2018年09月13日

お久しぶりです、まくがふぃんです。

この度、新譜が作れる状態に無いので蔵出しの旧譜をセレクトしたEP、
をリリースすることになりました!古いスタイルのハウスやエレクトロ、純粋なJPOPバラードに男性ボーカルにR&Bなどバラエティに富んだラインナップでお届け致します!
ということで、今回は当時の事を思い出しながら少しコメントをしていこうかなと思います、宜しくお願いしまーす。


1. Find my way (direct drive)

凄く気に入ってる曲なんですが、発表タイミングを失ってしまって今に至ってしまった浮かばれなかった曲の一つです。
制作時は2008~9年頃かなあと思います。当時のクラブではハウスが来始めており、クラブではDaishi DanceさんのP.I.A.N.O.が大ブレイク中でした。当時の新しいハウスは何が良くて何が駄目なのかよく分からなかったため、とりあえずは流行りを無視して自分が好きな様に作りました。
この曲で一番覚えてるのは、最初に聞かせた後輩に「高須クリニックのCMで使われてそうっすねw」と言われた事です(´・д・)ぉ、ぉぅ…
ジャズストリングスと言いますか、本来管譜で書かれたものを弦に置き換えるようなアグレッシブなストリングスが好きなのですが、管欲しいなと思って結局両方使うことにした気がします。確かストリングスはローランド純正の安っいS770用サンプリング音源、管はKick Ass BrassをEXSで、カッティングギターもSample TankかJV辺りで総じてチープ音源で統一してたと思います。キースイッチ、複数レイヤーなどあるわけもないので、ブラッシング一つ作るのに超低音を軽く鳴らしてフィルタリングしたりと工夫が必要です…面倒!
当時流行ってたエモ的なものや乙女ハウスへのアンチテーゼに満ちていて(笑 改めて自分らしいなーと思いました。キックも基本的に好きなタイプはこういうもので、ズドンと来てミッドも詰まりつつローエンドもあって、ドゥーン…とリリースも長く、全体を包んで雰囲気まで作ってしまうパンチの効いたタイプです。キックばかりは流行があるのでこだわりを通すのが最も難しい音色の一つだと思いますが、ハウスはこうしたタイプともっとパスパスした乾いた音が本来的に向いてると思います。
今でも大切に使ってますが、改造したカスタムのSSL4000GのEQをマスターで使って喜んでた覚えがあり、一番好きだったハーフアナログの時代の音ですねえ。昨今のDAWが進化したとはいえ、サミングの計算がまだまだ甘いのか「この感じ」が出せないので、折角卓もあることですし次のセッティング見直しにはアナログミックスが出来る環境に戻したいと考えています。


2. Prime Time

これはFind my wayの次くらいに作ったと思います。プログレッシヴが出始めて居た頃で「それはハウスっていうかトランスじゃないの…(´・д・)?」という疑念があったり、前回↑音楽的でメロディ重視なボーカルハウスに挑戦しましたので、アンダーグラウンドで流行り始めていたフィジェットやチープエレクトロの要素を混ぜつつ自分ならこうするかなというものを作った気がします。この頃のハウスはリズムが兎に角シンプルな傾向にあり物足りなさを感じていたので、反骨心で兎に角ドラムに拘っていた覚えがあり、普段使わない音源を使ったり、手間のかかる加工をしたり、FMで超音波トライアングルを作ったり…して遊んでいたと思います。
リードのサックスは90年代の安っいサンプリングされたものを強引に乗せるスタイルが好きなんですが、丁度この頃Tim DeluxeAlex Gaudinoが(回帰で)流行っていましたので、ブラジリアンハウスのエッセンスも入れるなら自分ならこういうスタイルがいいなあとやってみました。チープな感じにしようとSample Tankを使ったと思います。普通はバリトンやテナーを使うところですが、良いバリトンも無かったのでまあいっか…と。ベースにはSID(+↑のαJuno)を使っていて、思い通りにならなくて苦労したのを覚えてます。
今やエレクトロでは当たり前になりましたフレーズのコール&レズポンスも含め、色んな所に耳を持っていって貰って曲全体が持つリズムを楽しんで頂ければと思います!


