c4f8e9a7.jpg(2005米/アンドリュー・ニコル/試写会/★4)
 ソビエト連邦崩壊前のウクライナに生まれ、アメリカに渡ったユーリー・オルロフ(ニコラス・ケイジ)は、弟のヴィタリー(ジャレッド・レトー)と2人で武器売買の事業を始める。天性の才能を発揮し、世界有数の武器商人へと成長していくユーリー。反対に弟ヴィタリーは心のバランスを崩しクスリへ依存していく。
ソ連崩壊後の混乱の中、グレーゾーンの取引で巨大な富を築きあげ、巧みに法の網をくぐりぬけていくユーリーに、インターポールのバレンタイン刑事(イーサン・ホーク)の影が迫る・・・。

自らを必要悪と言い切り、敵にも味方にも、必要とする相手に分け隔てなく武器を売りさばき、アフリカで裸足で生活する人々にサンプル品だと、銃をばら撒く。
そんな節操のないユーリーの商売魂に苦笑いし、ふっと笑えるシーンも、決して悪ノリしすぎることはなく、逆にユーリーを憎めない男に見せる演出となっている。
また、インターポール(善)と悪の追いかけっこに重心が置かれず、武器を必要とする場、すなわち戦争が勃発する各地でのユーリーの暗躍っぷりが、かなりドライに描かれているのが、よかった。
ただ、ユーリーの裏の顔に感づきながらも、敢えて聞かずにいた妻エヴァのトラウマについては、情の部分を無理やり詰め込んだ感じがして惜しい。武器商人の人間性を垣間見させる目的だったのだろうが、もっと、非道一直線で突き進んでいったほうが好きだな。

や、思っていたよりもよかったよ。
観ようかどうしようか悩んでいるヒトには、私が背中が押すよ。
正月向け娯楽映画とは違うから、興味がないヒトにまでは薦めないけれど。

1人1丁の銃を!なんて言っている男に、どうかぶさるのか全く想像のつかなかった、アントニオ・ピントの音楽も映画の邪魔にならず、期待以上。ブラジル映画(特にサレス監督の情緒的な映像)以外で観たの初めてだけれど、ブラジルの大地がアフリカに変わっても、東欧諸国になっても、全然違和感ないのね。
…いや、ひとりの人間の無力さを感じる映画には、ガツっとハマるんだってことだろうね。