クマのプーさん ブログ

★「クマのプーさん」の魂をもつ詩的人間でありたい★

原発事故が本当に奪ったものは何だったのか? 

「じぶん堂」というサイトに元双葉町町長の井戸川克隆さんについて書かれた記事を見つけました。

サイトを紹介します。

原発事故が本当に奪ったものは何だったのか? 『双葉町 不屈の将 井戸川克隆』
https://book.asahi.com/jinbun/article/15172463


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ぼちぼち・・

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大好きな冬の花 ロウバイを見て

いつも季節を感じます

毎日散策しながら歩く

散歩を日課にしている わたしには

秋の紅葉から なんの色もない

季節に移ったころ

いちばんさみしさを感じます

そんな時期に ロウバイは

咲いてくれるのです

さあ ぼちぼち 動きだそう

わたしの詩心さん




西山太吉さん逝く

もうこのブログに載せたい記事もほとんどなく

年を重ねる日々ですが

西山さんが亡くなったニュースには

無関心ではいられない。

最近佐高信さんとの共著で出された本『西山太吉 最後の告白』を

手に取り読みだしていた。

91歳になられても、変わらぬ切れ味

まだまだお元気でいるものと思っていたのに

あまりに突然な訃報。

そんな中、書き留めておきたい記事を見つけたので

載せておきたいと思います。


何度もけんか…心残りも 西山太吉さんを悼む 土江真樹子氏 /沖縄
2023/2/27

 気持ちの整理が付いていない。最後に会ったのは沖縄の日本復帰50年目の昨年5月だった。沖縄について思いを語っていた。年末に体調を崩し、心配していた。体力があり、いつも「200歳まで生きるから」と冗談で話していた。

 琉球朝日放送(QAB)時代、密約の米公文書公開などの取材で、外務省密約事件の新聞記事が中途半端でよく分からず関心を持った。本人に話を聞きたいと思った。どこに住んでいるか分からず、西山という名字を電話帳で調べて北海道から順番に電話し、最後にかけた先が本人だった。事件から数十年ずっと身を隠し、地獄の底から聞こえるような声だった。


 「取材は受ける気はない」とメディアへの不信が大きかった。それでも何度か電話し「取材したいのなら2〜3日で来い」と言われ、翌日自宅へ向かった。2001年の年末だった。私は一言もしゃべらなかったが、国とメディアへの怒りを8時間ぶつけてきた。こちらを見透かしてくるし怒鳴るしで、取材はとてもやりにくかった。

 ものすごく怖かったが、私も「その正当性を堂々とカメラの前で話せばいい」と返すなど、何度もけんかした。妻の啓子さんが間に入ってくれたり、後で本人が「言い過ぎたね」と電話をくれたりして関係は途切れなかった。


 証言を収めた作品「告発・外務省機密漏洩事件から三十年 今語られる真実」を02年に放送すると、本人から「パンドラの箱をお前は開けたから、一蓮托生(いちれんたくしょう)だ」と言われた。その後は表情がどんどん柔らかくなった。

 ジャーナリストやジャーナリズムがどうあるべきかを、良い意味でも悪い意味でも教えてくれた。西山さんを英雄のようにまつり上げる手助けをしてしまった気持ちと、外務省の女性事務官は社会復帰ができていないことへの心残りがある。

 とてもさみしがり屋だった。啓子さんが13年2月に亡くなった後は、毎日のように電話してきた。「(自分が)死ぬとしたら2月。啓子が迎えに来るから」と冗談めいていた。笑顔がすてきな方だった。もっと優しくしてあげれば良かったかな。

 (ジャーナリスト、談)

(琉球新報)

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原発に依存しないエネルギー政策こそが求められている

「毎日新聞」社説

泊原発の運転差し止め 安全軽視を糾弾した判決
https://mainichi.jp/articles/20220602/ddm/005/070/063000c
毎日新聞 2022/6/2 東京朝刊

 北海道電力泊(とまり)原発の運転を禁じる判決を札幌地裁が出した。

 津波対策の不備が理由である。11年前の東京電力福島第1原発事故の教訓を重く見た判断だ。

 泊原発には防潮堤が設けられているが、判決は津波に対する安全性を欠いていると結論づけた。

 周辺住民ら原告側は、地震が起きれば地盤が液状化し、防潮堤が沈下する危険性を指摘していた。

 北電は、そのリスクは低いと反論しながら、資料を基にした証明をしてこなかった。新たな防潮堤を建設すると説明したが、その構造は決まっていなかった。

 判決がとりわけ問題視したのは、安全対策を巡る姿勢だ。

 提訴から10年以上たつにもかかわらず、いたずらに主張を続けようとしていることを批判した。裁判の引き延ばしを図っていると判断したといえる。

 住民側がいつまでも振り回される状況は、許容できないと指摘した。こうした北電の態度は「安全面での問題の多さ、大きさをうかがわせる」とも言及し、不信感をあらわにした。

 北電は9年前、泊原発の再稼働に向けた安全審査を原子力規制委員会に申請した。今も審査が続いていることを、裁判で明確な対応が取れない理由にしていた。

 だが、規制委からは度々、説明不足や体制の不十分さを指摘されてきた。

 審査中の原発は他にもある。これまでに申請された原発27基のうち、審査を通過したのは17基にとどまる。

 原発の再稼働を推進したい自民党からは、審査の効率化を求める声が上がっている。

 しかし、現在の審査体制や安全基準は、福島第1原発事故のような惨事を二度と起こさないために導入された。安全性を最優先することは当然だ。

 福島の事故後、原発の運転を認めない司法判断は9例目である。原発に対する裁判所の見方は、ますます厳しくなっている。

 脱炭素化や世界的なエネルギー不安を受け、政府・与党内では原発回帰を探る動きがある。だが、電力の安定的な供給源として位置づけることは現実的ではない。

 原発に依存しないエネルギー政策こそが求められている。


<参考記事>NHKニュース

北海道電力 泊原発の運転認めない判決 廃炉は命じず 札幌地裁
2022年5月31日 20時55分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220531/k10013650991000.html

北海道泊村にある北海道電力・泊原子力発電所の安全性が争われた裁判で、札幌地方裁判所は「津波に対する安全性の基準を満たしていない」として、北海道電力に3基ある原発すべてを運転しないよう命じる判決を言い渡しました。津波対策が不十分だとして原発の運転を認めない司法判断は初めてです。

北海道電力・泊原発の1号機から3号機について、周辺住民など1200人余りは「津波や地震への安全性が不十分だ」と主張して運転の禁止や、使用済み核燃料の撤去、それに原発の廃炉を求める訴えを起こしていました。

10年余りにわたる審理では、津波対策が十分にとられているかなどが争点となり、原告側は「福島第一原発の事故のあと新設された今の防潮堤は地震による液状化で支持地盤が沈む可能性があり津波を防げない」などと、主張しました。

31日の判決で、札幌地方裁判所の谷口哲也裁判長は「泊原発では大地震が起きた際に、少なくとも12メートルから13メートル余りの津波が想定される。それなのに北海道電力は防潮堤の地盤の液状化や、沈下が生じる可能性がないことを裏付ける説明をしていない。また今後、建設するとしている新たな防潮堤についても、高さ以外には構造などが決まっていない」と指摘しました。

そのうえで「泊原発には津波防護施設が存在せず、津波に対する安全性の基準を満たしていない」と結論づけて、北海道電力に対し泊原発の1号機から3号機すべてを運転しないよう命じました。

また、泊原発で保管している使用済み核燃料の撤去については、原告側が撤去先を示していないとして、訴え自体は退けましたが、北海道電力が「運転を停止してから長期間、冷却しているので危険性が低下している」と主張したことに対し「具体的な検討に基づいた安全性の根拠を何ら示していない」として危険性がないことの説明ができていないと批判しました。

一方、原発の廃炉についてはそこまで必要だとする具体的な事情は見いだし難いとして訴えを退けました。

泊原発は平成24年に、定期検査のため3号機が発電を止めて以降、10年にわたり3基すべてで運転を停止した状態が続いています。

福島第一原発事故から11年がたつ中、その原因となった津波への対策が不十分だという理由で、原発の運転を認めない司法判断が示されたのは初めてで、判決は原発の安全に対する説明責任を電力会社に厳しく問うものとなりました。

原告団からは喜びの声が

法廷では裁判長が原発を運転してはならないという判決の主文を読み上げると、傍聴席から「やったー」という声が上がっていました。

また、判決言い渡しの後、原告団は裁判所の前で「差し止め認める」などと書かれた紙を掲げて喜びを表し集まった人からは拍手や歓声が上がっていました。原告の1人で札幌市に住む小林善樹さんは、「我々の主張が認められて、本当にうれしいです」と話していました。

原告団長「判決を素直に喜びたい」

判決のあとに開かれた記者会見で、原告団長を務める斉藤武一さんは「これで原発のない北海道を目指す第一歩を踏み出せる。原告の1人として、また地元の人間の1人として今回の判決を素直に喜びたい」と話していました。

代理人を務めた市川守弘弁護士は「極めて妥当な判決であり、原発に危険を覚えてきた住民らの意をくんだ素直な判決だった」と述べました。

そのうえで「行政の判断を待たずに判決に踏み切った今回の裁判は審査を待つ全国の原発訴訟に少なからず影響を与えるだろう。泊原発のような国の審査基準をクリアできていない原発については、稼働をやめるべきだとした裁判所の判断を評価する」と話しました。
(あと省略)
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今年の記念の一枚?

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家でみてるだけでなく、現場へ行く。
中の階段の移動には、限界を感じたが
外の外観を目にしたことで
世界は広がった。
春がまちどおしい。

グレタさん、米議会で批判

「気候変動から逃げている」 グレタさん、米議会で批判(日本経済新聞)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN22F290S1A420C2000000/
2021年4月23日 5:54

スウェーデンの環境活動家、グレタ・トゥンベリさんは「いつまでも責任を問われず、気候変動を無視し続けられると思うのか」と訴えた=ロイター

【ニューヨーク=白岩ひおな】スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさんは22日、米下院の委員会にビデオ会議で出席し、各国の政治家らが「気候変動から逃げている」と痛烈に批判した。グレタさんは各国の気候変動対策が「あいまいで不十分だ」と一蹴し、化石燃料への補助金を打ち切るべきだと主張した。

グレタさんは「今は2021年だ。いまだにこんな議論をして、化石燃料への補助金に税金を投じているのは恥ずべきことだ」と糾弾した。今世紀末の気温上昇を産業革命前から1.5度以下に抑える目標の実現に向け「行うべきことと実際の行動のギャップが刻々と広がっている」と警鐘を鳴らした。

米国主催の気候変動サミットでは各国首脳が新たな温暖化ガスの排出削減目標を表明したが「国や企業が漠然とした遠い目標を立てれば何かが解決すると信じるほど、私たちの世代は甘くはない」と指摘した。「あなた方のような権力者が、本気でいつまでも逃げおおせると信じているのか?」と問いかけた。「遅かれ早かれ、今まで何をしていたのかと責任を問われるのは避けられない」とし「賢明な選択」を求めた。


<<関連記事>>

グレタ・トゥーンベリからの手紙──今こそ「王様は裸だ」と大声で叫ぼう。(VOGUE)
https://www.vogue.co.jp/change/article/greta-thunberg-pens-a-passionate-letter-on-why-we-must-do-more-to-tackle-the-climate-crisis-cnihub
2021年4月22日

2018年8月、スウェーデンの国会議事堂前で抗議活動を始めたとき、グレタ・トゥーンベリはまだ15歳だった。動機は、気候危機に対する世間の関心の低さに対する憤りだった。彼女の情熱、そして怒りの炎は消えていない。今日4月22日のアースデイに寄せて、18歳になったグレタがオープンレターを綴ってくれた。

