タイトル通りです。モノミュ演目『英雄の代償』を公開・配布します。先日(2019/4/28)のモノトーンミュージアムオンリーコンベンション『Little Museum Theater -4th act-』で上演した物です。

コンベでは演者レベル8のhard気味演目としましたが、配布にあたっては演者レベル3でクイックスタートでも遊べるようにチューンしました。それでも難易度は少し高めだと思います。物凄くお腹が痛くなるので、「PC2はシナリオ上明確に罪を着せられ、ケアされない」「一部のNPCは救えないことが確定している」ことをご了承の上で楽しんでくださいませ。

尚、サプリ『トレイメント』追加の選択ルール"逸脱能力使い切り制"は採用しないことを非常に強く推奨します。 

DL先のURLや、GM及びシナリオ読破/踏破済みの方向けのフリートーク等は、[続きを読む]から綴っております。

(2019/04/29 配布開始)
(2019/05/17 追記) 5/7にユーザーコンテンツに掲載していただきました!

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◆今回予告

南部紛争地帯――戦禍・謀略の中心地。
名を"激昂の国"と言えど、此度、国なんぞ意味はなく。
即ち舞台の真名は、死よりも深き闇の中。

英雄は世界に報われず、悪性はただ沈黙す。
漆黒の事実が揺らめく場所も、魂の歌も遠い果て。

だから、僕は。

《君の行く手に安息を。痛みも戦も無いものを。
ただ生きるだけに仇なす世界は、全て壊れて無いものを》

モノトーンミュージアム『英雄の代償』
――届かざる手は、誰が為に。

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◆ハンドアウト

各PCには以下の設定が付随する。なお、本演目のPCは、シナリオパートナーに加えて初期パートナーもハンドアウトで指定する。

PC1:激昂の国に利用される"英雄"。プラチナを人質に取られつつ戦い、その身を心配するアニマに揺れる。(PLのみに公開する秘匿情報有り)
PC2:激昂の国の兵士であり、ジキル・アルファージを師とした裁縫師。(PLのみに公開する秘匿情報有り)
PC3:カレイル・マリーゴールドを相棒とする傭兵。
PC4:塩の国の工作員。


◇PC1

初期:プラチナ(ex.庇護、親愛)
シナリオ:アニマ(ex.渇望、執着)
クイックスタート:戦場の申し子
 
君は"英雄"だ。かつて"激昻の国"に祖国を滅ぼされ、しかし剣一本で成り上がってきた。そんな君を戦力として繋ぎ止める為に、南部統一軍は多額の報酬を与える一方で、君の大事な家族(or友人)であるプラチナを人質にした。
PC2という監視付きで英雄として利用され続ける日々の中、君は戦場で死にかかっているアニマを拾った。アニマが君の"英雄"としての在り方を心配していたのを気に留めつつ、それから暫くして、事件は起こる。"激昻の国"の兵士が多数襲撃されたと言う。英雄に縋る人間を、君は無視できない。

HO傾向:ダブルハンドアウト(該当PLのみに提示する非公開情報)有り。
各方面から降ってくる重たい感情や、終盤で明かされる真実にお腹が痛くなる枠です。


◇PC2

初期:ジキル・アルファージ(ex.師事、不安)
シナリオ:PC1(ex.罪悪感、誠意)
クイックスタート:針の魔女2.0
 
君は"激昻の国"に雇われた兵士だ。そして同時に、かつてジキル・アルファージという人物を師と仰いだ、歴戦の裁縫師でもある。
今、将軍ボナパルトから受けている任務は、英雄PC1の監視、だ。今回は"激昻の国"でほつれが発生し、歪んだ御標が下り、兵士が多数殺されたという。裁縫師として歪みを繕い、PC1が英雄として振る舞うか見定める時だ。
――それだけならば、よかったのに。

HO傾向:ダブルハンドアウト(該当PLのみに提示する非公開情報)有り。
不可避の形かつ、シナリオ側で一切ケアされない罪が降りかかります。
最も真実に近い場所に最初からいますが、演目中ずっとお腹がきりきり痛む枠です。


◇PC3HO

初期:カレイル・マリーゴールド(ex.相棒、不安)
シナリオ:PC1(ex.疑念、嫉妬)
クイックスタート:小さな英雄2.0
 
君は、カレイル・マリーゴールドを相棒として南部紛争地帯を旅する傭兵だ。カレイルはともかく、君が紡ぎ手である為に、依頼は危険な物ばかりだが、君たちは全てこなしてきた。しかし、今回。"ハイド"という伽藍の討伐依頼を"塩の国"から受け、カレイルが情報収集に出て…瀕死の体でPC1に助けられたという。
君は野戦病院に向かったが、カレイルの様子がおかしい。長年の相棒である君よりも、PC1のことに気が向いているようだ。更に、野戦病院では「アニマ」と名乗っていたというし、君がカレイルと呼んでも反応が鈍い。そして――カレイルから僅かな死臭が漂った気がするのは、何だ?

