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コロナ禍のどさくさに木更津が「オスプレイの街」になっていた─まもなく、首都圏を飛び回る :半田滋

コロナ禍のどさくさに木更津が「オスプレイの街」になっていた(現代ビジネス)
まもなく、首都圏を飛び回る
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/73034
半田 滋

木更津が本格的な「拠点」に

防衛省はオスプレイの整備工場がある千葉県木更津市に整備体制の強化を申し入れた。現在、陸上自衛隊木更津駐屯地で米海兵隊のオスプレイ2機の定期整備を行っているが、これを最大で7機整備できる体制とし、将来は、この米軍の同時7機整備と自衛隊版オスプレイの同時3機整備に対応するため、格納庫を新設するという。

これにより、木更津駐屯地は本格的な日米オスプレイの拠点になることが確定する。

だが、より重要なのは、この申し入れに「ある一文」が潜り込んでいたことである。防衛省が木更津市に渡したA4版2枚の書面には小さく、「2023年以降、米海軍のCMV22の整備も想定」とあり、2023年以降、日本に米海軍版のオスプレイが配備されると取れる内容となっている(https://www.city.kisarazu.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/007/016/aaa.pdf)。


防衛省の申し入れ書の一部


防衛省は、米海軍版オスプレイについて、配備時期はもちろんのこと、「日本に配備される」と言及したことさえない。新型コロナウイルスの感染拡大のどさくさに紛れて、新たな配備を既成事実化させる狙いがうかがえる。

米海軍版のオスプレイは、米空母「ロナルド・レーガン」に搭載されているC2輸送機の後継機。C2は陸上から洋上の空母へ兵士や補給物資を空輸する役割があり、空母には欠かせない輸送機だが、老朽化により、オスプレイと交代することになった。

オスプレイは沖縄県の普天間基地に配備されている米海兵隊版と、東京の横田基地に配備されている空軍版、そして海軍版の3種類がある。いずれも基本的な機体構造に変わりはない。

海軍版オスプレイの最大の特徴は、機体の左右下部にある張り出しが大型化され、燃料タンクを拡大したこと。これにより、航続距離が延びた。

製造元の米ボーイング社は、自社のHPで「6000ポンド(約2700kg)の物資を搭載して1150海里(約2100km)の飛行が可能。米空母に搭載されるF35C戦闘機のエンジンを飛行甲板まで空輸できる唯一の航空機である」と、海軍版オスプレイの搭載量と航続距離を自慢している。

艦内に巨大な格納庫を持つ「ロナルド・レーガン」は、当然ながら戦闘機の予備エンジンを多数搭載しており、オスプレイによる予備エンジンの空輸がどれほど現実的かは分からない。


起こりかねない「予期せぬ事故」

とはいえ、垂直離着陸ができるオスプレイの特性は、空母で便利なのは確かだ。発艦する際に航空機が勢いよく打ち出されるカタパルトを使用することなく、また着艦時に、高い技量を必要とする機体下部のフックを甲板上のワイヤーに引っかけて停止させる必要もない。

離発着が最難関とされる空母から難なく発艦し、着艦できること自体がオスプレイの大きな利点といえるだろう。だが、それは同時に最大の欠点でもある。

2017年8月、普天間基地のオスプレイがオーストラリア沖で揚陸艦に着艦する際、自身が発生させた強烈な下降気流が艦体にはね返り、回転翼の弧に入り込んで墜落、3人の乗員が死亡した。同様の事故は、米本土でも2015年12月に起きている。

艦艇とオスプレイの組み合わせは、予期せぬ事故を招きかねないのだ。

米海軍は、空母艦載機となるオスプレイを運用する部隊を米本土の東海岸と西海岸にそれぞれ新設し、初号機は今年2月10日、共同開発したベル社とボーイング社から米海軍に引き渡された。

海軍の計画では2027年までに44機を導入する予定だが、2007年からオスプレイの運用を開始した海兵隊の協力で、導入は「2023年まで」と前倒しされた。米ボーイング社のHPには、導入は48機とあり、機数が増えたもようだ。


首都圏上空を飛び回る

防衛省から木更津市への申し入れの通り、海軍版オスプレイが日本に配備されるとすれば、2023年は米国から調達する自衛隊版オスプレイ17機すべてが木更津駐屯地に揃う年にあたり、横田基地の空軍版オスプレイが現在の5機から10機に増える期限の前年にあたる。

これにより、オスプレイの整備・運用の拠点となる木更津駐屯地がある首都圏の上空を、米海兵隊版、米空軍版、米海軍版という3種類の機体が飛び回ることになる。ちなみに自衛隊版は海兵隊版と同型である。


オスプレイを購入したのは日本と米国のみ(ボーイング社のホームページより)

開発元の米国でさえ、首都ワシントンや大都市ニューヨークの近郊にオスプレイの基地や整備拠点などない。当たり前である。大統領や国会議員、経済の中心地を危機に陥れるわけにはいかないからだ。

それに比べ、日本政府は、首都圏という政経中枢の安全確保に何と無神経なのだろうか。死亡事故などを意味するクラスAの事故率は、海兵隊版は2019年9月現在2.50まで減ったものの、空軍版では6.22と高止まりしている。


米軍が行ってきた「地ならし」

海軍版オスプレイと交代するC2輸送機は、現在、岩国基地に2機配備されているため、海軍版オスプレイも岩国基地への配備が有力視される。新たに配備される海兵隊版オスプレイは同数の2機とみられる。

ただし、2006年に日米合意した米軍再編最終報告は、空母艦載機のうち固定翼機を神奈川県の厚木基地から岩国基地へ移転させ、回転翼機は厚木基地に残すとした。C2は紛れもない固定翼機だが、オスプレイは飛行モードでは固定翼機となり、離陸・着陸モードでは回転翼機となる。

米海軍も特殊な構造を持つオスプレイ配備に合わせて、飛行隊を新たに発足させたほどなので、配備先が岩国、厚木のどちらになるかは見通せない。いずれにしても空母「ロナルド・レーガン」の事実上の母港である横須賀基地に飛来する機会が高まることだけは確かだろう。

横須賀基地へは、普天間基地のオスプレイが2014年10月と16年5月にそれぞれ飛来した。2018年3月にあった神奈川県の日米合同防災訓練で米軍側が「オスプレイを参加させたい」と申し入れたのに対し、黒岩祐治知事は「住民の不安が取り除かれ、安全性が見えてこないとなかなか難しい」と語り、参加を認めなかった。

米軍はこれにめげることなく、2019年8月に横須賀基地で開いたフレンド・シップ・デーで横田基地のオスプレイを展示した。機体の前に順番待ちの列ができたのを見て、大いに溜飲を下げたことだろう。

このように米軍は折に触れて、オスプレイが地元住民の目に入るようにする「地ならし」を続けてきたのである。


日本は「最前線基地」という現実

ところで、本格的なオスプレイの拠点になる木更津駐屯地について見てみよう。

防衛省によると、在日米軍から定期点検整備を受注している自動車メーカー「SUBARU」との契約は年内に切れるため、2021年以降の受注企業は入札によって今秋に決まる見込みという。

これまでの米軍の要求では、同時に整備できる機体数を3〜4機としていたが、2017年2月に定期整備が始まって以来、順番に1機、1機、2機と整備され、一度も3〜4機の同時整備が実現することはなかった。

目標が実現していないにもかかわらず、今回、米軍は最大7機の同時整備を要求している。さらに今後は、自衛隊版オスプレイの同時3機の整備要求も加わり、これらを実現するとすれば、大規模な整備工場が木更津駐屯地に新設されるのは時間の問題だろう。

防衛省は参入を希望する企業に対し、「海外への出張整備を要求することもある」との条件を示している。海外とはどこなのか、米軍が活動を続けるアフガニスタンなのか、イラクなのかは分からない。

確実に言えるのは、米軍が最初に設けたオスプレイの海外整備拠点が木更津であること、そして木更津は米本土からみて、前線基地でもあるということだ。

だが、その前線基地が首都圏にあることを、米軍はどれほど理解しているだろうか。米軍の言いなりの防衛省に安全策を期待するのは無理だろう。首都圏は間もなく「オスプレイの空」になる。

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検察人事への政治介入が招いた支持率急落(毎日新聞)

「毎日新聞」力(リキ)入ってます。
もう一度、紙面を、買おうかと、思わせてもらいました。

検察人事への政治介入が招いた支持率急落
https://news.yahoo.co.jp/articles/8f473dfd159d79323de5d3a041c302a9d95f6cd0
5/31(日) 15:00配信
毎日新聞

 ◇黒川氏個人の資質問題へ「すり替え」ならず

 時の政権による検察人事への政治介入が問題なのに、東京高等検察庁の黒川弘務検事長が賭けマージャンで辞職したことにより、焦点が黒川氏個人の資質問題にすり替えられてしまったのではないか。世論の認識はどのあたりにあるのかを探ろう。そう思って臨んだのが、社会調査研究センターと毎日新聞が5月23日に実施した全国世論調査だった。

 結果として、焦点はすり替わってはいなかった。

 安倍内閣の支持率は27%と、前回調査(5月6日)の40%から急落した。不支持率が前回の45%から64%に跳ね上がったのにも驚いた。

 資質に欠ける人物が東京高検検事長をしていたというだけではここまで内閣支持率は下がらないだろう。多くの人が安倍内閣、特に安倍晋三首相の責任は重いと考えたことが内閣支持率を直撃した。

 通常の世論調査は内閣支持率の質問を必ず最初に置く。政策課題などの質問を先に置くと、調査で取り上げたテーマの印象によって支持・不支持の回答が影響を受ける可能性があるからだ。

 今回の調査では2問目で、黒川検事長の辞職をどう思うかを尋ねた。「当然だ」は33%にとどまり、「懲戒免職にすべきだ」が過半数の52%に達した。この結果だけでは、批判が黒川氏個人に向けられているのか、政権に向けられているのかが判然としない。

 そこで3問目。「安倍内閣は黒川検事長の定年を今年の2月から延長していました。あなたは、安倍内閣の責任について、どう思いますか」と尋ねた。

 検察を所管するのは森雅子法相だ。しかし、「法相に責任がある」との回答はわずか3%。「首相と法相の両方に責任がある」が半数近い47%を占め、「首相に責任がある」の28%と合わせると、75%が首相の責任を重く見ている。