世界では今日(日本時間の夜9時から)、ジョー・バイデン米大統領の呼びかけにより気候変動サミットが開催される(編注:日本の菅総理大臣も参加する)。この場で世界各国は、気候変動に関して自国が取り組む新たな環境目標を提示する予定だ。これには2050年までにネットゼロ(温室効果ガスの排出量を実質ゼロにすること)を達成することも含まれている。世界の首脳は、この数字上のターゲットを、野心的なものだと自画自賛するだろう。だが、現時点で最も正確な科学的データと、これらの不十分な「気候ターゲット」を比較すると、その間に大きなギャップがあるのは明らかだ。このままでは思い切った対策が取られないままに、数十年が無駄に費やされてしまう。

もちろん、未来および現在の生活水準を守るための努力に反対する人はいないだろう。これらのターゲットも、手始めとしては素晴らしいものだったかもしれない。だが、多すぎる漏れや抜け穴が、志を台無しにしているのも事実だ。たとえば、輸入品や世界を結ぶ航空および船舶による輸送、バイオマスの燃焼により生じる温室効果ガスは、このターゲットの対象から外されている。さらには基準となるデータが改ざんされ、大半のフィードバックループやティッピングポイントが除外されているほか、平等性という世界規模で見て重要な要素が取り入れられておらず、過去に排出された温室効果ガスも考慮されてない。そのため、これらのターゲットは、現状では空想の産物のような、実用化にはほど遠い炭素回収技術に完全に依存する状態になっている。だがここでは、これ以上この問題に立ち入らないでおこうと思う。

有権者としての責任。

簡単に言えば、これらのターゲットが私たちが真に必要としている成果につながると装うために、私たちは炭素収支という「創意工夫」を利用し、欺瞞を続けることはできる。だが、私たちは他人(そして自分)を欺き続けることはできるても、自然や物理の法則を欺くことはできないことを忘れてはならない。私たちが正しく計測するかどうかを問わず、排出した温室効果ガスは大気中にとどまり続けるのだ。

つまり現状として、権力の座にある人たちは、この問題を見て見ぬ振りをしてやり過ごそうとしているに過ぎない。気候危機に関する意識の差はあまりに大きいからだ。これは、この問題の核心とも言える課題だ。世界各国の誓約や目標を「大胆」や「野心的」と褒め称えている人たちは、私たちが直面している危機の緊急性をまるでわかっていない。

私はたくさんの世界の首脳と会ってきたが、こうした首脳自身でさえ、自らが掲げるターゲットは本来の目的と結びついていないと認めている。それも当然のことだ。首脳たちが実行しているのは、政治的な視点で可能だと判断したことだけだから。政治家の仕事は、有権者の望みを実現することだ。つまり有権者が本当に効果的な環境対策を求めない限り、真の変化は訪れない。ただし幸いなのは、政治は民主主義で成り立っているという点だ。自由主義の社会では、人々の世論が世の中を動かす。変化を望むなら、私たちは危機意識をさらに広め、不可能にも見えることを可能にするべく働きかけなければならない。

今でも多くの人がベストを尽くしているが、世の中は複雑だ。必要とされている取り組みが容易ではないことを私たちも理解している。そして、もちろん、これらの不十分なターゲットでも、ないよりはマシだ。それでも私たちは、「ないよりはマシ」という理由だけで満足してはならない。私たちは、さらにここから前に進む必要がある。できると信じて進めよう。私たちにはその力がある。力を合わせ、実現を誓えば、私たち人間はほぼどんなことでも達成できるはずだ。

私はまだあきらめるつもりはない。

サミットで世界の首脳が示す誓約は、地球温暖化を1.5℃にとどめる、いわゆる「1.5℃ターゲット」の放棄を認めるものだ。これは自らの約束、そして私たちの未来の放棄だ。みなさんがどう思っているかはわからないが、私はまだあきらめるつもりはない。絶対にあきらめないと心に誓っている。安心できる未来に向けて、私たちは戦い続ける。1℃に満たないわずかな変動も重要で、それは今後も決して変わらないはずだ。

「変化を起こすことは可能だ」と信じる私たちを、世間知らずだと呼ぶ人もいるだろう。それはそれでかまわない。だが少なくとも、世界各国や企業の努力によって問題が解決に向かうと楽観的に考えるほど、私たちは無知ではない。彼らはメディアや一般の人からの強い圧力を受けることなく、曖昧で遠い先に設定された不十分なターゲットを掲げることで、お茶を濁そうとしている。

本当に必要な手だてと実際の行動の間のギャップは刻々と広がっている。緊急に対処が必要なのにもかかわらず、この問題への注目は低く、意識が全く追いついていない状態だ。また、気候問題に関する「ターゲット」と、現時点で入手可能な最も正確な科学データとの間にも、もはや無視できないほどの差がある。

行動、意識、時間に関するギャップは、厳然と存在しているのに無視されている最大の問題だ。私たちがこれらのギャップの解消に向けて手を打たない限り、真の変化は期待できない。また、解決策も見つからない。

さあ今こそ、「王様は裸だ」と大声で叫ぼう。今挙げたギャップに目を向けるように呼びかけて、この手記を締めくくりたい。
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斎藤幸平「私たちはコロナ後、元の生活に戻ってはならない」 ”人新世”とは何か?(週刊朝日)

最近、斎藤幸平という人に注目しています。
生活クラブの小冊子『生活と自治』1月号に「危機の時代を超えて━新たな社会への希望と協同組合の可能性」という対談が載っていました。

若い経済思想の研究者だそうです。
本『人新世(ひとしんせい)の「資本論」』を読む前にユーチューブで
斎藤幸平さんの発言を探して聞いたりしています。

斎藤幸平「私たちはコロナ後、元の生活に戻ってはならない」 ”人新世”とは何か?

https://dot.asahi.com/wa/2020122500034.html?page=1
2021.1.3 09:02週刊朝日

「人新世(ひとしんせい)」という言葉が注目されている。地球が新たな時代に入ったことを意味するもので、環境危機と人類の文明をとらえ直すなかで広く議論が起きている。関連の著書もある気鋭のマルクス研究者、斎藤幸平・大阪市立大学大学院経済学研究科准教授は、新型コロナウイルスと「人新世」には深い関係があると分析している。その斎藤氏に、「人新世」について解説してもらった。

* * *
「人新世」とは、ノーベル化学賞受賞者のパウル・クルッツェンが提唱した時代区分で、人類の経済活動が世界全体に広がり、その痕跡が地球上のいたるところまで及んだ年代という意味です。

 地質学的にみて、現在の地球は約1万1700年続いた「完新世」の時代。それが新たな年代に突入したのではないかと議論されています。現在の経済活動、すなわち際限なく利潤を追求する資本主義が、それほど地球に大きな影響を与え、環境を破壊しているということです。

 なかでも、「人新世」の時代で地球に大きな影響を与えているのが、人類が大気中に排出している二酸化炭素で、気候変動という人類の存亡にも関わる大きな問題を引き起こしています。

 一方、2020年は、新型コロナウイルスが世界を襲いましたが、これも人新世と無縁ではありません。経済のために森林破壊を続け、人とウイルスの距離が近くなり、人やモノが移動することでパンデミック(世界的な大流行)が起きやすくなった。ただ新型コロナに関しては、ワクチンがパンデミックに終止符を打ち、私たちの生活は、まもなく以前の姿に戻れるのと期待されています。

 けれども、私は、元の生活に戻ってはならないと考えています。気候変動の観点から考えると、大量生産・大量消費・大量廃棄で、二酸化炭素を排出し続ける資本主義への逆戻りは、人類滅亡への道でしかないからです。

 すでに、世界の主要国は50年までに温室効果ガスの排出量をゼロにすると宣言し、日本政府もようやく同じ目標を掲げました。そうしないと、もはや人類文明が存続できないからです。けれども、気候変動の原因である資本主義そのものに挑まなければ、目標達成はできないでしょう。

 こういった話をすると、気候変動問題は科学技術で解決すべきで、そのためには資本主義をもっと発展させるべきだと主張する人がいます。この「緑の資本主義」の考え方は経済成長を加速させるわけですが、経済の規模が拡張を続ければ、二酸化炭素排出量は増加し、気候危機は止まりません。 

 日本はこれまで、先進国として大量に二酸化炭素を排出する生活を続けてきました。だからこそ、日本は世界に先駆けて“脱炭素・脱資本主義社会”を実現しなければなりません。新年となる21年は、地球規模の危機に立ち向かうことが求められています。

>>後編:内田樹×斎藤幸平「『人新世』の人類滅亡危機にマルクス経済学が必要になる理由」に続く

(構成/本誌・西岡千史)

※週刊朝日 2021年1月1・8日号掲載記事に加筆

記念講演2 『未来への大分岐 気候変動問題への取組みと協同組合への期待』
2,280 回視聴•2020/07/04
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馬淵澄夫:【新型コロナウイルス】必要なのは感染症法の改正【隔離される権利】

【新型コロナウイルス】必要なのは感染症法の改正【隔離される権利】

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1月18日に通常国会が始まり、新型コロナウイルス対策についても審議がされています。
大きな柱は2本。
コロナ対策特別措置法と、感染症法改正。

まぶちは、その中でも感染症法の改正が最重要だと考えています。
罰則の話、ワクチンの話にばかりが報道されていますが、そもそも蔓延・感染拡大を防ぐという根本の対策をしなければ、収束は望めません。

ぜひご覧いただき、コメントをお寄せください。

まぶちすみおホームページ:https://mabuti.net/​
まぶちすみおtwitter:https://twitter.com/mabuchi_sumio​
まぶちすみおFacebook:https://www.facebook.com/mabuchisumio​

ヴィヴァルディ「四季」(イ・ムジチ合奏団)

きのう、幼稚園の周りを歩いていると、カーテンはしてあるので、

中は全く見えない講堂から、ピアノの音が聞こえてきた。

寒くて、乾燥した空気だからか、とてもよい音に感じた。

わたしの耳が目覚めた!

この時期は、やはり 「ヴィヴァルディ」がよい!

音で元気がでたのは、いついらいだろうか。

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馬 淵 澄 夫 :明けましておめでとうございます

https://mabuti.net/post-4747/
2021年1月1日 (金) ─

新年明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

 大晦日から元旦にかけての、あらゆる行事が密を避けるために中止となり、また政府からも静かな年末年始を要請されていることもあって、おとなしく自宅で年を越した。

 この世界に入ってからは初めてだから、21年ぶりのことだと少々驚きを持って過ごした。
 お年賀の挨拶でも、皆さんからは、とにかく、厳しい年だったので今年こそ良い年にしたいとの思いをたくさんいただいた。

 全国民の切なる願いであろうと思う。

 昨日も、昨年はコロナ禍により新たな秩序を迎えるきっかけとなって、時代の転換点に立った、と伝えたが、一方でステレオタイプの政治の転換を語るつもりは毛頭ない。

 一般には、アメリカ大統領がトランプ氏からバイデン氏に代わることにより、分断から統合へと転換が進み、破壊されかけてきた民主主義を取り戻すことができる機会だ、と反トランプの米メディアはこぞって喧伝しているが、実は、そんな単純なものではないと思っている。

 むしろ、トランプ大統領が実行してきた「アメリカ第一主義」の名の下での覇権放棄がいったん停止することにより、またもや軍産シンジケートが復権し、アメリカのみならず世界の秩序をその権力下に収めようとしている動きを、心から危惧する。

 トランプ大統領の人格識見について、とやかく言われることもよく承知しているが、少なくとも軍産シンジケートからの脱却こそが、アメリカ・ファーストを実現する唯一の方法だとして、覇権放棄を巧みに進めてきたことは評価すべきことと思っていた。

 それが、ここで、頓挫することになる。

 民主党のみならず共和党も含めて、再び、軍産シンジケートに飲み込まれてしまうことの影響は、世界の安全保障環境を混沌へと導いていく可能性は高い。

 先の大統領選では、米メディアの受け売りを垂れ流す日本のマスコミによって、新型コロナウイルス対策に失敗したトランプ大統領の失墜、分断・排除の政治が、統合・協調の民主主義を掲げる王道の政治に敗れたと、という構図で語られ、我が国ではそのまま鵜呑みにされている感すらある。

 大統領選ではより高齢の「良質な保守」を彷彿とさせるバイデン大統領候補が、彼をサポートする女性のハリス副大統領候補と共に、米国の正当な民主勢力の勝利、をアピールしているように映るが、果たしてどうなのか?

