クマのプーさん ブログ

★「クマのプーさん」の魂をもつ詩的人間でありたい★

山城議長長期勾留 「警察国家」への危機感募る(琉球新報 社説)

<社説>山城議長長期勾留 「警察国家」への危機感募る
2017年1月16日 06:02


 名護市辺野古の新基地建設現場と東村高江のヘリパッド建設現場での行為を巡り、逮捕・起訴された山城博治沖縄平和運動センター議長の拘束が約3カ月に及ぶ。

 今回の長期勾留に関し、政治的な表現の自由を脅かす異常な人権侵害であり、今後、市民運動が標的になりかねないという懸念が国内外で急速に広がっている。

 沖縄の不条理に目を注ぐ海外の有識者、国内の刑法研究者、日本国際法律家協会、76カ国にネットワークを持つ環境NGOが相次いで、山城議長の即時釈放を求める声明を出した。
 作家の落合恵子さんや脚本家の小山内美江子さんらが呼び掛けた釈放要求の署名運動は、3週間で国内外から約1万7千筆を集めた。

 こうしたうねりは、安倍政権下で、民主主義国家、法治主義国家であるはずの日本が急速に「警察国家化」しているという疑念と危機感が深まっている表れだ。

 沖縄の民意に反した基地建設をごり押しされることに異議を唱え、非暴力の抵抗に身を投じた市民を問答無用に抑え込む。さらにリーダーを狙い撃ちにした必要性の乏しい勾留が延々と続いている。
 政治弾圧に等しい長期勾留は即刻やめるべきだ。山城議長は一刻も早く釈放されねばならない。

 山城議長は(1)ヘリパッド建設への抗議中に有刺鉄線1本(2千円相当)を切った器物損壊(2)沖縄防衛局職員に対する公務執行妨害と傷害(3)辺野古新基地建設に抗議した際、ブロックを積み上げた威力業務妨害−の三罪で起訴された。

 第一線の刑法研究者41人以上が名を連ねた異例の緊急声明は、議長の行為は偶発的に発生した可能性が高く、違法性が低いと指摘している。公判維持のための捜査は終わり、証拠隠滅の恐れもない。
 「不当に長い拘禁」は抗議行動を反社会的行為と印象操作する安倍政権の意向が反映していよう。
 がんを抱え、健康状態の悪化が懸念される山城議長は家族との面会や靴下の差し入れが認められなかった。

 裁判所は安倍政権の強権的姿勢を忖度(そんたく)する県警や那覇地検に従い、勾留延長を認めてきた。憲法の番人の役割への自覚はあるのか。
 警察法は、警察が治安維持を名目にして政治弾圧を担い、国を戦争へ導く役割を担った戦前、戦中を猛省して制定された。沖縄で見える刑事司法の変質は「警察国家」への回帰と感じられてならない。

「羽田空港国際線増便」「横田空域」「日米合同委員会」

遅れに遅れの情報発信になっています。

でも大事な情報にはついていかなきゃあです。

天木さんがしばらく前に「東京新聞」で取り上げた記事を紹介しながら論評しています。

羽田国際線増便の安全性にとって横田空域の全面返還は不可欠だー(天木直人氏)
http://www.twitlonger.com/show/n_1sph5mn
11th Jan 2017 市村 悦延 ・ @hellotomhanks


 日米安保条約と、その実質的な内容を書き込んだ日米地位協定が、

世界でも例のないほど主権放棄の不平等条約、協定であることは、

いまでは多くの識者が語ったり書いたりしている。

 しかし、それでもほとんどの国民は、その不平等性のあまりの理不尽さを知らない。

 だから羽田空港の国際便増が日米間で合意された時も、

これで便宜が向上するようになると、単純に歓迎したに違いない。

 しかし、羽田国際線の増便の裏には横田空域問題があるのだ。

 つまり横田の上空の制空権は米軍が一手に握っており、

米軍の安全保障政策の都合が最優先されるのだ。

 日本の民間機は、その横田空域を回避し、

航路を不自然なまでに変更を余儀なくされる危険な飛行を余儀なくされてきたのだ。

 だから、羽田国際便の増便が日米間で合意された時、私はてっきり横田空域の返還、

もしくは少なくとも米軍管制権の一部移譲が合意されていたと思っていた。

 ところがきょう1月11日の東京新聞を見て驚いた。

 確かに増便の新ルートが横田空域を通過することは日米間で原則了承されたらしい。

 しかし、その事が今わかったという。

 しかも、具体的内容はこれから日米の実務者で協議するという。

 そして最終的には日米合同委員会で正式に決まるという。

 これを要するに、羽田国際線の増便は、安全飛行について何も決まらないまま、

増便が先行して決められ、そしてその詳細はこれからの密議で行れるということだ。

 われわれは、この交渉から目を話してはいけない。

 メディアは、日米合同委員会の存在をいまこそ国民に知らせ、

その密議の内容を国民に知らせなければいけない。

 そして最終的には横田空域の返還を求めなければいけない。

 そうしなければ、羽田国際線の増便は危険性極まりない増便となる。

 事故と隣り合わせの危険な飛行が余儀なくさせられることになる。

 羽田国際線の増便をきっかけに、

日米軍事同盟より日本国民の暮らしと安全を優先する、まともな政策を取り戻すべきである。


           ◇

羽田増便 新ルート「横田空域」を通過 米、実務者調整で了承
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2017011090135732.html
2017年1月10日 13時57分 東京新聞


 羽田空港の国際線発着回数を増やすため、東京都心上空を通過する形で設定される新ルートの一部は、米軍が管制権を持つ「横田空域」を飛行することが十日、政府関係者への取材で分かった。米側は、実務者間での調整で飛行を了承していることも判明。今後、空域の一部返還を受けるかなど、両国間で具体的な詰めの協議を進める。

 一部返還されれば二〇〇八年九月以来となるが、横田空域は羽田空港の管制空域の西側に隣接していて現状も多くの旅客機が迂回(うかい)を強いられている。羽田の機能を最大限活用するためにも、根本的な解決が求められそうだ。

 返還以外にも、連絡方法などを決めた上で運航ごとに許可を受ける方法なども適用可能で、両政府間の協議機関である日米合同委員会での正式合意の必要性なども検討するとみられる。

 政府は二〇年の東京五輪・パラリンピックまでに、羽田の発着枠を現在の年間四十四万七千回から最大三万九千回増やし、国際線に振り分ける方針で、実現にはこれまで避けていた都心上空ルートが不可欠だった。

 政府関係者によると、新たな着陸ルートのうち、埼玉県付近から南方向に直線ルートで降下する際、C滑走路では悪天時、A滑走路では好天時と悪天時のいずれも、さいたま市や練馬区上空などの飛行ルートが横田空域を通過することが判明。米側に通知した。

 新ルートは、北側から南に向けて真っすぐ降下するため、二本の滑走路へ二機を同時に着陸させることが可能となることなどから、発着回数を増やすことができる。

 横田空域は在日米軍横田基地(東京都福生市など)が管制業務を実施している。〇八年九月の一部返還では、羽田を離陸した飛行機が従来より低い高度でこの空域を飛び越えられるようになり、経路が短縮され、利便性が向上した。

◆西の「壁」日本は返還要求

 首都圏上空の西側、伊豆半島から新潟県まで一都八県にまたがる広大な「横田空域」は、年々過密さを増す羽田空港発着便にとって常に障壁となってきた。都心上空を飛行し、横田空域も通過する新ルート設定が、さらなる返還への道を開くか注目される。

 横田空域の管制権を米軍が持ち続けているのは、一九四五年八月、日本が連合国に占領され、上空の管制業務を米軍が掌握したのが始まり。五九年に業務の大半は日本側に戻ったが、基地上空は今も米軍の管制下。日米地位協定に基づき、米軍が横田、厚木、入間各基地での米軍や自衛隊機の発着を管制している。

 日本政府の全面返還の要求に対し、米側は一部返還には応じてきた。在日米軍再編の一環として日米両政府が合意した二〇〇八年の一部返還では、高度が大幅に低くなったことで、西側へのスムーズな上昇やルート設定が容易になり、経路が短縮され羽田国際化の大きな弾みとなったが、それ以降は進展がなかった。

 増え続ける航空需要に対応するために羽田のさらなる発着増は不可欠な上、空域を最大限使えないことによる空の渋滞は続く。

 今回、都心上空ルートの設定について政府関係者は「米側の了承は得ている」と説明、スムーズな解決を示唆する。だが米側はこれまで「さらなる返還は難しい」との立場で、日本政府の求める全面返還への道は依然、険しい。

<横田空域> 新潟から静岡まで1都8県の上空に、高度約2450メートルから約7000メートルまで6段階の階段状に設定された空域。在日米軍の訓練空域などがあるため横田基地が管制を担当し、域内には厚木、入間など米軍や自衛隊の基地がある。日本側は全面返還を求めているが、米側は「米軍の運用上の問題で困難」としている。主に羽田空港の出発機が、北陸や西日本方面に向かうルートを遮る形になるため、南側への迂回(うかい)や高度制限を強いられている。1992年に約10%、2008年に約20%が返還された。

 

<<関連参考情報>>

首都圏の空のタブー『横田空域』…未だに続く米軍の日本支配

関東〜中部上空に存在する広大なアメリカ領、通称「横田空域」。首都に近い日本の上空であるにもかかわらず、日本の航空機は自由に飛べず、羽田空港でも余計な迂回を強いられるなど費用や時間の面で大きな負担を強いられています。戦後レジームからの脱却を掲げる政府も、なぜかこの問題には深く切り込んでいません。
更新日: 2015年08月12日


関東上空に存在する広大なアメリカ領


羽田空港や成田空港を利用する飛行機から外の景色を見ていると「ん??」と思うことがあります。
たとえば関西方面から羽田空港に向かう飛行機の場合、羽田空港から南へ50kmほどの地点を通り過ぎ、その後房総半島端っこまで行き、左旋回した後に羽田空港に着陸します。

出典
日本の空なのに航空機が飛べない「横田空域」はなぜ存在しているのか - エキサイトニュース(1/2)



羽田空港を利用したことがある人なら、「なんか遠回りするなぁ」と思ったことがある人も多いのではないでしょうか。


横田空域は、新潟県から東京西部、伊豆半島、長野県まで広がり、12,000フィート(約3,700m)から最高23,000フィート(約7,000m)の高度に上る空域であり、現在、この空域においては米軍が管制業務を行っています。

出典
(解説)横田空域


関西方面からの飛行機が羽田空港に着陸する際、南側で大きく旋回してから着陸に向かうのは、この「横田空域」が存在しているからです。


「横田」という名で誤解しそうだがその管制空域は神奈川県や静岡県、北は新潟県まで1都8県にまたがる。そして最高高度は2万3000フィート(約7000メートル)もある、まさに「見えない空の壁」

出典
米軍管轄する「横田空域」 返還されれば羽田−伊丹が30分に│NEWSポストセブン


この空域内には、米軍の横田をはじめ、空自の入間、海自・米軍の厚木などの飛行場があり、これらの飛行場を利用する航空機に対する進入管制業務(航空機に対し出発・進入の順序、経路、方式の指示などを行う業務)を行うための空域として利用されています。

出典
(解説)横田空域

(以下省略)


今日『「日米合同委員会」の研究━謎の権力構造の正体に迫る』(吉田敏浩著)が手元に届いたところです。

ますます東京オリンピックに向けての準備が加速しています。

福島原発が解決されてない日本において、まして関東の地においてオリンピックを開催するなんて

ありえないと反対!です。

日本の人々が福島原発のことを真剣に考えていたら、東京でオリンピックを開催するなどと

平気で考えることなどできるはずはないと考えています。

国民はバカなどというつもりはありませんが

悲しい事態で関東の地で暮らしていかなければなりません。

せめてこの寒い中をけなげに咲いている「ロウバイ」に

心を寄せながら過ごしていくことにします。



協同組合がユネスコの「無形文化遺産」に登録されました

2016年12月19日

協同組合がユネスコの「無形文化遺産」に登録されました

世界100カ国以上に10 億人の組合員


 国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)は11 月30 日、エチオピアのアディスアベバで開催された無形文化遺産保護条約第11 回政府間委員会において、「協同組合において共通の利益を形にするという思想と実践」のユネスコ無形文化遺産への登録を決定しました。


 決定にあたってユネスコは、協同組合を「共通の利益と価値を通じてコミュニティづくりを行うことができる組織であり、雇用の創出や高齢者支援から都市の活性化や再生可能エネルギープロジェクトまで、さまざまな社会的な問題への創意工夫あふれる解決策を編み出している」としています。


 協同組合は、人々の自治的な組織であり、自発的に手を結んだ人びとが、共同で所有し民主的に管理する事業体を通じて、共通の経済的、社会的、文化的なニーズと願いをかなえることを目的とした組織です。


 19 世紀に英国やドイツなど各国で生まれた協同組合の思想と実践は、全世界に広がり、現在は、世界100 カ国以上で10 億人の組合員が協同組合に参加しています。


 日本には農林漁業協同組合、労働者協同組合、労働金庫などさまざまな協同組合があり、生活協同組合(略称:生協)も数ある協同組合の一つです。


 日本生協連は、協同組合の無形文化遺産への登録を喜びを持って受け止めるとともに、今後も世界の協同組合の仲間と連帯しながら、日本において協同組合の思想と実践をさらに発展させ、よりよい社会づくりに貢献してまいります。


ユネスコ「無形文化遺産」について

 無形文化遺産の保護に関する条約(無形文化遺産保護条約)は、無形文化遺産の保護や無形文化遺産の重要性に関する意識を高めることなどを目的として、2003 年10 月のユネスコ総会において採択され、2006 年4 月に効力発生の条件となっていた30 カ国の条約締結により発効した条約です(日本は2004 年6 月に世界3 番目に条約を締結しました)。

 ここで「無形文化遺産」は、「世代から世代へと伝承され、社会及び集団が自己の環境、自然との相互作用及び歴史に対応して絶えず再現し、かつ、当該社会及び集団に同一性及び継続性の認識を与えることにより、文化の多様性及び人類の創造性に対する尊重を助長するもの」とされています。

 この条約は、ユネスコにおいて「人類の無形文化遺産の代表的な一覧表(代表一覧表)」や「緊急に保護する必要がある無形文化遺産の一覧表(緊急保護一覧表)」を作成することなどを定めています。

 今回ドイツからの申請に基づき登録が決まった「共通の利益の実現のために協同組合を組織するという思想と実践」は、前者の「代表一覧表」に登録されます(2013 年に日本からの申請に基づき登録された「和食」もこの代表一覧表に登録されています)。


<関連情報>
協同組合がユネスコ「無形文化遺産」に 申請したドイツと無視する日本(ちきゅう座)
2017年 1月 3日

<吉川駿(よしかわすすむ):元・日本農民新聞社社長>

ユネスコが昨年11月30日、「共通の利益の実現のために協同組合を組織するという思想と実践」を「無形文化遺産」として登録されていたことが、二週間後の12月14日になって、日本協同組合連絡協議会の発表で分かった[後掲]。登録理由は「共通の利益と価値を通じてコミュニティづくりを行うことができる組織であり、雇用の創出や高齢者支援から都市の活性化や再生可能エネルギープロジェクトまで、さまざまな社会的な問題への創意工夫あふれる解決策を編み出している」とした。協同組合関係者にとって、極めて誇らしいことであり、そのレーゾンデートルが、一地域でなく世界的広さで認められた意義は大きい。しかしなぜかマスコミは、同じ日に登録された日本の「山・鉾・屋台行事」については華々しく報じたが、「協同組合」の登録報道はほとんど無視された。政府各省庁も「歓迎」のコメントすら発表することもなかった。

