四筒二索二索 カン裏六索六索裏

まさし 「7巡目のテンパイ、ヤミテンに受けました」

 『このルールでこの状況、父さん大体曲げるのだけど――』

渋川から直撃>>>>>>曲げてツモ>>>>>>>>>曲げて他家から和了り

まさし 「ですものね」

誠司 「ヤミテンで他家から和了りは?」

 『それはない』

まさし 「もうチャンスが何度あるかわかりませんものね〜。あれ?なんか曲がってますけど?」

 『4巡しか我慢できなかった・・・というのはウソで、1番人気が無理そうになってきたから、2、3番人気に切り替えただけだよ』

まさし 「なるほど。流局後、木原4000オールツモ!抜けた!そして次局またしても親リーチ!」

東家・木原
一索白九索西西南
東四索六萬一萬一筒南
二索四筒横リーチ

南家・渋川・ドラ七筒
八萬八萬五索五索六索六索六索七索五筒六筒 チー六萬横五萬七萬

東家・木原44000 南家・渋川27700 西家・金27000 北家・仲林1300

 『渋川の手牌、さてどうする?』

まさし 「うーん・・・これだけじゃ何とも・・・」

 『まあそうだね。渋川の強さって「魔神の読み」と言われる読み能力の高さだと思うかい?』

誠司 「違うの??」

 『あのね。強い人ってのは総じて麻雀の基本スペックが高いんだよね』

まさし 「ほう。基本スペックとは?」

和了れそうな手牌を素直に和了ること

まさし 「なるほど。簡単そうに見えてなかなかできないことかもしれませんね」

 『全体場況がないからわかりにくいけど、渋川から見たらこんな和了りやすそうな四索七索47待ち、鳴いて六索6切らずにはいられないって事だよ』

誠司 「舐められてるんじゃね?現にここまで父さん、渋川からほっとんど和了ってないでしょ?」」

 『うーん・・・そうかも・・・』

なんば
渋川「確か木原って七段とかでしょ?そんな格下相手に負けるわけないっしょ?」

まさし 「親しい知人にはこう話していたそうですね」

誠司 「うーん・・・それでも僕だったら鳴いて七索7切っちゃうかも〜。スジ!!」

東家・木原・ドラ七筒
二萬二萬四萬五萬六萬四筒五筒六筒七筒四索五索七索七索 ツモ三索 打四筒リーチ

誠司 「うおっ!七索7放銃してるしっ!」

まさし 「六索6は入り目ですね。読めてるわけではないんですね」

 『こういうの見ている人からすると、あまりに自然に見えて評価されにくいところだと思うんだけどさ』

まさし 「和了れそうな手牌を素直に和了る。確かに見ていて極々自然に見えると思います」

 『卓に座っていると邪念って入るからね』

まさし 「(トータルダントツだし・・・)(ここで和了らなくとも・・・)(放銃したら嫌だな・・・)とかいう慎重すぎてしまう考えとかですね」

誠司 「大胆すぎて失敗することもあるよね?父さんみたいに。ププッ(ノ∀`)笑」

 『ひとつもおかしくないけど??』

誠司 「ゴメンナサイ・・・・」

 『まあでもこの大舞台でもブレない渋川、素晴らしいんじゃないかな』

まさし 「この渋川の鳴きの結果、金に即リーチが入り、一発で木原が放銃してましたね。捲くられて2着で終了してしまいました」

 『もう・・・・いやです・・・・』


続く

麻雀について悩み始めた子供「誠司」とその友人「まさし」と『父親』の会話。


第6章「ビックorスモール?」

1日目結果

渋川 難波
+133.4

仲林 圭
+87.3

木原 浩一
−29.6

金 太賢

−193.1


まさし 「さて2日目、6回戦ですね。東1局金が渋川に12000放銃スタート」

 『あんま面白くないリスタートだね』

まさし 「そして次局、木原の親リーチに金が競り勝ち、木原から3900を和了ります」

 『更に面白くないね〜』

誠司 「なんかさ〜?あの人父さんにだけ競り勝つことが多いよね?」

 『もっと渋川にも競り勝ってくれぃ・・・』

誠司 「もしかして嫌われてる??」

 『うっ・・・その可能性は否めないところ・・・』