 覇権放棄からの転換が、米国経済に与える影響がどれほどあるか、ということも極めて重要な視点で、見極めなければならないと思っている。

 今年の政治は、解散総選挙を控え、新型コロナウイルス対策と生活を支える経済対策が、最も重要な争点だと思っているが、こうした政策をリードするはずの菅政権は数々の失政で、軋みだしている。

 一方で、日本の政治にも大きな影響を与えるアメリカがどのような方向に進むのか、無関係ではないのである。

 国際社会の秩序転換が、どういう方向に向かうかを見誤ると、私たちはまた間違った方向へと向いてしまうことに、なる。

最大限の注意を払わなければならない。

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旭川から医師が悲痛証言「医療崩壊は音を立てずに起こる」

旭川から医師が悲痛証言「医療崩壊は音を立てずに起こる」
https://news.yahoo.co.jp/articles/82cde804d67cda0962acfc219bc2c6acbb098520
12/13(日) 11:02配信

北海道旭川市で、ついに「医療崩壊」が起きた。

新型コロナウイルスの感染者は国内で過去最多を更新し、12月12日、ついに1日の感染者数が3000人を超えた。

北海道第2の都市、旭川市では、市内の病院など9か所でクラスターが発生し、自衛隊の医療チームが支援に入った。

「医療崩壊」した旭川で今、何が起こっているのか。旭川医科大学准教授で緩和ケア専門医の阿部泰之氏が、現場の悲痛な状況を話してくれた。

◆医療崩壊は静かに起きるんです

「『医療崩壊』というと、ひっきりなしに救急車が到着するとか、野戦病院のように屋外にテントが立てられ、慌ただしく人が駆けずり回っているイメージがあるかもしれませんが、じっさいは違います。もっと静かに起きているんです。今、旭川の医療は、音を立てずに崩れていっているのです。

現場の医師として、とても怖いです。焦るばかりで、どうしたらいいかわからないんです。この先どうなるのか、正直、想像もつきません。

クラスターが発生した吉田病院は、地域で認知症や介護が必要な患者さんを積極的に受け入れてくれている病院です。認知症の患者さんに『マスクつけて』『部屋から出ないで』と24時間お願いするのは無理なんです。まずはじめに言いたいのは、吉田病院はけっして悪くない、ということ。どこの病院も施設も精一杯やっています。

ぼくのいる旭川医大病院などの『急性期病院』は、ある種、花形のように語られることがありますが、その先端医療を支えているのが、今回クラスター発生した吉田病院のような慢性期患者さんをみる病院です。

それは厚労省の目指すシステムのひとつですが、こうした病院は、ふだんから予算も人手も足りていません。そのなかで『感染症対策』を求められている。

◆日本の病院は、感染症前提で作られていない

日本の多くの病院は、感染症が蔓延する前提で設計されていません。厚労省が勧める基準は、そもそも結核を基準にしていて、通常なら必要ないし、設備投資に莫大な資金がかかります。

なぜ病院で?と言われますが、病院でクラスターが発生したのは、日本の医療システム上、ハードもソフトも充分ではないことが理由です。これは全国どこでも起こる問題です。病院やスタッフは、精一杯なんです。

一部の報道では、急性期病院にだけ取材をして『クラスターが発生した病院からの重症患者が来て大変だ』というようなものがありました。取りようによっては『大変な人を押しつけられた』とも読めるのですが、そもそもそうした患者さんたちを吉田病院に送っていたのは急性期病院です。むしろ吉田病院が今まで面倒を見てくれていた患者さんが戻ってきただけとも言えます。

コロナを扱う大病院は、全部の病棟で人手が足りていません。コロナの場合は感染対策のためのフル装備が必要です。ふだん診ている患者さんよりも手がかかるため、他の病棟からも人員を補充しています。コロナの病床を確保するために、他の科の病床を減らさなければなりません。入院患者数に対して必要な看護師の数が決められていますが、今はそれが確保できないのです。

がん患者も、心臓疾患の方も、今までだったら入院してもらっていた方々がふだん通りには入院できない状況になっています。

◆そして、「第2の孤独死」が

コロナの患者さんが増えることで受ける影響は、コロナ病棟だけではありません。それによってどんどん別のところが、積み木が崩れていくように崩壊していっているのです。最後の積み木がいつ崩れるか予想がつきません。一人で奮闘してもどうにもならず、無力感に苛まれています。

そんななか入院できた患者さんは、孤独になってしまう。家族に会えないから。そのまま亡くなったら「第2の孤独死」です。入院させたら面会できませんから、自宅で看病したい、看取りたいというご家族もいます。そのための訪問診療医もキャパがいっぱいになってきています。

旭川は、北海道の北側かなり広い医療圏の中心です。日本最北の医療の砦なんです。にもかかわらず、緩和ケア病棟(ホスピス)は2つしかない。それが今回クラスター発生した吉田病院と旭川厚生病院でした。つまり、この地には緩和ケア病棟がゼロになり、安心して最期を迎えられる場所がなくなってしまいました。

入院できない、家で訪問診療も選べない。どこで死んだらいいのか。患者さんもご家族も不憫でなりません。無力感です。僕が悩んでもしょうがないんですが、なんとかならないかと悩んでいます。

◆音を立てて崩れたほうが、まだまし

今、病院はとても静かです。入院患者と面会するデイルームは使用禁止になり、ご家族も来なくなりました。エレベーターホールも、シーンとして誰もいません。でもベッドは満床なのです。満床だけど静まりかえっている。こんな状況は見たことがありません。音を立てて崩れていってくれたほうがまだましです。本当に怖い。ゾッとします。

日本の医療従事者は、平時でも休みが取りづらく、個々の献身的な使命感によって成り立っていました。コロナ禍に、その問題が一気に表出してしまいました。

◆ブルーインパルスはいらない

今、必要なのは、医療従事者の手当です。旅行してる場合じゃないし、感謝のブルーインパルスは飛ばさなくていいです。

大病院の医療従事者のなかには感染の可能性があることから自宅に帰らず診療を続けている人もいます。専門家の人手が足りません。結婚や出産などでリタイアした潜在的な医療従事者が現場に戻ってこられるような施策があれば…と思います。そのために、予算を取れないでしょうか。

それから、時限的な規制緩和。たとえば、急性期大病院の医師は特別な場合を除いて訪問診療ができません。ニーズは増えているのに診療報酬がないため仕事として動けない。ぼくは今、無償で訪問を続けています。一時的な規則の見直しにはお金はかかりませんから、『第2の孤独死』を避けて『安心して生きられる・死ねる場所』のために、検討できないでしょうか。

一般の方は、マスクを着用し帰宅時には手を洗うこと。布やウレタンではなく、ウイルス飛散や防御効果の高い不織布マスクを選んでください。それだけでもずいぶん違うはずです。

そして、頑張っている者を責めたり差別をするのではなく、励ましてほしい。クラスター発生病院や医療者への中傷を耳にするたび悲しくなります。特別なことではなくていいんです。個別に『ありがとう』と言ってくれるだけで頑張れます。対立するのではなく、それぞれの立場でできることを探していくしかありません」

地域医療を下支えしている病院や、集団生活をしている施設は全国にある。旭川で起きていることは、日本中どこでも明日にでも起こる、あるいはすでに起こっているかもしれないのだ。「医療崩壊」は、大きな音を立てない。静かに迫ってきている。

阿部泰之:1972年、長野県生まれ。医師・医学博士・旭川医科大学病院緩和ケア診療部准教授。旭川医科大学卒業後、整形外科医に。がん医療に触れるなか必要性を感じて緩和ケアの道へ。医療と介護の橋渡しのニーズをとらえ「医療者・介護者・福祉者のためのケア・カフェR」を創設、代表を務めている。

取材・文:和久井香菜子

FRIDAYデジタル

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桜井充、コロナにかかる

【コロナ感染】自宅療養の大変さについて語ります

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桜井充、コロナにかかる

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医療崩壊は始まっている!

NHKテレビの以下のニュースを見て、やはりもう医療崩壊は始まっていると思った。

「医療崩壊始まりつつある」断らざるをえないケースも 埼玉
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201216/k10012767351000.html
2020年12月16日 17時33分 新型コロナウイルス


新型コロナウイルスの重症患者が増加する中、埼玉県内の医療現場では受け入れを断らざるをえないケースも出てきています。対応にあたる医師は「通常の診療に影響が出始めていて医療崩壊が始まりつつある」と話しています。


埼玉県川越市の埼玉医科大学総合医療センターではことし4月以降、新型コロナ患者専門の病棟を設け人工呼吸器が必要な重症患者などの対応にあたっています。

1週間ほど前から重症患者の受け入れ要請が相次ぎ1日に複数の要請が入る日もあったということで、こうした場合、ベッドが空いていてもスタッフの負担などを考慮し断らざるをえないケースもあるといいます。

この病院の総合診療内科・感染症科の感染症専門医の岡秀昭教授は「1人の重症患者に対応するためには多くのスタッフが必要で、残念ながら要請を受けられないケースも生じています。医療現場はコロナウイルスとの闘いから1年近く経過して、現在もっとも大きな感染の波が来ている状況なので非常にしんどいというのが正直なところです」と話しました。

そのうえで「『医療崩壊』の定義が定かではないため表現は難しいが、通常の診療に影響が出始めている以上、医療崩壊が始まりつつあると言えると思います」と話していました。

また、今後の対策などについては「今回の感染の広がりは若い人が家庭に持ち込み、高齢者や持病のある人が重症化しているのが特徴です。従来の年末年始は子や孫が親や祖父母に会いに帰省するものですが、感染を広げてしまわないか懸念があります。体力の弱い人に感染させてしまうことをイメージしながら、帰省や移動については慎重に検討してほしい」としています。


━━また「河北新報」で桜井参院議員が話しています。

「仙台は既に医療崩壊」 新型コロナ感染から復帰の桜井参院議員
https://www.kahoku.co.jp/special/spe1211/20201207_08.html

コロナの闘病生活を語る桜井氏。体重は2キロ落ちた=4日、参議院

 新型コロナウイルスに感染し、自宅療養を経て11月30日に国会に復帰した無所属の桜井充参院議員(宮城選挙区)が河北新報社の取材に応じた。医療従事者の不足で空床があっても入院できず、「仙台市内は医療崩壊が起きている」と指摘。差別や偏見により感染経路の解明が進まない現状や、国の観光支援策「Go To トラベル」の継続に警鐘を鳴らした。

 PCR検査で陽性と判明したのは11月13日。発熱とせきの症状があっても満床を理由に入院を拒まれ、自宅療養を余儀なくされた。38.5度の熱や睡眠を妨げる全身の痛み、吐き気や下痢と襲い掛かる症状に耐えかね、医師に相談したが「入院しないと薬は出せない」と処方を断られた。

 「『療養』とは名ばかり。家庭常備薬を飲んで寝ているだけ」と約10日間の闘病を語る桜井氏。後日の外来受診で、肺炎を起こしていたことも判明した。「入院するには重症化を待つしかない現状を医療崩壊と言わず何と言うのか」。知人の医師から「市内は満床ではなく、人手不足で受け入れが困難」と聞かされた。

 15日、批判は覚悟の上で感染経過などを記したブログを始めた。東京都内で9日に開いた懇親会が原因とみられ、出席者5人中、桜井氏を含む2人が発症。共通点は飲食店のトイレを利用したこと。接触感染を疑った。「飛沫(ひまつ)感染を主原因とする従来の見解を見直すべきだ」。クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号で最も多くウイルスが検出されたのもトイレだった。

 「感染症は差別と偏見の歴史の繰り返しで、感染経路の実態解明を妨げている」。クラスター(感染者集団)が発生した宮城県議会の自民党系会派にも理解を示し、「議員も一人の生活者。氏名公表より大切なのは、それぞれの行動履歴と感染の有無を分析し、政策提言に生かすこと」と唱える。

 桜井氏は今後、医療体制の見直しを政府に働き掛ける。「国の空床データと現場には乖離(かいり)がある。認知症を患う感染者に人手が割かれる事例も多く、患者の集約や介護士の派遣などシステムの再構築が必要だ」と強調。症状が改善した入院患者と自宅療養者の柔軟な入れ替えも提案する。

 菅義偉首相肝いりの「Go To トラベル」の見直しも求める。旅行業界などには財政出動による支援策を講じ、財源は景気が上向いた後の増税を検討すべきだとする。「人の命だけはお金では救えない」と実感を込めて訴えた。
(東京支社・桐生薫子)
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スガさん、アンタのコウドウ、アウトだよ!

