東京国立博物館(上野)で開催されている
「仏像 一木にこめられた祈り」展を娘(三女)といっしょに観てきた。

今回の展示は、基本的に一木で彫られている仏像ばかりを集めている。
必ずしも像のすべてを一木で彫らなくてもよいが、
頭や胴体など基本となる部分が一木であれば、
それを「一木彫り」と呼ぶそうだ。

なぜか十一面観音菩薩が多い。
国宝であり、今回の展示のメインでもある仏像も十一面観音菩薩だ。

キリストを描いた作品、あるいは十字架に架けられたキリスト像は
痩せているものがほとんどだが、
仏像というのは決して痩せてはいない。
二段腹、三段腹はザラだし、二重アゴの仏像も珍しくはない。
いまならメタボリック症候群と診断されそうな仏様がたくさんいる。

教えの差が、像の違いを生んでいるのだろうか。

予想以上に混んでいて、入場制限のため30分並ばされた。
中も人だらけだった。
仏像というテーマに、これほど大勢の人が押しかけるのは不思議にも思えたが、案外と仏像は人気アイテムなのかもしれない。
それとも時代の趨勢として人びとが仏の救いを求めている? 
そういう雰囲気はなかったように思うのだけれど。

仏像展を観たいと言い出したのは三女である。
彼女は美術系に興味があり、自分もイラストだか漫画だか
判別できない描きものを手がけている。
上野あたりの美術展にも度々足を運んでいるようだが、
さすがに仏像展となると友達に声をかけられずオヤジと行くことになった。

この娘、小さな頃から変わり者で、幼稚園に通っていた時分は
弁当にシシャモを入れてくれと懇願するなど、
普通の子とはちょっと違っていたが、長ずるにつれ、
ある部分は普通化し、ある部分はますます変わり者度を増している。

でも仏像展では後半に展示されていた円空の作品に興味を示していたから、まあ通常の感覚なのだろう。
いびつな地蔵菩薩の立ち姿に、
「う〜む。見事だァ〜」と感じ入っていたら困惑したと思う。