2008年09月06日
外交を争点に選挙できない自民党
福田総理が辞任しました。なんだか総理大臣というより信用金庫の支店長のような感じの人でしたね。僕としては中国への融和的な態度等、気に入らないことが多かったけど、お疲れ様でした。
さて今日。自民党は厳しい状況にある。支持率が低迷し次の総選挙では過半数を割って下野するかもしれない。もちろん個々の政策の不手際によることもあるだろうが僕はそれ以上になによりも政権の座にあまりにも長くいることによる有権者の飽きというか閉塞感というか苛立ちというか、そういったものが大きいようにも感じる。
これほど長きにわたって政権にあることは自民党にとっても良いことではないだろう。
こう長いと実務にあたる官僚機構と一体になるのも無理はない。
さて、対する民主党ですが一度は政権を任しても良いと思う人も少なくないだろう。現に去年の参院選では大勝した。しかし民主党の政策で正気とは思えない政権をとてもじゃないが任せられない点がある。それは海上自衛隊のインド洋での多国籍艦隊への給油のための法案に反対していること。じゃあどうするの?って聞きたい。インド洋はいま海賊が跳梁し非常に危険な状態にある。そのインド洋を守っているのがアメリカやヨーロッパ諸国の艦船。4月には日本のタンカーが海賊に襲われドイツのフリゲート艦に助けられる事件があった。ドイツの軍艦が迅速に対
応できたのも我らが海上自衛隊の給油活動があるからでしょう。本当なら、日本が「普通の国」なら日本が日本国海軍たる海上自衛隊をだして海賊と戦いインド洋の安全を守らなければいけないのだけど憲法9条などという、とんでもないものがあるためそれができない。
ならせめて補給活動でもしないと・・・・
もし何もしないということになれば日本はとてつもない自己チューな国になってしまう。インド洋が安全なことにより利益を受けるのは日本です。
安全保障問題に淡白といわれる福田総理でも再可決によりこの法案をとおしたのは外交、安全保障に係る最低限の常識はあったということですね。
自民党はこのインド洋での補給活動を争点に民主党に政権担当能力がないことを責め選挙を戦うべき。充分に論理的正当性はある。下手に年金や何やらで言い訳のような細かいことを言うより堂々と政権担当能力を示せる。
ただ、それはできないでしょうね。
何故なら自民党は普段から外交安全保障政策を有権者にうったえていないもの。
こういうと奇異に感じるかもしれないが一部の国会議員がテレビでそういう話をしているだけで自民党が党組織としてそれをしているかというと甚だ疑問です。
自民党の地方組織が例えばテロ特措法の重要性を説明したビラを配ったりしているのを見たことがない。日本共産党は地方議員といえど9条を守ろうといつたビラを配ったりそういう講演会を開いたりしている。もちろん僕はその思想信条とは正反対だけどそういった姿勢は評価できるし政党としてどちらが「真面目」か考えさせられてしまう。
自民党の市会議員が改憲やら今度の給油法案のためのそういった活動をしているのを見たことも聞いたこともない。少なくとも僕の住んでる街ではそうだし田舎はこんなものでしょう。東京や大阪といった大都市の自民党の地方議員はしてるのかな?
どうではいいと言ったら怒られるけど道路がどうかとか、という話ばかりではねえ・・・
もっとも自民党が党として活動できるだけ党内で外交安保の基本政策がまとまってるかどうかという問題もあるのだけど・・・
やはり自民党って理念ではなく保守思想でまとまっているわけでもなく利権でまとまっている勝谷誠彦のいうとおり「利権談合共産主義」の政党なのだろうか?
にもかかわらず去年は三分の二条項というカードまで使ってテロ特措法を再可決したし日米安保も維持してきている(僕は強化すべきと思うけど)
それは、そういう理念というより政権を担当する実務者として他に現実的な選択肢がなかったためだろうと考えます。
とはいえ。いろいろ問題はあるにせよ戦後日本の繁栄と安定を築いてきたのは自民党の外交安保政策が正しかったという部分は大きい。問題はそれが理念ではないのではないかということ。僕も自民党にも麻生太郎さんや石破茂さんといった好きな政治家は少なくない。彼らはしっかりした考えをもっている。それを党として具現化すること。地方組織も外交政策を有権者に説明できるように実務としてでなく理念として外交安保政策を実行していくこと。そして利益誘導でなく外交でも選挙できるような政党になることが自民党再生の鍵ではないだうか?
