日光市道 楯岩線

2011年5月4日探索
徒歩
人員2名
※
この道は途中から一般観光客の多い遊歩道(歩行者専用道路)となります。
また、廃道部分のほぼ全区間は落石危険箇所となっておりますので、探索の際は頭上の注意とヘルメットの着用を推奨します。
このレポートでは、相互リンクでお世話になっております『山さ行がねが』のヨッキれん様の写真を一部においてお借りしております(ご本人に使用許可はいただきました)。
長期連休といえば道路探索。
おなじみのパートナーが忙しくてあまり時間がとれなかったので、今回は珍しく遠征はせず、近場で済ませることに。
・天城越えと伊豆半島
・国道299号
・鬼怒川と奥鬼怒
この3案の中から選んだのは、鬼怒川と奥鬼怒ツアー。
中でもメインは、『山さ行がねが』で読んだ鬼怒川温泉の廃観光道路である。
ヤル気満々、装備もシッカリで臨んだ廃道は、充分な事前調査を怠ったために意外な結末に・・・・・・。
※写真はクリックで拡大します。
廃道スタートのゲート。
酷道、廃道好きならこれを見ただけでワクワクが止まらないであろう。
このゲートを通過してスグのところに、獣を捕獲するワナが仕掛けられていた。

ゲートを通過し、いざ探索スタート。
落ち葉が積もっているが、まだアスファルトも見える。
警笛鳴らせもイイ雰囲気である。
写真はブレて失敗だがw

勾配のついた道を進んでいくと、だんだんと落石も目立つようになってくる。

倒木による天然のゲートとゴッツな落石。
落ち葉もさらに深く積もり、足元がフカフカとしてくる。

さらに進むと、山側は岩が剥き出しの状態で、路面にはかなり大きめな落石も目立つようになってくる。
また、路面の堆積物もかなりの盛りっぷりを見せ始める。
しっかりとした靴を履いていないと危険である。
実際に落石に遭遇するなどもあり、頭上の警戒も忙しくなってくる。


ゆっくりゆっくり進んでいくと、楯岩が眼前に現れる。
この頃から、何か違和感を感じるようになってきた。
なぜなら、盛んに鐘の音(競輪のラスト1周みたいなカンジ)が聴こえたからだ。
対岸ではなく、楯岩の方から聴こえてくるのだ。

楯岩を左に見つつ、頭上と足元を警戒しながら進むと、飛び込んできたのは最狂ともいえる崩落。
物凄い威圧感の巨岩が道の真ん中に鎮座している。
足元も、堆積物や落石によって不安定極まりない。

近づいていくと、崩落の凄まじさがよくわかる。
写真右側は、落石というよりも岩肌がそのまま剥がれ落ちたようなカンジである。
それほど旧い様子ではなかったので、もしかすると先の地震で落ちたのカモ・・・などという想像もしてしまう。


この道のハイライトの一つの掘り割り区間。
楯岩側はしっかりと加工されているが、山側はヒャッハーなカンジ。
対比のためにヨッキれん様からお借りした写真(下のほうの写真)を載せるが、約3年半でここまで崩れました。

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掘り割り区間も凄まじいインパクトだったが・・・・・・この先に、最も驚愕した区間が待っていた!!
掘り割りを越えればお待ちかねの廃隧道がこんにちは!のハズだったのだが・・・・・・何か人が一杯いる!?最初は同業者wかと思ったが、小さなお子様などもチョロチョロしていたし、何より目の前の隧道の様子がヨッキれん様のレポと違う!
てゆーか、フェンスが設置されている!
かつての廃道は、フェンスの向こう側からは遊歩道として生まれ変わった。
ベンチや神社が設置され、展望台には縁結びの鐘とかいうリア充の香りがプンプン漂うラブラブ施設まで設置されていた。
上が現在、下が約3年半前。
ちなみに、フェンスには扉があり、乗り越えなくてもフェンスの向こうへ行けます。
あさっての方向から現れた、とても遊歩道を散策する格好ではない重装備の我々に、一般の方々の視線が突き刺さるwww