まさし 「東3局は木原、こんな配牌」

北家・木原・ドラ九萬
一萬二萬三萬三萬四萬五萬七萬八萬二索三索三索六索八索 ツモ六萬

まさし 「ダブリーせず打八索8。これは?」

 『ダブリーもやぶさかではないよね。このルールのダブリーはかなりエライよ』

誠司 「じゃあなんで?」

 『どっちでもいいと思ったのさ。どっちでもいいなら見た目カッコイイほうを選ぶよね。チンイツまで視野に入れてハネマンに仕上げてみせるよ!』

誠司 「どっちでもいいなんてことあるの?」

 『あると思うよ。AorBの選択、期待的にどちらも同程度の価値ってことがね』

誠司 「ふーん・・・これがそうなんだ」

 『わからないよ。父さんがそう思っただけで。ただこの手牌、ダブリーかけることに違和感を覚える人はこのルールのダブリーが他家に与える影響力を軽視しすぎな人だと思う』

まさし 「そうですね。麻雀ひとりで打ってるわけではないですものね」

 『たが、この巡目ならテンパイ取らずして狙ってみてもそれなりの手に仕上がるのさ――』

北家・木原・7巡目
一萬二萬三萬三萬四萬四萬五萬六萬七萬八萬二索三索三索 ツモ四索

誠司 「それなりねぇ・・・」

 『アホか!こんなテンパイいらんわ!』

まさし 「怒りのツモ切り?怒らないで切るなら二索2から切ってもらえませんかね。五索5とか三索3引きでメンタンピンリーチが打てるんだし・・」

 『ほ、ほんまや・・』

まさし 「その直後、渋川リーチ!木原も二萬二を引いて当然追っかけリーチ!しかし、リーチ後渋川に放銃でした」

誠司 「父さんもいい加減競り勝ってくれぃ・・・」

 『め、面目ない』

まさし 「ラス目に落ちた次局、3着目金の仕掛けが――」

西家・金・ドラ九筒
九索二索四筒七筒三索二索
北東九萬二萬

裏裏裏裏裏裏裏 ポン中横中中 ポン發發横發

 『2列目北東九萬九を手出し中中ポンして打二萬二』

まさし 「さすがにホンイツテンパイでしょうね」

誠司 「金の上家である仲林が八萬八を打つ!」

テヒョン
金、微動だにせず

 『仲林もテンパイだろうね。ここで点数状況を――』

東3局 東家・渋川43700 南家・仲林23500 西家・金18400 北家・木原14400 

 『この状況、更にトータルポイントがあれ。仲林が金に対して躱し手を入れるとは思えないんだよね』

まさし 「本手のマンズ待ち以外のテンパイが濃厚ですね」

 『次巡金、一萬一を手出し、そして父さんもテンパイするのだけど――』

北家・木原・ドラ九筒
三筒三筒五筒五筒五筒六筒七筒八筒九筒九筒七索八索九索

まさし 「役なしドラ2をヤミテンですね。珍しいこともあるものです」

 『2人荒ぶっているんで躊躇したよね』

まさし 「しかし次ツモ四筒(4)で――」

 『この四筒(4)が3枚目、二筒(2)も3枚切れ、九筒(9)は初牌、なんかこれ、いけるんじゃないか??うん、いけるいける!!』

誠司 「白白も初牌なんだけど・・・」

まさし 「いける!と少しでも思ったら加速度的に和了れそうな気が増してくる。木原さんのいいところでもあるし、悪いところでもあります」

誠司 「13巡目ツモ切りリーチいったー!!仲林もツモ切りリーチ!!金もゼンツー!!」

まさし 「やけに盛り上がってきましたね〜」

誠司 「仲林三萬三ツモ切りー!」

テヒョン
金、微動だにせず

誠司 「木原四萬四ツモ切りー!」

テヒョン
金、微動だにせず

まさし 「そして木原、次ツモが――」

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 『ぬるっときたっ』

誠司 「これは95%くらい放銃するんじゃ・・・」

 『うん。だから金に聞いたよ。大きい方ですか?小さい方ですか?と――』

西家・金
五萬五萬七萬八萬九萬白白 ポン中横中中 ポン發發横發 ロン白

テヒョン
金「大きい方です。体もでかいだけに」

まさし (体は関係ないんじゃ・・・)

