80e0f69a.jpg製作年:2006年
製作国:ドイツ
監督:フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク
出演:ウルリッヒ・ミューエ セバスチャン・コッホ マルティナ・ゲデック ウルリッヒ・トゥクール
渋谷シネマライズ 激混…



Story
1984年、壁崩壊前の東ベルリン。国家保安省(シュタージ)の局員ヴィースラー大尉は国家に忠誠を誓う真面目で優秀な男。ある日彼は、反体制的疑いのある劇作家ドライマンとその同棲相手の舞台女優クリスタを監視し、反体制の証拠を掴むよう命じられる。さっそくドライマンのアパートには盗聴器が仕掛けられ、ヴィースラーは徹底した監視を開始する。しかし、音楽や文学を語り合い、深く愛し合う彼らの世界にヴィースラーは知らず知らずのうちに共鳴していくのだった。そして、ドライマンがピアノで弾いた“善き人のためのソナタ”という曲を耳にした時、ヴィースラーの心は激しく揺さぶられてしまうのだったが…。(allcinema)
地球上で人間だけが創造可能な芸術をも権力が管理しなければいけない国家。
私の記憶にも新しい東西ドイツの統一という歴史的な出来事の裏にあった東ドイツの管理国家体制のあらましを知り、これほどまでに…と驚いた。

この映画の予告を観た時には思わなかったのだが、主人公ヴィースラーが人間的な感情を取り戻していく過程で、思わず『リべリオン』を思い出してしまった。
ガン=カタのような特殊技能を持ち合わせていないただの男ヴィースラーの辿る末路は、英雄などという言葉とは何光年も離れた場所にある。
でも、彼の想いは確かに伝わった。
ひとりの人間の想いって、捨てたもんじゃない。

国家の独善的な発想をもってしても押さえられないのが、人間の良心であり思想である。
タイトルには善き人のためとあるが、結局この映画の登場人物たちの行為って自分の尊厳のためだった気がする。誰に誇示するわけでもなく、自分自身の大切なものを守る壁を崩さないこと。それが人間として誇り高く生きるということなんだと思う。

多分今の私の幸せも歴史に名を残さない誰かの犠牲の上にある。
日常で忘れがちなそんなことにも思いを馳せた。

ちっともうまく書けないけれど、疑問だらけのアカデミーで、この映画が外国語映画賞を受賞したことは、本当に嬉しい。