僕が最近テーマにしている撮影題材に「欧州の邸宅とそこにある車」というのがある。
２１世紀に入って、邸宅に住むような人が乗る車とはどれなのかを見極める試みだ。
日本人の多くの人の想定に反し、自分が住む周辺にあたる仏語圏やオランダ語圏の富裕層の住宅街では、思いの外レンジローバーやジャガーのSUVが存在感を増していた。
おそらくメルセデスベンツはその方向性を誤り、顧客を失っているのではないか。
(ディスカバリー＆アバルト500）
欧州のSUVの躍進は長らく、不況による道路整備状況の悪化と治安の不安定化が関係している。この推論を行動経済学に絡めて論文の一つでも書けばかなり興味深いものになると思うのだが、現在仕事に忙殺されたままであり、そこに着手できるタイミングは当分来そうにない。
さて、導入が長引いたが今回は撮影テーマである「邸宅と車」の舞台をパリとした。
撮影場所はNAP地区すなわちNeuiily-Auteuil-Passy間の超高級住宅街だ。自分はかつてNeuillyに住んでいたことがあるのでここは駆け足で回れることから、Passyを丁寧に巡ることから始めた。逆にBCはモントルイユというパリ郊外の移民地区に定め、来訪場所とは真逆の環境とした。皮膚感覚で自分に強烈に何かを感じられる状態を作るのは自分の旅スタイルでもある。
タリスでパリに着くと、もうこの都会の街はマスクレスの世界になっていた。
さて、撮影を開始する。
パリの幾つかの区は文化・文明の粋を極めている。街並み、人々の装いや身のこなし。そんなもの全てに様式美があり洒落ている。これに比肩しうる都市は多分京都とイタリアのいくつかの都市だけだろう。僕がFIREに到達した時点で滞在していたい都市はこういった場所だ。だが、パリの経済格差はコロナを経て凄まじい状態にあるとも感じた。
ところでPassyを歩いていて懐かしい記憶が蘇った。この辺りのメトロの駅は視界が開けた空間となっており開放感がある。多くの地下鉄駅にあるような閉塞感や陰気臭さがないのだ。このハイソな開放感に覚えがあった。懐かしい記憶が蘇る。フランスに留学した当初、夏季期間にロワール地方の語学学校にいた日本人の何人かはパリ駐在員の子息子女だった。彼らは週末にパリに帰ることがあり、そのタイミングで僕らもパリに向かい、一緒にパリで遊んだり、時には彼らのアパルトマンに立寄った。泊めてもらった訳ではない。それにしても、彼ら駐在員の住む１５、１６区は明らかに他の地区とは違ったし、経済大国の名を恣にしている当時の日本の勢いを感じさせる暮らしぶりだった。彼らもそこに暮らしていることに誇らしげでもあった。同じ経済大国に生まれていても、こういう形で出自や立場の違いを明確に感じさせられた。
（トヨタIQやスマートが連なる場所も多かった☝）
（DSクロスバックE-Tenseも金持ち御用達なのか☟）
自分は彼らと比べるとただの貧しい田舎者だったのだ。まあ、それでも当時の僕は自分の才を盲信的に信じ込むほど勢いがあったのでそれを卑屈に捉え過ぎて落ち込んだままということはなかった。帰国子女という上流階級の存在を初めて皮膚感覚で拾ったのは良い経験だった。当時、彼らの環境は羨ましくもあり、今で言う親ガチャを感じたと言えよう。そういう、鮮やかで麗しいあの時の人々の笑顔が脳裏に蘇り、日本が輝いていた頃と１６区の記憶が混ぜこぜになってしまった。
さて、あの頃はメルセデスや日産マキシマ、あるいはBMWの５シリーズみたいな記憶があるが今はどうなのだろう。Passyのモーツアルト通りなど上品な道を進む。
車に関してパリの高級住宅街には特殊性があった。IQやスマートをかなりの数見かけたのだ。この役割はかつては旧型ミニクーパーが負っていた。デカくなりすぎた現行ミニではこの役は担えないかと思っていたが意外にもやはり相当数がいる。高級住宅街といっても路駐が必要なところもある。一部の広大な土地を閉ざされたプライベートパーキングに回せるようなアパルトマン郡を除くと、コミューターと割り切ったこの手の小型車を足代わりに使うというのもありだろう。欧州トヨタはIQの売り方を間違えていたかもしれない…