3. Falling

こちらは更に古く、2001年頃の作品です。自分の中では「feelin' luv」に通ずるジャンルで、ジャズテイストが入ったチルアウトハウスとでも言うんでしょうか、たまにはこうしたユルいトラックが作りたくなります。
機材に関しては幾つかのリバーブにSREV1という非常にレアなものを(評価版をお借りして)使っているのですが、480Lなどでは出せない特殊な空間が出来上がっていて凄く良かった覚えがあります。
冒頭のPADの音色で世界観が決まるなあ思い、確かK5000(128Osc/倍音加算方式)を使った覚えがあります。こういう事をやらせると良い子です。他の音に関しては、当時出たばかりのTrilogyを実験的に使った以外は当時のLogic純正プラグインで構成されてると思います。こちらもパーカッションに力が入ってるので細部まで楽しんで頂けたらなーと思います。
関係無いですが、ボーカル録りの際ダイアログから録音したのですが、「空…星… ってこれなにに使うんですか…」と言われたのを思い出しました(´・д・)
ゆっくりと旋回しながら異次元空間の黒い渦みたいなものに飲み込まれていく様な感じが伝わったら嬉しいです!


4. 青い、広い、この空の下で。

発表のタイミングを失ってお蔵入りになってしまっていたシリーズ。ボーカルさんに合わせて書いた曲で、作曲というよりプロデュースという方が合ってるかも知れません。
小細工無し、純粋に曲と演奏だけで楽しんで貰おうとしていた曲で、当時(2000年くらいでしょうか)ProTools24導入に当たってテストに使った曲です。他にも新しいアンプやマイクのテスト、16パラ出だしからの卓ミックス(当時はMackie24/8)していて、アナログミックスの良さも出てるなあと思います。
今のようにバーチャルドラムの類などありませんからあの手この手を使ってサンプラーでなんとかしようと頑張っている様子や、ピアノの必死さが涙ぐましいです(-公-、)三拍子ってだけでペダリングががが…
弦も今みたいにもっといい音源があればなあ…まあ時代ですねえ、仕方ないです。
ベース録りの際、プレイヤーさんに「この曲ならフレットレスの方が合うんじゃないかと思うんですがどうでしょう?念のため持ってきたんですがー」と提案され、急遽変更。この暖かいサウンドと演奏は見事にハマったと思います。
素晴らしいボーカルを歌ってくれ、曲を書いてる際の想定通りとなり、兎に角満足してます。リテイクも注文部分以外殆どなく、ピッチもほぼ手を付けてません。お気付きかと思いますが、孤独感と演奏感を重視するためにハモりさえありません。多重コーラス大好きなまくがふぃんとしては非常に希なパターンだと思います。