今回の申請はドイツから出されたものだそうで、わが国政府も団体も思いもよらなかったもののようだ。日本はこれまで「無形文化遺産」登録を「和食」も含め22件も有しているようだが、地域限定でなくあまねく世界全体の遺産という視点から申請したドイツの姿勢を多としたい。無形文化遺産とは「世代から世代へと伝承され、社会及び集団が自己の環境、自然との相互作用及び歴史に対応して絶えず再現し、かつ、当該社会及び集団に同一性及び継続性の認識を与えることにより、文化の多様性及び人類の創造性に対する尊重を助長するもの」としているそうだ。すなわち、協同組合の存在そのものに普遍的意義を与えるのだ。だが、残念ながら日本の風潮は、度量が狭い。

とりわけ経済界や政府の主流は、昨今の農協バッシングにみられるように、協同組合を経済成長戦略、農業の成長産業化にとってしか位置づけておらず、したがって成長の足枷と捉えているのではなかろうか。日本政府はこれまで国連が制定した2012年の「国際協同組合年」、2014年の「家族農業年」にも極めて消極的ないし冷淡な対応しかしてこなかった。政府も財界も学会も改めて協同組合を本質的領域から位置づけなおしが必要ではなかろうか。[日刊アグリリサーチのコラム欄に掲載したものを、了解を得て掲載]

(参考省略)
DSC_0387

気になる地震(情報)─三重県沖の地震

関東の地に住んでいる私は、年々地震の不安が増しています。

昨日も深夜に三重県南東沖を震源地、深さ約380kmの地震があり
それがなぜか関東の地が揺れたのです。
http://www.tenki.jp/bousai/earthquake/detail-20170103033609.html

どうしてと考えたのです。
すると次のような記事を見つけました。

南海トラフ地震Xデーは近い!? 地殻変動に警戒感〈週刊朝日

dot. 1/3(火) 7:00配信

「要注意の時期に入ったと思ってください」

 東京大学地震研究所の古村孝志教授は、南海トラフ地震の発生について、こう警告する。過去の地震発生周期から、仮に2017年に起きたとしてもそれほど不思議ではないという。

「南海トラフ地震は100年から200年の周期で起きています。昭和の南海地震からも70年になります」(古村教授)

 もちろん、地震の予知は難しく、いつ起きるかはいえないが、実は8カ月前にXデーを占うような注目すべき出来事が起きていた。

 16年4月、マグニチュード(M)6クラスの地震が三重県沖で発生。専門家の間では南海トラフ地震への警戒感が広がった。プレート境界近くで起き、南海トラフ地震を誘発する可能性が否定できないからだ。過去の地震は、この付近から始まったとされている。

「巨大地震は突然起きるのではなく、2〜3日前からプレート境界が徐々に動き始めてから急速に跳ね上がる。あるいは、数年以上前からも地震発生に向けた動きが見えるかもしれない。気象庁は駿河湾付近の陸のプレートの動きを監視し、海上保安庁は南海トラフ沿いの海底の地殻変動を観測しています」(同)

 まだ明らかな異常はないものの、警戒を強めるのは、次に起こる南海トラフ地震は、その範囲や規模が桁違いになる可能性が高いからだ。前回は、M8クラスの地震が2回に分けて襲った。1944年に三重沖で発生した東南海地震と、46年に高知沖で起きた南海地震で、いずれも死者・行方不明者が1千人を超えた。

「昭和の地震では東の端の駿河湾まで震源域が広がらなかった(図参照)。つまり、駿河トラフは1854年の安政地震から160年以上もひずみがたまっていることになり、それが次の地震の巨大なエネルギーになります。宝永地震(1707年)のときには、49日後に富士山も噴火している。すでに300年以上たっており、富士山噴火を誘発する恐れも十分あります」(同)

しかも、日本観測史上最大のM9.0を記録した東日本大震災よりも陸地に近い分、強く揺れ、津波も早いところでは5分後に到達すると予測されている。

「東日本大震災の震源域は陸から100キロ離れていました。しかし南海トラフ地震の震源域は一部が陸にかかっており、かつ浅いのです」(同)

 古村教授によると、東日本大震災では揺れの周期が0.2秒くらいでガタガタガタと小刻みに何分も長く続いたのが特徴で、こうした揺れは家屋を倒すことは少ないという。一方、揺れの周期が1〜2秒でユッサユッサとした揺れは、一瞬のうちに家屋を倒す。後者は阪神・淡路大震災や熊本地震で見られたという。

「南海トラフ地震の揺れは、両方の性質を併せ持つ。阪神・淡路大震災や熊本地震のように家屋を壊すような揺れが、東日本大震災なみに何分間も続くと考えられるのです」(同)

 強く揺れると思われる地域には、東海道新幹線や東名高速道路など経済・流通の大動脈が走る。内閣府の中央防災会議などは最大で30万人以上が死亡し、経済被害はおよそ220兆円に達すると試算している。

「津波に対する防災意識は高まりましたが、家屋を耐震補強して、家具も倒れないように固定することが先決です。家の下敷きになったら避難もできません。水や食料も今から備蓄を。備えることが大切です」

 まずは地震から生き延びることが肝要なのだ。

※週刊朝日 2017年1月6−13日号
DSC_0385

事件はあきらかに冤罪です━収賄額0円の収賄罪…“抹殺”された福島県元知事が“現在”を語る(週刊朝日)

明けましておめでとうございます。

自分の言葉や詩などを書く余裕のない日々を送っています。
今年も仕事に全力投球していく予定なので、
自分のために情報収集したものを
ここで紹介するスタンスになると思います。

今年もよろしくお願いいたします。


収賄額0円の収賄罪…“抹殺”された福島県元知事が“現在”を語る
(更新 2016/12/16 11:30)

 原発事故のツケが電気料金値上げという国民負担に回される流れができつつあるが、福島県ではいまも復興の道筋が見えてこない。県知事時代に国の原発政策に異議を唱えた佐藤栄佐久氏(77)に福島の“現在”を語ってもらった。

*  *  *
「たとえ千年かかっても2千年かかっても、元の福島に戻してもらいたい」

 佐藤氏は郡山市の自宅で静かな口調で語り始めた。

 福島県では現在も8万人以上が避難生活を余儀なくされ、福島第一原発の廃炉まで40年もの歳月を費やすと見られている。メルトダウンした核燃料(デブリ)の取り出しは困難をきわめ、賠償金や除染費用などの総額は21.5兆円の国の試算を上回る見方もある。

 それでも国は、ひたすら原発再稼働を追求している。だが、一方で政府の強硬姿勢にあらがうように鹿児島県と新潟県で“脱原発派知事”が誕生した。佐藤氏が力強いメッセージを送る。

「国や電力会社が何と言おうと、県民のための知事なのです。国策に振り回される必要はない。もし電力会社にコントロールされるような人だったら、県民は選ばなかったわけですから。ただし、“原子力ムラ”はすごい力でかかってきますから、そのときこそ、精神力と知事としての真価は試されます。『国といつでもけんかするよ』という意気込みが必要です」

 自らそうした姿勢を体現してきた佐藤氏は、参議院議員を経て1988年、福島県知事選に当選。以来、18年にわたって県政に携わってきた。しかし、2006年9月、実弟の会社が関与したとされる汚職事件の追及を受け、5期目の途中で辞任。同年10月に身に覚えのない“収賄事件”で東京地検特捜部に逮捕される。およそ3年間にわたる審理の末、東京高裁が認定したのは「収賄額0円」。それにもかかわらず、12年に最高裁で懲役2年・執行猶予4年の有罪判決が確定した。玉虫色の司法判断に対して「国策捜査」ではないか、と疑問視する声が後を絶たなかった。

 事件後、佐藤氏は真相を明かす手記『知事抹殺―つくられた福島県汚職事件』(平凡社)を09年に出版。その著書をもとに自ら出演したドキュメンタリー映画「『知事抹殺』の真実」が今秋完成し、来年1月から全国で順次、上映会が実施される予定だ。

 映画では、捜査や裁判での尋問シーンが克明に再現されていく。

 佐藤氏や関係者への取り調べは過酷をきわめた。厳しい追及に堪えかねたのか、3人の関係者が自殺を図った。佐藤氏が続ける。

「私は一円のお金も受け取っていません。けれども検察官は自殺者が出たことを伝えてくる。私の支持者や部下がそのような取り調べを受けていると考えると、身を切られる思いがした。メディアも当局の見立てどおりに報じるばかり。検察官の巧妙な誘導もあって、私は虚偽自白をすることで早く事件を終わらせようと考えたのです」

 裁判では否認に転じ、検察側と争う。しかし、佐藤氏自身の金銭授受が認定されない収賄額0円の収賄罪で有罪となる。

「事件はあきらかに冤罪です。しかも、原発事故とは無関係ではないのです」

 今回の映画制作を企画した会社社長、三田公美子氏は語気を強める。

「復興とか再生とか言いながら、国は五輪招致に浮かれ、原発事故などまるでなかったかのように振る舞っています。原発にブレーキをかけた知事を辞職に追い込んでいったありさまを思えば、福島の原発事故は起こるべくして起きたのです。私たちは事故が風化することを何より懸念しています。仲間たちが知事のもとに集まり、映画を作ろうという話がまとまっていきました」

 佐藤氏は知事に就任してすぐに福島第二原発の事故に直面した。11年の福島第一原発事故から20年以上も前のことだ。事故は隠されたまま、情報は東京電力から通産省(現・経済産業省)、資源エネルギー庁を経てようやく県に伝えられた。佐藤氏が振り返る。

「地元の自治体は目の前の原発に何の権限も持たず、情報伝達も一番後回しにされたのです。こんなことがあってはならない。私は『同じ目には二度と遭うまい』と心に誓ったのです」

 その後、東電のデータ改竄や事故隠しが相次ぎ、佐藤氏はプルサーマル許可を凍結。03年4月には福島県内の原発10基が全停止する事態に至る。

「私は、大手メディアから“原発を止めたわがままな知事”に仕立て上げられていきました。首都圏大停電の恐怖をあおり、中央との対立の構図が作られていったのです。メディアも検察と同根です。これが伏線となり、国策捜査へとつながっていったのだと思います」

 佐藤氏の言葉を受け、この映画を監督した安孫子亘氏が語る。

「事件は、栄佐久さんを社会的に抹殺しただけでは済まない悲劇をもたらしました。映画を見て頂いた方に、この事件を裁いてほしい。そして事件がもたらした現実を直視して頂きたい」

 映画の中で、事件の取り調べ時に検察官が関係者に言ったとされる言葉が、象徴的に使われている。

「知事は日本にとってよろしくない。抹殺する」

 原発事故の責任は誰が負うべきなのか。その答えのありかを、この映画は暗示している。

※週刊朝日  2016年12月23日号
DSC_0382

オスプレイ飛行再開 怒りの沖縄━”ひと事だと思ってほしくない”

" target="_blank" title="">

首都圏にオスプレイがやってくる

自衛隊「オスプレイ導入」を中止できない、日本政府の呆れた事情 貧乏くじを引かされ続けていいのか?(現代ビジネス)

自衛隊「オスプレイ導入」を中止できない、日本政府の呆れた事情 貧乏くじを引かされ続けていいのか?
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/50554
2016.12.25 半田 滋  現代ビジネス


■首都圏にオスプレイがやってくる

沖縄の人々がおそれていた垂直離着陸輸送機「オスプレイ」の事故が遂に起きた。

「墜落」(米軍準機関紙『星条旗』)した機体は大破して沖縄県名護市の海岸に無残な姿をさらけ出した。集落付近の海岸からの距離はわずか80メートル。大惨事となる恐れもあった。

開発段階から墜落事故を繰り返し、性能が安定しないオスプレイ。沖縄県の米海兵隊普天間基地に24機配備されている。墜落したのはその中の1機だ。

2017年1月からは千葉県木更津市の整備施設で定期整備が始まり、沖縄からオスプレイがやってくる。

17年度には東京の米空軍横田基地に別の10機が配備され、18年度からは陸上自衛隊による導入が始まり、自衛隊機としてのオスプレイは当面17機となる。

墜落の恐怖にさらされるのは、もはや沖縄だけではない。近い将来、米軍機と自衛隊機合わせて51機もオスプレイが日本全土を飛び回るのだ。国民の安全・安心のためには、せめて自衛隊への配備は中止すべきではないのか。

そもそも自衛隊への配備は、異例の経過をたどった。

本来、自衛隊の武器類はユーザーの自衛隊が選定する。具体的には陸海空自衛隊を統合運用する制服組トップの防衛省統合幕僚監部が、20年先の安全保障環境を見通して策定する「統合長期防衛戦略」をたたき台に、陸海空の各幕僚監部が武力攻撃事態を想定して武器類の導入を要求し、予算化される。

陸上自衛隊幹部は「『統合長期防衛戦略』を受けて陸上幕僚監部がつくった『陸上自衛隊長期防衛戦略』に『オスプレイ』の名前はありませんでした。情報は入ってくるので検討対象になったはずだが、採用されなかった」と打ち明ける。

陸上自衛隊が導入を求めなかったのは、性能上の理由によるところが大きい。オスプレイは輸送機だ。陸上自衛隊はオスプレイの二倍以上の人員や物資を空輸できるCH47大型ヘリコプターを55機も保有している。速度、航続距離こそオスプレイが優れているが、狭い日本で活用するにはCH47で十分と判断した。

では、なぜ陸上自衛隊は導入することになったのか。

米軍が沖縄配備を進めた12年当時、沖縄から強い配備反対の声が上がった。これを見た民主党政権の玄葉光一郎外相は「安全性を訴えるため自衛隊も保有すべきだ」と提案、当時の森本敏防衛相が同調して13年度防衛費に調査費800万円を計上した。

「沖縄の民意」よりも「米軍の意向」を優先したい民主党政権と外務省、防衛省が共振したのである。

同年12月に衆院が解散され、選挙で勝利した自民党が政権に復帰すると、安倍晋三内閣は14年度予算に「オスプレイを陸上自衛隊に配備するための調査費1億円」を計上、さらに導入目標を15年度と公表した。

民主党政権で芽吹いたオスプレイ導入の兆しは、自民党政権で熟成され、異例の「政治主導による武器調達」が実現した。文民である政治家が「これで戦え」と軍事の専門家である制服組に武器を下げ渡したのである。

沖縄で墜落したオスプレイの同型機は、事故からわずか6日後に飛行再開した。

民進党の蓮舫代表は「事故原因や再発防止策の説明が先だ」と政府や米軍を批判するとともに「私は国民の感情というのはとても大切なものだと思う」と述べたが、自衛隊配備のいきさつを知るならば、米軍のオスプレイを批判しても「自衛隊への配備撤回」とは間違っても言えないだろう。

もとより日本政府が米軍の運用に注文をつけることはない。あまりにも早い飛行再開をみても「米軍の言いなり」であることがわかる。

さらに自衛隊への配備について、最大野党の民進党さえ撤回を求めにくい状況にあるとすれば、もはやわたしたちは51機のオスプレイが事故を起こさないよう祈るしかないのだろうか。 