「西日本新聞」の記事に注目!

「首相は模範示せ」菅氏、批判受け陳謝 夜の会食、大勢で何度も…
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/674076/
2020/12/17 6:00
西日本新聞 総合面 前田 倫之


 「国民の誤解を招くという意味では、真摯に反省している」。新型コロナウイルスの感染リスクが高まると専門家が指摘する「5人以上の飲食」を夜に続け、批判が出ていた菅義偉首相が16日夜、陳謝した。


【関連】GoTo停止、首相に逆風 説明不足露呈、“身内”も距離置く

 政府の感染症対策分科会は10月23日、クラスター(感染者集団)が発生した自治体の分析などを基に「会食の人数が、例えば5人以上と多くなると大声になり、飛沫(ひまつ)が飛びやすくなるから控えてほしい」と注意喚起した。「新しい生活様式」の一部として世間にも浸透しつつある。ところが−。

 首相動静によると、分科会の提言翌日の10月24日以降、首相が夜に5人以上で会食した回数は少なくとも9回に上った。

 いやが上にも目立ったのは今月14日夜。観光支援事業「Go To トラベル」の全国一時停止を公表した後、企業経営者ら15人前後とホテルで会食。さらに、自民党の二階俊博幹事長やプロ野球ソフトバンクの王貞治会長、俳優の杉良太郎さんら7人以上が集ったステーキ店での「忘年会」もはしごしていた。

 首相周辺は「席の距離を離して『密』を避けるなど、万全な感染対策を取っている」とし、問題ないと予防線を張ってきた。

 これに対し、与党・公明党の山口那津男代表が15日に「国民に対するメッセージ性もある。よく配慮しながら今後、検討していただきたい」と苦言。野党も、「首相として(国民の)模範になっていただくべきだ」(立憲民主党の福山哲郎幹事長)と攻撃材料と見定めボルテージを上げ始め、放置すれば傷口が広がりそうな気配が濃くなっていた。

 官房長官時代から、幅広い分野の民間人と積極的に会食して情報収集し、政策と政局に生かしてきた首相。16日夜は、官邸で記者団の取材に対し率直な反省を表明したものの、今後、多人数の会食を見直すかまでは明言しなかった。西村康稔経済再生担当相は、この日の国会答弁で「『5人以上が一律に駄目』というわけではない」と述べた。

 (前田倫之)


GoTo停止、首相に逆風 説明不足露呈、“身内”も距離置く
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/674077/
2020/12/17 6:00
西日本新聞 総合面 森井 徹 一ノ宮 史成


 菅義偉首相に吹き付ける逆風が急に厳しく−。新型コロナウイルスの猛威が止まらない中、16日の衆院内閣委員会の閉会中審査では観光支援事業「Go To トラベル」の全国一時停止のタイミングがやり玉に挙げられた。首相の「人の移動では感染は拡大しない」発言も、追及を受けてエビデンス(根拠)がぐらつく。身内の与党もじわり、距離を置き始めた兆しがある。


【関連】「首相は模範示せ」菅氏、批判受け陳謝 夜の会食、大勢で何度も…

 政府が感染封じ込めを国民に訴えた「勝負の3週間」が終わったこの日も、東京都で過去最多の678人の新規感染者が確認されるなど、ウイルスは情け容赦なく拡大を続けた。

 「政府の感染症対策分科会の提言を踏まえ、11月末からさまざまな対策を講じてきましたが(感染が)高止まりの状況であり、真摯(しんし)に受け止めています」

 夜、官邸エントランスで記者団の取材に応じた首相はこう述べ、感染抑制がままらない現状を認めた。「国民の命と暮らしを守るため、全力を挙げて取り組んでいきたい」と続けたものの、力強さには欠けた。

 昼間の閉会中審査では、野党がこの3週間を「やってきた対策が不十分だった」「効果がなかったと言わざるを得ない」と総括し、政府に集中砲火を浴びせた。28日からのトラベル事業の停止判断についても、「年末年始の医療逼迫(ひっぱく)を回避する目的であれば、今からただちに停止するべきだ」(共産党の塩川徹也氏)などと鋭く指摘し、追い込んだ。

 首相が11日に出演したインターネット番組で、分科会から「移動は感染(のリスク)が低いと提言をいただいている」と発言したことも俎上(そじょう)に。参考人として出席した尾身茂分科会長は、答弁で「人の動き、接触を抑えないと感染は沈静化しない」と提言したことを紹介し、首相との食い違いが明らかとなった。

 立憲民主党の大西健介氏は「『旅行に行け』と言っているのか、『移動するな』なのか。メッセージが不明確だから混乱が起きている」と、首相の説明不足を印象付けた。

 政権発足から3カ月を境に、歯車が逆回転を始めたような首相。自民党の閣僚経験者は「国民の声をくみ取れていない、と思われても仕方ない。批判されて当然だろ」。政府関係者も声のトーンを落とす。「この内閣支持率の急落ぶりは危険だ。もうプラスになる要素がちょっと思い付かない」

 (森井徹、一ノ宮史成)
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関西を元気にする”真の大阪都構想”:相澤冬樹

【関西を元気にする”真の大阪都構想”】
https://note.com/fuyu3710/n/n7ee6f769e0fd
相澤冬樹
2020/10/28 07:27

《10月21日大阪北ロータリークラブでの卓話より》

 本日はお招き頂きましてありがとうございます。相澤と申します。

1/大阪人以上に大阪を愛するが故に

 私は九州出身で大阪とは縁がなく、親類縁者もいないところだったのですが、今から17年前にNHKの転勤で初めて大阪放送局にやってまいりまして、それから5年間で大阪がすっかり好きになりました。その後、また東京に転勤しますが、どうしても大阪に戻してほしいと上司にお願いして、また大阪に戻ってまいりました。そしてNHKを辞めて大阪日日新聞に移りましたので、このまま大阪に骨を埋めようと、身も心も大阪人になりたいなと思っています。

 よく「なんでそんなに大阪好きなん?」と聞かれます。そんな時に「飯が美味くて安くて、人情があって・・・」と言えばその通りなんですが、それではありきたりなので、私はこういうふうに答えます。

 私が生れた宮崎は人間関係が凄く濃くて、世話を焼いてくれますが、はっきり言うと干渉してくるので暑苦しく感じます。その後、私は東京で過ごしてNHK時代も東京で仕事をしました。東京は一言で言えばスーパードライ、切れ味良すぎてコクがない、要するに人間関係が希薄です。立ち飲み屋に一人で飲みに行って横の客と仲良くなるかというと絶対ありません。大阪は知らない客同士が10分後には仲良く話しているということがよくあります。凄くフレンドリーで、ところがある一定以上には踏み込んでこない、適度に距離をもって、適度に放っておいてくれて、適度にかまってくれる、この絶妙な人間関係が大阪は素晴らしく、だから私は大阪人になりたいと思いました。皆さんは納得して頂けるでしょうか(拍手)

 大阪に住んでもう13年になります。何となくエセ大阪人として大阪弁を使いたくて大阪弁を使っていますが「あんたの大阪弁おかしいで」と言われます。最近、中国の人からも言われました。その人は20歳の時に日本に来て大阪の日本語学校に入って、関西大学で4年間、その後も大阪で仕事をしている、日本語的にはネイティブ大阪人と同じ、大阪文化圏以外で暮らしていないので流暢な大阪弁を使います。

 私は大阪人が好きで大阪弁を真似して、イントネーションがおかしいと言われながら大阪人になろうと、大阪で生まれ育った人よりも大阪の良さが分かっていると思っています。だから大阪にどんどん良くなってほしい、大阪を元気に、そして大阪、関西を元気にするにはどうしたらいいのかということをいつも頭の片隅においています。


2/都構想を批判する人たちに欠けていること

 大阪の経済界の錚々たる皆様が集まっておられる席で、住民投票をやっている時に、この話題を避けてはダメだと思って選んだのが「関西を元気にする”真の大阪都構想”」というタイトルです。私は基本的には反対も賛成もしません。別の視点で話をしたいと思います。

 都構想を批判する人、維新を批判する人、要するに維新のやり方じゃダメだ、「大阪市分割」には反対だと。パンフレットを見ると、なぜ維新がダメか、なぜ都構想がダメかということが書いてあって、もっともな理屈ではありますが、「大阪を守ろう」だけでは若い人に通じません。

 「大阪を守ろうだけでは若い人に通じない。何か希望を感じられる言葉はないものか?」と言ったのは、実は反対運動をやっている人です。住民投票、維新の都構想に反対運動をしているある人が、若い人に一生懸命ビラを配って分かってもらおうとする活動を通して、「これじゃダメだ、特に若い人に通じない。未来に希望を持てる何かが必要ではないか」とおっしゃっています。

 何も変えないでいいのか、みんな何か変えてほしい、もっと良くしたいと思っているわけです。そこが維新の力の源泉だと思っていて、維新は変えると言っています。内容が良いか悪いかは別にして、そこに希望が感じられて支持が集まっているのだろうと思います。

 現在は多分賛成と反対は拮抗していると思います。前回の住民投票をみても本当に僅差でした。恐らく高齢者の批判票が集まったから反対が多かったのではないか、老いも若きもみんな一致して大阪を良くしたいというようなものが必要ではないかなと感じています。


3/維新の都構想に欠けているもの

 現状で賛成と反対が拮抗しているということは、半分ぐらいは反対しているということで、みんなが一致団結していないということです。

 維新の都構想をみていて「へぇー」と思うのは、実現しても「大阪都」はできないということです。都構想と言いながら「大阪都」にならない、最近は都構想と言わなくなって「大阪市分割」というようになりました。大阪市を分割してそれを大阪府が吸収して二重行政を解消する、そこまではいいとして大阪府は大阪府のままです。

 そもそも「都」というのは何だろうと考えたら「都」は首都です。日本の首都は東京であり「東京都」に違和感はありません。それに対して維新の人たちは「副首都構想」、大阪を副首都にすると言っていますが、維新が言い始めたことではなく、ずっと前から大阪の人たちは「副首都構想」と言っていました。「副首都」というのは魅力でしょうか?

 ここにいらっしゃる企業のトップの方々、「俺も将来社長になるんだ」と意欲を燃やす若者は応援しますが、「俺は将来副社長になるんだ」と言われたら「何で最初から副なの、何でトップをとらないの」と思われることでしょう。「副首都」は全然魅力的に聞こえないので、真の「大阪都」になるには都をもってくるしかなく、都を持ってくるというのは、つまり遷都するということになります。


4/関西遷都の可能性と歴史的・経済的正当性

 私は関西遷都というふうに仮に名づけました。「そんなことは夢物語だろう、実現できっこないだろう」と皆さんは思われるでしょう。そこを考えてみたいと思います。本当に夢なのか、全く可能性がない話、もしくは正当性のない話なのか。東京はそもそも何で首都なのかと考えたことはありますか?