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隧道もこのとおりキレイになっちゃって・・・orz
一度は御役御免となったワイルドな隧道は、もはや過去のもの。
上が現在。下が約3年半前。

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隧道内部もコンクリ吹きつけによってキレイになっていた。
照明も設置されてまさに遊歩道のトンネル。
廃道の隧道(下の写真)は、生まれ変わりました。

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カップルも安心して散策できるトンネル。
しかし、キレイになってしまったトンネルの姿に、私のテンションは物凄い勢いで下がったのでしたw
私が見たかったのは、ワイルドなお姿(下の写真)。

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ちょっと戻ってトンネル前の広場。
ヨッキれん様が密かにオフを目論んだコンクリのテーブル(下の写真)の辺りに、楯岩鬼怒姫神社なるご利益満載、特に縁結びと子宝に定評がある神社がつくられていた(上の写真)。

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トンネルを抜けると、そこは遊歩道だった。
かつての廃道(下の写真)も今や幻。
しかし、さすがヨッキれん様。
山行がのレポでは『全体的には大きな崩壊もなく、隧道までの道は簡単な作業で車道として復帰できそうだった。』と書かれているが、車道ではないにしろ実際に整備され復帰したのである。
さすがの眼力である。
てゆーか、ヨッキれん様のレポ読んで整備決定したんじゃね?w

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遊歩道を少し下ると、吊り橋が現れる。
なるほど・・・『吊り橋かけて、ついでに対岸のあの道整備して観光遊歩道にしねぇ?』というワケだろう。・・・たぶん。

吊り橋のところから階段で遊歩道まで上がってくることができる。
上がったところにある案内。
この地点からだと、←下り坂 上り坂→である。


階段のあたりから、トンネル(楯岩展望台)方面の道を撮影。
下は廃道だった頃のもの。

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吊り橋地点から下っていくと、滝がある。
途中で『車両がくることがあるカモしれない道』になる。
吊り橋方面に振り返って撮影。
下は廃道の頃。
ちなみに、ここを以って今回の市道は完走と定義したいと思います。

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上の写真の先は二手に分かれており、下る方は滝へ。


二手に分かれている箇所、直進はそのまま鬼怒川道路の料金所方面に抜けるが、進む人は皆無。
なお、直進でも橋の上から滝は見える。
写真の左側に写っているのが、二手に分かれた箇所を滝方面に進んだルート。
写真は進行方向ではなく、来た道を振り返って撮影しています。

滝を見た後は、来た道を戻って吊り橋のところの階段を下り、吊り橋を渡って対岸へ行った。
かなり揺れる吊り橋であった。
写真は来た方向を振り返って撮影。

吊り橋上から楯岩を撮影。
赤丸のあたりが展望台で、人が見える。

渡りきった先は、広場のような場所と駐車場になっている。
写真左のほうには売店もあり、ソフトクリームや田楽なども販売している。

案内図。


売店のおばちゃんにきいたところ、一昨年の7月くらいにこの吊り橋と遊歩道は完成したらしい。
日光市が廃道を活用して新たな観光スポットを生み出したのだ。
ゼロからの建設ではないとはいえそれなりに金はかかったはずだが、吊り橋も展望台も滝も、全部無料である。
掘り割りまではwktkしまくってた私だが、物凄い肩透かしを食らってしまった形になってしまった。
まぁ、薄っぺらな内容ですが廃道だったころと整備された現在の比較レポを書けたということで、良しとしましょう。
また、遊歩道を歩いていた人の中に、あの道が元々車道で、一度死んで、そして遊歩道として復活したという事実を知っている人は、どれくらいいたのだろうか。
それを認識しながら歩くことができたという点でも、いい経験であった。
P.S.
写真の使用許可をくださったヨッキれん様、ありがとうございました!
せっかくご協力いただいたのに薄っぺらな内容のレポでお恥ずかしいですが、この場でお礼申し上げます。