国松長官のその後のインタビューが、昨日の新聞に出ていた。 タイトルは「生きがいのある幸せ」になっている。
もうあれから十年もたってしまったんだ。 そりゃそうだな、地震と同じ年だったんだから。

出勤にでたとこで撃たれたのが8時25分、救急に搬送到着したのが8時58分。「早く着いてくれたから打つ手があった。」と医者に言われたそうだ。

弾を撃ち込まれて倒れ込んでも、次から次へと撃ってくる、だから歩腹で逃げた、とご自身がおっしゃってる。
そりゃ、どうみてもオウムの下っ端の警官なんかのしわざじゃないよ、プロだよ。 松本、ヤクザとつるんだか、あの人らの仕業を都合良く利用したな、村井が刺された時もそうだったし。
で、弾は合計四発でもそのうちの3発がお腹と右脚つけ根に当たったそうだ。
 
ご本人の話しで面白いのが、その日は学生時代のお友達と約束してたそうで「キャンセルしなくてはイカンかなー」と考えていた、というところ。
人間そんな時でもんなことか頭に浮かんでくるんだな、と面白かった。
手術中には心臓も何度かストップしたり、輸血は10リットル、それでもあれだけ回復するのだから、ほんとになんて生命力の強い人なんだろう、と感心する。

その後、公務に復帰、3年近くも勤めあげて勇退。 2年後の1999年にスイス大使に。 その赴任地がなんと、救急ヘリに関しては第一の国だったというのだから面白い。
スイスに赴く直前に、日本でドクターヘリの普及を目指すNPOを設立することが決まったそうで、国松長官の手術にあたった医者たちが彼にヘルプを求めてきて、そのNPOの理事長へも就任して欲しいと言ってきたらしいが、大使と兼務はできないとのことで、帰って来てから、ということになさったとのこと。
そして2003年にスイス大使の大役を終えて帰国、4月に緊急ヘリ病院ネットワークの理事長の役に就いたのだそう。

ドクターヘリは、一機に対して1年間で二億円かかるそう。 現在(2006年5月)、10機あるとのこと。 このNPOが目標にしてるのは、50機。 年間百億円必要とのこと。
これは、ご本人によると、国民一人当たり年間80円だそう。 この費用の出所だけれども、税金からだけじゃムリなら、医療保険を使えるようにすることだとか、「ドクターヘリの有効性を数値化し、国民の目に見える形で広報して行きたい。」とおっしゃるなど、色々奮闘中なのだそう。

記事には大きな写真も載っているが、死にかけてお花畑の中に立っている自分を見た、というとこまで行ってきた人のようにはとても見えない、ふっくらなさって元気そう。 充実して幸せそうにお見受けする。