 江戸時代まで天皇陛下は京都におられました。京都が都、だから関西は上方でした。江戸には幕府があって政治の中心は江戸でしたが、都は京都でした。それが1868年明治元年に明治政府が明治天皇に京都から東京に遷って頂いた、これ以降、東京が都だと認識されるようになります。それまで京都だった都を東京に遷すなら東京遷都になるはずです。

 ところが明治政府もそれ以降今に至るまで東京に遷都したと宣言していません。あれは「行幸」と言われるもので、「東京行幸」でした。京都にいらっしゃる明治天皇が東京に一時的に旅行する、そう言わないと京都の人が納得しないからではありますが「行幸」と言って東京に行って、そのまま江戸城に住まわれました。ちょっと長い間、150年旅していることになります。京都には1200年間都がありましたので、そろそろお戻りになられてもいいのではないでしょうか。

 因みに天皇陛下がお住まいになっているのは皇居、江戸城ですので武士の住むところ、だから堀があって石垣があります。天皇というのは雅な存在、神事を司る、日本の伝統と文化、古式ゆかしく守っていかれる方々が城にお住まいなわけです。京都御所、あれが本来の天皇のお住まいです。だから天皇陛下には京都にお戻り頂こう、遷都ではないです。これはなかなか筋が通っていると思っています。すると京都が都ということになります。

 明治天皇が東京に行かれた時にもう一つの構想として大坂遷都というのがありましたが、諸般の事情で実現できずに東京になりました。大阪は東京と張り合っても都になる価値は十分ある街です。京都を首都にするとしても京都の町に中央官庁全部を収容できるだけの土地はなく、学術文化都市です。天皇陛下には相応しいですが、政治家たちが有象無象やってきて、わいわいやるのには向いていないところですので、やはり大阪がそれに相応しいと思っています。

 大阪に都を持ってくるとして、どこかというと当然大阪城です。大阪城はなぜあそこにあるのかと考えたら上町台地、元々は本願寺、高台で地盤がしっかりしていて、大阪では一番確かな場所だから城を構えたわけです。明治になって第4師団司令部がおかれていました。

 あそこに首相官邸を構えたらどうでしょう。あの周りにはいっぱい土地があります。昔、砲兵工廠だったところはほとんど利用されていませんので、中央省庁を新たにつくって建てる場所はいくらでもあります。足りなかったら向かいに大阪府庁がありますので移ってもらう、大阪府と市が合併して一つになるのだったら中之島の市役所に移ったらいいかなと思ったりしています。

 ただ、全部関西に持ってくるとなると東京の人は怒ります。「何で勝手なことを」と納得しません。だから国会は立派な国会議事堂がある東京に残しましょう。首相官邸も中央省庁も建物はそのままおいといて、大阪には国会議事堂以外の中央省庁の機能を持つ建物を全部新たにつくって首都を2つにする、二重首都、結構世界にそういう国があります。通常国会は年に150日間開かれるので、その間は首相も大臣も中央省庁の幹部も東京に行く、国会が開かれていない時は大阪で執務をするというふうに行ったり来たりして、両方どっちも首都として機能するようにしておくことです。

 何が起きるか、首都直下地震、今もしも関東直下地震が起きたら東京は壊滅して機能しなくなります。今の日本はあまりにも東京に集中していて、東京が壊滅したら日本全体が倒れてしまう。日本の未来を考えたら本当に危険なので、首都機能を分散させなければいけないという構想は前からありますがなかなか進みません。やはり日本は首都が2つあった方がいいと思っています。狭い国土ですが東京と大阪に離れていれば、両方が一気に壊滅することはまずないので、これ以上の防災対策はないわけです。こう言うと関西だけではなく日本中の人が「なるほど、もっともだな」と思ってくれる余地があると思います。

 同時に首都機能の半分を大阪に持って来れば、東京は今の超過密から少し緩和すると思います。長距離通勤、最近はコロナ禍のリモートもありますが、本来あるべき姿ではなく、職住が近接した方がいいはずです。首都機能の分散は東京人にとってもいい、関西も東京も日本全国にとっていいということです。みんなが得する世界を目指したい、要するにウィン-ウィン、フィフティ-フィフティに仲良く分けようということです。

 元々天皇陛下も日本の都もずっと関西から出たことがなくて、神話の世界からまずは奈良にあって、奈良から一時期は難波宮、大阪にあって、それから京都に行って、一時期は大津にあったこともありましたが、関西から出たことがありません。政治の機能が関東にいったのは鎌倉と江戸、それ以外はずっと関西にありました。日本の伝統と歴史に照らして関西にあるのが当たり前、天皇陛下に京都にお戻り頂きましょう、歴史と伝統に立ち返りましょうと、関西では関西遷都運動、東京では首都機能分散と、同じことを言葉を変えて言っています。そしたら大阪が文字通り「都」になって、本当の「大阪都」ができます。

 その場合の「大阪都」はどうやってつくるのか。今、住民投票で問われているのは大阪市を解体して府がそれを吸収するという形での構想です。でも逆があってもいいのではないか、大阪府を解体して大阪市が吸収してもいい、二重行政の解消だったらどっちにしろ解消できます。

 前例がありまして、東京都は、東京市と東京府だったのが戦時中に行政効率等の問題を考えて無理やり合併しました。その時の合併は形式的にはともかく、実態は東京市が東京府を飲み込んだ、圧倒的に東京市の方が規模が大きかったからで、足腰がしっかりした基礎自治体はそう簡単になくすよりも利用した方がいいのではないかと思ったりしています。

 最後に「無理に決まっているだろ。関西遷都や大阪二重首都なんて…」と思われるかもしれませんが、大阪にはいい言葉があります。「言うのはタダ」。

 その後ろには、言ってもダメだと思いますけど…という気持ちが隠れています。言ってみてダメな方がすっきりと諦められます。ただ、言ったら意外に上手くいくかもしれない、言うのはタダ、ダメ元で言ってみたらいいと思っています。やはり何か希望が感じられることが必要、大阪がこのままでいいと思っている人はほとんどいなと思います。何か変えた方がいい、変った方がいい、その先には夢が必要です。その夢はでっかい方がいいじゃないですか。

 まずは大きく言って、「首都を持ってこい」と言って結論は「副首都」で終わるかもしれませんが、最初から副首都を目指すのは話が小さい。話はでっかく、夢はでっかく真の大阪都構想でいってはどうかなというのが、私が記者としての取材経験を通して今感じていることです。

 皆様、ご清聴ありがとうございました。


相澤冬樹

元NHK記者、大阪日日新聞。赤木雅子さんとの共著【私は真実が知りたい 夫が遺書で告発「森友」改ざんはなぜ?】著書【安倍官邸vs.NHK 森友事件をスクープした私が辞めた理由】。週刊文春、ハーバー・ビジネス・オンライン、ヤフーニュースなどに記事掲載中。大阪・上本町〜谷町9丁目が根城

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森友公文書改ざん訴訟、新たな展開

少し長くなりますが、森友問題を追及し続けている「相澤冬樹元NHK記者」の「Twitter」を
チェックし続けているわたしは、今日の関連記事を残しておきたいと思います。
NHKも詳しく取り上げましたので、載せておきます。

「私と夫の立場に立ってください」森友公文書改ざん訴訟で国の代理人を揺さぶった魂の叫び

 意見陳述で「国の人たちが返事してくれました。気持ちが通じたんです」
https://bunshun.jp/articles/-/40896
相澤 冬樹

 財務省の森友公文書改ざん事件を巡り、上司に改ざんをさせられたことを苦に命を絶った近畿財務局の職員、赤木俊夫さん。その妻、赤木雅子さんが国などを訴えた裁判が大阪地裁で行われている。以下は、裁判当日の赤木さんの独白だ。

〈けさ(10月14日)夫の死を巡る裁判がある日。夫の書斎に入った。普段は気が重くなるから入らないんだけど、久しぶりに入って棚にびっしり入った本を1冊何気なく手に取った。そしたらバタバタっと本が雪崩のように崩れ落ちてきた。あ〜あ、朝から何やってんのかなあと思いながら本を片付けていたら、写真が1枚落ちているのに気づいた。本の間に挟まっていたようだ。それは……。

 夫のお母さんの写真だった。1987年(昭和62年)2月、国鉄の分割民営化直前。国鉄から旧大蔵省(今の財務省)への転職が決まっていた夫が、両親に北海道旅行をプレゼントした写真だ。夫はお母さんが好きだった。

 5年前、お母さんが亡くなった時、夫は実家からこの写真をもらってきた。きっとその時に本に挟んだまま忘れてしまったんだろう。2年前、夫は自ら命を絶つ前に、この写真を探していたけど見つからなかった。それが、夫の死の真相を巡る裁判のその日に、こんな偶然で見つかるなんて。

 これはきっといいしるしだ。きょうの裁判にはこの写真を持っていこう。夫と夫の母が見守ってくれている気がする〉

国は「改ざんの経緯や内容などの事実は必要ない」

 赤木さん側は、夫の死の真相につながる情報の提供を国に求めた。ところが国は「損害賠償のためには、改ざんの経緯や内容などの事実は必要ない」と、回答を拒否してきた。

 きのう13日、2回目の裁判を前に開かれた弁護団会議の席で、弁護団から改めて国の回答について説明があった時、赤木雅子さんは思わず涙ぐんでつぶやいた。

「ひどすぎます。夫がかわいそうです」

 そこで、この赤木さん本人の思いを法廷で直接訴えてもらうのが効果的ではないかとの考えから、急きょ、赤木さん本人の法廷での意見陳述が決まった。前日の申請にも関わらず、裁判官もこの申請を認めた。そしてきょうの裁判。被告席に国の代理人の訟務検事や財務省、財務局の担当者がずらりと10人以上も並ぶ中、赤木さんは原告席から対面する被告席に向かって意見を読み上げた。以下、全文をご紹介する。

◆ ◆ ◆

 国は、第1準備書面において、夫が改ざんに追い込まれた具体的経緯や、夫が作成した(改ざんに関する)ファイルやメモが存在するかどうかについて、回答する必要がないと主張しました。

 私は、この回答を聞いて、夫のことがかわいそうになりました。涙があふれました。私が勇気を振り絞ってこの訴訟を提起し、夫が亡くなった真相を知りたいとお願いしているのに「そんなこと知らなくていい」と言われた感じがします。夫も泣いていると思います。

 もちろん、このような回答を決定した財務省、近畿財務局、訟務検事の方々は、仕事だから仕方ないのかも知れません。

 でも、お願いですから、私と夫の立場に立って下さい。皆さんの大切な夫や妻や子どもが、改ざんを強制されて自殺に追い込まれたことを想像して下さい。

 きっと、私と夫の立場に立てば、「そんなこと答える必要はない」という回答が、どれだけ遺族の心を傷つけるか想像できると思います。

 私は真実が知りたいだけです。(赤木さん側が国に答えるよう求めた)求釈明申立書の内容にちゃんと回答して下さい。夫が作成したファイルやメモを開示し、夫が自殺に追い込まれた具体的な経緯を教えて下さい。宜しくお願い致します。

3人だけ、すっと目線を赤木さんの方向に上げた

 その間、1〜2分ほどの間だっただろうか。私は赤木さんの意見を聴きながら、法廷の傍聴席でじっと見つめていた。赤木さんではない。向かい側の被告席の国の代理人たちを。彼らがどんな表情、しぐさで、赤木さんのこの声を聴くのかを見届けるために。

 10人以上いる代理人たちは、手元の書面を見つめていた。そこに、赤木さんが読み上げる意見の全文が文書であるからだ。だが、赤木さんが「お願いですから、私と夫の立場に立って下さい」と読み上げた時、その中の3人だけ、すっと目線を赤木さんの方向に上げた。

