先週映画「モーターサイクル・ダイアリーズ」を空振ったおかげで、期待がぐんぐん膨らみまくり、ゲバラ一色の1週間。
ちょっと調べてみるかという気持ちだったのに、想像していた以上に深みにはまってしまいました。
どうしようか、この気持ち。
素通りするには男前過ぎたんだよな。チェ・ゲバラ(笑)

もちろん映画の公開に先駆けて原作「モーターサイクル・ダイアリーズ」は以前に読んでいたのだけれど、それに加えて「ゲバラ日記」「チェ・ゲバラ―フォト・バイオグラフィ」を読了。
後者は私のようなゲバラ初心者に非常に分かりやすく、彼の足取りを追える本。写真もてんこ盛りで、男前な写真にクラクラさ。

写真はもちろんだけれど、一緒に挿入されているゲバラの言葉の一つ一つがカッコよすぎて、もう最後には涙がじわわでした。あまりにぐっときて、カストロへの別れの手紙や、娘たちへの最後の手紙は、ネットで原文を検索し、せっせと西和辞書を引き、またじわわーんと感動。
041015(写真は、若かりし日の旅を思い出してバイクに跨るゲバラ)
さすがに民主主義資本主義社会で何一つ不自由なく生ぬるく育ってきた身ゆえ、この本をバイブルに!とかそういう気持ちにはなれっこないのですが、多感な時期にこういう本に出会えてたらなぁとは思います。

「ゲバラ日記」は、ポデローサ2号に跨って旅をした「モーターサイクル・ダイアリーズ」から15年程経過し、ボリビアの山の中でCIAに捕らわれる2日前までの記録。

仲間の死、裏切り、農民のゲリラ参加の意思を得られないことへの嘆き、
薬がなくて喘息で眠れずに夜を明かしたこと(それもかなり頻繁)
連絡が途絶えた仲間への心配、
ゲリラの指揮官として隊員一人一人の性格行動分析等々、
山中で生きる死ぬの状態だったのに、よくこんな読み物として耐えうる文章が残せたものだとその超人ぶりに仰天。
月末にはひと月の総括を箇条書きにしているくらいだから、
後に誰かが読むことを想定して書いていたのかもしれないけれど。

冷静な目を失わず、過度に自分の感情を盛り込まずに書き記し続けたこの記録から、
信じるものの為にあくまでも前進し続けるゲバラの姿が生々しく浮かび上がってきます。

アルゼンチン人でもキューバ人でもなく1人のラテンアメリカ人として。
目の前の患者を助ける医者ではなく、軍医としてでもなく、
世界中に存在する不平等を自分の手で変えていかなければと、
キューバ政府の要職をなげうって、最期までゲリラ隊の先頭で指揮を執り、散った男。
チェ・ゲバラ。

知れば知るほど、輝きが増すように感じます。
これぞカリスマ性ってやつか。

自分用ゲバラ関連リンク

娘たちへの最後の手紙スペイン語
カストロへの別れの手紙 スペイン語
El CHE VIVE.com英語
Che-lives.com英語
ゲバラ関係文書いろいろ(ボリビア日記のスペイン語版あり)

酒は飲まない。タバコは吸う。
女を好きにならないくらいなら、男をやめる。

だからといって、あるいはどんな理由であっても、
革命家としての任務を最後までまっとうできないならば、
僕は革命家であることをやめる。(「チェ・ゲバラ―フォト・バイオグラフィ」より引用)


Hasta la victoria siempre, ¡Patria o Muerte!
Te abraza con todo fervor revolucionario,


(訳)勝利するその時まで。祖国か死か。
革命の情熱を込めて君を抱きしめよう。(カストロへの別れの手紙)