 黒川検事長の定年延長に対しては、首相官邸に近いとされる黒川氏を検事総長に就ける狙いがあるのではないかとの疑念が持たれていた。検察庁法では検事長の定年は63歳と定められていて、検察庁法が戦後に制定されて以降、ずっと厳格に運用されてきた。突然、法解釈を変更したと言って異例の定年延長に踏み切ったのが安倍内閣だ。

 ただし、質問でそういった経緯に触れれば、定年延長手続きの問題を意識していなかった人の回答を誘導することになる。黒川氏の定年を延長した安倍内閣の責任という聞き方であれば、それが資質に欠ける人物を重用した責任なのか、脱法的に検察人事に介入した責任なのかは回答者の認識に委ねられる。

 調査結果から言えるのは、少なくとも黒川氏の定年延長を主導したのは首相であり、法務省がそれに従ったと多くの人が見ているということだ。時には政治家の犯罪も捜査する検察組織のトップに、政権に都合の良い人物をゴリ押ししようとしていたのだとすれば、その狙いは何なのか。最長政権の終わりを見据えた「保身」のにおいをかぎ取った人も少なくないのかもしれない。

 ◇検察庁法改正案批判も支持率に影響

 この問題では前回の調査後、「#検察庁法改正案に抗議します」のハッシュタグをつけたツイートが拡散し、著名人や芸能人からも政権批判が相次いで社会現象化した。

 検察庁法改正案は、国家公務員の定年を65歳に引き上げる国家公務員法改正関連法案の一部として国会に提出された。だが、検察官の定年引き上げに加え、内閣や法相の判断で検察幹部の定年を延長できる規定が盛り込まれていた。

 法務省が昨年秋にまとめた改正案にこの規定はなかったことから、黒川検事長の定年延長を後付けで正当化し、将来的にも検察幹部人事への政治介入に道をひらくものだとして批判の声が上がった。

 だが、一見すると、少子高齢化時代の働き方改革として定年を引き上げる法案だ。国会で野党が求めていたのは検察幹部の定年延長規定の削除であって、法案自体に反対していたわけではない。こうした論点がどこまで一般に認識されているかも調査する必要があると私たちは考えた。

 調査では「国家公務員の定年を65歳まで引き上げる法案について、政府・与党は今国会での成立を見送りました。あなたは、どう思いますか」とざっくり質問したうえで、選択肢を工夫した。

 選択肢の一つ目は「政府が国会に提出した法案のまま成立させるべきだ」で、これを選んだのは12%だった。

 二つ目は「検察幹部の定年延長規定を削除して成立させるべきだ」で回答は36%。黒川検事長の定年延長に絡む問題意識を持っている人はこれを選ぶだろうという想定だ。

 三つ目は「国家公務員の定年引き上げに反対」で38%。この回答者には、そもそも政治家や公務員に反感を抱いている層が含まれるだろう。

 選択肢の文言をかなり複雑にしたので、四つ目の「わからない」を選ぶ人が多くなるかとも思ったが、13%だった。

 この結果の分析を複雑にしているのは、安倍首相が国家公務員の定年引き上げ自体を見直す考えを示したことだ。政府・与党として採決を強行する構えまで見せていたのに、黒川検事長の辞職が決まった途端の豹変(ひょうへん)には驚くほかない。論点を検察幹部の定年延長規定から公務員全体の定年引き上げにそらす狙いがあるのではないかとも感じる。

 2番目と3番目の回答が拮抗(きっこう)したことの評価は難しい。はっきりしているのは、どちらの回答者も大半が政権に批判的なことだ。「定年延長規定を削除」と回答した人の内閣支持率は18%、不支持率は77%。「定年引き上げに反対」は支持率16%、不支持率73%だった。

 ちなみに、黒川検事長の定年を延長した責任が首相にあると答えた層の内閣支持率は10%、首相と法相の両方にあると答えた層では14%だった。

 ◇「国民より保身」への不信感 

 今回の調査の大きなテーマはもちろん、新型コロナウイルス対策だ。緊急事態宣言の解除について「妥当だ」が53%を占める一方、「解除を急ぎすぎだ」との回答も31%あったことをどう考えるか。

 緊急事態宣言が解除された地域で「経済活動の再開を優先すべきだ」は23%にとどまった。「感染対策を優先すべきだ」が42%、「どちらとも言えない」が33%だったことを考えても、感染への不安がなお根強いようだ。

 新型コロナ問題で安倍政権への対応を「評価しない」は59%と過半数を占め、「評価する」は20%だった。評価しない層の内閣支持率はわずか5%、不支持率は90%に及ぶ。逆に評価する層の支持率は84%、不支持率は10%だ。

 気になるのは「評価しない」が前回調査の48%から11ポイント増えた要因だ。人々がコロナ感染の不安におびえ、生活や仕事の苦境にあえいでいたこの間、安倍政権は黒川検事長の定年延長にこだわり、第2次補正予算案の編成より検察庁法改正案の成立を急いでいたように映る。

 それが「国民より保身」と受け取られ、コロナ対応の政権評価を悪化させ、内閣支持率の急落につながったのではないか。コロナ対応と検察人事問題の相乗作用で政権への不信感が一気に高まったと言えそうだ。

 ◇新方式の調査3回、データは安定

 内閣支持率が3割を割り込むことは調査前には想定していなかった。冒頭に書いたように、検察人事問題の焦点が黒川氏個人の資質問題にすり替えられたのではないかとも考えていたので、大きく下がっても30%台前半だろうという相場観だった。

 新しい方式の調査は3回目だったので、予期しないデータの偏りが生じた恐れも考えたが、回答者の年代や居住地域、職業などの構成に変化は見られなかった。

 自由記述の回答が可能な携帯調査では前回に続き「コロナ対応で最も評価している政治家」を挙げてもらい、上位5人は全く同じ。トップの吉村洋文大阪府知事を挙げた人の割合も33%で変わらなかった。

 つまり、同じ方式で無作為抽出した調査において、明らかに内閣支持率が急落し、コロナ問題の政権対応評価が悪化した。そう結論づけるほかない。

 ただし、新方式の特徴は検証を続けなければならない。コンピューターで無作為に組み合わせた数字に電話をかけるRDS方式を用いる点は従来の電話調査と変わらない。新方式は家庭の固定電話と個人の携帯電話に自動音声応答(オートコール)機能で電話をかける。固定の場合は自動音声の質問に答えてもらう。携帯の場合は、調査を承諾した人にショートメールで回答画面へのリンク情報を送る。固定調査では選択肢から回答を番号で選んでもらうが、携帯調査では回答画面で自由に文章を入力してもらう設問も可能だ。

 知らない相手先からかかってきた電話に出て調査に応じる人、つまり「答えたい人」の声を集めて世論調査と言えるのかという批判があることは理解している。ただ、その問題点は従来の電話調査にも共通する。調査員が対象者を電話で説得する従来方式の方が「答えたがらない人」の声も集められるとの見方もあるが、自動音声の方が特殊詐欺の危険が少なく、回答しやすい側面もある。一概にオートコールの方が回答が偏るとは言えない。

 携帯調査の場合、オートコールで調査を承諾し、送られてきたショートメールのリンクから回答画面にアクセスするという2段階の手間を要する。迷惑メールが氾濫する現状で回答画面までたどり着いてもらうハードルは低くはない。一方、音声通話よりSNSのやり取りに慣れた30代以下にはそうでもないかもしれない。

 ◇ショートメール調査に「先取り」傾向?

 埼玉大学と調査会社「グリーン・シップ」が2年前から重ねてきたショートメール調査の実験では、報道各社の調査より内閣支持率の増減を先取りする傾向が見られた。見方を変えれば、ショートメール調査に積極的に応じる層は政治や社会問題に対する関心が高く、日本社会の政治意識の変化に敏感な人が多いのかもしれない。

 そもそも従来方式の電話調査においても、調査に応じる層は選挙で投票に行く層と重なるのではないかという仮説が調査の正当性を支えてきた面もある。

 今回の調査結果を調査方法別に見ても、内閣支持率は携帯27%・固定26%、不支持率も携帯66%・固定61%と傾向は変わらない。違いが目立つのは政党支持率くらいで、以下に上位5党の支持率を紹介する(カッコ内は前回調査)。

 ▽自民党 <全体>25%(30%)<携帯>24%(30%)<固定>25%(31%)

 ▽立憲民主党 <全体>12%(9%)<携帯>8%(4%)<固定>15%(13%)

 ▽日本維新の会 <全体>11%(11%)<携帯>13%(12%)<固定>9%(9%)

 ▽共産党 <全体>7%(5%)<携帯>4%(3%)<固定>9%(7%)

 ▽公明党 <全体>4%(5%)<携帯>3%(3%)<固定>4%(6%)

 ▽支持政党なし<全体>36%(33%)<携帯>43%(39%)<固定>30%(28%)

 自民党は携帯・固定で変わらないのに対し、立憲民主党は固定で高く、日本維新の会は携帯で高い。立憲民主の支持層は60代以上の高齢層が多く、維新支持層では40、50代が多いことが反映されている。支持政党なしの無党派層は40〜60代が6割以上を占める中で携帯の数値が大きくなっている。

 この結果は、携帯と固定の回答を合わせた全体として年代バランスの取れたデータが得られていることを意味する。前回調査と傾向が変わらないことも調査の安定性を裏付けており、その中で自民党支持率の低落傾向が示された。

 回答者の男女比では携帯で男性が、固定で女性が多くなる傾向がある。これまでの調査で性別や年代の構成を国勢調査に合わせる形で数値を補正する検証も行っているが、結果はほとんど変わらなかったことから、社会調査研究センターとしてはあえて補正は加えず、単純に合算して集計したデータを発表している。今後もさまざまな検証を重ねながら、同じ方式で調査を続けていくことが重要だと考えている。【世論調査室長・平田崇浩】

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任命責任は誰に?黒川氏の後任は「深刻な事態」

「テレビ朝日」放映映像が上手にまとめてある。
映像はそのうち見られなくなるでしょう。

任命責任は誰に?黒川氏の後任は「深刻な事態」
https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/ann?a=20200527-00000068-ann-pol