「皆さんの大切な夫や妻や子どもが自殺に追い込まれたことを想像して下さい」「どれだけ遺族の心を傷つけるか想像できると思います」と続く言葉に、目を宙に泳がせたり、逆にじっと一点を注視しながら何か物思いに耽る様子を見せる人もいた。どんな立場の人にも感情が、心がある。赤木さんの魂の叫びを受けて、思うところがあったのだろう。

「国の人たちが返事してくれました」

 裁判が終わり、法廷を退出する時、赤木さんは被告席の横を通って外に出る。その瞬間、赤木さんは国の代理人の人たちに声をかけた。

「これからよろしくお願いします」

 ……すると、鉄面皮のような国の代理人の間から数人が、とまどった様子ながらも「よろしくお願いします」とお辞儀しながら言葉を返してきた。赤木さんはうれしそうに私に伝えてくれた。

「相澤さん、国の人たちが返事してくれました。気持ちが通じたんです。意見陳述してよかった」

この裁判はまだまだ長く続くが、赤木さんは確かな手応えを感じたようだ。こんな風に。

 夫の母の写真と、急きょ決まった意見陳述。私はツイている。きっと裁判もうまくいくに違いない。そう考えることにしよう。


森友学園問題 経緯話す財務局職員の音声データ 報道機関に公開(NHK)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201014/k10012663341000.html?utm_int=detail_contents_news-related_001
2020年10月14日 19時00分

森友学園をめぐる一連の問題で決裁文書の改ざんに関与させられ自殺した男性の上司が国有地の値引き売却や改ざんの経緯について男性の妻に説明した音声データを妻の弁護士が報道機関に公開しました。
この中で上司は、改ざんの経緯を自殺した男性が詳細にファイルにまとめ職場に残していたと明かしていました。

音声データは、財務省の決裁文書の改ざんに関与させられ、おととし自殺した近畿財務局の職員、赤木俊夫さん(当時54)の妻の雅子さんの弁護士が報道機関に公開しました。

また、14日、大阪地方裁判所で行われた、雅子さんが国などに対して起こしている裁判の審理で証拠として提出されました。

データには、財務局で上司だった男性が一周忌の弔問に訪れた際に話した内容が録音されています。

この上司は、森友学園への国有地売却の責任者で、決裁文書の改ざんでも赤木さんに手伝うよう頼んでいて、財務局では一連の問題の中心にいた職員です。

上司は雅子さんに対し、国有地の値引き売却について「安倍総理大臣とかから声がかかっていたら正直、売るのはやめていると思います」などと、政治家の影響を否定していました。

一方で、地中のごみの撤去費用として値引いた8億円余りが妥当だったかについては「確証がない」と打ち明けていました。

また、改ざんについて赤木さんが涙を流しながら抵抗していたことや改ざんの経緯を詳細にまとめて職場に残していたことを伝え、「そのファイルを見たら、われわれがどういう過程で改ざんをしたのかが全部わかる」と話していました。

このファイルについて、国側はこれまで「回答する必要がない」として存在するかどうかの確認も拒んでいます。

14日の審理では、雅子さんがファイルの開示を求め、国側は12月9日の進行協議までに、回答が必要かどうか検討するとしました。

赤木さんの妻 雅子さん「真実が知りたいだけ」開示求める

森友学園に関する決裁文書の改ざんに関与させられた近畿財務局の職員、赤木俊夫さん(当時54)の自殺をめぐり、妻の雅子さんは国などに対して裁判を起こし、改ざんの経緯を明らかにするよう求めています。

14日、大阪地方裁判所で行われた2回目の審理で雅子さんは、上司が話していた赤木さんが改ざんの経緯をまとめたファイルの存在を国側が「回答する必要がない」としていることについて、「回答の必要がないと聞いて、夫がかわいそうで涙が出ました。私は勇気を振り絞り、裁判を起こしたのに、そんな対応では、夫も泣いていると思います。どれだけ遺族の心を傷つけるか、分からないのでしょうか。私は真実が知りたいだけです」と訴え、ファイルを開示するよう求めました。

雅子さん「国家公務員として法廷で話してほしい」

裁判のあと、原告の赤木雅子さんはNHKの取材に応じ、「夫の上司がわが家で話してくれたことに、きっと、うそはなかったと思うので、国家公務員として法廷で話してほしい。国は何を隠そうとしているのか誰を守ろうとしているのかわかりませんが、真実を知りたいです。政府にも再調査をしてもらい、近畿財務局や財務省の人たちに知っていることを教えてほしい。夫は改ざんを強要され、みずから命を絶ちました。なぜそうなったのか、すべてを知ることができるまで裁判を続けたい」と話しました。

加藤官房長官「結論出ており発言差し控える」

加藤官房長官は、14日午後の記者会見で「近畿財務局の職員の方がお亡くなりになったことについては、改めて謹んでご冥福をお祈りしたい」と述べました。

そのうえで、「決裁文書の改ざんについては、保有する文書や関係者の聴き取りなどに基づいて、財務省の調査報告書に事実関係が詳細に書かれており、第三者である検察の捜査も行われ、結論は出ていると承知している」と述べました。

そして、「国は、訴訟の一方の当事者であり、従来から訴訟に関わることを訴訟外で答えることは差し控えている」と述べました。

財務省「確認中のためコメントできない」

一方、今回公開された音声データの内容について、財務省は「確認中のため現時点ではコメントできない」としています。


【詳報】森友学園 改ざん経緯説明の音声データ その内容は(NHK)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201014/k10012663421000.html?utm_int=all_side_ranking-access_001
2020年10月14日 18時08分

森友学園をめぐる一連の問題で決裁文書の改ざんに関与させられ自殺した男性の上司が国有地の値引き売却や改ざんの経緯について男性の妻に説明した音声データを妻の弁護士が報道機関に公開しました。その内容の詳細です。

報道機関に公開された音声データは去年3月、赤木俊夫さんの自宅を一周忌の弔問に訪れた近畿財務局の直属の上司が雅子さんに話した内容を録音したものです。

この上司は森友学園に国有地を売却した際の責任者で、決裁文書の改ざんでも部下の赤木さんに直接手伝うよう頼んでいて、財務局の中では国有地取引から改ざんに至る一連の問題で最も中心にいた職員です。

「売り払いをしたのは僕です」

雅子さんとのやり取りの中で上司は森友学園に地中のごみの撤去費用として8億円余りを値引いて売却した理由を次のように説明しています。

「あの売り払いをしたのは僕です。国の瑕疵(かし)が原因で小学校が開設できなかったときの損害額が膨大になることを考えたときに相手に一定の価格、妥当性のある価格を提示してそれで納得できればいちばん丸く収まる。撤去費用を試算した大阪航空局が持ってきたのが8億円だったということで、それを鑑定評価額から引いたというだけなんです」と話しました。

国会で大きな議論になった政治家の影響については「僕は安倍さんとか鴻池さんとかから声がかかっていたら正直売るのはやめていると思います。だからあの人らに言われて減額するようなことは一切ないです」と否定していました。

ただ値引き額が妥当なのかどうかついては「この8億の算出に問題があるわけです。確実に撤去する費用が8億になるかというところの確信というか、確証が取れてないんです」と打ち明けていました。

「作業量を減らすためにやった」

そして決裁文書の改ざんについても当時、財務局がどのような状況になっていたのか話していました。

改ざんを行った理由は野党の追及が強まり、国会対応に追われた財務省本省から負担を減らすために指示されたためだとしています。

「少しでも野党から突っ込まれるようなことを消したいということでやりました。改ざんなんかやる必要もなかったし、やるべきではない。全く必要ないと思っていました。ただ追い詰められた状況の中で少しでも作業量を減らすためにやった。何かそんたくみたいなのがあるみたいなことで消すのであれば絶対消さないです」と釈明していました。

「赤木さんは涙を流しながら抵抗」

改ざんを指示されたときの赤木さんの様子について「初めから赤木さんは抵抗しました。正直涙を流しながら抵抗していました。本省にもちろん僕自身も抵抗はしていたんですけども止めきれなかった」と述べ一緒になって本省からの指示にあらがうことをしなかったと説明しました。

さらに赤木さんが、改ざんを詳細にまとめて職場に残していたと明かしています。

上司は「ファイルにして赤木さんがきちっと整理している。全部書いてある。何が本省の指示か。前の文書であるとか修正後のやつであるとか何回かやり取りしたようなやつがファイリングされていて、これを見たら、われわれがどういう過程でやったのかが全部わかる」と述べていました。
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あかん!都構想 山本太郎(れいわ新選組代表)大阪街宣 専門家が都構想の本質を解説!!

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大阪の都構想問題は、埼玉に住む者にとっては、正直、人事です。

しかし、住民投票をして決めるなどと、切羽詰ってきている状況を知るに付け、

いったいどうなってるの?

都構想問題を理解したい・・・と思いました。


そんな時、山本太郎さんのYou Tubuを見ていたら、やっと理解できました。

大阪市を壊すのです。


「日本維新の会」に乗っ取られてしまった大阪府と大阪市、

このまま進んでいくと、大阪市は壊され、大阪府はやばくなり、

同時に「日本維新の会」が日本を壊していくと直感するのです。

つまりは、人事ではなくなるのです。

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新型コロナ 更なる院内感染の懸念、感染症法“二類外し”で

新型コロナ 更なる院内感染の懸念、感染症法“二類外し”で(女性自身)
https://news.yahoo.co.jp/articles/214b8860c2e056b1514041734049690d8d74009c
9/11(金) 6:37配信

これまで新型コロナは、無症状者や軽症者にも入院の勧告をする感染症と分類されていた。しかし、厚労省は“誤った”方向でその分類を見直す予定だというーー。

「感染状況は7月末がピークになっているように見え、新規感染者数は緩やかに減少を始めていると考えられる」

厚生労働省の専門家組織「アドバイザリーボード」の会合にて、新型コロウイルスについて冒頭のような見解が発表されたのは9月2日のこと。同組織は「感染症法における入院勧告等の権限の運用の見直し」を盛り込むことも発表している。これについて、政治部記者が解説する。

「現行の感染症法では、新型コロナの感染者について、家庭内感染や重症化を防ぐため“入院の勧告や措置”を取ることができます。しかし厚労省は、重症者以外の感染者について“入院勧告をしない”という方向で見直しを図るというのです」

あらゆる感染症は同法に基づいて、おもに「一〜五類感染症」に分類される。新型コロナは、その実態についてまだまだわからないことがあるため正確な分類はなされておらず、厚労省は「指定感染症」としている。ただし入院の勧告や措置などを行っていることから、新型コロナは“二類相当”に分類されているのが現状だ。

■感染症法に基づくおもな措置の概要(参考:厚生労働省健康局結核感染症課「感染症の範囲及び累計について[平成26年3月]」

【一類感染症】
例:エボラ出血熱、ペスト等
分類の考え方:感染力と罹患した場合の重篤性などに基づき、その危険性が判断されたもの(病原性の強さは一類→二類→三類の順)
入院勧告・措置:○
就業の制限:○

【二類感染症】
例:結核、SARS、一部の鳥インフルエンザ等
分類の考え方:感染力と罹患した場合の重篤性などに基づき、その危険性が判断されたもの
入院勧告・措置:○(感染症法に基づく措置の場合、検査費・入院費は公費で負担する)
就業の制限:○

【三類感染症】
例:コレラ、細菌性赤痢、腸チフス等
分類の考え方:感染力と罹患した場合の重篤性などに基づき、その危険性が判断されたもの
入院勧告・措置:−
就業の制限:○

【四類感染症】
例:黄熱、狂犬病、一部の鳥インフルエンザ等
分類の考え方:おもに動物などを介してヒトに感染するもの
入院勧告・措置:−
就業の制限:−

【五類感染症】
例:インフルエンザ、性器クラミジア感染症等
分類の考え方:国民や医療機関への情報提供が必要とされているもの
入院勧告・措置:−(入院費や宿泊費は自己負担の可能性がある)
就業の制限:−