■防衛省HPに載る「ウソの数字」

防衛省は自衛隊オスプレイの佐賀空港への配備を計画している。

隣の長崎県佐世保市に発足する陸上自衛隊版海兵隊の「水陸機動団」を空輸するのに、佐賀空港は山と海をひとつ隔てただけという地理的優位性に加え、赤字の佐賀空港を抱える佐賀県当局には「札束をチラつかせれば何とかなる」という、都合のよい地元歓迎論が根拠になっている。

昨年(2015年)7月、防衛省は「陸上自衛隊の佐賀空港利用について」とのパンフレットを作成し、地元説明会を開いた。墜落などの危険性についてパンフには「開発途中においては大きな事故が4回発生しましたが、機能の追加や再設計など事故原因への対策を行い、技術的な問題点はクリアされています」と安全性を強調している。

本当に安全なのだろうか。

米国防総省は、死者の発生や200万ドル(約2億3500万円)以上の損害を出した重大事故を「クラスA」と称し、事故率は10万飛行時間当たりで計算する。日本政府は、米軍がオスプレイを沖縄に配備する際、オスプレイのクラスA事故は1.93(2003〜12年)という数字を示し、米海兵隊が持つ航空機全体の平均2.45(同)より低く、安全だと説明した。

しかし、12年以降は上昇に転じ、15年9月末で2.64と現在の米海兵隊航空機全体の平均と並んでいるが、防衛省は今でもホームページに1.93の数字を載せ、国民をミスリードする。 

■事故率は全機種平均の41倍

実戦ではどうなのか。

米海軍安全センターは「海兵隊航空機アフガニスタン事故報告書」(2010〜12米会計年度)を公表する中で、海兵隊航空機12機種のクラスA〜Dの事故率は26.69で、3746.8時間に1件の割合で事故が発生したことを明らかにした。

この中でオスプレイの事故率は1105.56で全機種平均の約41倍と極めて高く、90.4時間に1件の割合で発生した。クラスAの事故率は138.19で、12機種平均の21倍にも達した。

飛行時間は同じ輸送機のCH53Eが1万9480. 7時間、CH53Dが5630. 5時間となっているのに対し、オスプレイは723.6時間と極端に少ない。新型機なのでアフガンの砂地での運用に不慣れなのかもしれないが、実戦に不向きという致命的な弱点をさらけ出した。

オスプレイは昨年5月、ハワイで着陸に失敗し、機体は大破して乗員2人が死亡した。米太平洋海兵隊は「巻き上げた砂塵をエンジンが吸い込み、出力が低下した」と原因を操縦ミスに求め、日本の防衛省も追認した。砂地での運用はアフガンで経験済みではなかったのだろうか。

今回の沖縄での事故は、在日米軍によると、夜間の空中給油中、MC130給油機から伸びた給油ホースにオスプレイのローターが当たり、損傷したというものだ。

オスプレイは全幅25. 78メートルの機体の左右に直径11.6メートルの巨大なローターが付いている。給油口は操縦席の先に突き出ているものの、ローターが巨大ゆえに伸びてきたホースがあたりやすいという特性があるのではないだろうか。

空中給油機を持つ航空自衛隊の杉山良行航空幕僚長は会見で「(陸上自衛隊のオスプレイも)米軍と同様の訓練をやると聞いている」と語り、夜間の空中給油訓練を否定していない。

日本人にとって安心材料は何一つないようだ。

■イスラエルもキャンセルしたのに…

日本政府は15年度5機(516億円)を発注したのを皮切りに、16年度は4機(447億円)と全17機のうちすでに9機を発注した。

1機あたり100億円強の計算だが、関連経費が加わるためそれだけではすまない。米国防総省は昨年5月米議会に対し、売却総額は推定で計30億ドル(当時約3600億円)に上ると報告している。

やっかいなのは日本政府が米政府から直接購入するFMS(対外有償軍事援助)方式となっていることだ。

FMSとは米国の武器輸出管理法に基づき、〃戚鷁然福納期は見積もりであり、米政府はこれらに拘束されない、代金は前払い、J得府は自国の国益により一方的に契約解除できる、という不公平な条件を受け入れる国にのみ武器を提供する米政府の武器売買システムだ。

つまり価格、納期は米政府の「言いなり」になってもらい、「言いなり」にならない場合は解約されてもやむを得ないというトンデモない商売だ。

購入する側に著しく不利な内容だが、高性能の武器が欲しい各国は甘んじてFMS方式を受け入れる。米政府は世界160ヵ国とこの方式で武器売買しており、日本も例外ではない。 

何のことはない。口先だけの安全・安心にすがり、不安定な武器取引を承知のうえで米政府の言い値でオスプレイを買うというのである。

在日米軍や日本政府が言うとおり、オスプレイが高性能で安全というなら、なぜ世界最強の米陸軍が採用しないのだろうか。

理由は容易に推測できる。陸上自衛隊と同様、CH47やUH60といった高性能のヘリコプターを多数保有しており、費用対効果や性能に不安があるオスプレイは不要ということだろう。

またオスプレイの高速性が魅力というなら、なぜ米政府は大統領専用ヘリコプターとして採用しないのか。不安がないなら大統領はじめVIPが乗って安全性を、身をもって実証すべきではないのか。

購入の意思を示していたイスラエルがキャンセルしたため、米国以外で本格的に導入するのは日本だけとなった。明らかな貧乏クジと分かりながら、大金をつぎ込み、導入するのだ。

安倍政権は、国民から寄せられる自衛隊への信頼を裏切るようなオスプレイの導入を断念すべきである。

集落上空にオスプレイ、20年前「配備」の日米議論

" target="_blank" title="">

集落上空にオスプレイ、20年前「配備」の日米議論
TBS12月22日(木)19時58分

 北部訓練場の部分返還の条件が6つのヘリパッドを作ることでしたが、この建設をめぐっては全国から警備のためだとして500人の機動隊員が配置され、抗議する市民と衝突が繰り返され、そして差別的な暴言を吐く機動隊員も出ました。
 急ピッチで工事が進められた後、結局、そのヘリパッドは高江の集落を取り囲むように、6つのヘリパッドが完成しました。今回、政府は沖縄の負担は軽減されたと言っていますが、どれほど実体を伴うものなのか、そして、なぜ新たなヘリパッドが必要だったのか。実際に上空から見てみると意外な風景が広がっていました。

 ヘリパッド完成間近の18日。那覇の市街地から直線距離でおよそ80キロ。150人ほどが住む東村高江です。深いやんばるの森にぽっかり開いた2つの穴。建設工事は最終段階に入っていました。

 しかし、この完成したN1地区のヘリパッドからやや南の方に目を移しますと、既に存在しているヘリパッドが見えてきます。上空から見ますと返還されない地域に、多くのヘリパッドが点在しているのがよくわかります。新設された6つのヘリパッドのほかにも、返還されない地域になお15のヘリパッドが存在しています。

 なぜ新たなヘリパッドが必要だったのでしょうか。
 「従来あるヘリパッドだけではオスプレイが収容できないので新たに拡張する。言葉上は負担軽減と言っていますが、実際のところは軍事的な能力の強化」(琉球大学・国際政治学 我部政明教授)

 北部訓練場の部分返還が発表されたのは今から20年前。その時、オスプレイの沖縄への配備は隠されていました。合意の41日前に行われた日米協議の記録です。この時、既にオスプレイの配備を前提とした議論が行われました。日本政府は沖縄に対して、オスプレイの話をするべきか、アメリカに尋ねましたが、明確な答えはありませんでした。その後、日本政府として配備は聞いていないという立場を取り続けました。

 「負担軽減と言いながら、負担を押しつけると沖縄側に受け取られるので、政治的にマイナスだと日本政府は読んだんだと思う。オスプレイの配備をなるべく隠しておきたかった。そうしないと計画が前に進まない」(琉球大学・国際政治学 我部政明教授)

 しかし、沖縄の負担軽減の実感は乏しいままです。20年前、両政府は11の施設の返還で合意しましたが、未だに返還が進んでいないものも多くあります。

 合意した当時、沖縄県知事だった大田昌秀さん。
 「11施設返すけど、そのうち7つは県内に移設して返す。こういうやり方というのが県民をバカにしている。植民地扱いしている」(合意当時の沖縄県知事 大田昌秀さん)

 大田さんが沖縄の負担は変わらないと考えているのは、返還の多くは県内移設が条件となっているからです。

 返還計画に関わった、当時のアメリカ国防総省ロビン・サコダさんは、それでも計画の実効性を強調します。

 「日米両政府の合意は沖縄の人々や大田知事(当時)の強い思いを実行しようと努力していた。日米両政府の合意はとても良い計画であり、私たちは正しい方向に向かっていると思います」(合意に関わった ロビン・サコダさん)

 しかし、その計画は地元住民を悩ませています。先週、重大事故を起こしたオスプレイは、ヘリパッド完成前から既に高江の集落の上空を飛んでいます。

 高江区長・仲嶺久美子さん。アメリカ軍機に集落であることを知らせる標識灯を建てましたが、一向に改善されないと言います。
 「(ヘリパッドが)どんな運用になるか、厳しくなると皆さん覚悟していますけど、ちょっと心配です。基地があるかぎりは免れないことなんでしょうね」(高江区長 仲嶺久美子さん)

 「本土復帰後、最大の返還であります。 沖縄の未来を切り拓いてまいります」(安倍晋三首相・9月26日)

 「とんでもないとんでもない。こんなので沖縄の未来は拓けないですよ。生活に巨大な打撃を与える所に基地を造ろうとしているからとんでもない」(合意当時の沖縄県知事 大田昌秀さん)

 本土復帰後、最大の返還でありながら、国と沖縄はすれ違い続けています。

 琉球大学の我部教授によりますと、基地の整理縮小を求める声に応えたというアピールのためにも、面積の大きいところが重要だったといいます。それから20年、最大の返還と政府は胸を張りますが、実際はアメリカ軍にとっては要らない土地を返してオスプレイが使える新たなヘリパッドを手に入れました。アメリカ軍のトップも、「オスプレイパッド」と呼んでいるぐらいです。負担軽減とは一体どういうものなのか。取材からわかってきたのは、それを多くが実感していないということです。単に面積の話ではなくて、負担を負っている沖縄がどう感じるのか、どう受け取るのかこの視点なくして、真の負担軽減はありません。さらに、先週のオスプレイの重大事故は、その後の日米両政府の対応がさらなる不信を呼んでいます。地元の理解や信頼を得られない基地、そして安全保障はやはり脆弱なものにならざるを得ないのではないかという気がしてなりません。(22日18:11)
TBS

<社説>オスプレイ飛行強行 墜落の恐怖強いる 命の「二重基準」許されぬ(琉球新報)

<社説>オスプレイ飛行強行 墜落の恐怖強いる 命の「二重基準」許されぬ

2016年12月20日 06:01

 県民の命を危険にさらすオスプレイの飛行再開は断じて許されない。墜落原因が不明なMV22オスプレイの飛行を強行した米軍、容認する政府に強く抗議し、改めて飛行停止と撤去を要求する。

 米軍は13日の墜落事故からわずか3日後に飛行再開を政府に通告、6日後に飛行を全面再開した。政府は「安全性確認までの飛行停止」を求めていたが、それを覆す無責任な飛行容認である。
 事故原因の徹底解明、それに基づく安全性の確認が反故(ほご)にされた。県民の生命の安全をないがしろにする暴挙と断ずるほかない。

首相は発言に責任持て

 安倍晋三首相はテレビ番組で「原因が究明されるまで運航をやめるよう米側に要請した」と言明した。にもかかわらず菅義偉官房長官は飛行再開を「理解できる」と容認した。モラルハザード(倫理欠如)は甚だしい。首相は自らの発言に責任を持つべきだ。
 稲田朋美防衛相は翁長雄志知事に「県民と国民が理解し安全ということがない限り飛行はやめるよう申し入れた」と明言した。それが一転、「空中給油以外の飛行再開は理解できる」と容認した。
 しかしこの見解は欺瞞(ぎまん)に満ちている。事故機は回転翼を前に傾けた「固定翼モード」で墜落した。オスプレイの元主任分析官は「ヘリモードで補給できない事実は、予期されなかった航空機の欠陥」と新たな構造的欠陥を指摘している。
 従来指摘されている軟着陸のためのオートローテーション機能欠如の影響を含め、事故原因が解明されたとは到底、言えない。
 防衛相が「空中給油訓練以外の飛行」を認めると強弁するなら、オスプレイの空中給油は全廃すると明言すべきだ。
 名護市職員は、給油ホースを出した空中給油機が米軍機と並んで市役所上空を何度も通過したと証言している。危険な空中給油が海域だけでなく市街地など陸域上空でも行われている疑いがある。
 防衛省の土本英樹審議官は佐賀県議会で「オスプレイ配備は安全確保が大前提」とし、佐賀では給油訓練を実施しないと述べた。審議官は来県し「安全確保のため沖縄でも給油訓練を実施しない」と約束すべきだ。
 陸自オスプレイ配備を予定する佐賀の県議会、市議会で防衛省幹部、職員は何度も参考人質疑に応じている。防衛省は墜落事故が現実となった沖縄でこそ県議会、地元議会の質疑に応じるべきだ。
 県民の安全を軽視する「命の二重基準」は許されない。

欠陥機は撤去すべきだ

 県民の猛反発が予想されながらの飛行再開は、ヘリパッド完成に伴い22日に迫る米軍北部訓練場の過半の「返還式典」と無関係ではなかろう。オスプレイを飛行再開させねば同訓練場のヘリパッドは無用の長物となるからだ。
 住民、県民に墜落の恐怖を強いてでもヘリパッドでのオスプレイ運用を優先する軍隊の論理と日本政府の追従姿勢が明らかだ。
 オスプレイの飛行再開、ヘリパッドの運用強行は県民の怒りの炎に油を注ぐことになろう。
 オスプレイ対応のヘリパッドは県内に69基あり、50基が伊江島や北部訓練場、中部訓練場(キャンプ・シュワブ、キャンプ・ハンセン)に集中する。米軍普天間飛行場の「オスプレイ墜落の恐怖」が本島全域で一層、強まる。
 東村高江区住民の中にはオスプレイの訓練激化を恐れ転居した家族もいる。本紙「声」欄に「伊江島飛行場、高江、辺野古(新基地)を結ぶ魔の三角形」の投稿が載った。オスプレイが縦横無尽に飛び交う恐怖を県民に強いる。
 金武町の小学6年女子児童は「きょうふ心いっぱい。オスプレイ事故の避難訓練をしないといけないのかな」と書いた。
 県民に恐怖と忍従を強いるオスプレイ飛行再開は許されない。構造的差別に基づき配備された構造的欠陥機は撤去させるしかない。

無題

オスプレイ事故は「最重大級」 米機関が評価、沖縄名護海岸の墜落((琉球新報)

オスプレイ事故は「最重大級」 米機関が評価、沖縄名護海岸の墜落
2016年12月16日 06:30

 【ワシントン=問山栄恵本紙特派員】沖縄県名護市安部の海岸で13日夜に起きた米軍普天間飛行場所属のMV22オスプレイ墜落事故で、米海軍安全センターが事故の規模について最も重大な「クラスA」に分類し、機体は大破したと評価していることが15日分かった。クラスAは被害額が200万ドル以上や死者が発生した事故。米軍や米国防総省は「不時着」「着陸」と説明しているが、説明とは程遠い、激しい事故だったことが今回の評価でも裏付けられた。