 『まあこれで渋川のトップを落とせば40P縮まるわけだ。32P支払ってもお釣りがくるね』

誠司 「えっ?じゃあ良かったの??」

 『い・い・わ・け・な・い・が・??』

誠司 (負け惜しみかよ・・・)

 『結果は最悪だったけど、後悔はしてないよ。リーチでいいんじゃないかな?方々から非難されそうではあるけどね』

まさし 「うーん・・・多少焦った感はあるような・・・」

 『あ、やっぱり?』

まさし 「6回戦終了、金トップ、木原ダンラスで金と木原一発でスコアが並びました」

 『べ、別に金と競ってるわけじゃないんだからねっ!』

まさし 「わ、わかってますよ・・・」

誠司 「はぁ・・・・」


第7章「傷の代償」

まさし 「7回戦ですね。トータル上位2名と下位2名が大きく離れてしまいました」

 『これは相当マズイな・・・』

南3局 東家・渋川24100 南家・金16100 西家・仲林35400 北家・木原24400 

北家・木原・ドラ七筒
三萬三萬四萬七筒八筒八筒九筒九筒二索三索中中中

まさし 「10巡目、上家から出た一索1をスルーですが・・・」

 『これはマズったな・・・』

誠司 「どうして鳴かないの?和了りの価値が高い局面じゃん!」

 『おそらく願望が強すぎてスルーだね。ここでハネツモ決めてやるぜ!みたいな』

まさし 「巡目が巡目だけにねぇ・・・大幅マイナスで冷静さを欠いているようにしか見えません」

 『そーだよなぁ・・・仮にさ、スルーして偶然七筒(7)を入れてさ、リーチしてツモったらそれはそれで賞賛されてしまうのだろうね』

誠司 「過程と結果は別物なのにね」

まさし 「結果重視で評価される傾向はありますね。麻雀のゲーム性上、それは仕方のないことかもしれません」

東家・渋川・ドラ七筒
發四萬四萬一筒五筒二索
四筒二筒西二筒七筒横リーチ

誠司 「そんな緩手を咎めるような渋川のドラ切りリーチ!いわんこっちゃないよ!」

 『そうだな。それにあの河はマズイな。本手って書いてあるもん』

誠司 「そう?チートイかもしれないよ?」

 『いや。2巡前の場1の西西がノータイムツモ切りなんだよね。誰がリーチしてるわけでもなし、仕掛けてるわけでもない。和了りたい親番でチートイツならちょっとおかしいだろ?』