  賭け麻雀問題で辞職した東京高検の黒川前検事長の後任・林検事長が就任会見に臨み「深刻な事態だと受け止めている」と語りました。

 賭け麻雀を認めて辞職した黒川弘務前検事長。

 後任、東京高検・林真琴検事長:「賭け麻雀をしていた行為。誠に不適切で、検察の基盤である国民の信頼を揺るがす深刻な事態であると私も受け止めております」

 不適切で深刻な事態と指摘された黒川前検事長に下された懲戒処分にあたらない訓告は一体、誰が決めたのか。

 森法務大臣:「最終的には任命権者である内閣において決定がなされたということでございます」

 当初は、内閣が処分を決めたと話していた森大臣に対し…。

 安倍総理大臣:「検事総長が事案の内容等諸般の事情を考慮して処分を行ったと」

 安倍総理は、法務省と稲田伸夫検事総長が決めたと説明しています。

 菅官房長官:「法務省及び検事総長として訓告が相当であると判断をし、決定をしたものというふうに承知をしております」

 無所属・今井雅人議員:「それが正しいとすると森大臣は嘘をついているということになりますね」

 立憲民主党・黒岩宇洋議員:「森大臣はきのうの答弁でも処分内容、この『訓告』を任命権者である内閣に報告したところ、異論がない旨の回答を得たと。これ、内閣って誰ですか?」

 森法務大臣:「人事上の処分のプロセスでございますので詳細は差し控えさせて頂きたいと思います」

 立憲民主党・黒岩宇洋議員:「異論がない旨というこの判断した主語を言って下さい」

 森法務大臣:「最終的に総理の方から法務省の対応について了承を得ましたから、総理でございます」

 国家公務員法では、検事長を懲戒処分にするのは任命権者の内閣と定めています。

 無所属・今井雅人議員:「内閣が懲戒をするかしないかを決めるわけです。検事総長にはその権限はありません。今回、懲戒処分にしないと決めたのは内閣なんですね」

 菅官房長官:「処分については法務省と検事総長の間で『訓告』ということを決定をして内閣はそれを『異議はない』ということを申し上げたところです」

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小沢一郎さんの発言(的をえている!)─安倍内閣の支持率27%急落報道に「自分の問題として捉え始めている」

小沢氏が指摘、安倍内閣の支持率27%急落報道に「自分の問題として捉え始めている」
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200524-00000069-dal-ent
5/24(日) 14:13配信
デイリースポーツ

 国民民主党の小沢一郎衆院議員が24日、公式ツイッターに新規投稿。毎日新聞と社会調査研究センターが23日に全国世論調査を実施し、安倍内閣の支持率が27%と、今月6日に行った前回調査の40%から急落したという同紙の報道を引用し、「政府のコロナ対策を通じて、多くの方々が自分の問題として捉え始めている」と自身の見解を示した。

 小沢氏は「森友や加計に統計偽装とか数々の隠蔽、改竄。安倍政権が何をやってきたか、政府のコロナ対策を通じて、多くの方々が自分の問題として捉え始めているということ」と、調査結果を受けて指摘した。

 その上で、同氏は「国民がしっかりと声をあげれば、必ずや政治を動かすことができる。総理がこれまでやってきた出鱈目の数々を、今こそ明らかにすべきである」と呼びかけた。



【関連記事】

内閣支持率29%、発足以来最低に 朝日新聞世論調査
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200524-00000050-asahi-pol
5/24(日) 22:00配信
朝日新聞デジタル


 朝日新聞社は23、24日に全国世論調査(電話)を実施した。安倍内閣の支持率は29%(前回5月16、17日は33%)で、2012年12月に第2次安倍政権が発足して以来、最低となった。不支持率は52%(同47%)に増え、5割を超えた。

【写真】内閣支持率の推移

 男性の支持率は33%で、女性は25%。特に50〜60代女性の支持は2割以下で、7割近くが不支持と答えた。支持政党別では、自民支持層の内閣支持率は68%だったが、無党派層では14%にとどまった。第2次安倍政権のこれまでの最低支持率は、森友・加計問題への批判が高まった18年3月と4月の調査の31%だった。

 新型コロナウイルスに対する政府の対応を「評価しない」は57%にのぼり、「評価する」は30%だった。「評価しない」層の内閣支持率は14%と低かった。新型コロナ対応を通じて安倍晋三首相に対する信頼感が「低くなった」人は48%と半数に迫り、「変わらない」は45%、「高くなった」は5%だった。
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朝日新聞社
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コロナで「オンライン階級」が生まれた 東浩紀と藤田孝典が斬る「社会の歪み」〈AERA〉

コロナで「オンライン階級」が生まれた 東浩紀と藤田孝典が斬る「社会の歪み」〈AERA〉
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200521-00000017-sasahi-soci&p=1
5/23(土) 9:00配信 AERA dot.

 新型コロナ感染拡大で、テレワーク可能か不可能かという「分断」が表面化している。コロナ後の社会では階級化の加速が懸念される。社会の歪みを是正するために必要なこと、期待することとは。批評家の東浩紀氏と社会福祉士の藤田孝典氏がオンライン対談した。AERA 2020年5月25日号から。

*  *  *

──感染拡大によって、社会のあり方も大きく変わった。仕事のオンライン化が急速に進み、テレワークがこのまま社会に根付くかもしれない。今回の感染拡大は、ポスト・コロナの社会に何をもたらすのだろうか。

東浩紀:コロナ後の社会で最も懸念しているのは、テレワークができる人たちとできない人たちの「分断」です。終息後もテレワークでいいじゃないか、いい機会だと言っている人も多いですが、オンライン化できない仕事があることにもっと目を向けなければいけないと思っています。

藤田孝典:電話相談でも、現場に行かなければならない人たちの声をよく聞きます。感染リスクを抱えながら、仕事は放棄できないと働き続けている。ゴミ収集の人にせよ、交通機関の人にせよ、ヘルパーさんにせよ、そういったテレワークをできない人が実質的に社会を回しているんだと強く感じますね。

東:感染症は本来、社会全体でリスクを背負うものなのに、オンラインで仕事ができる人だけが助かって、それ以外の人がリスクを引き受けています。

藤田:テレワークできる人たちが比較的給料も高くて、ブルーカラーと言われたりする我々の生活に不可欠な仕事の方々の給与が低いのも問題ですね。

東:テレワークして、アマゾンで買い物をしてウーバーイーツで食事を頼む。結構便利じゃんと言いますが、配達員はテレワークできない。僕たちが「ステイホーム」できるのは、感染リスクを抱えながら働いている人がいるからこそです。

藤田:そのとおりですね。

東:今から15年くらい前に「クリエイティブ・クラス」という言葉が流行しました。要は知識労働者と呼ばれる人たちですが、テレワークできるのはこのクリエイティブ・クラスに重なります。これまでは給与の格差だったんだけど、それが命の格差にまで広がってしまいました。

藤田:私たちも分断社会と呼んで問題提起していますが、本当になければならない仕事って何なんだろう、我々の生活はどういう人に支えられているんだろうということを考え直すきっかけにしなければなりませんね。

東:10年前だったらオンラインじゃできないことも多くて、ある意味、社会全体でリスクをシェアできたと思うんです。けれどネットが発達しすぎて、身体的接触をしなくていい「オンライン階級」が生まれた。俺たちは外に出ないけれど、出なくちゃならない人は頑張ってねという社会になってしまったんです。

藤田:社会の歪みですよね。

東:今回、その分断がくっきりと表れて加速しています。ポスト・コロナの社会でも、より一層階級化が進んでしまいそうです。このことをもう一度見つめなおして、もっとリスクを社会全体でシェアする方向に歩み出すのが、あるべき一つの目標だと思います。


──「緊急事態」の長期化は、コロナ後の社会にも深い影を落とす。第一生命経済研究所の永濱利廣首席エコノミストは5月7日、5月末までの緊急事態宣言期間で69.9万人が失業するという試算を発表した。

藤田:ポスト・コロナの社会に期待したいのは、生活困窮が当たり前にありうることだと皆が想定することです。生活保護などの社会福祉って、かわいそうで情けないものなんだという意識が非常に強いんです。

東:気軽に社会福祉を受けていいという意識になっていないですよね。働きなさい、まずは家族を頼りなさいと。

藤田:今は制度的にもそうなんです。でも、コロナによって程度の差こそあれ、これまで通りの生活が送れなくなった人はたくさんいます。福祉は怠けている人、特別な人が受けるものじゃなくて、もっと普遍的に生活保障をするためのものなんだと社会全体が理解する機会にしたいですね。

東:藤田さんが問題提起されたナインティナイン・岡村隆史さんの「コロナが明けたら美人さんが風俗嬢をやる」という発言も、生活保護を受けるくらいなら性風俗で働くんだという発想が社会にあるからこそですよね。

藤田:私はコロナがきっかけで、かなり多くの人が生活保護になだれ込んでくると思っています。ただ、生活保護を受けるくらいなら死んだ方がマシだと思っている人も実際大勢いて、社会福祉の脆弱さに改めて愕然としています。

東:ネットカフェに住んでいる人たちの存在が、脆弱な社会福祉の典型例ですよね。本来、彼らが普通の家に住めるように手当てをすべきなのに、行政がすべきことをネットカフェが代替してしまっている。

藤田:ネットカフェにせよ、性産業にせよ、社会福祉よりもそちらの方がポピュラーで、公的なサービスの代わりになってしまっています。社会福祉の意味をもう一度問い直さなければいけません。

東:昔、社会学者の古市憲寿さんが「牛丼やファストフードのチェーンは、日本型の福祉のひとつ」という趣旨の発言をして話題になりましたけど、要はマーケットの中に安く食べられたり泊まれたりする場所があるから何とかなるという楽観論がありました。でも、「低価格疑似福祉」で生活していた人が放りだされる問題が出てきたんですね。

藤田:コロナでネットカフェも飲食店も休業に追い込まれています。今までは福祉政策の穴を民間が埋めてきた格好だけど、それでは対処できなくなった。ネットカフェに頼るのはおかしいんだと発想を変えていかなければいけません。

東:非常に大切な問題提起だと思います。

藤田:社会福祉の穴にせよ、差別にせよ、いま日本社会の悪いものが噴出してきています。これをしっかり議論して、ポスト・コロナの想定を社会全体でしていかなければならないですね。

東:繰り返しになりますが、多様な人がいる社会全体でリスクをシェアする。これが肝であり、ポスト・コロナ社会で最も必要なことではないでしょうか。

(構成/編集部・川口穣)

※AERA  2020年5月25日号より抜粋
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内閣支持率27%に急落 黒川氏「懲戒免職にすべきだ」52% 毎日新聞世論調査

内閣支持率27%に急落 黒川氏「懲戒免職にすべきだ」52% 毎日新聞世論調査
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200523-00000045-mai-pol
5/23(土) 16:54配信