 同センターは事故原因については言及していないが、算定では被害額は8060万ドル(約95億円)。オスプレイの機体価格は2015米会計年度(14年10月〜15年9月)の米国防予算では1機約7210万ドル(約85億円)となっており、被害総額は機体価格を上回った。

 17米会計年度(16年10月〜17年9月)に入り、米海兵隊所属航空機によるクラスAの事故が頻発している。センターによると、今回のオスプレイ墜落事故や7日に高知市沖で起きた米軍岩国基地(山口県岩国市)所属FA18戦闘攻撃機の墜落事故を含め、年度内で発生した米海兵隊のクラスA事故件数はすでに6件に上る。

 同センターによると、米海兵隊航空機による17米会計年度の10月1日〜12月13日までの10万飛行時間当たりのクラスA事故発生率は12・36件で、前年同時期の4・45件と比べ高くなった。


◆「制御できずに墜落」 新たな構造欠陥指摘 オスプレイの元主任分析官のリボロ氏
2016年12月15日 13:18

■激しい損傷が語る事実

 国防研究所(IDA)でオスプレイの主任分析官を務めたレックス・リボロ氏は米軍普天間飛行場所属の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが墜落した事故について「航空機が制御できていた場合、機体の損傷を引き起こさずに水面に着陸できただろう。機体が激しい損傷を受けた事実はその航空機が制御不能であり、航空機を破壊するに十分な力で水面にぶつかったことを示唆している」と述べ、オスプレイが制御不能で墜落したことを強調した。


■回転翼モードで補給できない

 墜落事故が空中給油をきっかけに起きたことに対しては「回転翼モードで補給することができない事実は、予期されなかった航空機の欠陥である」と述べ、オスプレイの新たな構造的欠陥であると指摘。同じような墜落事故が再び発生すると強調した。14日、本紙の取材に答えた。

 リボロ氏は「何が(事故)原因であれ、これは明らかに航空機が完全に破壊されたことによる墜落事故だ」とし、米軍が説明する「不時着」ではなく「墜落」と断定した。


■危険な夜間の空中給油

 オスプレイによる空中給油については「夜間の空中給油は、どの航空機でも常に困難だ」と指摘。その上で「パイロットによる誤操作や乱気流発生のいずれかで、給油ホースがレシーバーと接触する可能性がある。(空中給油機の)給油パイプに非常に近いので、より深刻な状況になる」と指摘。その上で「オスプレイはコントロールするのが難しいため、回転翼モードでの飛行中に補給することはできない」と説明した。

■「浅瀬に着陸」声明の無意味さ

 リボロ氏は在沖米軍トップのニコルソン在沖米四軍調整官が声明で、「県民や乗務員を守るために、意識的に浅瀬に着陸しようとした」と主張したことに対して「この声明は無意味でばかげている」と批判。「キャンプ・シュワブにはビーチがあり、ビーチ全体が緊急時に着陸可能であった。パイロットはどこにいても、墜落するしかなかった。私は問題の機密性を理解しているが、沖縄の人々と誠実に向き合うべきだ」と強調した。
(ワシントン=問山栄恵本紙特派員)(琉球新報電子版)


名護市長、オスプレイ撤回要求 若宮副大臣が謝罪 市役所上空でも給油訓練か
2016年12月16日 11:27

名護市安部の海岸でのオスプレイの墜落を巡り、説明する若宮健嗣防衛副大臣(右奥)に対し、名護市役所上空でも空中給油機が飛行している写真を見せる稲嶺進名護市長(左)=16日午前、名護市役所市長室

 【名護】若宮健嗣防衛副大臣は16日午前、名護市役所に稲嶺進市長を訪ね、垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが名護市安部の海岸に墜落したことについて「県民、地元の皆さまに大変なご心配をかけた。大変申し訳なく思う。米軍へこういった事故ないように厳重に十分な注意するよう申し伝えた」と謝罪した。


 稲嶺市長は住民の安全が脅かされる墜落に強く抗議し「オスプレイ配備をただちに撤回すること、普天間をただちに閉鎖すること、辺野古新基地建設を撤回することを強く要求する」と求めた。

 若宮副大臣は「在日米軍司令官に事故の原因究明に関し、できる限り早く明らかにすべきだということと安全を確認するまでオスプレイの飛行中止を申し入れている」と説明した。

 稲嶺市長は2015年10月26日に同市役所上空で、米軍機が空中給油に使用するホースとみられる物体を出したまま飛行した際の空中給油機の写真を示し「海上だけではない。これは市庁舎の上空だ。陸域でも行われているのではないか」と海域での訓練であるとの米側、沖縄防衛局側の説明を疑問視した。
【琉球新報電子版】

詩とは文学とは─新しい戦争の時代

この時期になるとノーベル賞が話題になります。

今年のノーベル文学賞にボブ・ディランという歌手が受賞するという。

わたしは残念ながらこの人のことを名前ぐらいしか知らない。

そのニュースを聞いてわたしは、なぜ歌手が文学賞?と単純に思う。

そして最近、これも遅れてなんですが

「チェルノブイリの祈り」などを書いたスベトラーナ・アレクシェービッチさんが2015年ノーベル文学賞を受賞したことを知りました。

そこで、わたしの最近なんとなく感じていた「文学」とはなにか?のさらなる疑問が強まった次第です。


わたしが最近読みたいと思う文学書がないのは、わたしの老化による関心のうすれなのか?

あるいは、社会的な状況の変化なのか?

スベトラーナ・アレクシェービッチ著『チェルノブイリの祈り』を読みだしてみました。

そこにはチェルノブイリ事故の時に現場へ駆けつけた消防署署員などの体験談が書かれています。

インタビューをひたすら記録するスベトラーナ・アレクシェービッチさんの書物の迫力。

スベトラーナ・アレクシェービッチさんはチェルノブイリ以降の時代を

新しい戦争の時代だといっています。

目に見えない戦争の時代といいかえてもいいのでしょう。

チェルノブイリはいまや日本の、福島の問題でもあります。


そんなことをすでに詩に書いている人がいたことをこれもまた遅れてなんですが知りました。


6 神隠しされた街

四万五千の人びとが二時間のあいだに消えた
サッカーゲームが終わって競技場から立ち去った
のではない
人びとの暮らしがひとつの都市からそっくり消えたのだ
ラジオで避難警報があって
「三日分の食料を準備してください」
多くの人は三日たてば帰れると思って
ちいさな手提げ袋をもって
なかには仔猫だけをだいた老婆も
入院加療中の病人も
千百台のバスに乗って
四万五千の人びとが二時間のあいだに消えた
鬼ごっこする子どもたちの歓声が
隣人との垣根ごしのあいさつが
郵便配達夫の自転車のベル音が
ボルシチを煮るにおいが
家々の窓の夜のあかりが
人びとの暮らしが
地図のうえからプリピャチ市が消えた
チェルノブイリ事故発生四〇時間後のことである
千百台のバスに乗って
プリピャチ市民が二時間のあいだにちりぢりに
近隣三村をあわせて四万九千人が消えた
四万九千人といえば
私の住む原町市の人口にひとしい
さらに
原子力発電所中心半径三〇劵勝璽鵑牢躙叡和咾箸気
十一日目の五月六日から三日のあいだに九万二千人が
あわせて約十五万人
人びとは一〇〇劼箘豸沺鮫卆茲稜逝爾砲舛蠅造蠅望辰┐
半径三〇劵勝璽鵑箸い┐
東京電力福島原子力発電所を中心に据えると
双葉町 大熊町 富岡町
楢葉町 浪江町 広野町
川内村 都路村 葛尾村
小高町 いわき市北部
そして私の住む原町市がふくまれる
こちらもあわせて約十五万人
私たちが消えるべき先はどこか
私たちはどこに姿を消せばいいのか
事故六年のちに避難命令が出た村さえもある
事故八年のちの旧プリピャチ市に
私たちは入った
亀裂がはいったペーヴメントの
亀裂をひろげて雑草がたけだけしい
ツバメが飛んでいる
ハトが胸をふくらませている
チョウが草花に羽をやすめている
ハエがおちつきなく動いている
蚊柱が回転している
街路樹の葉が風に身をゆだねている
それなのに
人声のしない都市
人の歩いていない都市
四万五千の人びとがかくれんぼしている都市
鬼の私は捜しまわる
幼稚園のホールに投げ捨てられた玩具
台所のこんろにかけられたシチュー鍋
オフィスの机上のひろげたままの書類
ついさっきまで人がいた気配はどこにもあるのに
日がもう暮れる
鬼の私はとほうに暮れる
友だちがみんな神隠しにあってしまって
私は広場にひとり立ちつくす
デパートもホテルも
文化会館も学校も
集合住宅も
崩れはじめている
すべてはほろびへと向かう
人びとのいのちと
人びとがつくった都市と
ほろびをきそいあう
ストロンチウム九〇 半減期 二七・七年
セシウム一三七 半減期 三〇年
プルトニウム二三九 半減期二四四〇〇年
セシウムの放射線量が八分の一に減るまでに九〇年
致死量八倍のセシウムは九〇年後も生きものを殺しつづける
人は百年後のことに自分の手を下せないということであれば
人がプルトニウムを扱うのは不遜というべきか
捨てられた幼稚園の広場を歩く
雑草に踏み入れる
雑草に付着していた核種が舞いあがったにちがいない
肺は核種のまじった空気をとりこんだにちがいない
神隠しの街は地上にいっそうふえるにちがいない
私たちの神隠しはきょうかもしれない
うしろで子どもの声がした気がする
ふりむいてもだれもいない
なにかが背筋をぞくっと襲う
広場にひとり立ちつくす

若松丈太郎という詩人が書いた詩です。

文学も詩も健在だと思った出会いです。

DSC_0361




元知事会見各紙報道を読んで━佐藤栄佐久さんが陥れられた冤罪の真相に迫るドキュメンタリー映画「知事抹殺の真実」

Facebookからの情報です。
https://www.facebook.com/eisakumovie/

映画「『知事抹殺』の真実」

12月6日 23:13 ・
..
2016年12月6日(火)ドキュメンタリー映画「知事抹殺」の真実 完成記者会見を福島県庁県政記者クラブで行われました。

佐藤栄佐久さんの第一声は
「知事当時、まさにここでよく会見をしていました。年月を経ておかれた立場は違いますが、ここで再び会見を行うということは非常に感慨深い」
「この映画で、この事件の真実を観て頂きたい」
と。

2016年12月7日 元知事会見各紙報道を読んで
元知事・佐藤栄佐久さんが陥れられた冤罪の真相に迫るドキュメンタリー映画「知事抹殺の真実」。
 
 昨日(12月6日)、福島市での上映に向け、監督や制作者とともに栄佐久さん自らが県庁に足を運んだ記者会見は、もの言う県政を旗印にした栄佐久さんの指揮官ぶりと、それを快く思わなかった勢力による2006年の事件の帰趨進展、その明と暗。
 私にとって、会見は“凱旋”という言葉を思い浮かべる象徴的な場面だった。栄佐久さんに共感し、復権に思いを寄せる福島市有志による実行委員会が〈県庁への帰還〉を演出した。
 会見から受けた印象を昨日細切れに書いた中で、最後に次のように付け加えた(一部加筆再編集を加えた)
     *****
  元知事・佐藤栄佐久さんの県庁会見。(映画制作にあたって映像提供を地元メディアから悉く拒否された、という監督の述懐を受けて)メディアが真実を伝えることになぜためらうのか、何に遠慮しているのか、何のために報道人になったのか・・・栄佐久さんの問いは、我が身にもグサグサと突き刺さるものがあった。
 311以降の(それ以前も含めてだが)福島の活字・映像メディアは、栄佐久さんのこの問いかけに、目をそらさず、答えることができるだろうか。多くのメディアは「否」だろう、それは、弱者の側に立つ、というメディアの基本、存在意義や使命を果たしていないからだ。
 国策捜査に陥れられた栄佐久さんを地元メディアは守り抜くことができなかった、それどころか、洪水のようなバッシングの尻馬に乗り、思考停止の報道を続けた。
 その延長線上に今があるのではないか。あの時はまだこの業界に入ってなかった記者諸君も、この事件の背景と経緯をしっかり見つめて考えて欲しい。
 さて、そういう次第で、明日7日の新聞各紙はこの会見をどのように伝えるだろうか、チェックを入れよう、と思う。とりわけ福島民報、福島民友はどのように伝えたかを。
     *****
 では、7日の各紙朝刊はどうだったか。
 県紙を自任する福島民報は3面2段の扱い。県庁で会見したこと、その勘所をきちんと記事中に書き、記者会見の中で語った「知事時代は地方自治や原発の問題について問題提起した。突然知事を辞めることになったが、私の闘った姿が、地方自治のためにのために頑張っている皆さんの参考になればと思う」をひいている。
 ただし、メディアの姿勢を問うたくだりは、書かれていない。
 一方、福島民友は、第3社会面のベタ(一段見出し)記事。見出しに「12日から県内上映『知事抹殺の真実』」とうたい、お知らせ記事扱い。会見に触れたくだりは末尾「佐藤氏は6日、福島市で会見し『映画を通じて“知事抹殺”の本質、問題点を伝えようという動きに感謝している』と述べた」の5行。
 「6日、福島市で会見し・・・」に違和感を覚える。かつていわれのない罪で県庁をおわれた知事が本丸で会見したことがニュースの勘所なのに。
 記事のスタイル・書き方がそうなっているから、という理屈でこの要素を盛り込まなかったとしたら、記者、デスクのニュース感性としては落第。
 しかも、民友記者はこの事件に関する訴訟の進行について会見で質しているがこの点については、報道する内容に乏しいと判断したのか、記事中では触れていない。
 また、会見で発言した朝日、河北。それから毎日、読売には記事が見当たらなかった。

 蛇足。会見における栄佐久さんの表情には、怒りの底に哀しさが見られた。地元のメディアだけは自分を信じてくれている、自分の味方だと思っていたが、実はそうではなかった――と昨日書いた。
 その時、書かなかったことは次のような思いだ。
 3.11以降の福島のメディアの姿を、例えば日々の紙面、番組を通して見ていて、その立ち位置、ダメさ加減は、どうしようもないほど救いがたい、と私は思っている。
 しかし、栄佐久さんはそれでもメディアの正義と矜持を信じていたのかもしれない。
 テレビはいざ知らず、会見を報ずる今日の活字メディアを読むと、栄佐久さんの渾身の声は彼らに響いていないように見える。各社の中堅、県政キャップクラスが会見に出ていて、これではあまりに情けない。(添付写真は今日の福島民報)


またIWJでの「ドキュメンタリー映画「『知事抹殺』の真実」記者会見 2016.12.6」がこちらで見られます。
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/349869
記事公開日:2016.12.8地域:福島県 動画

 2016年12月6日(火)、福島市の福島県庁 県政記者クラブにて、映画「『知事抹殺』の真実」の記者会見が開かれた。映画は、「謎の収賄事件」によって突如辞任を強いられた元福島県知事の佐藤栄佐久氏が、県知事時代に闘い、抹殺されるまでの真実を記したドキュメンタリー。映画を制作した安孫子亘監督、佐藤栄佐久氏より冒頭挨拶が述べられた。


