歌「やはりこの町は綺麗じゃ。それに社におる”あいつ”にも久々に会いに行かないと。
それに町の妖怪たちにもな。」
前回の記事で夜中に起きたうた様。
例の”仕事” それは、町の妖怪たちの話を直接聞いてあげることでした。
現し世の鏡では町の様子を見ることは出来ても妖怪達の生の声を聴くことは出来なかったのです。
夜の坂の町をうた様は回ります。
町の妖怪達「うた様だ! うた様が居るぞ!」
ざわざわ「本当だ! 本当だ!」
妖怪達「皆、うた様が帰ってきたぞ~!」
「うた様だ~!!!」
猫1「うた様、お久しぶりでございます!」
歌「おぉ、お前か! 久し振りの帰還、町の妖怪達に最近の様子を聞いておこうと思っての。」
猫1「平和なもんですよ。 人間達も大きな事件はありません。 他のやつもうた様に会いたがっていましたよ!」
歌「そうか、それは嬉しいことだな! しかし今夜中にどれだけの妖怪達の話を聞けることやら この坂には様々なやつらが沢山おるからの~。」
猫1「時間の許す限り皆の所を回ってあげてください。 僕ら朝には弱いんで・・・」
歌「そうじゃな、山の手や町の方を回るのはお前らが活発な夜。 できるだけ沢山の話を聞いてまわろうと思っておるよ。」
猫1「そうしてやってください! 他の奴らも喜びます!」
猫2「どうしたんだ騒々しい・・・ っておお、うた様じゃねぇか! ご無沙汰しております!」
歌「お前か!年季が入ってきてなかなか渋い顔立ちになってきたじゃないか!」
猫2「うた様照れるぜ・・・」
歌「ほっほ、照れるでない、本当のことを言ったまでじゃ。」
猫2「いやー、へっへっへ! おぉ、そういえばなんだけどな、うた様の神社にいる ”あのお方” もう一人いる神様がうた様にとても会いたがっておったよ。」
歌「海上守り神の”宮”か?」
猫2「そうそう、宮様 それに全ッ然海での事故も起きねーもんでよ、暇してるらしいのよ。 それのせいか最近何っつーか、、、なんだっけな。 ”ナウなファッション” とかに目覚めてるらしくてよ」
歌「”ナウなファッション”じゃと!? ・・・って、なんじゃそれは?」
猫2「なんか人間達の間で流行している服装を研究するのに最近お熱らしくてよ。 神社の近くに住んでる奴らの話を聞くと、言葉遣いも変わってるとか・・・」
歌「あやつどうしたんじゃ・・・ わらわがこの町から離れる前までは水道の守護を真面目にやっておったはずじゃが・・・」
猫2「と言ってももう何年も事故は起きてないですからねぇ・・・ 昔は貿易やらなんやらで賑わっていたこの水道も、人間たちが対岸に渡る渡船だけになっちまった。 賑わってる人間たちを見るのもいいけどよ、流石にあの社からずっと眺めるのも飽きてきたんじゃ・・・?」
歌「そうか、、、ありがとう! ちょっとやつのとこへ行ってみるとするよ。 次会う時は更に渋い顔になっておれよ!」
猫2「言われなくてもさ! この山の手の坂は妖怪達で見守ってるから、うた様は安心して今の人間のもとで暮らしててくれ ”その日”が来るまでは俺達で何とかするからよ」
歌「助かるぞ、では達者でな!」
猫2「うた様、お気をつけて~!」
歌「さて、社の方に行ってみるかの。 それにしても ”ナウなファッション”とはなんじゃ・・・? 人間にしかわからない言葉かの~。」
????「歌さま、歌さまなのですか?」
歌「この脳に直接呼びかけてくる声、久々に聞いたな。」
????「お久しぶりです、歌さま」
歌「久し振りじゃの、みや。」
というわけで第2回目のお話はこれにて終了です~
次回は新キャラ、「宮」の登場です!
更新を待て次回!
※後に設定の都合で一部文章を変更しました(誰も見てないと思うけど・・・)