(243)得意の中に落とし穴(245)テレワークの先にあるもの

2020年03月31日

(244)期待の初期値

◎ 期待はずれ

 

コンサルティングの現場や身近なトピックスから

マーケティングのヒントをお届けする『マーケティング小咄』。

 

今回のテーマは、新規事業の企画。

 

 

先日、我が家であるワインを抜栓した時のことです。

著名な評論家から高い評価を獲得したという代物。

 

所謂コスパワインと言われる銘柄ですが

普段の家飲みよりは価格もそれなりにお高め。

 

当然ながら、期待も高まり

家内の祝事に合わせ、満を持しての抜栓でした。

 

 

いざグラスに注ぐと微かに芳香が漂い

期待感が膨らみます。

 

口に含むと、しっかりとしたアタックがあり

品種の特徴が感じられるアロマが広がります。

 

ここまでは概ね期待通りだったのですが

その後の余韻が感じられず、淡白な印象。

 

妻と顔を見合わせ、同じ印象を無言で確認。

前週飲んだワインの方が美味しかったとの共通認識。

 

まとめ買いでお試ししたうちの1本です。

価格を比べれば1/3程でしょうか。

 

 

もちろん、2つのワインを同時に飲み比べれば

この日のワインの方が美味しく感じられることでしょう。

 

にもかかわらず、前週のワインに

軍配を上げたのはなぜでしょうか。

 

期待以上、期待通り、期待外れ。

評価基準のハードルは、初期の期待値で決まります。

 

思わぬ美味しさに高評価だった無名ワインと

期待値のハードルを上げていた銘柄との差です。

 

 

◎ 最初の関門

 

さて、ここからが本題です。

 

新規事業を企画する際、最初の関門となるのは

社内における承認を得ることでしょう。

 

何とか承認を得ようと、計画の数値目標は

様々な期待値を盛り込み、かなり高めになりがちです。

 

しかし、無理を積み重ねた計画であれば

経営陣に矛盾点を突かれ、突破は困難でしょう。

 

 

仮に、企画が通った場合には

更なる困難の火種となりかねません。

 

無理筋の計画を承認した組織は

おそらく新規事業に不慣れであると思われます。

 

その結果、計画の数字が独り歩きし

とりわけ売上高ばかりに目が向きがちです。

 

計画と乖離があれば、どんどん口をはさむようになり

次第に事業部門の独立性を失うという悪循環。

 

これを回避するためには、企画段階で

期待の初期値を高め過ぎぬよう調整が必要です。

 

 

◎ オプションプランの重要性

 

お勧めしているのは3つの計画を立てることです。

基本は、無理のない範囲で実行可能な標準プラン。

 

これに加え、様々なオプションを加えた上方プラン。

更に、初期計画が躓いた際の下方プラン。

 

予め、2つのオプションプランを用意しておくことで

社内のプレゼンテーションにおいて説得力が増します。

 

売上規模に偏重しがちな企画の評価においても

上方オプションにより、拡大可能性を主張できます。

 

下方オプションを予め検討しておくことで

リスクの指摘に対しても備えがあることを主張できます。

 

 

用意したオプションプランが真価を発揮するのは

実際に事業がスタートした後です。

 

新規事業とは不確実性の連続です。

初期の計画通りに進むことは殆どありません。

 

その際、予めオプションプランがあれば

速やか軌道修正が容易です。

 

オプションプランとて、その通りには行かなくとも

事前の想定があれば、その場で慌てることはありません。

 

 

新規事業で追求すべきは売上高ではなく

顧客の創造であり、利益を生む仕組みの構築です。

 

新規事業を成功させる上で不可欠な条件は

実行責任者による迅速な意思決定です。

 

経営陣による無用な口出しは

現場を混乱させ、意思決定を遅らせます。

 

プランナーとしては、企画を通すことが目的ではなく

事業の成功を見据えて初期値を工夫することも重要です。

 

 

今日の一言:  ハードルを 上げるも下げるも 胸三寸

 

 

新規事業のご相談、セミナー・執筆のご依頼はお気軽にどうぞ。

AlphaMarketing Corporation


244




















美味しいと感じた理由は・・・。



alpha_marketing at 03:20│Comments(0) 新規事業 

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
(243)得意の中に落とし穴(245)テレワークの先にあるもの