2011年07月
2011年07月31日
(番外) イブさん
ワイン選びや、美味しい料理のセレクトはマーケティングに通じます。
身内のちょっとした祝い事の際、我が家の定番になっているのが
神楽坂のカフェバー、イブテラスのロティスリーチキン。

西アフリカ、トーゴ出身のシェフ、イブさん。
自ら調理機の輸入も手掛ける看板料理は見た目にも華やか。
付け合わせの、香草の風味が効いたポテトと併せて皿に盛るだけで
パーティ気分を盛り上げてくれます。
余分な水分を飛ばしてカリカリに仕上がった皮と、丸鶏ならではのジューシーな身肉。
芳しい香りが拡がり、思わず手に取ってかぶりつきたくなります。
この味を求めて、かの三國清三シェフをはじめ界隈の名店のシェフたちが
閉店後に集う店としても知られています。
今回合わせたワインは、Villa Puccini Chianti Riserva 2006。
豊かな果実味が口中に拡がる、軽快な飲み口のミディアムボディ。
我が家では珍しいChantiですが、実に好相性。
ささやかなパーティを、イイ感じに盛り上げてくれました。
看板に偽り無し。料理ならずとも、自社を代表する製品やサービスが
大きな飛躍のきっかけとなることは珍しくありません。
自社の一番の強みを見極め、一点集中して行くこと。
ブランド・マーケティングの王道です。
ただし、気を付けなければいけないことは、何が自社の強みなのかの判断基準。
自らの想いばかりで無く、お客様の視点を忘れないことがポイントですよ。
★ 成功に導くブランド戦略は、ご相談ください。
Alpha Marketing Corporation
2011年07月28日
(95) 似て非なる・・・
◎ 混同されがちですが
コンサルティングの現場や身近なトピックスからマーケティングのヒントをお届けする
『マーケティング小咄』。今回のテーマは新規事業と創業。
新規事業と創業、どちらも新しいビジネスを立ち上げるのだから
やることは同じだろうという話を耳にすることがあります。
結論からいえば、両者は全く別物であり、混同して考えると
取り返しのつかない状況に陥りかねません。
創業というのは、文字通り何も無いところから事業を興して行くのです。
そこには、初めて社会的責任が発生します。
自ら食べて行かねばなりませんし、従業員の生活も支えて行かねばなりません。
したがって、会社の存続こそが最大の目的になるのです。
創業計画を立て、実際に会社を立ち上げたところで、当初の計画通りに
推移することは極めて稀であり、多くの場合、見直しの連続です。
それでも、何とか会社を存続させることに執着し、諦めずに取り組んだ末
何某かの体制を築き上げた企業だけが、生き残ることができるのです。
その時の姿が、当初の創業計画とは全く異なる事業内容となっていたとしても
何の不思議も無く、ごく一般的なことなのです。
創業において重要なことは、創業者の強い意志とある程度の資金力であり
創業計画の緻密性は、さほど重視すべき要素では無いのです。
◎ 新規事業は見切ることが大切
一方の新規事業は、既に何らかの既存事業がある上での取り組みです。
既に守るべき事業や従業員、取引先など、多くの関係先があるのです。
新規事業は、あくまでも企業の新しい利益を生み出すための投資です。
失敗して、企業そのものの経営を脅かすようでは本末転倒です。
したがって、綿密な事前調査と、それに基づく事業計画が非常に重要となります。
この段階で、既に成否の50%以上が掛かっているといっても過言ではありません。
もちろん、それでも想定外の状況は少なからず起こります。
それに対し、計画を修正することも必要です。
ただし、創業の場合と大きく異なる点は、見切ることなのです。
創業の場合、会社を存続させることが命題でした。
新規事業においては、想定外の事項や計画の変更なども踏まえた上で
収益事業としての成否を判断することが重要なのです。
その上で、追加投資か撤退か。判断を誤れば経営を脅かしかねません。
計画が進行してしまえば、それまでの投資を惜しんで判断の目を曇らせます。
だからこそ、撤退基準を予め事業計画に盛り込むことが必要なのです。
忘れられがちですが、大切なポイントです。
今日の一言: 失敗も計画の内、新規事業
★ 成功確率80%の新規事業計画は、ご相談ください。
Alpha Marketing Corporation
2011年07月26日
(94) 新規事業の人材
◎ よく訊かれることですが
コンサルティングの現場や身近なトピックスからマーケティングのヒントをお届けする
『マーケティング小咄』。今回のテーマは新規事業人材の育成。
新規事業を担当させるに相応しい人材とは、いかなる素養の持ち主か。
経営者の方からよく戴く質問です。
一般的にいえば、好奇心が強く、粘り強く取り組む意思と柔軟に発想する企画力。
そして何よりも、物事を肯定的に捉える人であることが重要でしょう。
新規事業においては、次々と未知の領域に出くわします。
いちいち否定的に問題点を探していては、一向に前に進みません。
ただし、これらはあくまでも一般論であり、新規事業にスペシャリストというのは無く
むしろゼネラリストで無ければ務まらないと言えるでしょう。
新規事業において必要な各要素である市場調査、営業開拓、利益計画など
それぞれの分野におけるスペシャリストは、既存部門の支援で事足ります。
しかしながら、新規事業の推進者は、それぞれの分野に精通してはいなくとも
実務に当たるスペシャリストの話を理解し、使いこなすことが必要です。
ですから、対外的な事象に限らず、社内の各業務の対しても関心を払い
肯定的に取り組む姿勢こそ重要なのです。
これは経営感覚に近いものと言えましょう。初めから身に付けている能力