誠司 「なるほどー」

 『七筒(7)鳴かせてくれれば戦ったのだけど、上家の仲林持ってないんだよね〜』

誠司 「早々に撤退したね」

まさし 「結果流局で2着、3着が入れ替わり。このままの順位で半荘終了しました」

 『負けがこんでいる時に出る損な選択の典型的な例だったね』

誠司 「折り返し、更に雲行きは怪しなってゆく――」


続く

麻雀について悩み始めた子供「誠司」とその友人「まさし」と『父親』の会話。


第4章「和了りの価値は」

 『オーラスの和了りってエライじゃないですか。なぜだかわかるかい?』

誠司 「えっ?順位点を確定できるから??」

 『そうだね。局が進むにつれ、ひとつの和了りが順位点に及ぼす影響を与えることが増えてくるんだよね』

まさし 「東1局よりも東2局、東3局よりも東4局の和了りのほうが、順位点という視点からみるとエライってことですね」

 『うん。その辺は微差だけど、南場に入ってからは特にね』

まさし 「4回戦の東2局、1300横移動の後でした」

南家・木原・ドラ東
七筒八筒九筒九筒二索二索七索七索八索九索九索發發

まさし 「2巡目の發發ポンテンはとらず、4巡目の八索8のチーテンも入れず――」

七筒八筒九筒九筒二索二索七索七索七索九索九索發發

まさし 「こうなった後の7巡目、二索2のポンテンも入れませんでしたね」

 『東2局だからね。高くなる要素もあるしな』

まさし 「対して南1局、点数状況は以下の通り」

東家・金20200 南家・仲林22700 西家・木原27300 北家・渋川29800 

西家・木原
一萬三萬三萬七萬九萬一筒二筒三筒六索六索八索南南

まさし 「今度は一転3巡目、六索6から仕掛けています」

 『ここからは協会ルール東風戦みたいなもんだからね。決め手になりそうなら決めにいきたいけど、それ以外はこれでもOK』

誠司 「南場以降は和了りの価値が違うってことだね」

 『そうだね。東場なら仕掛けないんじゃないかな?』

まさし 「東風戦は得意そうですね」

 『そんなことないよ。むしろ苦手かもね』

誠司 「えっ?なんで??」

 『普段打ってるのは東風祝儀戦だから〜。こういうのは慣れているわけじゃないよ』

誠司 「そういうもんかぁ〜」

 『金→仲林6400移動後、続く南2局もこう――』

西家・木原・ドラ五索
一萬三萬六萬二筒四筒六筒七筒八筒四索六索七索發發

まさし 「5巡目、この形から發發を仕掛けてます」

 『トップ〜3着まで2800点差以内の接戦だからね』

誠司 「でもちょっと微妙じゃない??」

 『オーラス和了りトップなら仕掛けるだろ?』

まさし 「もちろんそうですね」

 『仕掛けたほうが和了りやすいのは明白。オーラスほど和了りの価値は高くないけど、南2局でこの点差ならそれなりに価値はある。和了りすることによって他者の加点を防ぐんだよ。これは東場なら仕掛けない』

南4局>>>>>>南3局>>>南2局>>南1局>東場

まさし 「順位点から見た和了りの価値はこんな感じでしょうか」

 『ここで金から8巡目リーチ――』

北家・金・ドラ五索
九萬白東三索北八萬
八索横リーチ

南家・木原
三萬四萬二筒四筒六筒七筒八筒九筒六索七索

まさし 「金は13500点離れたラス目です。ここまで金は3・4・3着でトータル大幅マイナスでした」

 『そうなんだよね。他者の加点を防ぐといっても現状は――』

渋川に和了られるデメリット>>仲林に和了られるデメリット>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>金に和了られるデメリット

 『これと自分が和了るメリット。つまり自分の和了りの価値と比較して押し引きを判断するわけだが――』

まさし 「見合いませんね」

誠司 「じゃあ渋川、仲林リーチには押すの??」

 『ある程度は荒ぶるよね』

誠司 「マジで??放銃したら痛いじゃん!」

 『そりゃそうさ。でも俺は(押しとけば良かった・・)なんて悔いは一片も残さねぇ!』

まさし 「決定戦ならではですかね」


積極的にリスクを負うことは 未来のリスクを最小限にすること 
by 羽生善治


 『そういうことだよ。父さんの言葉じゃないけどね』

まさし 「この局は手詰まりに手詰まって金のピンフに放銃しました」

誠司 「ピンフにオリ打ちとか・・・ダサッ!」

 『うっせ!』

まさし 「そしてオーラスですね。点数状況は――」

東家・渋川27300 南家・金16300 西家・仲林30600 北家・木原23800 

まさし 「1本場で供託にリーチ棒が2本あります」

4巡目・北家・木原 ドラ六筒
四萬六萬九萬九萬四筒一索二索三索七索白白中發

まさし 「4巡目にこの形から白白をポン。これもいった」

誠司 「あれ?なんか点数足りなくね??」

まさし 「トップの仲林まで6800、渋川まで3700。これはトータルトップの渋川だけは捲くっておきたいという意図でしょうか」

 『そうだね。渋川トップ終了はよろしくないんでね。それくらいならなんとかなるでしょう』

7巡目・東家・渋川
北西九索八索西一筒
五萬横リーチ

誠司 「魔神リーチキタ━(゚∀゚)━!」

 (なんで嬉しそうなんだよ・・・)