と思っていたら石破茂さんが自民党総裁選挙に立候補しました。
彼は「外交安全保障政策で民主党との違いを見せたい」と述べた。
なかなか良い傾向ですね。
アメリカの大統領選挙ではマケインさんがオバマさんのイラクへの増派に反対したことを責めている。
日本でも国政選挙で外交安全保障政策が争点になることを望みます。
さて今日。自民党は厳しい状況にある。支持率が低迷し次の総選挙では過半数を割って下野するかもしれない。もちろん個々の政策の不手際によることもあるだろうが僕はそれ以上になによりも政権の座にあまりにも長くいることによる有権者の飽きというか閉塞感というか苛立ちというか、そういったものが大きいようにも感じる。
これほど長きにわたって政権にあることは自民党にとっても良いことではないだろう。
こう長いと実務にあたる官僚機構と一体になるのも無理はない。
さて、対する民主党ですが一度は政権を任しても良いと思う人も少なくないだろう。現に去年の参院選では大勝した。しかし民主党の政策で正気とは思えない政権をとてもじゃないが任せられない点がある。それは海上自衛隊のインド洋での多国籍艦隊への給油のための法案に反対していること。じゃあどうするの?って聞きたい。インド洋はいま海賊が跳梁し非常に危険な状態にある。そのインド洋を守っているのがアメリカやヨーロッパ諸国の艦船。4月には日本のタンカーが海賊に襲われドイツのフリゲート艦に助けられる事件があった。ドイツの軍艦が迅速に対
応できたのも我らが海上自衛隊の給油活動があるからでしょう。本当なら、日本が「普通の国」なら日本が日本国海軍たる海上自衛隊をだして海賊と戦いインド洋の安全を守らなければいけないのだけど憲法9条などという、とんでもないものがあるためそれができない。
ならせめて補給活動でもしないと・・・・
もし何もしないということになれば日本はとてつもない自己チューな国になってしまう。インド洋が安全なことにより利益を受けるのは日本です。
安全保障問題に淡白といわれる福田総理でも再可決によりこの法案をとおしたのは外交、安全保障に係る最低限の常識はあったということですね。
自民党はこのインド洋での補給活動を争点に民主党に政権担当能力がないことを責め選挙を戦うべき。充分に論理的正当性はある。下手に年金や何やらで言い訳のような細かいことを言うより堂々と政権担当能力を示せる。
ただ、それはできないでしょうね。
何故なら自民党は普段から外交安全保障政策を有権者にうったえていないもの。
こういうと奇異に感じるかもしれないが一部の国会議員がテレビでそういう話をしているだけで自民党が党組織としてそれをしているかというと甚だ疑問です。
自民党の地方組織が例えばテロ特措法の重要性を説明したビラを配ったりしているのを見たことがない。日本共産党は地方議員といえど9条を守ろうといつたビラを配ったりそういう講演会を開いたりしている。もちろん僕はその思想信条とは正反対だけどそういった姿勢は評価できるし政党としてどちらが「真面目」か考えさせられてしまう。
自民党の市会議員が改憲やら今度の給油法案のためのそういった活動をしているのを見たことも聞いたこともない。少なくとも僕の住んでる街ではそうだし田舎はこんなものでしょう。東京や大阪といった大都市の自民党の地方議員はしてるのかな?
どうではいいと言ったら怒られるけど道路がどうかとか、という話ばかりではねえ・・・
もっとも自民党が党として活動できるだけ党内で外交安保の基本政策がまとまってるかどうかという問題もあるのだけど・・・
やはり自民党って理念ではなく保守思想でまとまっているわけでもなく利権でまとまっている勝谷誠彦のいうとおり「利権談合共産主義」の政党なのだろうか?
にもかかわらず去年は三分の二条項というカードまで使ってテロ特措法を再可決したし日米安保も維持してきている(僕は強化すべきと思うけど)
それは、そういう理念というより政権を担当する実務者として他に現実的な選択肢がなかったためだろうと考えます。
とはいえ。いろいろ問題はあるにせよ戦後日本の繁栄と安定を築いてきたのは自民党の外交安保政策が正しかったという部分は大きい。問題はそれが理念ではないのではないかということ。僕も自民党にも麻生太郎さんや石破茂さんといった好きな政治家は少なくない。彼らはしっかりした考えをもっている。それを党として具現化すること。地方組織も外交政策を有権者に説明できるように実務としてでなく理念として外交安保政策を実行していくこと。そして利益誘導でなく外交でも選挙できるような政党になることが自民党再生の鍵ではないだうか?