というより、実際の経験を通じて育てるべきものなのです。
◎ 新規事業の人材育成法
筆者の経験を披歴すると、新人時代、商社の新規事業開発部門において
命じられたことは、一から新規事業の計画を立てること。
先ずは見本市やら、百貨店の催事やら話題のスポットやらネタ探しに奔走。
テーマを見つけたら、市場調査。図書館、現地、関係者へのヒアリング。
海外企業へのアプローチに際しては国際部の取締役に稚拙な英文を修正され
営業本部長に関連企業の紹介を依頼して、業界情報に関するインタビュー。
財務計画策定に当たっては、俄か勉強の知識を基に、金融機関出身の常務に
教えを請い、社長秘書から稟議書のスムーズな通し方を伝授され。
悪縁苦闘の末、でき上がった計画書の数々は、今から思えば噴飯もの。
実際に日の目を見ることはありませんでしたが、日々新しい発見の連続でした。
こうしたある日、社長が水面下で進めていた、社運を賭した大型案件が
正式契約に向けスタートし、プロジェクト・メンバーの末席に加わりました。
慣れない英語での会議では、契約条項に関する激しい攻防。
市場動向の調査から、販売計画の試算にリスク要因の分析。
文字通り、毎日が未知との遭遇でしたが、苦に感じることは全くありませんでした。
一通り、自分ひとりでやってみるという経験が、生きてきたのだと感じました。
改めて問うまでも無く、新人が作った新規事業計画に期待していたわけでは無く
新規事業の人材育成の手段であったのだと気付かされました。感謝です。
今日の一言: 経験が 人を育てる 新規事業
★ 失敗しない新規事業の人材育成は、ご相談ください。
Alpha Marketing Corporation
2011年07月20日
(93) 北陸三県
◎ 傍目で分からぬ実態も
コンサルティングの現場や身近なトピックスからマーケティングのヒントをお届けする
『マーケティング小咄』。今回のテーマはセグメンテーション。
越中泥棒、越前詐欺に加賀乞食。
これは、ずっと以前、福井県にある取引先の社長に伺った言葉です。
もし無一文になった時、勤勉な越中(富山県)の人は泥棒を働く。
百万石城下でおっとりと育った加賀(石川県)の人は為す術なく乞食となる。
一方、楽して儲けようとする越前(福井県)の人は詐欺をするのだと。
極端な比喩ではありますが、非常に示唆に富んだ言葉です。
東京をはじめ、域外の方は北陸三県と一括りに捉えてしまいがちですが
その県民性は全く異なるということを仰りたかったのです。
ビジネスにおいて、これを見誤ると、的確な戦略を立てることができません。
◎ 正確な情報は現場から
マーケティングにおいて、対象市場を絞り込むセグメンテーションは
戦略を策定する上で基本となる、非常に重要な要素です。
生活必需品であり、地域戦略に重きを置く場合は北陸三県という括りで
問題無いケースもあるでしょう。
しかし今日、多くの場合、顧客の指向やライフスタイルに応じた戦略が必要であり
単なる地理的要素で一括してしまうことは危険です。
もちろんこれは、北陸地方だけの問題でも、地理的要素に限られた
問題でもありません。
市場・消費者のセグメンテーションをする際、一般的な認識やイメージ
或いは個人の思い込みに偏るというのは、よく陥りがちな過ちなのです。
特に、インターネットを通じて様々な情報が瞬時に得られる今日、二次情報だけで
知ったつもりになってしまうケースは、むしろ増しているのです。
マーケティング戦略上の重要事項であるセグメンテーション。
現場に赴き、現地の方の話を伺いながらしっかりと吟味すること。
そのぐらい、慎重に当たるべき重要な要素です。
努々怠り無く。
今日の一言: 現場見て、訊いて調べて検証を
★ 成功に導くマーケティング戦略は、ご相談ください。
Alpha Marketing Corporation
2011年07月18日
(番外) メインを引き立てるストーリー
ワイン選びや、美味しい料理のセレクトはマーケティングに通じます。
馴染みの魚屋へ行くと、イワシが何と1尾50円。
生鮮物は安い時が美味い時の原則にしたがって、香草パン粉焼きにすることに。
メインを決めたらそれに合わせてワイン選び。
暑いですから、どうしても泡物が欲しくなります。
そこで選んだのが、冷蔵庫に冷やしてあるカヴァ。
スペイン産のスパークリングです。
最近のお気に入り銘柄、"QU4TRO"のロゼ。
オシャレなデザインのボトルに、シャンパーニュ製法によるきめ細かな泡。
白もありますが、果実味豊かなロゼが断然お勧めです。
前菜からメインまで、これ1本で充分通すことができます。足りればですが。

次は前菜をと考え、地元のお気に入りイタリアン"Angela"へ。
出来合いの総菜を買って来ることは滅多にないのですが、ここは別格。
何しろ、充実した前菜一つひとつにプロの技が冴えわたり、家庭では真似できない味。
野菜の食感一つとってみても、切り方や下処理によって全くの別世界。
ピーマンのファルシー、所謂肉詰めですが、こんな普通の料理さえ普通でない味です。
ですから、レストランの食事を家庭で楽しむという感覚なのです。
集めた食材に、旬の夏野菜やスープを組み合わせてストーリーを完成させます。
こうして組み立てられたストーリーは、いつもの食事をエンタテイメントタイムに変えます。
メインのイワシも肉厚の身に適度な脂がのり、予想通りの美味しさ。
こうして、メリハリの利いた満足度の高い食卓を囲むことができました。
メインコンセプトを決め、それを引き立てるためのストーリーを組み立てること。
全てはお客様の視点に立って。これぞマーケティングの真髄です。
★ 伝わるマーケティング・ストーリーの構築は、ご相談ください。
Alpha Marketing Corporation