8巡目・北家・木原
四萬六萬九萬九萬九萬四筒一索二索三索七索 ポン白横白白

まさし 「木原を五萬五食って打七索7。次のツモも七索7!次引く無筋も次引く無筋も切り飛ばしてゆくぅ〜!」

誠司 「四筒(4)は自信あったの?」

 『いや、全く。こんなのただの絵合わせでしょう。余程優秀に見える待ち以外何単騎だっていいのさ』

まさし 「13巡目に面子を中抜きました」

 『持ってきた牌は危険といえば危険だったんだけど、流局確率が高まったら降りることも考えるよ。次の配牌に期待したいじゃん?』

まさし 「次の配牌にトップを狙える素材が入ってるかもしれませんしね」

 『当選してトップという状況だったら最後まで押すんだけどね。ほら!渋川からするとこの状況、どんな愚形であろうとリーチで押さえつけたくなるじゃん?オーラスの親リーチ、恐るるに足らずだよ!』

東家・渋川
三萬三萬七萬八萬二筒二筒二筒五筒六筒七筒二索三索四索 ツモ六萬

誠司 「愚形どこ〜?愚形だれ〜?」

 『・・・・・・』

まさし 「渋川トップで終了。ちょっと雲行きが怪しくなってきましたね」



第5章「木原さん@てんぱらない」

誠司 「こんなアニメのタイトルパロっても、わからない人多いと思うんだけど・・・」

 『そうか?アニメは日本の文化だろ?』

まさし 「えーと5回戦ですね。木原が1600・3200、仲林が1000・2000を2回、動きはこんなところで迎えた南3局でした」

東家・木原30400 南家・仲林32400 西家・金17800 北家・渋川19400 

東家・木原・ドラ九萬
五萬一筒二筒三筒三筒四筒五筒五筒七筒三索四索六索七索 ツモ七索

まさし 「こうきたのがまだ3巡目、打六索6としました」

誠司 「三色??」

 『うーん・・・父さんたいていこうするのだけど・・・』

まさし 「ツモ七萬七、四筒(4)、三索3ときて6巡目でこう――」

東家・木原
五萬七萬三筒三筒四筒四筒五筒五筒三索三索四索七索七索

まさし 「そしてここから流局まで、すべてツモ切りでしたね」

誠司 「鳴けもしなかったね」

まさし 「16巡目、上家の渋川がこの局唯一の仕掛け六筒(6)チー。直後下家の仲林があっさりツモ切る六萬六とか・・・・」

 『ま、まあいいさ。これでオーラストップまで5000点差だろ?なんとかなるよ。というかするよ!』

まさし 「トップ目の仲林が親です。さあ、なんとかなるでしょうか?」

 『オーラスはみんな遅そうだったね。他家に仕掛けられるわけでもなく、他家にリーチを受けるわけでもなく、実にのびのびと打たせていただきました。もはや自分の手牌しか見えない。テンパったらリーチだ、テンパったらリーチだ、そしてツモる。こんな簡単な作業さ。早よはれ!さあ早く!!』

まさし 「全員ノーテンでしたね・・・」

suzuki_kei
鈴木「木原さん。せっかくギャラリーがこんなにいるのに、せめてテンパイくらいしてもらえませんかね??」

 『ギャラリーの心無い罵声を浴びながら帰宅しましたとさ・・・・』


1日目結果

渋川 難波
+133.4

仲林 圭
+87.3

木原 浩一
−29.6

金 太賢

−193.1


続く

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