■Ustream録画(32分間)
※映像の一部に乱れがあります。のちほど差し替え予定ですので、なにとぞご了承ください

•会見者 佐藤栄佐久氏、安孫子監督、他

◦日時 2016年12月6日(火) 16:30〜
◦場所 福島県庁 県政記者クラブ(福島県福島市)
◦告知 ドキュメンタリー映画「『知事抹殺』の真実」公式サイト
DSC_0360

井戸川克隆前双葉町長が警告「地震大国で再稼働をすると、福島の二の舞いになる」〈週刊朝日〉

井戸川克隆前双葉町長が警告「地震大国で再稼働をすると、福島の二の舞いになる」〈週刊朝日〉

井戸川克隆前双葉町長が警告「地震大国で再稼働をすると、福島の二の舞いになる」〈週刊朝日〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20161130-00000222-sasahi-soci
週刊朝日 2016年12月9日号


 今年に入り、熊本、鳥取に続き、11月22日早朝に福島県などを、マグニチュード(M)7.4の地震が襲った。東日本大震災以来となる1メートルを超える津波を観測し、福島第二原発の使用済み燃料プールが冷却機能を一時停止。このまま原発を再稼働しても大丈夫なのか。ジャーナリストの桐島瞬氏が取材した。

 5時59分に福島県沖約60キロ、深さ約25キロで発生した地震は、福島、茨城、栃木で最大震度5弱を記録。気象庁は東日本大震災の余震にあたると発表した。福島県南相馬市の自宅で被災した小澤洋一さん(60)は、その時の恐怖をこう語る。

「揺れ始めに5年前と同じ大きな横揺れがあり、『これはマズイ』と思いました。地震が収まると、今度は市の防災無線スピーカーからサイレンがけたたましく鳴り響き、3メートルの津波警報が聞こえてきたのです。東日本大震災の悪夢を思い出しました」

 幸いなことに7時過ぎに相馬市で観測された津波は90センチに収まったが、驚いたのは福島第二原発3号機の使用済み燃料プールが冷却できなくなっていることを知った時だ。テレビのニュースで知り、携帯電話に届いた原子力規制委員会からの緊急情報メールには、「福島第二原発で3号機の使用済み燃料プール冷却系が停止していることを確認」とあった。

 1時間半後に復旧して事なきを得たものの、小澤さんは東京電力の危機管理の甘さにフツフツと怒りが湧いてきたという。今年に入り列島を大地震が襲う。4月の熊本地震では震度7を2回記録し、137人が亡くなった。10月には最大震度6弱の地震が鳥取で発生し、一部損壊を入れると1万2千軒以上の住宅に被害が出た。そして今回の東北の余震。地震学者の島村英紀氏は、いまや国内の場所を問わず大地震が起きる可能性があると解説する。

「東日本大震災の影響で、日本列島の地下深くにある基盤岩がずれてしまいました。このため、いつ大きな地震や火山噴火が起きてもおかしくありません。特に東北地方では今後100年ぐらいは最大M8クラスの余震が続くでしょう」

 そうなると心配なのは原発だ。東電によると福島第二原発で起きた燃料プール冷却機能の停止は、地震で水面が大きく揺れたことが原因だという。

「燃料プール内の冷却水が大きく揺動(スロッシング)したことで空調ダクトへ流れ込み、本来の行き場所であるスキマサージタンクへ十分に行かなくなった。それでタンクの水位低下警報が働き、ポンプが止まったものと考えています」(東電広報部)

 地震で水面が揺れるのは当然。いままで対策をしてこなかったのが不思議だが、実は今回の地震でトラブルはこれだけではなかった。福島第一原発と第二原発で合計5カ所の異常が発生していたのだ。

(1)使用済み燃料プールの冷却機能の停止、(2)ダストモニタリングが停電で一時停止(それぞれ第二原発)、(3)港湾内の海水放射線モニターが停止、(4)共用プール建屋でスロッシングが起き、6平方メートルの水たまりができた、(5)1〜6号機の海洋への汚染物質流出防止のためのシルトフェンスが損傷(それぞれ第一原発)。

 震度5弱でこれだけの不具合が出ていたら、今後も来ることが予想されるさらに大きな余震で、原発に深刻な被害が生じるのではないか。元東芝技術者で原子炉格納容器設計に携わった後藤政志氏は、東電には十分な備えができていないという。

「使用済み燃料プールのような大きなものは地震で相当揺れるから、今回の事態も予想できたはず。それなのにいままで何もせず、さらに冷却ができなくなってもルール上の制限温度に達するまで約7日間あるから大丈夫というのは言い訳にしか聞こえません」

 2013年にも福島第一原発の使用済み燃料プールが冷却不能になるトラブルが起きた。

「あの時はネズミが配電盤に入り込みショートしたことで全面的な復旧まで29時間かかりました。原因の特定までに時間がかかれば7日間などすぐに過ぎてしまう。大地震ではいろんなことが起きるという5年前の教訓を生かさないと、また同じ事故が起きます」

 もともと原発事故は起きないとの前提で進んだのが日本の政策だった。福島第一原発事故の2年前、当時の原子力安全・保安院がまとめた複合災害下での原子力防災の検討文書にはこう記されていた。

<原子力施設においては、想定される最も厳しい地震等に対しても安全が確保されるよう、十分な災害対策が講じられており、大規模自然災害を原因とした原子力災害等が、現実に発生する蓋然性は極めて低い>

 だが、それは絵空事で、日本中をパニックに追い込むほどの大惨事となったのは承知の通りだ。安倍首相は「世界で最も厳しい安全基準にパスした原発を再稼働させる」として川内、伊方両原発を再稼働させたが、再び甘い安全神話ができつつあるのではないか。

 福島原発事故当時、福島県双葉町長だった井戸川克隆氏も福島原発事故の4カ月前に行われた避難訓練を例に挙げながらこう言う。

「10年の11月下旬に福島県と原発の立地・周辺自治体、それに東電が共同で実施した原発災害時の避難訓練のシナリオは、冷却機能が喪失して放射性物質が放出され、なおかつ火災が発生するという3.11と極めて状況が似通った想定でした。相当綿密な訓練を2日間にわたってしたのに、その4カ月後に起きた実際の原発事故では立地自治体にさえ情報が入らず、訓練は全く生かされなかった。その反省が生かされないまま、原発の再稼働が進んでいる」

 それに、住民の避難計画ひとつとっても不十分だ。伊達市の島明美さん(46)はこう不安を募らせる。

「市から土砂災害時の避難所一覧はもらいました。ですが、また原発事故が起きたらどうすればよいのか、ヨウ素剤の配布はどのルートでいつ行われるのかなどまったくわからないことだらけです。家だって目張りをしないと被曝してしまいます。原発を再稼働するなら、そうした住民の不安を解消するのが先です」

 先週の福島で起きた地震でも、いわき市の県道では避難する人たちで大渋滞が起きた。60センチの津波を観測した小名浜港から約700メートルの距離に住む40代の男性も巻き込まれた一人だ。

「津波警報が出たため、朝6時半ごろに家族を連れて2キロ離れた高台へ車で向かいました。ところが県道が大渋滞で全然動かず、普段なら5分足らずの道のりに30分以上を要しました。ラジオでは原発の燃料プールの冷却がストップしたニュースをやっているし、不安でたまりませんでした」

 前出の井戸川氏が言う。

「原発事故の反省もないままに国は再稼働を進めています。今回の地震でも、もっと高い津波が来ていたらどうなっていたか。このままでは、また大惨事を繰り返すことになりかねません」

 日本から原発輸入を決めていたベトナムは、福島第一原発の事故の影響で安全対策面の設備投資が膨らむとして計画を白紙撤回した。

 悲劇が繰り返されないよう、日本も原発から早期撤退する決断が必要な時期ではないか。(ジャーナリスト 桐島 瞬)

「原発事故は新しい形の戦争だ」

「原発事故は新しい形の戦争だ」 ノーベル賞作家 アレクシエービッチさん 東大で講演(東京新聞)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201611/CK2016112602000119.html

2016年11月26日 朝刊

 原発事故に遭遇した人々の証言を集めた記録文学「チェルノブイリの祈り」などで知られるベラルーシのノーベル文学賞作家でジャーナリスト、スベトラーナ・アレクシエービッチさん(68)が来日し、東京大(東京都文京区)で25日、講演した。「原発事故は、新しい形の戦争だと思った。われわれが考え方を変えない限り、原発は続く。人間が自然と共生するための新しい哲学が必要とされている」と語った。


 アレクシエービッチさんは2003年に北海道電力泊原発を訪れている。現地では「日本の原発はチェルノブイリと違う。地震にも耐える設計だ」と説明されたが、その後、福島第一原発の事故が起きた。「人間は自然を征服できないことが分かった。今後何十年も続く大惨事を、どう語っていくのか。もし可能だとすれば、それは被災した人々の証言によってだと思う」と述べた。


 社会主義国家ソ連の実態と崩壊を市民へのインタビューで描いた「セカンドハンドの時代」の邦訳が今年9月、岩波書店から刊行されたばかり。「大事なのは想像力を失わないこと。共産主義やファシズムも、人生が前に進むのを阻めない。だから絶望する必要はない。人々を勇気づける知識人の役割も重要だ」と会場に呼び掛けた。


 アレクシエービッチさんは昨年12月にノーベル文学賞を受賞した。今月末まで日本に滞在し、28日には東京外国語大で名誉博士号を受ける。 (出田阿生)



<関連情報>

言葉の力、信じて
http://www.47news.jp/47topics/postwar70/turning-point/post_20160201182418.html

「急激に変化している今の時代は、ノンフィクションの役割はとても重要です」と話すスベトラーナ・アレクシエービッチさん(共同)

 冷戦終結後、複雑さを増した世界に必要な新たな哲学は。第2次世界大戦やチェルノブイリ原発事故など、惨禍に翻弄された人々の心の底にはどんな言葉があったのか―。民衆の言葉をすくい上げる作品で、2015年にノーベル文学賞を受賞したベラルーシの女性作家スベトラーナ・アレクシエービッチさん。「勝ち負けにこだわる男性的な価値観」ではなく、他者への思いやりや共生を重視する女性的な価値観。「言葉の力を信じ、語り続けること」。それが新しい世界を構築する鍵になり得ると語る。(記事は2015年9月19日に配信。肩書などは当時)


女性の価値、新たな哲学に 「語ることやめないで」  作家スベトラーナ・アレクシエービッチさん

 ―第2次大戦中の日本では、女性は銃後の守りを求められましたが、看護師などとして戦地に行き、シベリアに戦後、抑留された女性もいました。その苦難の多くは語られないままです。


 「約100万人の女性が兵士や医療従事者として戦場に行ったソ連でも、彼女たちの声が公になることはほとんどありませんでした。戦争は常に『大義』や『英雄』など、男たちの言葉で語られてきたのです。私は子供のときから、女たちが語る戦争が本に書かれた戦争と違うことに気付いていました。暮らしたベラルーシの村は、ナチスドイツとの戦いで男の大半が死に、女と子供、老人しかおらず、私は女たちの『死と痛みの話』を聞きながら育ったからです」


 ―従軍したソ連女性の証言集「戦争は女の顔をしていない」は出版から30年近く経た今、欧州で新たに翻訳されていますね。


 「激戦の様子を語る男性と違い、女性たちの話には色やにおい、感情があり、動物や鳥など人間以外の生命も戦争で苦しんだことの記憶があります。爆撃に巻き込まれ、苦しむ馬やチョウザメを見て泣いたこと、配給された男性用下着のままで死にたくなかったこと、死にゆく敵兵に同情し、戦場で人間性が急速に失われることを恥だと思うこと。彼女らの細部の記憶は戦争の悲惨さ、残酷さをより感じさせるのです」
 「数百人の女性たちをインタビューし、本を書きましたが、出版社やソ連の検閲官は『変な話ばかりだ』『動物がかわいそうだという話か』などと怒りさえし、3年近く放置されました。欧州でも以前の反応は大きいものではありませんでした。世界が複雑化し、転換期にある今、他者への思いやりや、あらゆる生命に共感する女性の感性、価値観が重視されるようになったのではないでしょうか」


 ―1986年に起きたチェルノブイリ原発事故の被災者らの証言を集めた「チェルノブイリの祈り」は未来への警告でもありました。


 「2003年、講演のために日本を訪れた時、(北海道電力)泊原発を見学しました。担当者は『日本の原発は大地震が来ても絶対に安全です』と胸を張りました。チェルノブイリ事故は怠惰なソ連体制下で起きたもので日本ではあり得ないと。『安全』はどこの国の担当者からも聞きます。チェルノブイリ原発を設計した原子炉工学者も安全性を断言しました。しかし、人の予測をはるかに超える自然の力がフクシマ(東京電力福島第1原発)を襲いました」



「女性は、どんな戦争も英雄的行為ではなく殺人と考えます」と語るスベトラーナ・アレクシエービッチさん(共同)


 「チェルノブイリ事故で地上から生命が消えてしまう可能性を見て、私は動植物の命をより身近に感じるようになりました。『動物にどう説明したらいいのか』。住民避難を協議していたソ連科学アカデミーでこんな疑問が呈されたそうです。避難区域に残され放射能に汚染された犬や猫、馬などは軍人らに射殺、処分され、村や森は埋められ、街は今も無人です。文明とは(放射能に汚染された)ゴミの山をつくるものでしょうか」

 ―戦争や原発事故の恐怖は、急速に忘れられていきます。


 「目撃した者、経験した者はその恐怖を語り続けなければなりません。それは私の仕事でもあります。誰も聞いていないと思っても、落胆したり感情的になったりせずに語り続ける。語るのをやめることこそ恐ろしい。真に興味深い言葉は力を持ち、メディアが多様化しても人々の意識に残るはずです」


 ―著作の発禁など政府による弾圧も経験していますね。


 「政権への抵抗は私たちの文化では特別なことではありません。国民はそのレベルにふさわしい政府を持つ、といいます。ロシアのプーチン大統領は全体主義のソ連に回帰し大国主義路線に走っていると欧米に批判されますが、国民を映す鏡なのです。ソ連崩壊後の20年余、国が混乱し大国の威信を失ったと感じる国民は『われわれは素晴らしい歴史を持つ偉大な民族』という言葉を聞きたいのです。どこかに憎悪を向けて日常の不満を解消したがってもいます」
 「テロなど新たな恐怖の出現、世界の急速な変化で、未来の行方は分からなくなりました。ロシアがウクライナと戦争し全世界と敵対する事態を3年前、誰が想像したでしょうか。進歩や消費を求め突き進んだ時代の男性の価値観や物の見方とは異なる哲学が必要です。女性のそれは構造的に男性と異なり、新しい世界を開くのに役立つはずです」


 ―愛について執筆中だそうですね。


 「(愛によって)自分が幸せになることはできないというテーマです。男女の愛は時には戦争より恐ろしいものかもしれません」
 「愛は複雑で難しく、幸せは永遠ではありません。それでも小さなことに満足し、容易に愛せる女性たちがいる。『死の恐怖から逃れるため』に幸せを感じたいと、ある女性は説明しました。愛は毎日の営みなのですが、その営み方を誰も教えてはくれないのです」(聞き手は共同通信記者・舟越美夏、タチアナ・ゼンコビッチ撮影)


「ソ連時代を生きた人々は、自由の意味を知りません」と語るスベトラーナ・アレクシエービッチさん(共同)