毎日新聞

 毎日新聞と社会調査研究センターは23日、全国世論調査を実施した。安倍内閣の支持率は27%で、今月6日に行った前回調査の40%から急落した。不支持率は64%(前回45%)に跳ね上がった。社会調査研究センターとの共同調査は3回目で、最初の4月8日に44%あった支持率が1カ月半で17ポイント落ち込んだ。調査方法が異なるため単純に比較できないが、毎日新聞が従来行っていた電話世論調査では森友・加計問題で政権批判が高まった2017年7月に26%まで下落したことがある。

 東京高検の黒川弘務検事長が賭けマージャンをしていた問題で辞職したことについては「懲戒免職にすべきだ」が52%と半数を超えた。「当然だ」は33%にとどまり、厳しい処分を求める声が強い。

 黒川氏の定年を今年2月から延長していた安倍内閣の責任については「安倍晋三首相と森雅子法相の両方に責任がある」が47%、「首相に責任がある」が28%。合わせて7割以上が首相の責任を重く見ている。

 黒川氏の定年延長に対しては、首相官邸に近い黒川氏を検察トップの検事総長に就けるためではないかとの疑念が持たれていた。「内閣に責任はない」は15%、「法相に責任がある」は3%にとどまり、首相官邸による検察人事への政治介入を疑う厳しい見方を裏付けた。

 「両方に責任」「首相に責任」と答えた層では内閣支持率13%、不支持率78%。検察人事問題への批判が内閣支持率を大きく押し下げたと言えそうだ。

 自民党の政党支持率は25%(前回30%)で、前々回の34%からは9ポイント減。内閣支持率の下落が自民支持層も揺さぶっている。ほかの政党は立憲民主12%(9%)▽日本維新の会11%(11%)▽共産7%(5%)▽公明4%(5%)などとなっている。

 検察官を含む国家公務員の定年を65歳に引き上げる法案について、首相は今国会成立を見送るとともに、定年引き上げ自体を見直す考えを示した。それに対し野党は、検察幹部の定年を内閣や法相の判断で延長できる規定が問題だと主張し、国家公務員の定年引き上げには賛成の立場だ。

 調査ではこの法案について「国家公務員の定年引き上げに反対」の38%と「検察幹部の定年延長規定を削除して成立させるべきだ」の36%が拮抗(きっこう)。「政府が国会に提出した法案のまま成立させるべきだ」は12%だった。

 調査は、携帯電話で回答画面にアクセスしてもらう方式と、固定電話で自動音声の質問に答えてもらう方式を組み合わせて実施。携帯505件・固定514件の計1019件の回答を得た。

 携帯は50代以下、固定は60代以上の回答割合が多めになる傾向があるが、合算することで年代バランスがとれる仕組みになっている。方式別に分けても内閣支持率は携帯27%・固定26%、不支持率は携帯66%・固定61%と大きな傾向の違いはなかった。【平田崇浩】

 <おことわり>

 毎日新聞の全国世論調査は4月まで家庭の固定電話と個人の携帯電話に調査員が電話をかける方式で実施してきました。しかし、コールセンターで多数の調査員が作業する環境は新型コロナウイルスの感染リスクが指摘されるため、感染終息が見通せない中でこの調査方式を続けることはできないと考えています。

 毎日新聞が社会調査研究センターと23日に実施した全国世論調査は4月8日、5月6日に続き3回目となります。こちらは自動音声応答(オートコール)と携帯ショートメールの機能を使うため「3密」環境での作業は生じません。

 コンピューターが無作為に数字を組み合わせた番号に電話をかけるRDS法を用いる点は従来調査と変わりません。回答者の年代構成など安定したデータを得られることが確認されたので、今後は社会調査研究センターの調査方式に切り替えていきます。
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#閣議決定した責任取ってください

黒川検事長辞職なら「定年後勤務延長」閣議決定は取消しか(郷原信郎)
https://news.yahoo.co.jp/byline/goharanobuo/20200521-00179545/
郷原信郎 | 郷原総合コンプライアンス法律事務所 代表弁護士
5/21(木) 8:42

 東京高等検察庁の黒川弘務検事長が緊急事態宣言中に新聞社の社員らと賭けマージャンをしていたことが週刊文春で報じられたことを受け、黒川氏に対する批判が高まっており、辞任は避けられない情勢となっている。

 検事長の任命権は内閣にあるが(検察庁法15条1項)、「検察官の身分保障」があり、「その職務を執るに適しない」との検察適格審査会の議決がなければ検事長職を解任されることはない(検察庁法23条)。

 もっとも、懲戒処分による場合は、その意思に反して、その官を失うこともある(25条)。人事権者である内閣は、懲戒処分を行うことができるが、人事院の「懲戒処分の指針について」では、「賭博をした職員は、減給又は戒告とする。」「常習として賭博をした職員は、停職とする」とされているので、今回の「賭けマージャン」での懲戒免職というのは考えにくい。

 黒川氏が辞職をするとすれば、自ら辞任を申し出て、任命権者である内閣が閣議で承認するという手続きによることになる。

 現在の黒川氏の東京高検検事長の職は、今年1月31日、国家公務員法第81条の3の


任命権者は、定年に達した職員が前条第1項の規定により退職すべきこととなる場合において、その職員の職務の特殊性又はその職員の職務の遂行上の特別の事情からみてその退職により公務の運営に著しい支障が生ずると認められる十分な理由があるときは、同項の規定にかかわらず、その職員に係る定年退職日の翌日から起算して1年を超えない範囲内で期限を定め、その職員を当該職務に従事させるため引き続いて勤務させることができる。

との規定を根拠に、定年後の「勤務延長」を認める閣議決定が行われたことに基づくものだ。

 そして、森雅子法務大臣は、黒川検事長勤務延長に関して、国会で


東京高検検察庁の管内において遂行している重大かつ複雑困難事件の捜査公判に対応するため、黒川検事長の検察官としての豊富な経験知識等に基づく管内部下職員に対する指揮監督が不可欠であると判断したため

と答弁している。

 法務大臣が答弁したとおり、「黒川氏の退職により公務の運営に著しい支障が生ずる」のであれば、今回、「賭けマージャン問題」で黒川氏が辞任を申し出て、法務大臣がそれを承認した場合、退職により「公務の運営に著しい支障」が生ずることになる。東京高等検察庁検事長の「公務」というのは、国民の利害に関わる重大なものであり、その「公務に著しい支障」が生じるのは、看過できない重大な問題だ。「公務の運営への著しい支障」について、法務大臣は説明しなければならない。

 そもそも、この黒川氏の定年後の勤務延長を認める閣議決定については、【黒川検事長の定年後「勤務延長」には違法の疑い】で述べたように、検察庁法に違反し違法であることを指摘してきた。

 その後、その点について、国会で厳しい追及が行われたが、【「検事長定年延長」森法相答弁は説明になっていない】で述べたように、黒川検事長の定年延長についての森法務大臣の答弁は、法律解釈としても疑問であり、実質的な理由も全く理解できないものだ。

 黒川検事長辞任を内閣が承認するということは、現時点で、「退職による公務の運営への著しい支障」はないと判断したことになるのであるから、「著しい支障がある」と判断した閣議決定が取り消されるのは当然だ。

 閣議決定の効力については、2013年7月2日に、第二次安倍内閣で行われた閣議決定で、


閣議決定の効力は、原則としてその後の内閣にも及ぶというのが従来からの取扱いとなっているが、憲法及び法律の範囲内において、新たな閣議決定により前の閣議決定に必要な変更等を行うことは可能である。

とされている。過去に、閣議決定が取り消された例を調べてみると、民主党政権時代の2011年6月、学術や産業で功績のあった人物や団体に国から贈られる褒章をめぐり、国土交通省が推薦した会社社長の男性の受章が、14日に閣議決定されながら、「ふさわしくない事態が判明した」として3日後の閣議で取り消された例がある。

 今回も、勤務延長を認めた閣議決定を取り消すことになるだろうが、その際、閣議決定取り消しが決定時に遡及するのか、取り消すまでは有効なのかが問題となる。「公務の運営への著しい支障」による勤務延長の必要性について、当初の判断は誤っていなかったが、現時点では異なる判断をしたというのであれば、その点についての内閣の説明が必要だ。その点について、合理的な説明がなければ、黒川氏の勤務延長は、閣議決定の取り消しにより決定の時点に遡って無効とならざるを得ないだろう。それによって、黒川検事長の指揮を受けて行われた高検検察官の職務の適法性にも重大な疑問が生じることになる。

 検事長は、国務大臣と同様に、内閣が任命し、天皇が認証する「認証官」だ。これまで、大臣の失言や不祥事で総理大臣の判断による「首のすげ替え」が簡単に行われてきたが、黒川検事長については、「退職により公務の運営に著しい支障が生ずる」として閣議決定によって「勤務延長」を行ったことによって、その検事長職が根拠づけられているのであり、大臣辞任の場合のように、安倍首相が「任命責任は総理大臣の私にある」と述べただけで済まされるような問題でない。

 黒川検事長の辞任は、安倍内閣に重大な責任を生じさせることになる。


#閣議決定した責任取ってください
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ウソばっかり!─安倍首相「法務省から人事案」

小沢一郎氏 安倍首相に辛辣「もはや嘘と自慢が主たる業務になっている」(東京スポーツ)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200519-01859298-tospoweb-ent
5/19(火) 16:44配信

 国民民主党の小沢一郎衆院議員(77)は19日、自身のツイッターを更新し「総理は嘘ばかり」と断じた。

 安倍晋三首相が15日に出演したネット番組で、黒川弘務東京高検検事長の定年延長については、そもそも法務省側が提案したものであると発言したことを受けてのもので「もはや嘘と自慢が主たる業務になっている。総理が嘘ばかりなら、国民は何を信じればよいのか」と続けた。

 さらに「社会は信用で成り立っている。一国の指導者が嘘ばかりだと、やがて世の中全体にも嘘が蔓延する。治安は悪化し、人々の心も荒む。いま本当に危機なのはこの国の道徳心であり、倫理観である」とつづった。
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東京スポーツ


<<関連記事>>
安倍首相「法務省から人事案」 波紋発言の詳細と、繰り広げられる場外戦と(J-CASTニュース)
https://www.j-cast.com/2020/05/19386233.html?p=all
2020年05月19日19時13分

安倍晋三首相が東京高検の黒川弘務検事長の定年延長に関して行った発言に注目が集まっている。共同通信が「『法務省が提案』首相発言が物議(以下略)」の見出しで報じる一方、共同記事に対して産経新聞出版の一部ツイッターアカウントが違和感を示すなどしている。