今回厚労省は、新型コロナをこの“二類相当”から除外する方向だというのだ。それは「医療現場の混乱を防ぐため」と厚労省の担当者が本誌記者に答える。

「現在の感染症法の扱いでは、新型コロナの患者となれば軽症でも入院勧告、強制入院などの措置を取ることができます。しかし『入院勧告などがどこまで必要なのか?』を改めて検討しましょう、という運びとなりました。インフルエンザの流行が予測される秋冬を前に、医療機関の負担増大や病床不足を招かないよう、軽症者や無症状者には宿泊療養、自宅療養での対応を徹底していく方向です」

だが、この“二類外し”の措置が招く事態を大いに不安視するのは、医療ガバナンス研究所理事長の上昌広さんだ。

「無症状や軽症の人に入院勧告がされなければ、宿泊療養さえしないケースが増えるでしょう。そこで危惧されるのは、このところ顕在化してきた『家庭内感染』が増え、死者が激増してしまうことなんです」(上さん・以下同)

二類外しが行われた場合、新型コロナに対してはどのような措置が取られていくのだろうか。

「入院や就業制限などの対人措置をなくすという目的から、そういった拘束力を持たない『五類感染症』相当に分類せざるをえないでしょう。これは、季節性インフルエンザなどと同じ分類です。しかし、インフルエンザの致死率は0.01〜0.1%なのに対し、9月1日現在の新型コロナの致死率は1.9%。少なく見ても新型コロナのほうが20倍ほどの致死率ですから、“二類外し”がいかに乱暴な措置であるかがわかるはずです」

もし「五類」相当となった場合、感染の疑いが生じたら、インフルエンザと同じようにいきなり病院を受診することになる。ここにも二類外しが招く“悲惨な事態”があると上さんは
警鐘を鳴らす。

「二類外しは、感染者への法的な拘束力をなくすことを意味します。ですから、そもそも感染者を入院・宿泊療養させるために行っていたPCR検査も、その意味を失ってしまうのです。すると“不安なら即、病院へ”という風潮になる。感染を疑った人たちが病院に殺到すれば、全国の病院がかえってひっ迫しますし、今度は『院内感染』も激増するでしょう」

感染者が野放しになる可能性がある以上、これからは感染のリスクにより注意深く向き合っていく必要がある。

「徹底した手洗い、消毒やマスク着用などの基本的対策はもちろんのこと、自分の『かかりつけ医』を持って、密に相談できるようにしておくことです。そして、大事なのがインフルエンザワクチンの接種。これは、新型コロナ感染を予防する可能性も報告されています。感染リスクの高い病院に通う回数を減らすためにも接種しましょう」

二類外しによって「家庭内感染死」を招かないためにも、よりいっそう強い対策意識を持って生活していこう。

「女性自身」2020年9月22日 掲載

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コロナと感染症法の見直し

日刊ゲンダイの記事です。

首相辞意ドサクサにコロナ“2類外し”の新方針 高齢者感染拡大の懸念
https://news.yahoo.co.jp/articles/d3d4c1a9fd0ded51baad2b62a5610bb13b5215e4
9/2(水) 9:26配信

 先月28日、安倍首相の辞意表明のドサクサに紛れて、政府の「新型コロナウイルス感染症対策本部」は新たな対応方針を決定した。現在の「2類相当」からグレードダウンさせる。秋以降の第3波に備え「入院は重症者を優先」としているが、新方針では家庭内感染が拡大し、かえって重症者を増やしかねない。

 感染症は1〜5類に分類され、現在、新型コロナは「2類相当」。重症者の入院はもちろん、「無症状者への入院勧告」などの措置が取られている。陽性者を隔離するためだ。新方針では、重症者用の病床を確保するため、無症状と軽症者への入院勧告を撤廃する方向だ。現在、軽症者らは宿泊施設での隔離が原則義務づけられているが、この措置も、この先は義務ではなくなる。また、全額公費ではなくなり、ホテルなどの宿泊施設に入る場合、自己負担が発生することになりそうだ。

 医療ガバナンス研究所理事長の上昌広氏が言う。

「2類相当を外すと、自治体は入院勧告の権限を失い、宿泊施設に入らない陽性者が増えるでしょう。また、高齢者と同居している陽性者が宿泊療養を希望しても、かなわないケースも出てくるでしょう。というのも、自治体は法的義務だった宿泊療養施設の確保から解放され、確保しなくてもいいことになるからです。無症状、軽症者の自宅療養が増え、家庭内感染が広がる恐れがあります。同居の高齢者への感染リスクも高く、重症者数や死者の増加を招きかねません」

 自治体からはブーイングが相次いでいる。埼玉県の大野元裕知事は28日、加藤勝信厚労相とのテレビ会議で「軽症者らに宿泊施設への入所を勧告する権限を知事に与えてほしい」と訴えた。大阪、京都など12府県・政令市の「関西広域連合」も27日、「ダウングレードは時期尚早」との意見をまとめ、鳥取県の平井伸治知事は「冬場に大きな波が来ようとする中、(2類からの)引き下げは暴挙に等しい。我々に職務放棄をしろというのか」とカンカンだ。

「2類外しにより、宿泊施設の確保に苦労している知事は、義務から解放され、むしろ、楽になるはずです。それでも、知事らは厚労省の方針では感染を拡大させてしまうということで声を上げているのです。国は、宿泊施設確保の責任を放棄するのではなく、国を挙げて確保に全力を尽くすべきです。国の施設を転用するなど、やれることはいくらでもあるはずです」(上昌広氏)

 厚労省は知事の声に耳を傾けるべきだ。


さらに詳しい記事です。

コロナと感染症法の見直し
https://news.yahoo.co.jp/articles/db8f0ec85e2dedfb468b4fcd3ee9883611edfb84?page=1
 8/30(日) 10:27配信

【まとめ】

・コロナは鳥インフルやSARSと同様の「二類相当」に分類。

・国はコロナを二類相当から外し、宿泊療養施設の確保するべき。

・厚労省はエッセンシャル・ワーカーへの保障を充実させる必要がある。

新型コロナウイルス(以下、コロナ)対策の見直しが進んでいる。コロナの世界的な流行が続く以上、第三波の襲来は避けられない。特に冬場は危険だ。インフルエンザが流行し、街中に発熱患者が溢れる。体制を整備しなければ、混乱は避けられない。まず対処すべきは、コロナ対策の基本である感染症法の見直しだ。

厚労省が取りかかったのは、コロナの感染症法での位置づけの見直しだ。8月26日、共同通信は「コロナ、2類相当の見直し検討―軽症・無症状を入院除外も」と報じた。記事には、「厚労省に助言する専門家組織で議論し、結論を踏まえ政府として「できるだけ速やかに対応する」(加藤勝信厚労相)方針だ。政府内には2類相当からインフルエンザ相当の5類への引き下げを容認する考えが出ている」とある。これは筆者が入手している情報とも一致する。

現在、コロナは感染症法の「2類相当」と定められている。これは鳥インフルエンザやSARSウイルスと同じ扱いだ。原則として、感染者は指定医療機関に入院し、濃厚接触者はPCR検査を受け、その後も保健所が定期的にフォローする。

その後の臨床研究で、コロナ感染の大部分が無症状あるいは軽症であることが判明した。このような感染者を強制的に入院させることは、医学的には適切ではない。個人の人権を侵害するし、また引き受ける病院に過大な負担をかける。時に院内感染を引き起こし、入院中の患者を死亡させることもある。

厚労省は、このような理由からコロナを二類相当から外すことを検討している。28日には安倍総理が方針を表明するそうだ。メディアも、この方針を支持している。

私は、「二類外し」は大きな問題を孕んでいると考えている。場合によっては、厚労省や都道府県が責任を回避し、負担を感染者に押しつけるだけになりかねない。

それは現在の感染症法の枠組では、二類相当を外せば、五類相当とするしかないからだ。表は2014年3月厚労省が作成した感染症法の分類だが、これを見れば、この問題がご理解いただけるだろう。五類の代表が季節性インフルエンザだ。二類を外すということは、季節性インフルエンザと同じ扱いになることを意味する。(※図)

コロナは未知の感染症だ。多くの国民がインフルエンザと同等には考えていない。致死率は全く違う。8月25日現在、国内で6万4,086人が感染し、1,217人が亡くなっている。致死率は1.9%だ。インフルエンザの致死率は0.01〜0.1%と考えられており、比べものにならない。

コロナに感染すれば、軽症で済むとわかっていても、周囲、特に高齢者へ移すことを危惧する。だからこそ、ホテルなどの宿泊施設での療養が必要となる。ところが、宿泊施設の確保が容易でない。8月4日の日経新聞に掲載された「コロナ軽症者の受け皿整わず 自宅療養、2週間で3.8倍」では、「7月31日に独自の緊急事態宣言を出した沖縄県は、同30日に那覇市内のホテルで60室を確保するまで軽症者向け宿泊施設はゼロだった。8月4日時点でも250人以上の療養先が決まっておらず」と紹介されている。

追い込まれた厚労省は自宅療養の基準を緩和した。8月7日の日経新聞には「自宅療養の基準明確化 宿泊施設不足受け 厚労省」との記事が掲載され、「同居家族に高齢者など重症化リスクのある人や医療介護従事者がいる場合も、生活空間を完全に分けられると保健所が判断すれば自宅療養が可能とした」と紹介されている。

ただ、「宿泊施設を十分に確保できている自治体では従来通り宿泊療養を基本」の姿勢は変えないようだ。この記事を普通に読めば、宿泊施設不足を糊塗するため、厚労省が基準を変更したことがわかる。第二波で、この状況だから、冬季にコロナ流行すればどうなるか想像に難くない。

もし、コロナが五類相当となれば、感染症法に基づき都道府県の義務とされてきた入院施設の確保と入院措置、宿泊療養施設の確保から解放される。さらに、入院治療費用は公費でなく、通常の健康保険でまかなわれ、自己負担が生じる。そして、休業補償もなくなる。これでは、誰のための二類相当外しなのだろう。

現在、このような点について厚労省は態度を明らかにしておらず、メディアも問題視していない。

国がやるべきは、コロナを二類相当から外し、宿泊療養施設の確保の責任を放棄することではない。宿泊療養施設の必要性を訴え、関係者の理解と協力を得て、その確保に務めることだ。これが感染者の療養の選択肢を増やし、感染拡大抑制に寄与する。

厚労省は、二類相当外しを議論する前に、もっとやるべきことがある。それは医師や看護師、介護士などのエッセンシャル・ワーカーにPCR検査の機会を保障することだ。

エッセンシャル・ワーカーとは、社会の営みには欠かせない職種のことで、コロナの流行下でも働いてもらわなければならない。彼らは自らの銭もうけのために働いている訳でなく、社会のために自己犠牲を払っているのだ。通常の職業と同列に論じるわけにはいかない。

東京都世田谷区は保育士や介護施設職員など約2万人を対象に、一斉にPCR検査を実施し、その費用約4億円を公費で支出する方針を決めた。複数人の検体を混ぜ合わせて検査し、陰性の場合は全員陰性と判断する「プール方式」を採用する。一日の検査能力は約3000件という。

これこそ、厚労省がやるべきことだ。繰り返すが、エッセンシャル・ワーカーは、自らの経済的利益のためだけに働いている訳ではない。保育士や介護士が一斉に休めば、子どもや年老いた親を持つ医師や看護師も働けなくなる。コロナ対策は行き詰まる。

エッセンシャル・ワーカーには、この他に消防士、警察官、さらに公務員なども含まれる。多くの先進国では、一般人と別枠で対応されている。PCR検査を受ける権利も保障されるべきだ。