アレクシエービッチ氏略歴

 スベトラーナ・アレクシエービッチ 48年、旧ソ連ウクライナ共和国生まれ。父はベラルーシ人、母はウクライナ人。ジャーナリスト、作家として活動。邦訳されている著書に「戦争は女の顔をしていない」「チェルノブイリの祈り」「アフガン帰還兵の証言」など。スウェーデン・アカデミーはノーベル文学賞の授賞理由を「苦しみと勇気の記念碑」「文学の新たなジャンルを生み出した」などとしている。


「年を取る、というテーマについても書いています」と話すスベトラーナ・アレクシエービッチさん(共同)


並外れた意志

 柔らかな雰囲気を持つ、チャーミングな女性だった。気負いもない。


 しかし、歴史的大事件の意味を問う証言集の数々は時の政権を恐れさせ、国際的な評価は高い。「真実」を追い求める並外れた意志と練られた思考は、言葉の端々に表れた。「愛は時に戦争より恐ろしい」。自分の価値観で相手を支配しようとし、時に憎しみを生む点で愛と戦争は似ているということだろうか。


 「選ぶテーマは全て、私が理解したかったこと」だという。1冊を書くのに数百人に会う。人々の心の底に閉じ込められていた悲しみや痛み、人間の本質を突く言葉を引き出す。あぶり出された歴史の真実に反発したのは当局だけでなかった。時には一部の市民からの攻撃にも耐えなければならなかった。


 「あんな恐ろしい本を書いた人にしては小柄ですね」。3年ほど前に会ったソ連最後の大統領、ゴルバチョフ氏が言った。「あなたこそ、ソ連を崩壊させた人にしては小柄ですね」。アレクシエービッチさんはそう返し、笑い合ったという。


 「怖いのは『もう疲れた』と思う日が来ること」。執筆中の2冊について語った後、そう言った。

215ce7504c46c2caed3c.jpg

12月〜来年1月に南関東で大地震 四国沖も危険 恐ろしいほどの的中率「MEGA予測」

12月〜来年1月に南関東で大地震 四国沖も危険 恐ろしいほどの的中率「MEGA予測」

夕刊フジ / 2016年11月25日 17時12分

 「恐ろしいほどよく当たる」として今、「MEGA地震予測」が注目を浴びている。衛星データを駆使して地殻の異常変動を観測、巨大地震を予測するというもので、22日にマグニチュード(M)7・4の規模で震度5弱、24日に震度4の地震があった福島県を警戒地域に指定、10月に震度6弱を記録した鳥取地震も的中させている。この予測で12月から来年1月にかけて最高レベルの警戒を呼びかけているのが南関東で、西日本では四国でも危険な兆候がみられるという。

 MEGA地震予測は、測量工学の世界的権威で東京大名誉教授の村井俊治氏が立ち上げた民間会社「地震科学探査機構(JESEA)」(東京)が実施している。

 地上約2万キロメートルを周回するGNSS(衛星測位システム)のデータを利用。国土地理院が公表する全国約1300カ所の電子基準点でどのような地殻変動が起きているかを観測し、地面が大きく沈むなどの異常変動を突き止めることで、巨大地震の発生が予測される地域を特定している。

 「風邪をひいて熱が出る前、悪寒がするなどの前触れがあるように、巨大地震が起きる前にも地面がビクッと動く。2000〜07年に起きたM6以上の地震162個を追跡調査したところ、すべての地震の前に、地殻の異常変動が起きていた」と村井氏は語る。

 10月21日に鳥取県中部で震度6弱を記録した鳥取地震の前にも異常変動は検知されたという。

 村井氏によると、地殻変動は毎日起きているが、通常は1〜2センチほどの範囲。だが、鳥取・島根両県では7月に4〜5センチ超の異常変動が複数地点で観測された。8〜10月にかけても、大きな沈降や不自然な水平方向の動きが断続的に確認されていた。

 「これまでの観測からは、巨大地震は異常変動の後、大きな変動のない『静謐(せいひつ)期間』を経て発生している。鳥取地震の前にもまったく同じ状況が出現した」(村井氏)という。

 今月22日に発生した福島県沖を震源とするM7・4の地震も、前兆を捉えていた。

 東日本大震災で深い沈降を観測した東北・北関東の太平洋沿岸地域は現在、地面が徐々に元に戻ろうとする状態にある。ただ、福島、宮城両県では隆起のスピードが異なり、境に歪(ひず)みがたまって地震が発生しやすい状況だという。

 JESEAはこれまで、分析結果を会員にメールマガジン(月額216円)で配信、警戒すべき地域を知らせてきた。警戒レベルは1〜5に分類され、鳥取県は大地震発生前、震度5以上の地震が発生する可能性が極めて高いという「レベル4」に指定。東北・北関東の太平洋沿岸、奥羽山脈周辺も同様のレベル値にあった。

 現在、地震発生前の鳥取や福島よりも警戒レベルが高い地域がある。最上級の「レベル5」に指定されているのは、南関東だ。村井氏は話す。

 「これまでの観測では北茨城と筑波の間の高低差が大きくなっているほか、房総半島の銚子と館山の間の格差も広がっている。伊豆半島や駿河湾沿岸付近にも沈降が確認されていることなどから『南関東がおかしい』と判断せざるをえない。12月〜来年1月にかけて、南関東で大きな地震が発生する可能性が極めて高い」

 西日本では、「レベル4」の四国も危険な兆候がみられる。

 「高知県の室戸岬、足摺岬などの動きがおかしい。沈降が進み、水平方向の動きも周囲と異なる動きを見せている。これは付近に歪みがたまり、地震を起こすエネルギーが蓄積されていることを示しており、警戒が必要だ」

 台風や低気圧などの外的要因が地下にたまったエネルギーの留め金を外すトリガー(引き金)になることもあり得るといい、気の緩みは大敵だ。
63741d9d108f833eafc1.jpg

「日本はもはや省エネ先進国ではない」パリ協定よりTPPを優先し“国益損失”する愚かさ

「日本はもはや省エネ先進国ではない」パリ協定よりTPPを優先し“国益損失”する愚かさ
週プレNEWS / 2016年11月24日 10時0分


地球温暖化対策の新枠組み「パリ協定」の実施ルールを話し合う「COP22」が11月7日〜19日、モロッコで開催された。しかし、国会でTPP批准を急ぐ日本は、パリ協定への批准が間に合わず、正式メンバーとして参加できないという失態を演じた。

米大統領選挙以前から、ドナルド・トランプもヒラリー・クリントンもTPPには反対の立場を表明していた。先行き不透明なTPPの批准を急ぐことは、温暖化対策のルール作りに関して各国の「駆け引き」が繰り広げられる会議への参加より優先すべきことだったのか?

はたして日本は、本当に「環境先進国」といえるのか? 「週プレ外国人記者クラブ」第56回は、フランス「ル・モンド」紙の東京特派員、フィリップ・メスメール氏に話を聞いた――。

***

―トランプ次期大統領は、アメリカはTPPやパリ協定から「離脱する」と主張していますね。

メスメール トランプの勝利は、ヨーロッパの先進国を中心に世界中で広がりを見せている「反グローバリズム」「保護主義」「既存の経済システムへの批判」といったトレンドを反映した結果だったことを考えれば、それほど大きな驚きではなかったと思います。

パリ協定に関しては、アメリカが本当に離脱するとは限りません。トランプは“ビッグマウス”ですから、選挙期間中から暴言混じりの「公約」を口にしてきました。環境問題についても「地球温暖化などインチキだ」と否定的な発言を繰り返しています。

しかし、選挙後の彼の発言を見ると、多くの点で軌道修正が始まっています。パリ協定の話し合いでは、オバマ大統領の積極的なリーダーシップの下、アメリカが大きな役割を占めてきました。ここでアメリカが態度を急変させ、パリ協定を離脱したら、それはアメリカにとって、新たなトランプ政権にとって本当にプラスになるのか? 私は、アメリカがパリ協定を離脱することはないのでは…と見ています。

─では、同じくトランプが繰り返し離脱を訴えていたTPPについてはどうでしょう?

メスメール TPPに関しては、現在の合意内容のままで批准する可能性は低いと思います。トランプは選挙戦でもNAFTA(北米自由貿易協定)やTPPについて批判を繰り返し、その中では日本や韓国との貿易を槍玉に挙げて「アメリカの雇用が失われている」などと訴え続けてきた。これは今回の大統領選挙で決定的に大きな論点だったわけです。

TPPはアメリカ人の雇用という身近な問題に繋げて論じられたわけですから、極東の安全保障といったテーマよりも有権者の関心が大きい。そう考えると、現在のTPP合意をトランプ政権がそのまま批准することは、まずあり得ないと思います。

安倍首相のようにTPP推進を強く望む立場の人たちにとって、おそらく現時点で望める最良のシナリオは、トランプ政権が「合意内容の再交渉」を条件にTPPの枠内に留まってくれることですが、最悪の場合には批准も再交渉も拒否して、合意そのものを破棄してしまう可能性もあると思います(21日にはYouTube上で離脱を明言)。ただし、TPPの代わりに、日米FTAなど新たな二国間協定の形で、よりアメリカにとって有利な条件を求めてくる可能性はあると思います。


─しかし、日本の国会ではトランプ政権誕生が決まった後も、相変わらずTPP批准について議論し続けています…。

メスメール TPPに反対する野党が頑張るのは理解できるのですが、安倍首相や自民党がなぜ批准を急ぐのか、私にはその理由が全く理解できません。もはやアメリカがTPPを批准する可能性はほとんどない以上、日本が批准したところで現実的な意味がない。TPP合意の発効には、参加12ヵ国全体のGDPの6割近くを占めるアメリカの批准が不可欠。そのことは、安倍政権も当然わかっているはずです。

それでもなお、TPP批准にこだわるのはなぜか?と問われれば、アベノミクスの「第3の矢」の重要な一部であったTPP戦略の失敗を「自分のせいではない」とアピールするため…くらいの理由しか思いつきません。つまり、第3の矢のための努力は精一杯したのだ、それでもうまくいかなかったのはアメリカの方針転換のせいだ…ということにしたいのではないでしょうか?

パリ協定を放っておいて、現実には発効の見込みが低いTPPの批准にエネルギーを費やしたのは、普通に考えれば明らかな判断ミスです。ただ、ここでひとつ言えるのは、安倍政権は基本的に環境問題への関心が低く、積極的ではないということです。

昨年の「COP21」でも、先進国中、最後まで排出ガス削減の目標を示さなかったのが日本でした。本来、3月末までに示すべき目標値を日本が示したのは6月になってからだった。それも、欧州などの2030年までに2013年比で40%削減という目標に比べると、日本の目標は26%と、極めて消極的な内容でした。

前回の「京都議定書」では、世界的な環境問題について一定のリーダーシップと存在感を示した日本ですが、今回のパリ協定締結に関しては全くと言っていいほど、議論におけるリーダーシップを発揮しようとはしませんでした。それどころか、海外に向けた石炭火力発電プラントの輸出を進めるなど、むしろ世界的なトレンドに逆行した動きさえ見せています。

─しかし、日本は他の先進国とくらべて、ずっと以前から「省エネ」に取り組んできた歴史があり、二酸化炭素排出量の削減でも成果を上げてきたという事実もあります。後から環境問題や排出ガス削減に取り組んだ他の先進国と単純に比較しても、既に大幅な削減を実現している分、「削りしろ」が少ないという不利な面もあるのでは?

メスメール 実はそこに日本人の大きな誤解があります。確かに、日本はかつて省エネルギーや二酸化炭素排出量削減の面で世界を大きくリードする存在でした。しかし、それはもはや「過去」でしかない。

フランスも含めてヨーロッパ諸国の環境政策は、今や日本のそれとは比較にならないほど積極的なものだということをほとんどの日本人は知らないのではないでしょうか。二酸化炭素排出量削減に繋がる省エネルギーには、大きく分けて「工業分野」「交通分野」「建築物」の3つの要素があります。このうち、「工業」と「交通」の面では日本の省エネは高いレベルを実現していますが、「建築物」の面では大きく立ち遅れています。

例えば、ヨーロッパでは大きなオフィスビルのほとんどが二重、三重の窓ガラスで断熱性を高めているのに、日本では東京の中心部に立つ新築のビルディングでも二重ガラスを使っていないビルは多い。それ以外にも、再生利用可能エネルギーの活用など多くの面で、日本は欧州の先進国に比べて消極的で、環境問題への意識、感心が低い。それなのに多くの日本人が未だに「日本は省エネ先進国だ」と誤解しているのです。

─日本はなぜ、世界的な環境問題への取り組みに対して、以前よりも積極的ではなくなったのだと思いますか?

メスメール おそらく安倍政権が、環境問題への取り組みは経済成長と相反する「企業への負担」だと捉(とら)えているからではないでしょうか。「あえて」国際的な環境問題への取り組みから距離を取っているのでは?と感じるほどです。対照的にヨーロッパ諸国では、地球温暖化対策など環境問題への取り組みを地球規模の大切な取り組みと位置づけ、政治がリーダーシップを発揮する形で国民の理解を広め、コンセンサスを形成する努力を積み重ねています。

加えて、今回のパリ協定では欧州だけではなく、全世界の温室効果ガス排出量の約18%を占めるアメリカや20%を占める中国といった、これまで環境問題への対応には必ずしも熱心ではなかった大国が、積極的な取り組みを見せている点にも注目すべきでしょう。

特に中国はかつてないほどに環境問題への取り組みに力を入れ始めている。なぜなら、国内の環境汚染が今や深刻な内政問題へと発展しかねない状況にあり、再生可能エネルギーをビジネスとして成立させることが、内政を安定させるために不可欠な最重要課題のひとつになっているからです。

─こうした国際的な環境問題への取り組みは、各国がそれぞれ自国に有利な形でルール作りを進めようとする「駆け引き」の舞台でもあると思います。今回のようにパリ協定への批准が遅れ、具体的なルール作りに出遅れたということは、日本の「国益」を考えても大きなマイナスなのではないでしょうか?