脚本家より:不可避の形で悲劇が降りかかります。
シナリオ側でケアされることはないので、どうにか折り合いをつけてください。


◇PC4HO

初期:ワダツミノミコト(ex.忠誠、有為)
シナリオ:PC3 or カレイル・マリーゴールド(ex.疑念、不安)
クイックスタート:潮騒の担い手2.0
 
君は、塩の国の工作員――つまるところ"激昻の国"の敵である者だ。国王ワダツミノミコトの信頼も篤く、その分任務の難易度は高いが、君は一度もしくじっていない。今回受けた任務は、"ハイド"という伽藍の討伐だ。元はPC3とカレイルという傭兵に依頼していたようだが成果が思わしくなく、君の力が必要なのだと言う。
君は、即座に行動を開始した。カレイルたちは、"激昻の国"に向かったと言うが…?

脚本家より:本演目で唯一お腹が痛くならない枠です。
プレイヤー間のマナーは守りつつ、愉悦も葛藤もご自由にどうぞ。


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公開先のURLは此方。Pixivの小説としての全文公開及びBoothの無料商品として公開しております。
(どちらもシナリオ内容に違いはありません。ブラウザで参照するか、手元にテキストファイルとしておけるかの差異です)
pixiv版:https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=11062053
Booth版:https://alnrs1169.booth.pm/items/1334095

プレイガイド等の情報は、PL・GM向けなどが錯綜していますので、GMは予めシナリオを読み込んで、説明してよい情報を取捨選択してPL向けに説明してください。

以下、フリートークで好きに書いていきます。
シナリオのネタバレを容赦なく含むのでお楽しみください。

・コンベ向けにトレーラー画像を作るだけ作っていました。モノトーン調で、少し血しぶきに見えなくもないような。
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・また、コンベ当日はトレーラー及びハンドアウトをまとめたパンフレットの作成を依頼していました。「人物の顔は出さず、なるべくシンプルに」という全体の雰囲気をお伝えしつつ色々詰め込んでくださいました…!無茶ぶり(と冊子の作成に関する無知ぶり)にも関わらずお応えくださったクリエーターお二人には本当に感謝。

・参考作品は「FF14」「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」をメインに、NPCの心情面のイメージとして「Mairgold」「Kaleidosphere」のエッセンスを足しました。NPCの一人であるカレイル・マリーゴールドの名前はその四作品から少しずつつまみ食いしてみたり。
・ジキル&ハイドの要素はNPCの名前以外には分かりづらいかもしれません…が、原典を読むに(英語という意味ではなく、映画やその他ミュージカルではない小説という意味で)、ジキルって相当酷い人間だなあ、というのが着想です。悪いことをして遊びまくりたいけど、積み上げてきた体面を惜しむ気持ちで何処までも自分勝手にハイドを切り離した…という印象を受けたので、それを落としこんでみました。まともで落ち着いた大人(師匠)に見せかけて全くそんなことはなかったとか。
・此度"ハイド"は死んでいた、というのが英代のオチではありますが。原典のジキルも、自分が本格的にハイドに堕ちることさえなければハイドとジキルを行き来する二重生活を楽しんでいただろうと思うのです。この演目のジキルは紡ぎ手で、理を操ることができる裁縫師だから、定期的に自分から悪性を切り離してしまえる…みたいな。
・FFの参考についてはこんなツイートをしていました。プレイしている方はまろやかな表情になればよいかと思います。


・コンベ版からは色々と難易度を落としてみました。情報収集項目の目標値、"想いの亡霊"による剥離値上昇幅。あとは何より、アニマの剥離値を配布版では固定にしたことかな…。コンベではその都度、PLの目の前で逸脱能力を使う度に代償を加算していました。テストプレイでは、最終剥離値が70を超えたPC1もいたり。

質問などがございましたら、私(@alnrs1169)のTwitterやこのブログのコメントあたりから対応したいと思っております。Twitterの場合、鍵アカからのリプライは見えないのでご注意ください。セッション使用の他、シナリオ製作者を明記した上での二次利用もどうぞ。…その場合は報告を頂けるととても嬉しくなって次のシナリオに繋がったりするので、是非ともご一報を。