と思っていたら石破茂さんが自民党総裁選挙に立候補しました。
彼は「外交安全保障政策で民主党との違いを見せたい」と述べた。
なかなか良い傾向ですね。
アメリカの大統領選挙ではマケインさんがオバマさんのイラクへの増派に反対したことを責めている。
日本でも国政選挙で外交安全保障政策が争点になることを望みます。
alamein at 22:22│Comments(6)│TrackBack(0)│
トラックバックURL
この記事へのコメント
1. Posted by 容子の部屋 2008年09月10日 15:51
シルバニアさま
今日テレビで5人の総裁選候補者の討論を聞き、印象に残ったのは、石破茂氏の正面から日本の安全保障について語った事、小池氏の道州制に言及し、日本の制度改革について話された事・・が記憶に残りました。
外交問題、国益の事を語らない日本の政治風土が、世界から見ればまさに地方のシャッター通りのように目に付かない国になったら困ります。
今日テレビで5人の総裁選候補者の討論を聞き、印象に残ったのは、石破茂氏の正面から日本の安全保障について語った事、小池氏の道州制に言及し、日本の制度改革について話された事・・が記憶に残りました。
外交問題、国益の事を語らない日本の政治風土が、世界から見ればまさに地方のシャッター通りのように目に付かない国になったら困ります。
2. Posted by アラメイン伯 2008年09月10日 22:53
容子さま
おっしゃるとうりだと思います。
国益に係る外交問題を語らない日本の政治風土がいつまでも続くと今に大変なことになります。
その点を堂々と主張する石破茂さんは僕は好感度アップです。
おっしゃるとうりだと思います。
国益に係る外交問題を語らない日本の政治風土がいつまでも続くと今に大変なことになります。
その点を堂々と主張する石破茂さんは僕は好感度アップです。
3. Posted by giants-55 2008年09月10日 23:49
書き込み有難う御座いました。
あくまでも私見ですが、我が国の国民性って他国(独裁国家とかは別です。)に比べると「余りにも極端な方向に振れる」というのが特色の様に思っています。良く言えば「柔軟」なのでしょうが、そういった部分が感じられる以上、現在の憲法の内容をガラリと変える“様な”主張をしている政治家には疑問を感じています。別に何が何でも改憲は駄目!という主義では無いし、実状に合わない部分に関しては「余りにも極端な方向では無い変更」は在りでしょうね。
その点で石破氏の主張には納得させられる点が多いし、彼が総裁になれば自民党は変わったと思う人も少なくない事でしょう。麻生氏はどうなんでしょうね。石破氏に比べると、どうも薄っぺらさが否めない(苦笑)。主張している事と、それを本当に実現する能力が在るかは別ですし。
与野党共に、余りにも目先の「利益」を持ち出し過ぎるのはどうかと思います。思想的には自分も相容れないけれども(笑)、共産党の一徹さ&行動力は評価しています。
P.S. 森羅万象、未だ未だ人知の及ばざる部分が多いという事なのでしょうね。太陽の黒点が地球温暖化に影響を及ぼしているというのも、個人的には「へー。」という話でした。
あくまでも私見ですが、我が国の国民性って他国(独裁国家とかは別です。)に比べると「余りにも極端な方向に振れる」というのが特色の様に思っています。良く言えば「柔軟」なのでしょうが、そういった部分が感じられる以上、現在の憲法の内容をガラリと変える“様な”主張をしている政治家には疑問を感じています。別に何が何でも改憲は駄目!という主義では無いし、実状に合わない部分に関しては「余りにも極端な方向では無い変更」は在りでしょうね。
その点で石破氏の主張には納得させられる点が多いし、彼が総裁になれば自民党は変わったと思う人も少なくない事でしょう。麻生氏はどうなんでしょうね。石破氏に比べると、どうも薄っぺらさが否めない(苦笑)。主張している事と、それを本当に実現する能力が在るかは別ですし。
与野党共に、余りにも目先の「利益」を持ち出し過ぎるのはどうかと思います。思想的には自分も相容れないけれども(笑)、共産党の一徹さ&行動力は評価しています。
P.S. 森羅万象、未だ未だ人知の及ばざる部分が多いという事なのでしょうね。太陽の黒点が地球温暖化に影響を及ぼしているというのも、個人的には「へー。」という話でした。
4. Posted by 高峰康修 2008年09月14日 00:19
>自民党の地方組織が例えばテロ特措法の重要性を説明したビラを配ったりしているのを見たことがない。日本共産党は地方議員といえど9条を守ろうといつたビラを配ったりそういう講演会を開いたりしている。
実に鋭い指摘だと思います。盲点を突かれたといいますか…。
このたびの総裁選が、安全保障の重要性を真正面から訴えられるきっかけになってほしいところです。そのためには、石破さんには敢えて「防衛問題一点集中」でお願いしたいです。
実に鋭い指摘だと思います。盲点を突かれたといいますか…。
このたびの総裁選が、安全保障の重要性を真正面から訴えられるきっかけになってほしいところです。そのためには、石破さんには敢えて「防衛問題一点集中」でお願いしたいです。
5. Posted by アラメイン伯 2008年09月15日 22:21
giants-55様
僕も憲法のできた経緯とかを問題にして全ての憲法の理念を否定する気はないです。しかし9条はあまりに現実とかけ離れてるし国益を損なうこと著しい。
石破さんはあえて問題提起する姿勢が好きです。
僕も憲法のできた経緯とかを問題にして全ての憲法の理念を否定する気はないです。しかし9条はあまりに現実とかけ離れてるし国益を損なうこと著しい。
石破さんはあえて問題提起する姿勢が好きです。
6. Posted by アラメイン伯 2008年09月15日 22:24
高橋康修 様
この前、読んだ高坂教授の本に英国の保守党は世論に外交を説明しているとありました。
今までの自民党に欠けている部分だと思います。
この前、読んだ高坂教授の本に英国の保守党は世論に外交を説明しているとありました。
今までの自民党に欠けている部分だと思います。