メスメール その通りです。その意味では将来、日本の経済にとってもマイナスとなる可能性がある。ですから、国際的な環境問題への取り組みから距離を置くことは、長期的に見れば、決して日本にとって望ましいことではないはずです。

●フィリップ・メスメール

1972年生まれ、フランス・パリ出身。2002年に来日し、夕刊紙「ル・モンド」や雑誌「レクスプレス」の東京特派員として活動している

(取材・文/川喜田 研 撮影/長尾 迪)
DSC_0349

年金制度改革法案を審議 1枚のパネルめぐり国会紛糾

年金制度改革法案を審議 1枚のパネルめぐり国会紛糾(FNNニュース)

将来の年金に対する不安が高まる中、その在り方をめぐる国会の審議が紛糾した。
きっかけは、1枚のパネルだった。

民進党の柚木衆院議員は、「これ、なんでだめなんですか、大臣!」、
「3割カット、将来年金カット法案じゃないですか!」と述べた。

年金制度改革法案を審議している衆議院厚生労働委員会。

この場で、民進党議員が掲げた1枚のパネルをめぐり、審議が紛糾。

「あんた悪質だよ!」、「口で言え! 口で!」、「委員会のルール守れ!」などのやじが飛んだ。

問題のパネルは、法案が成立すると、基礎年金が、月5万円から、将来3万5,000円に3割カットされると示したグラフ。

このパネルは、理事会で使用が認められなかったものだったが、民進党議員の2人が、ルール違反を承知で使用に踏み切った。

丹波委員長「理事会で合意できていない資料の提示を許可できませんので、お納めください」

民進・柚木衆院議員「なぜ認められないのかということを大臣に聞いているんですよ!」

パネルをしまうよう促す委員長の注意を、無視する形で出し続けた。

パネルを使った民進党の柚木議員は、「わたしたち、ちょうど団塊ジュニア世代が受給世代になるころには、減額をするという試算を提示したら、こんな資料の提示は認めないと」、「未来への責任を果たす態度か、疑問に思う」と述べた。

一方、掲示を認めなかった理由について、自民党の田村筆頭理事は、「ボードを出しますと、数字が独り歩きすると、誤解を招くと。あり得ない数字なので」と述べた。

この委員会で審議されている年金制度改革法案は、少子高齢化が進む中、将来世代が受け取る年金の給付額を確保しようというものだという。

現在の制度では、物価が上がって、現役世代の賃金が下がった場合、年金の支給額は据え置きとなるが、今回の法案では、支給額が減額されるなど、新たなルールを盛り込んでいる。

この法案について、安倍首相は先日、「将来世代の給付水準を確保するものであり、年金制度への信頼を高めるために必要なものと考えております」と、述べ、将来の年金水準確保法案だと主張。

一方、民進党の蓮舫代表は、「この年金カット法案、受給者のみならず、現役世代も年金をもらうときに、一律に下げられる」と述べ、「年金カット法案」だと反発している。

今回の法案について、与党側は、今国会での成立を目指している。

年金をめぐっては、16日、もう1つ動きが。
年金の受給に必要な保険料の納付期間を、これまでの25年から、10年に短縮する、改正年金機能強化法が、16日の参議院本会議で、全会一致で可決・成立。
これにより、およそ64万人が新たに支給対象となる。


「国民の年金が上がる下がるというのは人生に大きくかかわる問題」山井国対委員長
" target="_blank" title="">

山井和則国会対策委員長は17日、定例記者会見を国会内で開いた。

 16日の衆院厚生労働委員会理事会で、いわゆる年金カット法案の審議にあたり井坂信彦議員が提出した配布資料とパネルについて触れ、資料の内容は、マクロ経済スライドが発動されると2043年までに将来世代の基礎年金が3割カットされるという内容であり、手元にわたる配布資料は与党から認められたが、質疑時にパネルを掲げることについては与党から拒否されたと経緯を説明した。

 山井国対委員長はこの件について、「このグラフを見せなかったら、一般の国民は今回の法案が成立した今より年金が増えるのではないかとか、将来の年金が今と同じくらい確保されるのではと誰しも誤解されると思う。今回の法律が成立しても将来世代の年金は約3割カットされる。このことは今回の法案審議で非常に重要なこと」と指摘。与党がパネルを拒否したことについては「このパネルの考え方がおかしいなら、塩崎大臣が『自分たちはそういう考え方に立ちません』と言えばいい。それこそ国会で議論すればいい」と訴えた。

 「今回の法案は短時間労働者への被用者保険の適用拡大の促進、国民年金の産前産後期間の保険料の免除、年金額の改定ルールの見直し、GPIFの組織の見直し、年金機構の宿舎を売却した代金の国庫納付規定の整備――の5本の法案が束ねられている巨大な年金制度改革法。ということは、じっくり丁寧に徹底的に議論する必要がある」と山井国対委員長は述べ、「まだ年金カット法案のさわりしか審議していないわけだから、まさか近々採決なんてあってはいけない。過去の年金制度改革の法案の歴史をひもといてみると、たいてい通常国会あるいは2国会かけている。国民の年金が上がる下がるというのは国民の生活老後だけでなく、人生に大きくかかわる問題なので、じっくり時間をかけて国民的議論をしながら審議を進めていく」と述べた。


<関連情報>
IWJ「減額すれば自殺に追い込まれる高齢者が増える可能性」――『下流老人』著者・藤田孝典氏が切実な実態を訴え

塩崎厚労大臣が民進党の試算を認める!「年金カット法案」が本格審議入り〜「減額すれば自殺に追い込まれる高齢者が増える可能性」――『下流老人』著者・藤田孝典氏が切実な実態を訴え 2016.11.15

記事公開日:2016.11.18地域:東京都 テキスト 動画

(取材・文 ぎぎまき)

 TPPと並んで臨時国会での最大の争点の一つ、いわゆる「年金カット法案」が、11月16日、衆議院の厚労委員会で本格審議入りした。

 年金制度のルール改正が実現すれば、物価と賃金の変動に合わせて、国民年金の受給額は年4万円、厚生年金では年14万2千円ほど将来的に減額されるおそれがあると、民進党の井坂信彦議員が試算を発表。野党が年金制度改革関連法案を「年金カット法案」と呼んできた根拠である。

▲【衆院予算委】新ルールによる年金減額見込みを試算すべきだ、井坂議員

▲10月12日、衆議院予算委員会で民進党・玉木雄一郎議員が示したパネル

 しかし、政府与党はこれを、「レッテル貼り」だと批判するのに熱心で、ルール改正は将来世代の年金を確保するための「痛みの分かち合い」だと強調する。が、野党が出だしから要求したように、国民の判断材料となる試算を、法案提出者である与党が自ら示し丁寧な説明に努めていれば、「レッテル貼り」合戦に陥ることはなかったはずだ。しかも、16日の厚労委で塩崎恭久大臣は民進党の上記パネルで適用された計算方法は正しいと認めている。

 今の若者たちが、将来、安定した年金財源を受けとる必要性については、誰も異論は挟まないだろう。しかし、年金受給額が減ることで、今の低年金受給者がどんな深刻な打撃を受けるのか。政府与党はその実態を把握し、対策を講じる準備があるのかが今、問われているのだ。


記事目次
◾『下流老人』著者・藤田氏「年金を減額するのであれば生活保護制度を強化すべき」
◾2004年の小泉政権の「年金制度は100年は安心!」の約束は何だったのか
◾ポートフォリオ見直し後、年金積立金が1兆円超えの赤字 減額幅は「年金カット法案」だけでは済まされないおそれ!?

■ハイライト

•講師 藤田孝典氏(「下流老人」著者)
◦日時 2016年11月15日(火) 10:00〜
◦場所 衆議院(東京都千代田区)

『下流老人』著者・藤田氏「年金を減額するのであれば生活保護制度を強化すべき」

▲ 『下流老人』著者、藤田孝典氏

 2016年11月15日、民進党が行った厚労省へのヒアリングで、『下流老人』の著者であり、NPO法人ほっとプラス代表理事の藤田孝典氏が講演。自身の活動を通して見える低年金受給者の危機的な実態について訴えた。

 「年金を減らすのであれば、生活保護がちゃんと機能している社会でなければ、本人が自殺を考えたり、結局、家族が追い込まれることになる」

 藤田氏のもとには年間500件の相談が寄せられるが、その半数は高齢者からのものだ。中には、「医療費が払えず病院を受診できない」、「要介護4なのに要介護1のサービスしか受けられない」、「住む家がなく友人宅を転々としている」というケースもある。近藤克則千葉大教授の調査によれば、低所得者高齢男性のうつ発症率は富裕層の7倍と報告されている。また、65歳以上の労働人口は年々増加傾向にある一方で、高齢者の窃盗や強盗未遂事件が増えていることを法務省が発表しており、その要因が貧困にあると藤田氏は指摘した。
•【法務省】平成27年版犯罪白書のあらまし

 現在、生活保護を受給している高齢者は100万人いると言われているが、その約7倍におよぶ700万人が、受給資格があるのに受給できていない生活保護基準以下で暮らす高齢者だという。

米新大統領トランプ氏とは?

遅れがちな情報紹介ですが、私のテンポにお付き合いできる方に・・・。

まず「東京新聞」5月7日

米大統領選 トランプ現象の虚実
2016年5月7日

 四年に一度の米大統領選。十一月の投票を前に、各党の候補を決める予備選が進む。注目は共和党のドナルド・トランプ氏。過激な言動が批判される一方、強い支持も集める。ブームの裏には何があるのか。

脱金権政治への希望 ジャーナリスト・堤未果さん

 今の米国では政治は完全にお金で買われています。もう対立軸としての共和党、民主党による二大政党制は幻想でしかない。「世界の1%」ともいわれる超富裕層から巨額の資金が、両党の有力候補に流れ込んでいるからです。大統領選は、候補者という商品をどう見せるかのショーにすぎません。

 だからお金の動きを見れば、何が起きているかが分かる。トランプ氏と対立していた共和党のテッド・クルーズ氏や、民主党のヒラリー・クリントン氏への資金の出どころは同じ。ウォール街やグローバル企業といった「1%」の側です。トランプ氏は手持ちの自己資金をメインにしており、むしろ1%からの献金を平気で受け取る他候補を激しく批判しています。

 差別的な発言を繰り返すトランプ氏があれだけ支持を集める現状は「米国の病理を表している」というもっともらしい分析がありますが、過激な言葉の数々はしょせん表面的現象にすぎません。米国の抱える真の病理は、「政治とカネ」という構造の方にあるからです。誰もがアメリカンドリームを手にする機会があったはずの国が、なぜ超富裕層だけが潤う「株式会社国家」になってしまったのか。

 一部の米国民は、自分の国が壊れつつあるということに気付き始めています。「政治家は信じられない」「お金持ちばかり得している」と肌で感じています。そうした層が、金権政治が肥大化する一九八〇年代以前の米国へのノスタルジーからトランプ氏を求めている。一見、主張は正反対ですが、やはり1%の強欲を批判し教育無償化などを掲げるバーニー・サンダース氏が若者たちの支持を集める構図と根っこは同じです。

 トランプ氏の集会で、ちり紙のように消費される過激な言葉の中に、一つだけ本質的なメッセージがあります。「強欲な『1%』からアメリカを取り戻す」という言葉です。それを多くの国民が支持するという「現象」は、病理でなく「希望」というべきでしょう。だからこそ1%側である商業メディアや御用識者たちは、トランプ氏つぶしに躍起になるのです。

 既に日本の政治にも1%の資本は網の目のように入ってきています。「強欲資本主義」という価値観をめぐるこの大統領選は、夏に選挙を控えた私たちにも多くのヒントを投げかけているのです。(聞き手・樋口薫)

 <つつみ・みか> 1971年、東京都生まれ。国連、証券会社勤務を経て現職。日米を行き来しながら執筆・講演・メディア活動を行う。最新刊は『政府は必ず嘘をつく 増補版』(角川新書)。


過激発言 計算のうち 国際経営コンサルタント・植山周一郎さん

 一九八八年のことですが、当時僕は世界の要人にインタビューするテレビ番組の企画と司会を担当していてトランプ氏に出会いました。会って驚いたのが背が高いこと。一九〇センチぐらいあったかな。しかもすごいイケメン。握手したら、こちらの目を真っすぐ見て、にっこり。オーラを感じました。

 インタビューでは、理路整然、分かりやすい英語で話してくれた。しかも礼儀正しく気配りをしながら。例えば、今彼が日本批判として盛んに言及する「安保ただ乗り」論を当時から言っていましたが、「日本は悪い」ではなく「日本人は頭がいい。尊敬する」と言う。皮肉なんですが、失礼な感じはしない。相手の気持ちが分かり、自分の言いたいことも言うが、オブラートに包んで配慮する。本当に超優秀なビジネスマンだった。今は全然違いますが、あんな頭のいい男がクールさを失うとは思えない。計算されたパフォーマンスでしょう。

 なぜ過激な発言を繰り返すのか。それは彼が今話し掛けているのが、米国の有権者だからです。僕は高校時代、米中西部の田舎町に一年間留学したから分かりますが、アングロサクソン系の人たちは「俺たちが米国を造った」という優越感を持っている。しかし、それを口に出してはいけないということも知っている。言えない本音をトランプ氏は言ってくれる。留飲が下がる思いなんです。

 メキシコ国境に壁を造ることに議会が賛成するはずがないことなんて、彼は重々承知でしょう。でも彼は「俺は公約通りやろうとした」と言える。そして移民手続きの厳格化といった次善策に向けて交渉を進めるでしょう。彼はまさに著書の題名通り、「アート・オブ・ザ・ディール(交渉術)」の天才なのです。もし大統領になったら、案外思い切ったことをやるかもしれない。北朝鮮の金正恩氏に会いに行ったりね。ただし、暗殺されてしまう可能性もあります。米国はそういう国です。

 注文するなら、彼は今、内向きに話していますが、グローバル時代のリーダーである米国の地位をちゃんと自覚してほしいと思います。彼は米国を再び偉大な国にすると公約していますが、そのためにはローカルなポリティシャン(政治屋)ではない、グローバルなステーツマン(政治家)になってもらいたい。(聞き手・大森雅弥)

 <うえやま・しゅういちろう> 1945年、静岡県生まれ。ソニー宣伝部次長などを経て、81年に独立。近著は『ビジネスで世界を相手にする人の英語』『D・トランプ−破廉恥な履歴書』(訳)。


宗教的な全能感顕示 米心理学者・アリ・クルグラーンスキさん

 トランプ氏の支持者は、将来がどうなるのかと不安を抱えている人が多いです。給料が上がらなかったり、仕事を奪われたりして強い不満を持っている。社会で不確実性が渦巻くときには、解決してくれる強力なリーダーを求める声が出てきます。トランプ氏はこれを利用してさらに不安をかき立て、有権者に「心配するな。私が何とかしてやる」と訴えて支持を広げてきました。

 自らを成功したビジネスマンだと誇張する戦略も、有効に働いています。米国では、偉大な実績を残したスポーツ選手らは人々の尊敬を集めます。「私は金持ちだ。私の美しい妻を見てくれ」と繰り返して、信頼につなげているのです。

 まるで巨大な力を持った神のように振る舞っており、一種の宗教のような形ですね。支持者は祈りさえすればいい。トランプ氏が解決してくれるから身を任せればいい。支持者にそう信じ込ませています。

 政策に具体性はありません。メキシコとの国境に壁を築くことなど無理でしょう。ただ、トランプ氏の支持基盤は教育、所得水準が低い人たちです。彼らは複雑なことを評価することが苦手で、シンプルさを好む傾向がある。「白か黒か」という論点で「不法移民は悪いから追い出す」と単純化して有権者に訴える。この分かりやすさも受け入れられているのですね。

 実は、民主党候補のバーニー・サンダース上院議員も似たところがあります。格差解消に向けて彼が主張する政策も実現は難しいですが、人々の希望に訴えかけます。不安定な時代には心理的に大きなアピールポイントで、有権者は十分に分析せずに同調してしまうのですね。

 ほかの要因としては、政治が機能していないことも挙げられます。オバマ政権下で、共和党は反対ばかりで政策は前に進みません。国民は、壊れた政治システムを立て直せるのは、しがらみのない外部の人間だと考えるようになり、トランプ氏への期待が高まっているのです。

 一方、トランプ氏はヒスパニック(中南米)系に侮辱的な発言を繰り返して敵が多いです。ビジネスマンとしても、多くの失敗を繰り返している。成功者としてのイメージが覆される状況となれば、逆に大きな弱点となるでしょう。民主党もそれを批判材料に活用しています。(聞き手・東條仁史=ニューヨーク支局)