首相の言及は、ジャーナリストの櫻井よしこ氏のインターネット番組でのやりとりの中であった。記事配信の数日前に公開されたもので、安倍首相は、法務省が人事案を持ってきて、それを「我々が承認をする」と述べていた。


共同「無関係強調に疑問の声」

共同通信(ウェブ版)は2020年5月19日、「『法務省が提案』首相発言が物議 定年延長、無関係強調に疑問の声」の記事を配信した。「検察庁法改正案に反対する前川喜平・元文部科学事務次官」と、国民民主党の小沢一郎衆院議員の2人のコメントが紹介され、前川氏は「(略)首相の言っていることは形式論」と、小沢氏は「総理は何事でも平気でうそをつく」と述べている。

17日にも、櫻井氏のネット番組(15日)での安倍首相の言及内容に触れながら、「(黒川検事長の定年延長に関し、)安倍晋三首相は、法務省側が提案した話であって、官邸側はこれを了承したにすぎないとの説明に乗り出す構えだ」と指摘する別記事も流していた。

今回の19日共同記事をツイッターで紹介しつつ、共産党の志位和夫委員長は同じ日、

「『黒川氏の定年延長は法務省の提案』なる首相の主張は、15日の桜井よし子氏(編注:原文ママ)とのネット番組で突然言い出したことだ。到底信じられない話だが、そういう『事実』があるというなら、国会で説明してもらわねばならない」

とツイートした。

一方、同じ記事を批判的に取り上げたのは、産経新聞出版の書籍編集部アカウントである「産経新聞出版1」で、

「この記事がヤフーニュースのトップに置かれて『首相発言』がトレンドにもあがっていますが、本文に出てくるのは前川喜平元文科事務次官と小沢一郎氏だけ。『元官僚らからは疑問の声が上がる』って...」

と、19日共同記事の前文の一部を引用しながら違和感を表明していた。前川氏も小沢氏も、従来から安倍政権に批判的な発言を行っていることで知られている。


櫻井氏の指摘に「全くその通りですね」

  15日の櫻井氏のネット番組(言論テレビ)での安倍首相と櫻井氏とのやりとりは、19日夕現在、言論テレビ公式サイトの動画で確認できる。黒川検事長の定年延長に関する箇所は、以下のような流れだった。

櫻井氏「政府高官に取材をしました。黒川さんの定年延長の問題も、検察庁つまり法務省の側から持ってきたものを官邸が了承しただけだと聞いたんです。かなり詳しく。本当なんですか」

安倍首相「全くその通りですね。検察庁を含めて法務省が、こういう考えでいきたいという人事案を持ってこられて、それを我々が承認をする、と」

櫻井氏「(編注:法務省幹部の具体的役職名も挙げながら、その人物が人事案を)官邸に持ってきて頼んだことも本当ですか」

安倍首相「詳細は承知してないですが、基本的に検察庁の人事については、検察のトップも含めた総意で『こういう人事で行く』と持って来られ、それはそのままだいたい我々は承認している、ということなんですね」

櫻井氏「官邸が介入するとか、介入して変えるとかは?」

安倍首相「あり得ないですね」

といったやりとりがあった。


3月の国会説明では

また、櫻井氏は17日放送の「日曜報道 THE PRIME」(フジテレビ系)にリモート出演し、黒川検事長の定年延長を「前代未聞の卑劣なこと」と批判した若狭勝弁護士(元東京地検特捜部副部長)に反論した。15日ネット番組での指摘のように、自身の取材の結果として、法務省内の意思決定の時系列も示しながら、「官邸は法務省および検察庁から上がっているものをそのまま受け入れているだけ、と言ってもいい」と強調した。

一方の若狭氏は「まったくもって事実と反する。(略)実質的な発案者は官邸、内閣で間違いない。ただ、形式的な国の組織としては検察庁は法務省、法務大臣が管轄してますから形の上では法務大臣から上申した形は当たり前なんです」と、「法務省から提案」といった見方に対し、形式論に過ぎないと再反論を繰り広げた。

安倍首相はこれまでに国会で、黒川検事長の定年延長について、どのような説明を行っていたのか。

たとえば3月9日の参院予算委では、小西洋之議員(立憲民主党などの共同会派)の質問に対し、

「(定年延長が可能だとの)今回の解釈についての変更は、検察庁を所管する法務省において適切に行われたものと承知しています。その上で黒川検事長については、検察庁の業務遂行上の必要性に基付き、検察庁を所管する法務大臣からの閣議請議により、閣議決定され、引き続き勤務させることとしたものであり、何ら問題ないと認識しております」

と答弁した。

黒川検事長の定年延長との関連の有無も含め与野党で議論が対立していた検察庁法の改正案は、今国会での成立が見送られた。菅義偉官房長官は19日の会見で、改正案の見送りは黒川氏の今後の人事には「全く影響はない」との考えを示した。

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検察庁法改正を強行する与党議員へのキラーワードは「#対立候補に投票します」:相澤冬樹

検察庁法改正を強行する与党議員へのキラーワードは「#対立候補に投票します」( ハーバー・ビジネス・オンライン)
https://hbol.jp/219305?cx_clicks_art_mdl=6_title
相澤冬樹         2020.05.17

与党議員を揺さぶるハッシュタグ「#対立候補に投票します」

 「#検察庁法改正案に抗議します」というハッシュタグは、ツイート数が500万件を超える一大ムーブメントとなりました。

 私がメディアコンサルタントの境治と行っているYouTube配信「メディア酔談」では、5月15日、このツイートを最初に始めた「笛美」さんをゲストに招き、リモート参加で話に加わってもらいました。

 抗議の声が高まる中、与党は検察庁法改正案の採決を先送りしました。しかしまだ採決の構えは崩していません。「#検察庁法改正案に抗議します」だけでは与党議員への歯止めにならないようです。

 そこで私は「メディア酔談」の中で、新たなハッシュタグとして「#対立候補に投票します」を提唱しました。これは与党議員に対し「もしも検察庁法改正に賛成するなら、次の選挙であなたの対立候補に投票しますよ」という意味です。この言葉は与党議員を揺さぶるキラーワードになり得ます。


もの言わぬ人々がものを語り出す時、世の中は変わる

 なぜ「#対立候補に投票します」という言葉が力を持つのでしょうか? それは、そうつぶやいた人が、次の選挙でほぼ確実に投票に行くからです。

 自公がなぜ選挙に強いのか考えたことがありますか? それは強固な支持基盤を持つからです。しかしその人数は限られています。もの言わぬ人の方がはるかに多いのです。

 その人たちの多くはこれまで投票に行かなかったでしょう。これまで選挙に行かなかった人たちが、こぞって次の選挙で投票に行って、与党の対立候補に投票する。これほど与党議員にとって恐怖なことはありません。  

 それは2009年の政権交代選挙で実証されています。それまで投票に行かなかった人が投票に行ったから投票率が上がった。その人たちが「世の中を変えたい」と期待して、野党・民主党(当時)に投票しました。

 そして与党の自公現職議員がのきなみ討ち死にし、劇的な政権交代が実現しました。あれと同じです。だから「#対立候補に投票します」は力を持つのです。

 その時の議席数の推移です。
 自民 300議席→119議席(181減)
 公明 31議席→21議席(10減)
 民主 115議席→308議席(193増)

 自民が半分以下に激減、民主が倍以上に激増してほぼ入れ替わっています。この選挙の時の自民党の首相は麻生太郎現財務大臣でした。

 民主党は投票してくれた有権者の期待にこたえられませんでしたが、それはまた別の問題です。大切なのは「もの言わぬ人々がものを語り出す時、世の中は変わる」ということです。


政治家が重んじるのは「自分が当選するかどうか」

  もう一つ大切なポイントは、「#対立候補に投票します」という言葉は特定の誰かを非難攻撃するものではないという点です。「落選させる」は似た意味に思えますが、脅しの要素が感じられます。

  「抗議します」「反対します」という言葉は意思表示としては明確ですが、与党議員たちが有権者の意思表示をちっとも重んじていないことは、「#検察庁法改正案に抗議します」というツイートが500万件を超えても方針を変えないことから明らかです。彼らが最も重んじるのは「自分が選挙に当選するか落選するか」です。

 ですから皆さん、自信を持って地元の選挙区の自公と維新の議員にもの申しましょう。ここで維新を入れたのは、日本維新の会も検察庁法改正に賛成だと明確にしたからです(もともと「よ」と「や」の間の「ゆ党」と呼ばれる存在ですから)。

 皆さんの地元選挙区の自民・公明・維新の議員に、「#対立候補に投票します」と伝えましょう。電話で、FAXで、メールで、そしてTwitterでつぶやきましょう。検察庁法がどうとか、難しいことを書かなくてもこれだけで十分です。

 議員はもちろん、その意味がわかりますから。これは検察庁法改正に賛成したら自分の対立候補に投票するという意味だな、と。

 それが数人数十人だけなら「たいしたことはない」とたかをくくれるでしょうが、数百人数千人となったら、もう安心していられません。数万人になったら、もはや落選確実と言ってもいいでしょう。


検察庁法改正案にも、森友問題の真相解明にも、声をあげていこう

  政治を動かすには、政治家に直接働きかけるに限ります。もの言わぬ有権者であることをやめて、もの申しましょう。それは私たちの権利です。検察庁法改正案は、私たちにそのことを気づかせてくれる貴重な機会になるかもしれません。

 そしてこのことは同時に、森友学園への国有地巨額値引きに関する公文書を改ざんさせられて命を絶った、財務省近畿財務局の赤木俊夫さんのことにもつながります。財務省もあの時、ルール違反のめちゃくちゃなことをしたのです。

 でも、なぜそんなことをしたのか真相は明らかになっていません。俊夫さんの妻、赤木雅子さんは、真相解明のための再調査を求めていますが、安倍首相も麻生財務大臣も「再調査はしない」と突っぱねています。  

  私たちは「#赤木さんを忘れない」というハッシュタグで赤木雅子さんへの共感と支持をお願いしてきました。検察庁法の問題が決着したら、次は「#再調査してください」と声を上げたいと思います。 <文・相澤冬樹>

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#週明けの強行採決に反対します ─検察OBが提出した意見書

【意見書全文】首相は「朕は国家」のルイ14世を彷彿(朝日新聞)
https://www.asahi.com/articles/ASN5H4RTHN5HUTIL027.html
2020年5月15日 16時14分