5. Its love at last (smooth step mix)

時は更に遡ります。お陰様でアルマをもう8年やってるわけですが、ニコなどで発表させて貰ってる曲では初の男性Voとなります!「僕の好きな男Voはこういう感じの声です!」感が録りやディレクションにも出てると思います、ど真ん中です。彼は普段アコースティック、ポップフォークなどを歌っていたのですが、個人的にはこういう曲の方が向いていると感じマス。
曲を書いたのは98~99年頃、録ったのは「青い~」と同時期かと思います。当時と言えば宇多田さんや海外ではTLC、男性で言えばSkoop On Somebodyさんやゴスペラーズさん。Chemistryさんはまだ居らっしゃらなかった気がします。
自分が考えるJPOPとブラックミュージックのバランスを試行錯誤してた時期ですね。極力ハモリをせずにちょっとクラシックなブラコン掛け合いコーラスを使ったり、2Stepが来始めていたのでブレイクス的な形で倍テン、行ったり来たりをして展開にオドカシを入れたりと工夫をしていて、失恋ソングが暗くなりすぎない様一役買ってると思います。
このリズムを作るためにMPCから録音往復して、ゴーストノート・フラムの分解能が足りないのでLogicで足して…など、面倒なことをしていたのを思い出しました。MPC君のあのグルーブ感はなんなんでしょうねえ…TBやTRシリーズといい誤作動や計算外の方が功を奏す偶然の産物連発時代の機材はとても不思議です。
機材と言えば、ベースは今は亡き(売りました)SE-1君ですね、いい音してます。エンベロープの反応はMiniMoogyろい遅め(1Xで改善)ですが、よりローが出るし、ローミッドの倍音の詰まり方なんかは昨今の優秀なバーチャルシンセに無い質感で、メモリーなどの使い勝手も含めトータルとしてMiniMoogより好きです。
他にもノイズを混入させることで得られる効果を試してた時期だと思います。ヴァイナルからサンプリングした特有のものからS/Nの悪さまで色々な混入方法がありますが、意図的にある程度入れる事で逆にスッキリ安心したサウンドに出来ないか、混入後のコンプやEQのかかり具合の影響、さじ加減を含めて色々実験していました。今でも少し混ざってる方が良いと今でも思います。
ところどころセンターに出てくるのは友人のリアル黒人さんなのですが、コーラス色んな意味で全俺が泣いてる感じでして…(-公-、)ただでさえブラックのコーラスは難しいのに多重でのピッチだの英語の発音だの気を遣うところが多すぎて…発狂してしまうため最初で最後のレアなやつです、正直もう二度と御免ですね。まあ来世に関してはベビーフェイスの喉を装備して生まれてくる予定なので大丈夫ですが。


6. Find My Way (electrock edit)

最後です、一曲目のセルフリミックス、リアレンジです。そもそもセルフリミックス自体をすることが稀なのですが、オリジナルの方で好き放題やる際、他に考えていたアイディアを幾つか束ねてみました。基本をエレクトロに寄せていますが、この後に訪れるエレクトロの波は未だ到来してませんでしたので(Justice登場時期)、裏を返せば決まりがあまり無く自由で面白かった時期で。そのなかで選んだスタイルは、ディスコテックとエレクトロのクロスオーバーにロックのテイストを入れてみるというものでした。Bsは自分で作った(Synth Edit)簡単制御重視のシンプルなシンセに、自分で作った位相操作出来るプラグインを挟んだだけのものに、部分的にαJunoのパルスとTB303を上に乗せてこの感じになっています。ベースフレーズがひっくり返る部分(+フィルタリング)は、一旦バウンスし、当時スペインの友人が設計中だったシャッフルプラグインに(その後CubaseのLoop Mashに化けマス)幾つかの決めごとを登録して走らせ、いけそうなテイクを幾つか録音しランダム性を採用しています。更にひっくり返る部分はその採用テイクを一旦pHatmatikにかけ、カットアップ的にフレーズを追加しています。pHatmatikちゃんはその後Intakt(これすらもKontaktの機能として取り込まれなくなってしまいますが…)が登場しても尚本当に変態で大好きでした。
スネアはロック的にロングトーンを意識しています。聞き返して気付いたんですが、原曲を含めキメスネアの(その後Prydaスネアと呼ばれる)ズバーン!ってやつがBAと同じ音なので、恐らく作るのが面倒で使い回したんでしょうね…と自己分析( ´・д・)
ともあれ、この曲とPrime TimeをBBCでかけて貰った思い出の曲です。
今となってはサウンド的に古いですが、なんか変な事をやってやろうとしていた気概だけでも伝われば嬉しいです(・̀ω・́)!