 1939年、ポーランド生まれ。米メリーランド大教授。主に人間の行動の動機、グループによる意思決定、テロリストなど過激思想による暴力を研究対象としている。

 <ドナルド・トランプ氏> 1946年、ニューヨーク生まれ。住宅建設業の父親の影響で、大学在学中から不動産ビジネスを経験。70年代初めからマンハッタンで事業を展開したのを皮切りに、世界中でホテルやカジノなどの開発を手掛け、「不動産王」と呼ばれた。昨年6月に大統領選出馬を表明。当初は泡沫(ほうまつ)候補とみられていたが、イスラム教徒やメキシコ人への差別と取られかねない発言を繰り返すなどして話題を集めるとともに支持も上昇。共和党の指名獲得を確実にした。


次は堤未果さんが7月19日に書かれたものです。

なぜ日本に“トランプ”は現れないか


なぜ日本に“トランプ”は現れないか

2016年7月19日 7時15分
プレジデントオンライン

「メキシコとの国境に巨大な壁を作ろう」「イスラム教徒の入国を禁止すべきだ」など、過激な発言を繰り返すドナルド・トランプ氏が、約半年にわたるアメリカ大統領選挙の予備選挙を制し、共和党の大統領候補に正式指名された。2016年11月に行われる大統領選挙では、民主党のヒラリー・クリントン氏との一騎打ちとなる可能性が高い。なぜアメリカで、トランプ氏がこれほどの人気を集めているのか? 大統領選挙をはじめ、カネの流れから見えてくるアメリカの真実をレポートした書籍『政府はもう嘘をつけない』(角川新書)を発刊したばかりの堤未果さんに聞いた。

■1%の超富裕層が政治を動かす「株式会社アメリカ」

過激で現実性の伴わない発言ばかりを繰り返すトランプ氏が、まさか本当に大統領候補に指名されることになろうとは、思っていなかった人が多いのではないだろうか。特に、日本のメディアを見ているだけでは、なぜトランプ氏にこれほど熱狂する人がいるのか、理解することは難しい。

この「トランプ現象」を理解するには、まず、アメリカ政治の現状を知る必要がある。実は政治にまつわるカネの動きを探ると、アメリカという国家を、1%に満たない富裕層が動かしているという構図が見えてくる。アメリカでは、政治家への企業献金には事実上上限がなく、企業は政治家に献金をすることで、自社に都合の良い政策を、いくらでも「買う」ことができるのだ。政治は企業にとって、政治献金で投資した以上の大きな見返りが期待できる、ローリスク・ハイリターンの優良投資となっている。アメリカが「株式会社アメリカ」たるゆえんだ。

大統領選挙でも、超富裕層からの巨額の資金が、共和党・民主党両党の有力候補に流れ込んでいた。例えばバラク・オバマ大統領は2008年の大統領選挙では7億5000万ドル(約750億円)もの献金を集め、2期目の選挙では過去最高の10億ドル(約1000億円)を集めている。政治はまさに「カネがものを言う」世界になっていることを端的に表している。

■「トランプとサンダース」というコインの裏表

ただ、トランプ氏だけを見ていても、「トランプ現象」の全体像を捉えることはできない。「トランプとサンダース」というコインの裏表で見るべきだ。共和党の大統領選候補であるトランプ氏と、民主党の大統領選候補者に名乗りを挙げていたバーニー・サンダース上院議員は、見た目も支持層も主張もまったく異なるように見えるが、共通点が多い。

両者とも、アメリカの大統領選挙史上、かなり異色の候補である。トランプ氏は既存の共和党員ではなく、過去には民主党をサポートしていたこともあるし、その発言は共和党の主張とは異なるものも多い。サンダース氏に至っては、かつては無所属だったうえ、少し前であれば多くのアメリカ人が拒絶反応を起こしたであろう社会主義を標榜している。これまでの選挙であれば、圏外の候補だっただろう。そんな2人が、片や共和党の大統領候補に指名され、片や民主党で抜群の知名度を持つクリントン氏を脅かすほどの人気を集めた。

本来であれば「圏外」であるような候補が、これほどまでに人気を集めた大きな理由は、企業献金を受けていない、つまり、企業に金で買われていないところにある。「不動産王」とも呼ばれるトランプ氏は、選挙資金を自腹で工面しているし、サンダース氏は草の根の個人献金を集めて選挙戦を戦っている。両者とも、「株式会社アメリカ」に不満を抱える人たちからの共感と期待に支えられているのだ。

共通点は多いが、マスコミの使い方はトランプ氏の方が何枚も上手だ。橋下徹前大阪市長のように、テレビを戦略的に活用している。トランプ氏は、過激で分かりやすい、テレビで取り上げやすい発言を意図的に連発。トランプ氏が出ると視聴率が上がるので、さらにテレビはトランプ氏を取り上げる。こうして、メディアの利益になるふるまいを重ねることで、知名度を上げていった。

単純で感情的な言葉は、人の心をつかむ。現時点のトランプ氏の発言は、人々を熱狂させる効果があるが、メディア受けする感情的なあおりだけで具体性はないし、その内容に責任は伴っていない。日本のマスコミは、トランプの言葉を真に受けて振り回されているように見える。

一方、サンダース氏の発言は、アメリカでも日本でも驚くほど報道されていないが、実は日本人が好みそうな誠実さを備えている。トランプ氏のように、メディア受けする過激なもの言いをしないし、医療や教育の個人負担を減らそうという日本人にもなじみやすい主張をしている。もしその発言がもっと報道されていれば、日本人も好きになるタイプの政治家なのではないかと思う。

■「良きアメリカ」を取り戻すヒーロー

「株式会社アメリカ」の中にありながらも、企業献金を受けず、自己資金で選挙戦を戦い、人気を勝ち取っているトランプに、怖いものはない。大企業から見ると、何を言い出すかわからず、金でコントロールできない恐ろしい存在だろう。

今の多くのアメリカ人は、どれだけ頑張っても、マイホームを建てて家族を持つという、過去に当たり前だったものすら得ることができない。トランプを支持しているのは、こうした「良きアメリカ」を知りながら、今の生活に不満を抱える年配の人たちだ。

アメリカでは、お金持ちはヒーローだ。日本人は、お金持ちがそれをひけらかすような行動をすると、「品がない」とさげすんだり、ねたんだりということがあるが、アメリカ人は素直に「やるなあ」と称賛する。トランプ氏は、努力してチャンスをつかんで成功し、財を成すという、昔の「アメリカンドリーム」の象徴でもあり、ノスタルジーをかきたてられる存在。しかも、トランプ氏は金持ちではあるが、今の政治を動かしている「強欲な1%」とは違い、アメリカンドリームの体現者であり、政治を「強欲な1%」から取り戻そうとしているヒーローなのだ。

サンダース氏の主張も、根本はトランプ氏と同じだ。「アメリカはこんなはずではなかった」という強い思いが根底にある。サンダース氏のメッセージは、「兵士ではなく、学生を増やそう」というもの。アメリカの若者も、教育費の高騰で苦しんでおり、お金がないために大学に行けなかったり、大学に行ったあとも奨学金返済の負担に苦しむ借金漬けの生活に悩んだりしている。大学の学費で優遇措置があることにひかれて、軍隊に入隊するという若者も多い。教育の無償化をうたうサンダースは、こうした若者層、10代〜20代の「ミレニアル世代」に支持されている。

つまり、この「トランプ現象」とは、「1%の超富裕層が支配する株式会社アメリカ」への、強烈なアンチテーゼであり、残された最後の希望なのだ。株式会社化したアメリカの中で追いやられてきた人たちが、これまでの大統領選挙であれば「圏外」であったようなトランプ氏やサンダース氏に政治を託そうとしている。弱体化して超富裕層の手先に成り下がってしまったアメリカ政治を、自分たちの手に取り戻し、よみがえらせたいという、アメリカ国民の悲鳴に近い叫びなのだ。

■日本に「トランプ」は生まれるか

このまま順当にいけば、11月の大統領選挙では、巨額の企業献金を受けている民主党のクリントン氏と、「株式会社アメリカ」への不満を抱える人たちに支持されている共和党のトランプ氏が戦うことになるだろう。トランプ氏は、政治家としての資質は未知だが、もしも実際大統領になった場合は、何かの起爆剤になるだろう。日本にとっては、これまでのやり方が通用しない相手だ。対米関係など、どうするか自分たちで真剣に考える、良いきっかけになるのではないか。

「トランプ現象」は、まったくの対岸の火事とは言えない。アメリカの現状は、今の日本の状況と、驚くほど共通点が多いからだ。日本も、かつてのように、コツコツと真面目に頑張れば安定した収入を得て家族やマイホームが持てる時代ではなくなったし、格差も広がっている。大学を卒業しても、安定した仕事にも就くことができないばかりか、奨学金の返済に苦しむ若者も多い。こうした状況に不満を抱える人たちの声を集め、既存の政治の枠組みの「圏外」から政治参加をもくろむ、トランプ氏のような人物が、日本で生まれてもおかしくない空気になってきている。

しかし、日本では政党の力が強すぎて、なかなか「圏外」の候補は生まれにくい。1994年に小選挙区制が導入され、1つの選挙区から1人が選出されるようになってからは特に、選挙で勝つために政党の公認を受けることが重視されるようになり、政党の力が強くなった。「党議拘束」があるため、議決でも党が決めた意見と違った意見を主張することは許されない。現在の政治制度の中では、トランプは生まれにくいのではないか。

----------

堤 未果(つつみ・みか)
国際ジャーナリスト。東京生まれ。ニューヨーク市立大学大学院国際関係論学科修士号取得。国連、アムネスティ・インターナショナルNY支局員、野村證券を経て現職。日米を行き来し、各種メディアで発言、執筆・講演活動を続けている。多数の著書は海外でも翻訳されている。『報道が教えてくれないアメリカ弱者革命』で日本ジャーナリスト会議黒田清新人賞、『ルポ 貧困大国アメリカ』(3部作、岩波新書)で日本エッセイスト・クラブ賞、新書大賞受賞。『政府は必ず嘘をつく』で早稲田大学理事長賞受賞。最新刊に『政府はもう嘘をつけない』(角川新書)、他多数。

----------

(国際ジャーナリスト 堤未果 構成=大井明子 写真=AP/AFLO)
DVC00070

米、TPP承認見送りへ 「年内審議ない」 (日経)

米、TPP承認見送りへ 「年内審議ない」 2016/11/10 9:40

 【ワシントン=河浪武史】米共和党の議会指導部は9日、次期大統領が同党のドナルド・トランプ氏に決まったことで、来週に再開する議会審議で環太平洋経済連携協定(TPP)の承認を見送る考えを表明した。トランプ氏は大統領選で反TPPを掲げて勝利し、公約では「就任初日にTPPから撤退する」としていた。日米など12カ国で大筋合意した世界最大規模の通商協定は、実現が見通せなくなった。

記者会見する米共和党のマコネル上院院内総務(9日、米ワシントン)=ロイター共同

 共和党上院トップのマコネル院内総務は9日の記者会見で、TPP法案について「年内の議会に提出しないことは確かだ」と表明した。オバマ現大統領は、年末まで開く現職議員での「レームダック国会」に、TPP法案を提出する考えを示していた。ただ、現議会は上下両院とも共和党が多数を占めており、法案審議には同党指導部の協力が必要だった。

 トランプ氏はTPPからの撤退を前面に押し出し、中西部などの白人労働者らの支持を得て、民主党のヒラリー・クリントン前国務長官に勝利した。来年1月に発足するトランプ政権でTPPを審議することは制度上可能だが、目玉の政権公約を覆すことになるため、日本の通商担当者も「審議入りは現実的ではない」と認めた。

 米大統領は通商交渉への権限が強く、議会の承認がなくても貿易協定からの脱退を決めることができる。トランプ氏が次期大統領となったことで、米国のTPP批准は事実上困難になっていた。共和党指導部は伝統的に自由貿易を後押ししてきたものの「トランプ大統領」の実現で、議会承認を見送る考えに転じた。

 TPPはシンガポールなど4カ国の自由貿易協定を基に、2010年から拡大交渉を開始。米国も同年に交渉に加わった。日本は13年から参加し、15年秋に12カ国で大筋合意にこぎつけた。

 TPPの発効には、批准した国の国内総生産(GDP)の合計が参加国全体の85%を超える必要がある。米国は一国で全体の60%を占めており、同国が批准しなければTPPは発効できない。

 TPPは参加国のGDP合計が世界全体の4割に達する世界最大規模の通商協定だ。関税引き下げだけでなく知的財産権の保護や電子取引のルールなど「21世紀型の協定」(オバマ米大統領)としたのが特徴だ。世界規模で通商ルールを定める世界貿易機関(WTO)交渉が事実上頓挫しており、TPPには世界貿易の先端モデルとの期待もあった。

 日本も安倍政権が成長戦略の一環としてTPPの実現を重視しており、10日の衆院本会議で関連法案を採決する予定だ。TPPの実現が見通せなくなったことで、日本の通商戦略も見直しを迫られそうだ。

DSC_0007

茶番劇が続く国会!TPP強行採決するな!

小沢一郎(事務所) ‏@ozawa_jimusho ・ 17時間17時間前

この農水大臣は端から審議するつもりなどなかったのだろう。居眠りさえしなければよい、適当にあしらって強行採決すれば、それまでよと、そんなところが本音だろうか。だからパーティーでこんな暴言が出て来るわけだ。こういう農水大臣を安倍総理は任命した。その責任は極めて重いといわざるを得ない。


小沢一郎(事務所) ‏@ozawa_jimusho ・ 18時間18時間前

大臣の「いいことありますよ」発言は、「お友達だけにいい思いをさせてあげますよ」と宣言しているに等しい。あまりに国民を愚弄した凄まじい問題発言であるが、よくよく考えてみれば、沖縄担当大臣も同様の趣旨の発言をしている。結局、安倍政権の特徴をよくあらわしている。甘利元大臣もそうだった。


小沢一郎(事務所) ‏@ozawa_jimusho ・ 18時間18時間前

この農水大臣は自民党の同じパーティーで「今日はJAの方々が大勢いるが、あすにでも〇〇先生の紹介で農林水産省に来てくれれば、何かいいことがあるかもしれません笑」とも述べたそうである。補助金の采配や各種許認可など明白な権限のある大臣がリップサービスでいうことだろうか。即刻辞任すべき。


小沢一郎(事務所) ‏@ozawa_jimusho ・ 18時間18時間前

「沖縄振興は選挙次第だぞ!」という沖縄担当大臣に、「強行採決で冗談言ったら、首になりそうになった笑」という農水大臣。「国民の生活が第一という政治は間違っている。子ども手当は全額防衛費に!」という防衛大臣。救いようがない。沖縄県民、全国の生産者、そして、すべての国民を愚弄している。


小沢一郎(事務所) ‏@ozawa_jimusho ・ 19時間19時間前

ある意味で、この農水大臣は、国民や全国の生産者が、どこまで彼の傲慢ぶりに我慢できるかを試しているのだろうか。何かの冗談でやっているのだろうか。毎回毎回官邸から注意されて、表面的に謝って、また、本音が出て、また、謝る。大臣が本当に反省されているというのならば、即刻辞任すべきである。


小沢一郎(事務所) ‏@ozawa_jimusho ・ 22時間22時間前

「強行採決」発言のふざけた農林水産大臣が昨夜、自民党議員のパーティーで「こないだ冗談を言ったら、首になりそうになった笑」と述べたとのこと。強行採決もTPP問題も国会審議も全部笑いにすり替えるこの大臣を、一体誰がまともに相手できるというのか。ふざけるにもほどがある。即刻辞任すべき。

日本劣化の正体

訪問者数
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

livedoor プロフィール
Archives
記事検索