検察庁法改正に反対する松尾邦弘・元検事総長(77)ら検察OBが15日、法務省に提出した意見書の全文は次の通り。

    ◇

 東京高検検事長の定年延長についての元検察官有志による意見書

 1 東京高検検事長黒川弘務氏は、本年2月8日に定年の63歳に達し退官の予定であったが、直前の1月31日、その定年を8月7日まで半年間延長する閣議決定が行われ、同氏は定年を過ぎて今なお現職に止(とど)まっている。

 検察庁法によれば、定年は検事総長が65歳、その他の検察官は63歳とされており(同法22条)、定年延長を可能とする規定はない。従って検察官の定年を延長するためには検察庁法を改正するしかない。しかるに内閣は同法改正の手続きを経ずに閣議決定のみで黒川氏の定年延長を決定した。これは内閣が現検事総長稲田伸夫氏の後任として黒川氏を予定しており、そのために稲田氏を遅くとも総長の通例の在職期間である2年が終了する8月初旬までに勇退させてその後任に黒川氏を充てるための措置だというのがもっぱらの観測である。一説によると、本年4月20日に京都で開催される予定であった国連犯罪防止刑事司法会議で開催国を代表して稲田氏が開会の演説を行うことを花道として稲田氏が勇退し黒川氏が引き継ぐという筋書きであったが、新型コロナウイルスの流行を理由に会議が中止されたためにこの筋書きは消えたとも言われている。

 いずれにせよ、この閣議決定による黒川氏の定年延長は検察庁法に基づかないものであり、黒川氏の留任には法的根拠はない。この点については、日弁連会長以下全国35を超える弁護士会の会長が反対声明を出したが、内閣はこの閣議決定を撤回せず、黒川氏の定年を超えての留任という異常な状態が現在も続いている。

 2 一般の国家公務員については、一定の要件の下に定年延長が認められており(国家公務員法81条の3)、内閣はこれを根拠に黒川氏の定年延長を閣議決定したものであるが、検察庁法は国家公務員に対する通則である国家公務員法に対して特別法の関係にある。従って「特別法は一般法に優先する」との法理に従い、検察庁法に規定がないものについては通則としての国家公務員法が適用されるが、検察庁法に規定があるものについては同法が優先適用される。定年に関しては検察庁法に規定があるので、国家公務員法の定年関係規定は検察官には適用されない。これは従来の政府の見解でもあった。例えば昭和56年(1981年)4月28日、衆議院内閣委員会において所管の人事院事務総局斧任用局長は、「検察官には国家公務員法の定年延長規定は適用されない」旨明言しており、これに反する運用はこれまで1回も行われて来なかった。すなわちこの解釈と運用が定着している。

 検察官は起訴不起訴の決定権すなわち公訴権を独占し、併せて捜査権も有する。捜査権の範囲は広く、政財界の不正事犯も当然捜査の対象となる。捜査権をもつ公訴官としてその責任は広く重い。時の政権の圧力によって起訴に値する事件が不起訴とされたり、起訴に値しないような事件が起訴されるような事態が発生するようなことがあれば日本の刑事司法は適正公平という基本理念を失って崩壊することになりかねない。検察官の責務は極めて重大であり、検察官は自ら捜査によって収集した証拠等の資料に基づいて起訴すべき事件か否かを判定する役割を担っている。その意味で検察官は準司法官とも言われ、司法の前衛たる役割を担っていると言える。

 こうした検察官の責任の特殊性、重大性から一般の国家公務員を対象とした国家公務員法とは別に検察庁法という特別法を制定し、例えば検察官は検察官適格審査会によらなければその意に反して罷免(ひめん)されない(検察庁法23条)などの身分保障規定を設けている。検察官も一般の国家公務員であるから国家公務員法が適用されるというような皮相的な解釈は成り立たないのである。

 3 本年2月13日衆議院本会議で、安倍総理大臣は「検察官にも国家公務員法の適用があると従来の解釈を変更することにした」旨述べた。これは、本来国会の権限である法律改正の手続きを経ずに内閣による解釈だけで法律の解釈運用を変更したという宣言であって、フランスの絶対王制を確立し君臨したルイ14世の言葉として伝えられる「朕(ちん)は国家である」との中世の亡霊のような言葉を彷彿(ほうふつ)とさせるような姿勢であり、近代国家の基本理念である三権分立主義の否定にもつながりかねない危険性を含んでいる。

 時代背景は異なるが17世紀の高名な政治思想家ジョン・ロックはその著「統治二論」(加藤節訳、岩波文庫)の中で「法が終わるところ、暴政が始まる」と警告している。心すべき言葉である。

 ところで仮に安倍総理の解釈のように国家公務員法による定年延長規定が検察官にも適用されると解釈しても、同法81条の3に規定する「その職員の職務の特殊性またはその職員の職務の遂行上の特別の事情からみてその退職により公務の運営に著しい支障が生ずると認められる十分の理由があるとき」という定年延長の要件に該当しないことは明らかである。

 加えて人事院規則11―8第7条には「勤務延長は、職員が定年退職をすべきこととなる場合において、次の各号の1に該当するときに行うことができる」として、/μ海高度の専門的な知識、熟練した技能または豊富な経験を必要とするものであるため後任を容易に得ることができないとき、勤務環境その他の勤務条件に特殊性があるため、その職員の退職により生ずる欠員を容易に補充することができず、業務の遂行に重大な障害が生ずるとき、6般海寮質上、その職員の退職による担当者の交替が当該業務の継続的遂行に重大な障害を生ずるとき、という場合を定年延長の要件に挙げている。

 これは要するに、余人をもって代えがたいということであって、現在であれば新型コロナウイルスの流行を収束させるために必死に調査研究を続けている専門家チームのリーダーで後継者がすぐには見付からないというような場合が想定される。

 現在、検察には黒川氏でなければ対応できないというほどの事案が係属しているのかどうか。引き合いに出される(会社法違反などの罪で起訴された日産自動車前会長の)ゴーン被告逃亡事件についても黒川氏でなければ、言い換えれば後任の検事長では解決できないという特別な理由があるのであろうか。法律によって厳然と決められている役職定年を延長してまで検事長に留任させるべき法律上の要件に合致する理由は認め難い。

 4 4月16日、国家公務員の定年を60歳から65歳に段階的に引き上げる国家公務員法改正案と抱き合わせる形で検察官の定年も63歳から65歳に引き上げる検察庁法改正案が衆議院本会議で審議入りした。野党側が前記閣議決定の撤回を求めたのに対し菅義偉官房長官は必要なしと突っぱねて既に閣議決定した黒川氏の定年延長を維持する方針を示した。こうして同氏の定年延長問題の決着が着かないまま検察庁法改正案の審議が開始されたのである。

 この改正案中重要な問題点は、検事長を含む上級検察官の役職定年延長に関する改正についてである。すなわち同改正案には「内閣は(中略)年齢が63年に達した次長検事または検事長について、当該次長検事または検事長の職務の遂行上の特別の事情を勘案して、当該次長検事または検事長を検事に任命することにより公務の運営に著しい支障が生ずると認められる事由として内閣が定める事由があると認めるときは、当該次長検事または検事長が年齢63年に達した日の翌日から起算して1年を超えない範囲内で期限を定め、引き続き当該次長検事または検事長が年齢63年に達した日において占めていた官及び職を占めたまま勤務をさせることができる(後略)」と記載されている。

 難解な条文であるが、要するに次長検事および検事長は63歳の職務定年に達しても内閣が必要と認める一定の理由があれば1年以内の範囲で定年延長ができるということである。

 注意すべきは、この規定は内閣の裁量で次長検事および検事長の定年延長が可能とする内容であり、前記の閣僚会議によって黒川検事長の定年延長を決定した違法な決議を後追いで容認しようとするものである。これまで政界と検察との両者間には検察官の人事に政治は介入しないという確立した慣例があり、その慣例がきちんと守られてきた。これは「検察を政治の影響から切りはなすための知恵」とされている(元検事総長伊藤栄樹著「だまされる検事」)。検察庁法は、組織の長に事故があるときまたは欠けたときに備えて臨時職務代行の制度(同法13条)を設けており、定年延長によって対応することは毫(ごう)も想定していなかったし、これからも同様であろうと思われる。

 今回の法改正は、検察の人事に政治権力が介入することを正当化し、政権の意に沿わない検察の動きを封じ込め、検察の力を殺(そ)ぐことを意図していると考えられる。

 5 かつてロッキード世代と呼ばれる世代があったように思われる。ロッキード事件の捜査、公判に関与した検察官や検察事務官ばかりでなく、捜査、公判の推移に一喜一憂しつつ見守っていた多くの関係者、広くは国民大多数であった。

 振り返ると、昭和51年(1976年)2月5日、某紙夕刊1面トップに「ロッキード社がワイロ商法 エアバスにからみ48億円 児玉誉士夫氏に21億円 日本政府にも流れる」との記事が掲載され、翌日から新聞もテレビもロッキード関連の報道一色に塗りつぶされて日本列島は興奮の渦に巻き込まれた。

 当時特捜部にいた若手検事の間では、この降って湧いたような事件に対して、特捜部として必ず捜査に着手するという積極派や、着手すると言っても贈賄の被疑者は国外在住のロッキード社の幹部が中心だし、証拠もほとんど海外にある、いくら特捜部でも手が届かないのではないかという懐疑派、苦労して捜査しても(1954年に犬養健法相が指揮権を発動し、与党幹事長だった佐藤栄作氏の逮捕中止を検事総長に指示した)造船疑獄事件のように指揮権発動でおしまいだという悲観派が入り乱れていた。

 事件の第一報が掲載されてから13日後の2月18日検察首脳会議が開かれ、席上、東京高検検事長の神谷尚男氏が「いまこの事件の疑惑解明に着手しなければ検察は今後20年間国民の信頼を失う」と発言したことが報道されるやロッキード世代は歓喜した。後日談だが事件終了後しばらくして若手検事何名かで神谷氏のご自宅にお邪魔したときにこの発言をされた時の神谷氏の心境を聞いた。「(八方塞がりの中で)進むも地獄、退くも地獄なら、進むしかないではないか」という答えであった。

 この神谷検事長の国民信頼発言でロッキード事件の方針が決定し、あとは田中角栄氏ら政財界の大物逮捕に至るご存じの展開となった。時の検事総長は布施健氏、法務大臣は稲葉修氏、法務事務次官は塩野宜慶(やすよし)氏(後に最高裁判事)、内閣総理大臣は三木武夫氏であった。

 特捜部が造船疑獄事件の時のように指揮権発動に怯(おび)えることなくのびのびと事件の解明に全力を傾注できたのは検察上層部の不退転の姿勢、それに国民の熱い支持と、捜査への政治的介入に抑制的な政治家たちの存在であった。