他にはやはりレンジローバーを見た。御三家の中ではBMWのSUVが割と検討している印象だ。
格好つけパリジャンの傾向と言えよう（笑）☟
いずれにしろ情報は足で稼げ。デジタル好きのおっさんでも言っておきたい部分だ。
しかし、今回車の動向以上に驚いたのがパリの電チャリ事情だ。パリ市内は恐ろしい速度で自転車道が整備され、恐ろしい速度で電化したチャリが行き交う。日本の原チャリ並の重さで歩道の横を爆走していくこれら電チャリは有効な交通手段かもしれないが恐ろしく危険に感じた。同じことが日本で起きれば死傷者続出だろう…
それ以外の気づきは、実はパリの物価がブリュッセルより安い点（住宅は別）
そして、富裕層経済圏のみならず、パリはアートの世界でも経済が回っている。１６区の老人は襟付きだという点。撮影の合間に美術館やギャラリーなどを回ったのでそれがよくわかった。
16区などとは関係ないレ・アル地区のとあるギャラリーでカフェを飲んだが、ここのエスプレッソがパリじゅうで一番うまい。
しかも、ここはカフェでも、ブックショップでも可愛いパリジェンヌしかいない。
パリ時代の自分の元カノの再来かと思われる娘がいて驚いたが、こんなパラレルワールド、今風に言うならマルチバースみたいな感覚を得られるのはパリしかない。まさにパリ・マジックだろう。
やっぱりパリ、パリはすごい。
使い古されたオヤジギャグで締めくくっておこう。
自分は彼らと比べるとただの貧しい田舎者だったのだ。まあ、それでも当時の僕は自分の才を盲信的に信じ込むほど勢いがあったのでそれを卑屈に捉え過ぎて落ち込んだままということはなかった。帰国子女という上流階級の存在を初めて皮膚感覚で拾ったのは良い経験だった。当時、彼らの環境は羨ましくもあり、今で言う親ガチャを感じたと言えよう。そういう、鮮やかで麗しいあの時の人々の笑顔が脳裏に蘇り、日本が輝いていた頃と１６区の記憶が混ぜこぜになってしまった。
さて、あの頃はメルセデスや日産マキシマ、あるいはBMWの５シリーズみたいな記憶があるが今はどうなのだろう。Passyのモーツアルト通りなど上品な道を進む。
車に関してパリの高級住宅街には特殊性があった。IQやスマートをかなりの数見かけたのだ。この役割はかつては旧型ミニクーパーが負っていた。デカくなりすぎた現行ミニではこの役は担えないかと思っていたが意外にもやはり相当数がいる。高級住宅街といっても路駐が必要なところもある。一部の広大な土地を閉ざされたプライベートパーキングに回せるようなアパルトマン郡を除くと、コミューターと割り切ったこの手の小型車を足代わりに使うというのもありだろう。欧州トヨタはIQの売り方を間違えていたかもしれない…
他にはやはりレンジローバーを見た。御三家の中ではBMWのSUVが割と検討している印象だ。
格好つけパリジャンの傾向と言えよう（笑）☟
いずれにしろ情報は足で稼げ。デジタル好きのおっさんでも言っておきたい部分だ。
しかし、今回車の動向以上に驚いたのがパリの電チャリ事情だ。パリ市内は恐ろしい速度で自転車道が整備され、恐ろしい速度で電化したチャリが行き交う。日本の原チャリ並の重さで歩道の横を爆走していくこれら電チャリは有効な交通手段かもしれないが恐ろしく危険に感じた。同じことが日本で起きれば死傷者続出だろう…
それ以外の気づきは、実はパリの物価がブリュッセルより安い点（住宅は別）
そして、富裕層経済圏のみならず、パリはアートの世界でも経済が回っている。１６区の老人は襟付きだという点。撮影の合間に美術館やギャラリーなどを回ったのでそれがよくわかった。
16区などとは関係ないレ・アル地区のとあるギャラリーでカフェを飲んだが、ここのエスプレッソがパリじゅうで一番うまい。
しかも、ここはカフェでも、ブックショップでも可愛いパリジェンヌしかいない。
パリ時代の自分の元カノの再来かと思われる娘がいて驚いたが、こんなパラレルワールド、今風に言うならマルチバースみたいな感覚を得られるのはパリしかない。まさにパリ・マジックだろう。
やっぱりパリ、パリはすごい。
使い古されたオヤジギャグで締めくくっておこう。