いかがでしたでしょうかー。マスターに関しても、おおまかな音揃えのために多少のレベル合わせとEQを施しましたが、出来るだけ当時のままの音で出したかった事もあり、可能な限り触らない状態でお届けしています。マニアな方は「この当時はM/S無いのにこの処理どうやってんだろ」「この音源なんだろ、時期的に~は未だ発売されてない筈だし」など特異な楽しみ方もして頂けると嬉しいです。


古いものですと20年近く前のものも混ざっています。そもそもそうした古い音源を初披露としてお聞かせする機会ってなかなか無いな、という発想がことの始まりでした。10年20年前の曲を聞き返すとノスタルジーに浸ったり、思い出などと一緒に想像して加点したり、また音の古さが笑えたりと、加点や減点しながら聴くものだと思いますが、そうしたフィルターが無いことでどういったフィードバックが得られるのかなという事にも興味がありました。
どれも未だ気に入ってる子達ですので皆さんにも気に入って頂ければそろそろ成仏させてあげられると思います(・̀ω・́)じょうぶつGO


このところずっと忙しく、生活もめまぐるしく変わっていき、新曲にかかる時間がないので次作はいつになるかは分かりませんが、作曲のストック自体はそこそこありますのでそのうちそのうち…お待ち頂ければと思います!




(23:50)

2016年03月25日

どうも、無宗教家のまくがふぃんです(・̀ω・́)

今回は梅とらさんの「D」という曲をリミックスすることになりました。チャート系EDMな曲で、テーマがDivine Devilということでさしずめ「神々しい悪魔」といったところでしょうか?

事の始まりはツイッターでフォローされたことで十条ななさんという方と知り合いまして 、この方が英訳したバージョンを歌っておられ、初めはアメリカ英語の発音の流暢さに耳が行ったのですが、聴いているうちにこの曲は英語の方が合ってるな、ならこんなパターンがあるな、こうしても面白いなと想像が膨らみ始めてフルコーラス聴き終わるうちに3種類くらいのアレンジを思いついてしまったので「この曲リミックスしたら面白いかもしれない」と思いました。
これまで何曲かリミックスさせて頂いてますが、始まりは大抵このパターンでして、曲を聴いてそう思ったこともあればどなたかが歌っておられるバージョンから着想することもありますが概ねこの「ピンと来た」「自分ならこうするなあ」パターンが始まりで、裏を返せばこれがないとやらない、というか出来ない気がします(?)
というのも、どういうものでもよければ幾らでもリアレンジするのですが、『自分がやることで極端に自分色を付けられそう』というような直感が働かないとその曲には元々魅力があるわけでして、その平行列にあたる単なる別パターンを作っても誰も得しない気がするからでしょうか。 和声付けから手を入れて、メロディーが持つ別の顔を提示して「この曲はこういう顔も持ってる筈ですからもっと聴いてあげて欲しい」という感覚があります。DJ的でアレンジャー的で、何よりプロデューサー的な視点というのでしょうか。
埋もれてしまっている曲にスポットを当てて微力ながら支援したいという側面もあります。これまでリミックスさせて頂いた曲は数万再生くらい(当時)のものが殆どなのはそういった理由からです。勿論BAや千本桜の様なパターンもあるにはありますが、こういった大ネタは何年か遅れて旬が確実に過ぎてから作るようにしています。
 
曲の話に戻ります(・̀ω・́)!
幾つか思いついたパターンの絞り込みからしたいわけですが、なにはともあれ先ずは枠組み、コンセプトから入っていきます。
悪魔(悪女)の話で色気もありますので、また違うカッコ可愛いを提示出来そうだということ。ななさんの声が本格的過ぎずふわふわ可愛過ぎるわけでもない中立的な感じで、尚且つアングロサクソン的な感じも無いのでこれを活かしたいところです。
原曲の曲調は所謂チャート系のEDMなサウンド(ガガ様とか~)の方向ですので、クラブ寄りEDMにすれば慣例に従った正攻法だなと思いました。テーマが悪魔的な方向でEDM、「要するに魔界のパーリィをイメージすればいいわけだな!(小並感」という安易な発想で。少し邪悪で、(魔界の)若者向け儀式的で、でもパーリィするわけですからアッパーさが必要。回してるのが「DJサタン」とかそういうイメージで。となるとある程度方向が限定出来ます。