 国会で捜査の進展状況や疑惑を持たれている政治家の名前を明らかにせよと迫る国会議員に対して捜査の秘密を楯(たて)に断固拒否し続けた安原美穂刑事局長の姿が思い出される。

 しかし検察の歴史には、(大阪地検特捜部の)捜査幹部が押収資料を改ざんするという天を仰ぎたくなるような恥ずべき事件もあった。後輩たちがこの事件がトラウマとなって弱体化し、きちんと育っていないのではないかという思いもある。それが今回のように政治権力につけ込まれる隙を与えてしまったのではないかとの懸念もある。検察は強い権力を持つ組織としてあくまで謙虚でなくてはならない。

 しかしながら、検察が萎縮して人事権まで政権側に握られ、起訴・不起訴の決定など公訴権の行使にまで掣肘(せいちゅう)を受けるようになったら検察は国民の信託に応えられない。

 正しいことが正しく行われる国家社会でなくてはならない。

 黒川検事長の定年延長閣議決定、今回の検察庁法改正案提出と続く一連の動きは、検察の組織を弱体化して時の政権の意のままに動く組織に改変させようとする動きであり、ロッキード世代として看過し得ないものである。関係者がこの検察庁法改正の問題を賢察され、内閣が潔くこの改正法案中、検察幹部の定年延長を認める規定は撤回することを期待し、あくまで維持するというのであれば、与党野党の境界を超えて多くの国会議員と法曹人、そして心ある国民すべてがこの検察庁法改正案に断固反対の声を上げてこれを阻止する行動に出ることを期待してやまない。


 【追記】この意見書は、本来は広く心ある元検察官多数に呼びかけて協議を重ねてまとめ上げるべきところ、既に問題の検察庁法一部改正法案が国会に提出され審議が開始されるという差し迫った状況下にあり、意見のとりまとめに当たる私(清水勇男)は既に85歳の高齢に加えて疾病により身体の自由を大きく失っている事情にあることから思うに任せず、やむなくごく少数の親しい先輩知友のみに呼びかけて起案したものであり、更に広く呼びかければ賛同者も多く参集し連名者も多岐に上るものと確実に予想されるので、残念の極みであるが、上記のような事情を了とせられ、意のあるところをなにとぞお酌み取り頂きたい。


 令和2年5月15日

 元仙台高検検事長・平田胤明(たねあき)

 元法務省官房長・堀田力

 元東京高検検事長・村山弘義

 元大阪高検検事長・杉原弘泰

 元最高検検事・土屋守

 同・清水勇男

 同・久保裕

 同・五十嵐紀男

 元検事総長・松尾邦弘

 元最高検公判部長・本江威憙(ほんごうたけよし)

 元最高検検事・町田幸雄

 同・池田茂穂

 同・加藤康栄

 同・吉田博視

 (本意見書とりまとめ担当・文責)清水勇男


 法務大臣 森まさこ殿


★☆#週明けの強行採決に反対します ☆★
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“不要不急”の検察庁法改正が、安倍官邸と黒川氏には“必要至急”のワケ(HARBOR BUSINESS )

“不要不急”の検察庁法改正が、安倍官邸と黒川氏には“必要至急”のワケ
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200511-00218851-hbolz-soci
5/11(月) 15:33配信

“東京の女王様”から電話「検察庁法改正がヤバい」

 5月8日の午後、私が取材を終えて「さあ原稿に取り組むぞ」と意欲をかき立てていた矢先に、武井由起子弁護士から電話がかかってきた。世の人の幸せと平和を願い、政治や人権の問題で積極的に発言している方だが、かなりの無茶振りをかます方でもあり、私は“東京の女王様”とお呼びしている(ちなみに大阪にも別の女王様が君臨している)。

「相澤さん、検察庁法改正がヤバいのよ。(以下、何がヤバいか延々10分ほど演説した後)それで、記事書いてくんない?」

 私は「たまらんなあ」という雰囲気を思いっきり醸し出しながら答えた。

「おっしゃることはわかりますけど。私、いま文春の原稿抱えて結構大変なんですよ。赤木さんの件で。だからなかなか他のことに手が出せないんです」

「赤木さんの件」とは、森友事件で公文書改ざんをさせられて命を絶った財務省近畿財務局の赤木俊夫さんと、妻の赤木雅子さんのこと。雅子さんは3月18日、国と佐川宣寿元財務省理財局長を相手に裁判を起こすとともに俊夫さんが書き残した手記を公表した。その日以降、私は『週刊文春』で連載を続けている。

 だが、そんな理屈は女王様には通用しない。

「だって、これだって赤木さんに関係あるじゃない。検察ですよ? 俊夫さんは検察の捜査におびえていたんでしょ? それだって追い詰められる一因になってるんでしょ?」

「それはその通りです。確かに俊夫さんに対する検察の接触の仕方はまずかった。主治医が止めていたのに、いきなり俊夫さんに電話してきて20分も長電話した。そのあげく財務省の人たちを全員不起訴にしたんですから、いったい何のために病気休職中の俊夫さんに無理して話を聞こうとしたんだか……」

「でしょ? だからこんな“不要不急”の法案をね……」

 この女王様の“不要不急”という言葉に私はピンとくるものがあった。以前、検察幹部に聞いていた話を思い出したのだ。私は思わず答えていた。

「わかりました。検察庁法改正で記事を書きますよ」


「あっちがそうくるなら、こっちも考えがある」

 話は今年1月にさかのぼる。黒川弘務・東京高検検事長の定年延長(正式には勤務延長)が閣議決定で決まった。よく知られているとおり、黒川氏は2月7日に定年を迎え退職するところだったが、これを半年延ばして8月にした。今の稲田伸夫・検事総長が慣例通り就任2年で勇退すれば7月にポストが空き、その後釜に据えられる。

 この定年延長は“官邸の守護神”の異名を取る黒川氏を検察トップの検事総長にするための奇策と見られ、それまでの法律解釈をいきなり変更する“超法規的措置”だったことから世の批判を招いた。検察幹部にとっても“寝耳に水”の話で、黒川氏の定年を前に予定されていた送別会が急きょキャンセルになった。これは検察史上初めてのことだという。

 ここからが検察幹部に聞いた“知られていない”話だ。黒川氏の定年延長を聞いて、稲田検事総長がこんな一言を漏らしていたのだ。

「あっちがそうくるなら、こっちも考えがある」

「あっち」はもちろん安倍官邸。「こっち」は稲田総長をトップとする検察組織。「安倍官邸vs.検察」の闘いが火ぶたを切った。なんか似たようなタイトルの本があった気もするが……。

 では「こっち」の考えとは何か?

 それはもちろん、広島地検が着手した河井克行前法務大臣(衆院広島3区)の妻、河井案里参議院議員の選挙違反事件だ。夫妻の秘書が逮捕・起訴されているが、実はこの事件、広島地検だけで捜査しているわけではない。

 逮捕した秘書の取り調べにあたったのは、大阪地検特捜部から応援に派遣された実力派特捜検事だ。そしてその内容は逐次すべて東京にも報告されていた。完全に東京マターなのだ。検察幹部は語る。

「だって最初から狙いは議員本人だからね。あ、議員と言っても案里じゃないよ。夫の克行の方。前法務大臣ね」
.

“動かぬ証拠”は河井前法務大臣の指示メール

 私は検察幹部に尋ねた。

――どうして、そこまで断言できるんですか?

「それはさあ、“動かぬ証拠”があるからよ」

 実は、河井克行・前法務大臣が今回の買収について、秘書たちに詳細に指示したメールがあるのだという。

「あんなものがあったら、もう言い逃れできないでしょ。メールはすべて克行から出ている。案里は何もわかってないんじゃないかな? 『籠池夫妻の妻と同じ』と言えばわかるでしょ」

「それがわかっているなら、籠池泰典さんの妻・諄子さんを起訴しちゃダメじゃないですか!」と言いたいところではあるが、今はその取材ではないのでぐっとこらえて……。

森本宏・東京地検特捜部長は「議員の逮捕」のために待機!?

 私はさらに質問を続けた。

――連休中に夫妻を事情聴取していますね。

「ああ、東京地検特捜部の検事がね。国会議員を逮捕するとなったら広島に任せておけないでしょ。国会会期中で逮捕許諾請求も必要だしね。東京地検特捜部の出番だよ。森本(森本宏・東京地検特捜部長)が動いていない(異動していない)でしょ?

 もう2年以上たつから、本来ならとっくにどこかの検事正に動いてなきゃいけない。同期どころか1期下まで検事正になっているからね。それが特捜部長に残っているのは『議員の事件をやるならこいつしかいない』と見込まれているからだよ。コロナが一段落したら許諾請求。ここで森法務大臣が指揮権発動したら、それこそ内閣が倒れるだろう」
.

安倍官邸は黒川氏の定年延長で、検察の“虎の尾を踏んだ”

――そこまでやるんですね。

「安倍官邸は黒川さんの定年延長で“虎の尾を踏んだ”んだよ。稲田総長は当初は就任2年で7月に辞めて、その後に林さん(林真琴 名古屋高検検事長)が就任という流れを考えていた。林さんは7月末で定年を迎えるけど、検事総長になれば定年が2年延びるからね。

 でも、その構想を覆されて稲田さんもブチ切れたんだよ。総長が2年で辞めるというのは慣例であって、稲田さんは65歳の定年まであと1年ある。本人が『辞める』と言わなければ定年まで辞めさせる手立てはない。

 黒川さんは半年延長しても8月には退職だから、稲田さんが辞めなかったら結局総長にはなれないからね。さすがに2度の定年延長はできないでしょ? 稲田さんはそれを考えているよ」
.

検察庁法改正は、安倍官邸と黒川氏にとっては「必要至急」

 そこに出てきたのが検察庁法の改正案だ。

●検察官の定年を63歳から65歳に引き上げる。
●検事長、検事正などの幹部は63歳で役職を降り、平の検事に戻るが、内閣が必要と認めた場合、役職を続けることができる。

 定年の65歳への引き上げは、ほかの国家公務員についても提案されている。実は、去年秋に政府部内で検察庁法改正が検討された時は、この65歳への引き上げだけが入っていた。それだけならさして反対もなかっただろう。だが問題は「役職の延長」だ。これは内閣の判断で決まる。ということは、内閣に都合のよい人物を検察幹部として残すことができるということだ。

 例えば黒川氏は退職が8月まで延びたが、違法な延長だと厳しく批判されている。だがこの法案が通れば、あの定年延長も「超法規的措置」ではなく合法的だったと後付けで正当化できる。そうすれば再度の定年延長も不可能ではなくなり、稲田検事総長が辞めた暁には、めでたく検事総長に就任できるようになる。

 コロナ対策で「不要不急の外出は控えましょう」と政府をあげて呼びかけているさなかに「三密」状態の国会を開き、「不要不急」としか思えない検察庁法の改正を急ぐのは、まさにこれが安倍官邸と黒川氏にとっては「必要至急」な法案だからだ。


“官邸の守護神”黒川氏が森友事件をつぶした!?