ところが、日本はそうはなっていない。私が知る限り世界での先進国では例を見ない。なぜそうなのか。それは感染症法で、エッセンシャル・ワーカーに対する検査が規定されていないからだ。現行の感染症法でPCR検査が規定されているのは、感染者、感染疑い、および濃厚接触者だけだ。第一波で保健所が濃厚接触者への対応に忙殺される一方、発熱した一般市民には「37.5度4日間」という基準を作って検査を抑制したのは、感染症法に準拠して対応したからだ。

エッセンシャル・ワーカーには検査を受ける権利があるはずだ。ところが、日本は逆だ。厚労省と専門家が率先して、検査を絞っている。7月16日、コロナ感染症対策分科会は「無症状の人を公費で検査しない」と取りまとめた。

厚労省のクラスター研究班のメンバーを務める医学部教授も、世田谷区の対応に対し、フェイスブックで「まあ自分の市長(原文ママ)がこんなことしたら一度は電話するだろうね。おやめなさい」とコメントしている。また、「症状がない人に税金を用いて検査することの意義は少ない」とも記している

「無症状の人」の中にエッセンシャル・ワーカーが含まれることは、彼らも理解しているだろう。それで、この発言をするのだから、悪質と言わざるをえない。

また、彼らの主張は世界のコンセンサスとも食い違う。8月19日、英国政府は全人口を対象に定期的に検査を実施する方針を表明している。また、社会も当然のこととして要求する。米国ニューヨーク州の公立学校教員13万3000人が加盟する「ニューヨーク市教員連盟」は、PCR検査などコロナ対策が整備されないまま、9月に学校が再開されればストライキも辞さないという姿勢を表明している。

流石に、厚労省も自分たちの分が悪いことは認識している。では、どう対応しているのだろうか。それは感染症法の拡大解釈だ。感染者が多発する地域やクラスターが発生した地域では、医療機関や高齢者施設の職員や入所者も公費で検査を受けられるという通知を出した。これは、このような地域で働く医師や看護師を「感染症にかかっていると疑う正当な理由がある者」を拡大解釈したのだ。

さらに8月21日には、接触確認アプリで通知があれば、全員が無料で検査を受けることができると発表した。これも濃厚接触者の拡大解釈だ。

こんなことをしていたら、感染対策が後手に回るし、エッセンシャル・ワーカーの人権を何とも思っていないことになる。感染症にかかっていると疑う正当な理由のある者や濃厚接触者の拡大解釈は厚労省に委ねられる。検査を受けることができるのは、「厚労省の恩寵的な措置」ということになる。これは我が国の公衆衛生が戦前、内務省の衛生警察業務だったことに由来するのだろう。国民の人権よりも国家の都合が優先されている。

エッセンシャル・ワーカーは検査を受ける権利がある。流行地域では、濃厚接触の有無とは無関係に検査を実施できるすべきだ。まずは、臨時国会で、感染症法を改定し、このことを明示すべきだ。国民目線で感染症対策をかえる時期に来ている。

上昌広(医療ガバナンス研究所理事長)

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「岩国ははきだめか!」

先日テレビで岩国の基地の問題を扱ったドキュメンタリーを見た。

NNN(日テレ)で放送された。

日テレであれど、たいへんよいドキュメンタリーを放送するので

見るようにしている。残念ながら再放送は終わってしまった。

★シリーズ戦後75年 民意再編 戦後75年 岩国の選択
https://www.ntv.co.jp/document/backnumber/articles/1894rgi13yl6uc8p3q58.html

終戦から75年経った今も山口県岩国市の空は米軍機が飛び交う。2005年、米軍岩国基地に空母艦載機部隊を移転させる在日米軍再編計画が浮上。岩国市民は再編計画に怒りの声を上げた。しかし、国はあらゆる手で民意を揺さぶり、最終的に岩国は艦載機移転を容認する。いま基地で激しい訓練が行われても声をあげる市民は少ない。移転の恩恵を多く受け取った民意は、いつしか基地がもたらすさらなる地域振興を求めるようになっていたのだ。

ナレーター/湯浅真由美  制作/山口放送  放送枠/30分


以上、番組の紹介でした。そんな時、半田滋さんの現代ビジネスの記事を見つけた。

記事の後半に番組と重なるような記述もあっったので、今日は紹介したい。

怒り噴出…常に「米軍の都合」を最優先させた「岩国基地」の残念な末路

「岩国ははきだめか!」
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/75177
半田滋

「なんでも岩国に押しつければいい」?

「岩国ははきだめか!」

防衛省は山口県岩国市に対し、米軍岩国基地にあるFA18D戦闘攻撃機をF35B戦闘機に機種交換すると通告した。12機のFA18は、16機のF35Bと交替するため、4機が純増することになる。

岩国基地へは2018年3月、米空母「ロナルド・レーガン」の艦載機61機が移駐したばかり。これにより、岩国基地に配備された米軍機は約130機となり、約100機が配備され、「東洋最大の航空基地」と呼ばれる沖縄県の米軍嘉手納基地を抜いた。

「岩国ははきだめか!」と怒るのは、米軍の監視を続けるリムピース共同代表で、元岩国市議の田村順玄さん。田村さんは「空母艦載機は59機という話だったが、実際には2機増えて61機来た。今回、防衛省は『4機増えるだけ』みたいな態度だが、なんでも岩国に押しつければいいと考えている」と不満を述べる。

もともと岩国基地は住宅地に隣接し、滑走路の延長線上には石油コンビナートがあった。地元の「騒音公害を減らし、墜落の危険を避けてほしい」との要望を受けて、防衛省は総工費2500億円を投じ、滑走路を1キロメートルほど沖合に移設した。移設工事は2010年度に終わり、市街地では騒音が減少した。

ところが、空母艦載機の移駐により、状況は一変した。

移駐初年度の2018年度、基地に隣接した住宅地では新幹線の車内に相当する70デシベル以上の騒音を8668回計測。2019年度は9293回とさらに増え、滑走路が沖合に移設された10年度以降で最多となった。

艦載機が空母とともに長期の航海に出ている間は騒音が大幅に減っており、騒音の主な発生源が空母艦載機であることは明らかだ。滑走路の沖合移設の効果は、もはや相殺されている。

常に「米軍の都合」が最優先

今回、機種交換で配備されることになったF35Bとは別に、岩国基地には別のFA18戦闘機などと交替したF35Bが16機配備されている。

2013年にあった「日米安全保障協議委員会」(2プラス2)で「米国外では初の前方配備として、海兵隊のF35Bを日本に配備する」との日米合意を受けたものだ。

この日米合意をもとに防衛省は山口県や岩国市に対し、「F35Bの配備は16機」と説明してきたが、今回、防衛省の鈴木敦夫地方協力局長は「今般、米側から説明があった」として「米軍のお使い」のように岩国市を訪れ、「入れ替えによってさらに16機」と通告した。

実はF35Bの配備は、米海兵隊が昨年発表した「2019海兵隊航空計画」にもとづいている。計画は「2020年10月以降、(岩国基地の)第242戦闘攻撃中隊のFA18D戦闘攻撃機(12機)をF35B戦闘機(16機)と交換する」とある。

米軍に問い合わせれば、去年のうちにF35Bは2倍の32機に増えることがわかったはずだが、防衛省は米側から説明があるまで動こうとはせず、米軍の説明を「通告」という形で地元に押しつけた。最優先されるのは常に「米軍の都合」である。

今回の機種交換により、岩国基地に3個配備されていた海兵隊のFA18戦闘機部隊は、常駐部隊の2個がF35Bに代わり、残りは1個ということになる。この1個はローテーション部隊で米国内の海兵隊基地から派遣されている。

成績が低い初任務の飛行士が多く配置

「問題は4機増えることだけではない」と前出の田村さんは言う。

2018年12月、岩国基地所属のFA18とKC130空中給油機が高知県沖で接触、墜落し6人が死亡する事故があった。この事故原因について、海兵隊は19年9月、FA18が給油機から離脱する際、本来なら給油機の機体下部を飛行すべきところ、操縦士が状況認識力を喪失したため、機体上部を左から右に飛行し、両機が接触、墜落したと発表した。操縦士のミスだったというわけだ。

ところが、この事故原因は間違っていた。米側の専門家による再調査が行われ、今年8月12日、防衛省が結果を発表した。それによると、空中で別のFA18が照明を明るくしたことで事故機が給油機を見失って接触したという。原因は事故機にあったのではなく、同僚機にあったことが判明した。

問題はこの後に続く、制度的な要因についての分析結果だ。

岩国基地には米本土の部隊と比べて、育成課程での成績が低い初任務の飛行士が多く配置されていたと指摘。さらに岩国基地で2回目、3回目の勤務をしている操縦士の中にも訓練に必要な各種資格や技能認定を有する者が少なかったことを挙げた。

つまり、岩国基地には成績が悪く、必要な技能を満たさない操縦士が集まっているというのだ。

冒頭の「岩国ははきだめか!」との言葉は、空母艦載機を押しつけられ、さらには海兵隊の操縦士が低レベルと判明したことへの怒りから漏れたものだ。

田村さんは「防衛省の説明では、事故を起こした第242戦闘攻撃中隊とF35Bの部隊との入れ替えは本年10月以降としているが、新型コロナの影響でずれ込むともいう。事故部隊はしばらく残るのに、米軍からは再発防止策についての説明もない。新たに来るF35Bの部隊は、高い技量の操縦士を揃えているだろうか」と疑問を投げる。

防衛省と岩国市の蜜月関係

では、基地を抱える岩国市は、防衛省に市民の安全のための対策を求めているのだろうか。福田良彦市長は、鈴木地方協力局長との面談で、F35Bの安全性や騒音の変化について、質問した。

だが、防衛省は福田市政を以前から「防衛省に融和的」とみている。

防衛省は2005年、岩国市に対し、日米合意した米軍再編に基づき、米空母艦載機部隊の移駐を打診した。「受け入れ反対」を表明した井原勝介市長は防衛省から市庁舎建設の補助金を止められ、08年の市長選で「国と協議する」と訴えた新人の福田良彦氏に敗れた。

福田氏の当選直後、防衛省は市庁舎の補助金支払いを再開。さらに山口県と岩国市が開発に失敗した愛宕山を米軍住宅用地として買い上げ、米軍再編交付金で小学生以下の医療費無料化を実現させて福田市政を支えた。

2回目の市長選直前の11年12月、中国四国防衛局は市の要望に応え、基地周辺整備事業の名目で2億4000万円かけて市内全小中学校の教室にエアコンを設置すると発表。前職の井原氏も立候補した翌12年1月の市長選では、エアコン設置を含め、4年間の実績を強調した福田氏が圧勝した。

3回目の市長選を控えた15年12月、防衛省は米軍との合意により、岩国基地の滑走路を共同使用する岩国錦帯橋空港の民間発着枠を1日2往復増やすと発表した。増便を求めていた福田氏は「1日も早い運航決定を望んでいる」と歓迎し、翌16年1月の市長選で3選し、現在は4期目だ。


防衛省が振るった「アメとムチ」が福田市長の誕生を導き、当選後の側面支援は選挙を意識して行われていることがわかる。

河野太郎防衛相は今年6月、岩国市役所を訪れて福田市長と面談し、2021年度で期限切れとなる米軍再編交付金について「しっかり対応したい」と述べ、延長に前向きな姿勢を示した。そして岩国市は8月21日、この米軍再編交付金のうちの1億円を財源に新型コロナの感染対策に充てる基金を設ける方針を発表している。

防衛省と岩国市との関係は、蜜月なのだ。

支援策はまだある。防衛省は岩国基地の空母艦載機のための訓練施設として鹿児島県の馬毛島を破格の160億円で買収した(参照「アメリカの圧力に負けた防衛省は大金をドブに捨て…『馬毛島問題』の深層」)。これにより、岩国基地での飛行訓練は縮小が見込まれる。

米軍にとっては、泊まり掛けで行う硫黄島での訓練がなくなり、日帰り訓練が可能になる。米軍からみれば、日本は「米軍の楽園」であり、基地被害を受ける住民からみれば「岩国ははきだめか!」ということになる。

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