次はサウンドです。今これといって流行ってるEDMジャンルもなく(それもあって当分EDMしないつもりでしたが、リミックスなので一時復帰!)それを踏襲するか、全く無視してしまうかの大きな分岐を考えます。エピック方向ですとホラー映画の方向に向かいすぎてしまい、ここで必要な「神々しさ」はトランスのそれとは違う(真逆)。エレクトロはダブステの攻勢に負け、プログレッシヴはそれなりの成果を出しましたが爽やかで厳か、若しくはハッピーアゲな方向になりがち。ダークで格好いいというとメインルームなんかが安易に合いそうですが、これこそ旬が終わって辛い上に踊るための音楽で音楽性も乏しく、リアレンジ成分が減って改悪リミックス(音楽的に)、ダブみたいになってしまいます。
大体のアイディアは出揃ったので整理しますと、魔界のクラブミュージックなので安直に四つ打ち。中でも綺麗さなんかを排除するとエレクトロ、でもそのままだとゴリゴリ過ぎるので(魔)神の感じが無い、そこでプログレッシヴを足しておきたいですが、失敗するとGODの方の神々しい感じになっちゃうので折り合いの付け方を考える部分に楽しみがありそうです。これまでの曲ですとGyroscopyが一番近いイメージでしょうか、でもそれよりももう少しプログレッシヴさせたい感じです。
ジャンルにすると差し詰め「プログレクトロ」とでも言うんでしょうか、これを目指します。綺麗過ぎずゴリゴリし過ぎずは失敗すると長所同士を殺しかねません。ビートはゆっくり4を意識させてあくまでハウスをアピール。ベースミュージックなベースにアッパーな掛け合いやアゲサウンドを入れておくことでパーリィ感を、サビで少しだけプログレの顔を出してあまり成りすぎないこと。


(17:25)

2016年02月26日

今回はポップロック曲、「インパーカラー」についてです。
初めてコンピレーションにも収録され、実はアルマは初のCD化でもあります!(・̀ω・́)+

それでは早速始めて行きたいと思います!

勘の良い方はもうお気付きかと思いますが、今回のテーマやモチーフは「いろは歌」です。
「インパーカラー」は「impermanent colors」を略した造語でして、「永続的ではない色」と言うような意味で、要するに諸行無常ですね。いろは歌に関しては共感する部分が多く、アルマのテーマとしてフィットしていて良いなと開始当時からアイディアを練っていました。

今回のウリの一つですが、初めて歌詞の一部(Dメロ・ラップ)をToreroさんに御願いしています。元々ここは別のDメロを予定していたのですが色々試してもなんだかしっくり来なくてどうしようかなーと策を検討していたところ、ボカロな集まりで彼に出会います。ボカラップというジャンルで活動されてる方なんですが、曲を拝聴してその才覚に触れ、第一印象として単純に面白いなあと感じました。と同時にこのDメロ部分を思い切ってラップにしたらどうかという考えに至り、ダメモトでお願いしてみたところ快諾して頂きまして。そこから曲のテーマやコンセプトを聞いて貰い、それに沿ってこの歌詞を書いてくれました。僕自身はすごく気に入っているのですが如何でしたでしょうか!


作曲前の構想ではもっとライトなものをイメージしてたのですが、サウンドやアレンジはワリとヘビーにしておいて、メロがちょっとバカっぽい軽さがあるとバランスが崩れて面白いかなと方向を徐々に変えていきました。ニコでは俗に言うロキノン世代に影響を受けたであろうサウンドを聴くことが多いように思いますので、ここはもう少しアメリカンさがあって、一時流行ったスエディッシュポップロックやジャーマンポップパンクなサウンドの方向で攻めて、分かりやすさと同時に差別化が図れるなと考えました。

アレンジがある程度進んだところでパン太郎君にギターを弾いて貰うためのマイナスワントラックを作るわけですが、雰囲気を出すためにこんな感じでーと素材を漁っていたところなかなか合うサンプル素材を見つけまして、進行もほぼ同じで「そうそう、こういう感じ」とハメてみて意外にしっくりと来ました。自分の分のパートも相当イメージ出来る段階まで作り込んだところでギターが一切入っていないバージョンと合わせてパン太郎君に渡したところ、「こういう若い感じ苦手だわーw」などと言いつつしっかりシブくあげてくる辺りは流石です。
それを元にまた僕のパートに修正を加え、折角なのでそのサンプルも幾つか流用出来るところは流用し、ギターパートが出来ています。今回も生と打ち込みのハイブリッドですがどこが打ち込みかはもう分からないと思います。ソロなんかも彼と弾き分けているのですがお暇な方は聴き分けてみて下さい!

ギターの音作りが一番困りました。Follow Uの際に少し振れましたが、WIN縛りのせいでなかなか思った様にいきません。しかもこういったサウンドは3ダブ4ダブ当たり前ですし、スタックしていくということはシンセで言うところのレイヤー状態ですから合わさった音を想定して作っていかなければいけません。
ハードすぎるとメタルになりかねませんし、ライト過ぎてもダメ。ギターもハムバッカーからPRSまでリアル・打ち込み含め全部で5本くらい使っています。アンプも多岐に渡りますので書き切れませんがかなりの数を使っています。リキャビ手法もあれこれ駆使してなんとかこの質感にしています・・・。ここについては全体的なミックスのサウンドに関係してくるので後述しますね。

ベースは今回も弾こうかと思ったのですが、いつも借りている後輩のベースはそのときたまたま使っていて空いてなかったというだけの理由でたまには打ち込みにしようかなと(買えよという突っ込みも聞えて来ますが聞こえなかったことにします)。ジャズベでユルめにゴリゴリ、音もフレーズもそんなに迷いませんでした。

ドラムですが、聞えないであろう部分でかなりの手間がかかっています。先述サンプル資材のドラム(プレイ)が良い意味でユルくてそこは悪くなかったのですが、音がペラペラであまり良くない事やそのまま使える程世の中甘くはありませんので(´・д・)以前も書きましたサンプル組み合わせの手法でプレイをある程度模倣するところから始めました。Marbleなんかと比べ、音の繊細さは必要ありませんのでこの部分は結構手を抜いていますが、よく耳にしますADやSD2などとは違う感じに仕上がってしっかり差別化が図れてるかなと思います。
ドラムキットをサンプルから組んでいくことでバーチャルマイク(&ミキサー)系の機能が使えませんから、マイクの被り、オーバーヘッドなどの処理をねつ造するのがなかなかに面倒です。細かな事を言えばミキサーのゴースト、バスコンやヘッドアンプ突っ込みによる各種サチュレーションなど「聴き慣れた生サウンド」にするための付加要素が沢山必要になってきます。
パワー感のある曲ですと、一番問題になるのはマイク感を残して尚抜けてくる音にするという点で。f特の管理は勿論、トランジェントにも気を配らなければいけません。例えばスネアの太さなどは昨今は常識になってしまいましたサンプルトリガーのレイヤーで後から如何様にも方向性を変える事が出来ますが、その音がカットスルーするかどうかはまた別問題で、むしろレイヤーすることで倍音が増えてかえって引っ込んでいきますよね。「マイクで録りましたよ感」は回り込みのアンビエンスも大事ですが(このアンビエンスでも音が後ろに下がります)、ただでさえダイアフラムに突っ込んだ「あの感じ」がマイクの醍醐味であるのに、それに反しその歪んでしまった音というのはその分だけトランジェントを欠落させていきます。これはギターにも同じ事が言えるんですが、この手のサウンドでは深刻な問題です。キックとスネア、キッチリ聞えてますでしょうか?

トータルサウンドの話に移りますが、サウンド自体がヘビーですがあくまで全体としての印象としてはポップ感を持ちたいので、普通にダブしていくとどうしても太めの丸い音、そしてそれを過剰コンプしてペッチペチでペラペラになってしまいガチです。これだけは避けたいというのはミックスを始める前から思っていまして、もっと拡がりや奥行きのある音にしておきたい。音場を広くする事自体は簡単ですが、ロック特有の良さである「一つに固まったサウンド」から離れて行きます。逆に固まった音を作るのは簡単ですが、パンチがありすぎると可愛くもなりませんしポップス感が死んでいきます。なのでこの間を取る形で違和感が無いように。ロックにしては広く、ロックから離れすぎないように。
音場の広さに関してはリバーブや空間処理に神経を遣います。本来なら録り音(ギターやドラムなら録り部屋の広さを利用する)で調整したり、ドラムの配置や残響感でおおまかに決めることが出来ますが、それら主要な決め手の部分がことごとくバーチャルですから適当にやっていると統一感が無くなってきます。また、ミックスバランスだけに注力、最終段でトータルリバーブ、M/Sなどを駆使してサイド信号の分量だけでコントロールしようとすると奥行の制御が尚更難しくなります。音が下がったかどうかの判断は・・・

1)音量
2)音像とその強調帯域
3)同時に聞こえる残響量・種類

ですから、音量はコンプで揃ってしまいがち、2はある程度融通が利くとしても、3で大抵台無しになります(例えばリバーブは位相を狂わせている効果なわけですから、M/Sという同じ様に位相を狂わせる行為とかち合ってよろしくないわけです)。
リバーブの取り扱いはいつまで経っても奥が深く難しいデス(´・д・)

調声ですが、出来るだけシンプルに仕上げました。やり過ぎるとまたボカロっぽく無いと言われてしまいますので・・・皆さんが期待してるボカロらしさはある程度残すのが良いのだと思います。主に母音など気になる発音は丁寧に直した程度で終わりました。
ボカロの音は直接ジェネレートし発信されている音ですから言わばシンセですのでいつもの様にミックスの際に仮想マイク処理をしてあります。一気に音自体が自然になるので(こういった生系のサウンドだと尚更)外せない部分です。その素の状態、「違和感」も含めてボカロなのかもしれませんが、僕としては機械の読み上げ説明(?)的なニュアンスから少しだけ「語りかけてくる感」に寄っていく感じがして好きです。本能的に「声=空気中にあるもの」と思ってるからでしょうか?わかりませぬが。(´・д・)?
レンくんに関してはToreroさんに頂いたデータをそのまま使っています。タイミングなどは意図があるかもしれませんので何も手を付けない方がいいかなと判断しました。「一応」とハモりも頂きましたが、コーラスだけは全部自分で作りなおしてます。

調声と言えば、コンピに収録されましたバージョンはリン・レンコンピに合わせ限定バージョンとしてリンちゃんが歌っており、動画はGUMIで。差別化を図った方がCDのお得感があるかな?という思いもあります。気になる方は手に入れて聴いてみて下さいね。(実はミックスも少し違います)

ざっとこんな感じですが如何でしたでしょうか。
絵の方も沢山描いて貰って、苦労一生懸命加工と編集をしていますし、いつもの様に沢山仕掛けをご用意してより一層長く楽しんで貰えるよう頑張っています!末永く楽しんで貰えると嬉しいです!

それでは、また。
やっさいもっさい! ٩(•̀ω•́ )و


(21:49)