 ところで、その黒川氏が東京高検検事長になる前、法務省の事務次官をしていた時の重要事件が森友事件である。国有地の不当な値引きによる背任罪。関連する公文書を破棄・改ざんした公用文書毀棄(きき)、公文書変造罪。告発を受けて大阪地検特捜部が捜査していた。

 当時、私はNHK大阪報道部で検察取材を担当していた。この事件について、ギリギリまで大阪地検にはやる気があると感じていた。ところが一転して、結果は全員不起訴。その時、東京から大阪に大きな圧力があったという。その圧力をかけたのが黒川事務次官だとささやかれていた。黒川氏が“官邸の守護神”と言われるゆえんだ。

 この事件で命を絶った赤木俊夫さんの妻、赤木雅子さんが望んでいる「真相解明のための再調査」。もしも検察が財務省の関係者を起訴していれば、法廷ですべてが明らかになったはずだ。黒川氏は赤木さんの願いをも握り潰したことになるのである。
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現職検事は定年引上げに「そんなんいらんわ」

 この記事を書くにあたって私は、とある現職検事に話を聞いた。定年の引き上げ自体は、検事にとって歓迎すべきことではないかと考えたからだ。その検事はベテランの域にあるが、定年引き上げには冷ややかな見方を示した。

検事:まず年金の問題があるやん。今は65歳からもらえるけど、定年が65歳になった時にどうなるか? 先に延びるんやないの?

 次に再就職の問題がある。私たちは公証人が有力な再就職先やろ? 公証人は普通8年くらいできる。それで60歳前後になると、いい席が空いたら「そろそろどう?」って声がかかるんよね。そしたらそもそも定年なんて関係ないやん。

 ただ、公証人の声がかかるのは、それなりに実績を認められている人。辞めて弁護士になるのも、実力がある人。定年まで役職にもつかず検事を続けている人は、やはりそれなりの人ということや。

 そんな人たちをあと2年も抱え込むことになると、役所の人事を決める人たちも頭が痛いやろうね。そして、そんな人があと2年余計に役所で給料をもらえるというのが、そもそも国民の税金の使い道としてふさわしいかという話やね。

相澤:じゃあ、今回の検察庁法改正で定年が延びることは歓迎しないと?

検事:歓迎どころか、余計なお世話。ほとんどの検事が「そんなんいらんわ」と言うやろな。喜ぶのは使えない検事だけ。こんなことで自分たちの歓心を引くことができると思われているなら、むしろ腹が立つ。結局、黒川さんだけのための法案やないの?


政権のため事件を握り潰した人物を、捜査機関のトップに据える“検察支配”法案

 有名なリンカーンの演説「人民の、人民による、人民のための政治」をもじって言うなら、検察庁法改正案はまさに「アベちゃんの、アベちゃんによる、検察支配のための法案」である。

 政権のため事件を握り潰した人物を捜査機関のトップに据えることを正当化するための法案が、コロナ問題の真っただ中に、最優先で審議されようとしている。

 そのことをヤバイと感じた、これまであまり政治的発言をしてこなかった人たちが、声を上げ始めている。

●きゃりーぱみゅぱみゅさん(tweet削除済み)

●浅野忠信さん。

●城田優さん。

●井浦新さん。

●西郷輝彦さん。

●俵万智さん。

●そしてキョンキョンこと小泉今日子さんは、立て続けに連投している。

 こうした著名人のツイートに対し「芸能人が政治的発言をするな」的投稿で圧力をかける人たちが大勢いる。だが「#検察庁法改正案に抗議します」のハッシュタグがついたツイートは、10日午後の時点で380万件を超えた。

 コロナのさなかに、この法案を最優先で通す。反対の声を押しつぶそうとする。我が国は、そんなことでよいのだろうか? 愛国者の方にこそ考えてほしい。

<文/相澤冬樹>

【相澤冬樹】
大阪日日新聞論説委員・記者。1987年にNHKに入局、大阪放送局の記者として森友報道に関するスクープを連発。2018年にNHKを退職。著書に『安部官邸VS.NHK 森友事件をスクープした私が辞めた理由』(文藝春秋)
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ハーバー・ビジネス・オンライン
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皆川達夫さん逝く─「音楽の泉」で出会った声

皆川達夫さんが4月19日亡くなられました。
NHKラジオの「音楽の泉」の司会を止められ
ご高齢なので心配しておりました。

わたしは、なぜか皆川さんの声がたいへん印象的でした。
もうあの声が聴けないのです。

そんなおり、NHKの「こころの時代」で、以前放送したものの
再放送がありました。
録画しておいたそれを見終えて、どうしても記録に残したいと思い
その番組に沿う投稿を見つけたので、ここに載せさせて頂きます。


【皆川達夫さん追悼】「ここでお別れいたします。皆さん、御機嫌よう、さようなら」
https://www.christianpress.jp/minagawa-tatsuo-2/
投稿日:2020年5月3日 更新日:2020年5月4日 -坂本直子(さかもと・なおこ)善隣キリスト教会員

クラシック音楽を分かりやすく紹介するラジオ番組「音楽の泉」(日曜午前8時5分〜55分、NHK第1)の解説で知られる立教大学名誉教授の皆川達夫さんが4月19日、老衰のため92歳で帰天した。

本来の専門は、ルネサンス教会音楽や、長崎県に伝わる「オラショ」(かくれキリシタンの祈り)研究。また、中世合唱曲を専門に歌う中世音楽合唱団を1952年に創立し、バッハ以前の音楽にまだ馴染みがなかった日本に、「古楽」といわれる西洋ルネサンス・バロック音楽の魅力を広めた。

水戸藩士の流れを汲(く)む家に生まれ、幼い頃から能楽や謡曲などに親しんで育った皆川さんが、モーツァルトやベートーベンといった西洋音楽に熱中するようになったのは中学・高校に入ってから。ただ、自分が親しんできた日本の伝統音楽とはまったく噛(か)み合わず、どちらに本当の音楽があるのかと疑問に思い始めたとき、グレゴリオ聖歌や中世ルネサンス音楽の収録されたレコードに出会った。

「『西洋にも日本の謡曲と同じようなものがあるじゃないか。面白い。これを調べてみれば、きっとどこかで日本の音楽との接点が見つかるに相違ない』と生意気にも思ったんですよ。1943年、17歳のことでした」(致知出版社)

戦時中は「兵隊になりたくない」という一心から医者を目指すが、戦後、自分がいちばんやりたいことを求めて東京大学文学部西洋史学科に入り、中世ルネサンス文化の研究へと歩み出す。音楽学者でクリスチャンの辻荘一(つじ・しょういち)に師事。1955〜58年まで米国に留学し、またヨーロッパ諸国で中世古楽の楽譜写本の研究をしてから帰国した。その後、立教大学で教鞭をとる一方、65〜85年までNHK・FM「バロック音楽の楽しみ」の解説を務め、88年からは「音楽の泉」を担当し、その働きは亡くなる直前の3月末まで続いた。

西洋古楽とともに皆川さんがライフワークとしていたのが、長崎県北西部の離島、生月島(いきつきしま)の集落に伝わるかくれキリシタンの唱える「オラショ」(祈り)の音楽解明だった。奇妙な節回しをつけて歌われる「歌オラショ」に、皆川さんはカトリック教会のラテン語聖歌の響きを鋭く感じ取り、歌オラショの研究にのめり込んでいった。生月島の3つの歌オラショのうちの「ぐるりよざ」が、スペインのある地方にだけ伝わっていた「おらが村さ」のローカル聖歌であることを発見するまでに7年の月日をかけた。

1982年、その古楽譜をマドリードの図書館で発見した時の様子が、月刊伝道新聞「こころの友」2017年5月号(日本キリスト教団出版局)のインタビュー記事に次のように書かれている。

「その歌がスペイン出身の宣教師により、はるばる極東の離れ小島の人々に伝えられ、弾圧に耐え400年歌い継がれてきた……その厳粛な事実に皆川さんは立ちすくんだ」

それから6年後に皆川さんはカトリックの洗礼を受けた。

「こころの友」でのインタビューをはじめ、『洋楽渡来考──キリシタン音楽の栄光と挫折』(2014年)で編集を担当した日本キリスト教団出版局の秦一紀(はた・かずき)さんが、皆川さんとの思い出を語ってくれた。

「確か『洋楽渡来考』の見本をお持ちした時だったか、ご自宅にうかがった時に、おうちの壁にいくつもぶら下げたパンジーの鉢植えがちょうど見事に咲いていまして。そこから種が落ちたのか、壁際の路上にも一輪パンジーが花開いているのを先生がいとおしむ目で見下ろしながら、『いじらしいねえ』とおっしゃられて。あれにはキュンと来てしまいました」

また、原稿はすべて、東芝ルポ(ワープロ専用機)のフロッピーディスクで渡され、書斎の机の上には、「音楽の泉」のシナリオ執筆には欠かせないストップウォッチが置いてあったという。

皆川さんの最後の出演となった3月29日の「音楽の泉」。バッハの「無伴奏バイオリン・パルティータ第3番」から「ガヴォット」の演奏が終了すると、「今日の放送をもって私の最後の放送とさせていただきます」と述べ、いつもの挨拶(あいさつ)をした。

ここでお別れいたします。皆さん、御機嫌(ごきげん)よう、さようなら


NHKラジオ「音楽の泉」を30年続ける皆川達夫さんに学んだ、いつまでも溌剌として生きる秘訣
https://www.chichi.co.jp/web/20190802_minagawa_tatuo/#
2019年08月03日

紆余曲折の末に


月刊『致知』2019年9月号をもって、90歳以上で現役で働いている方々に人生の歩みを伺う連載「生涯現役」が最終回を迎えました。

その記念すべき最終回を飾っていただいたのは、中世ルネサンス音楽研究、長崎県に伝わる「オラショ」(隠れキリシタンの祈り)研究の第一人者である立教大学名誉教授の皆川達夫さんです。

皆川さんに取材依頼をするきっかけとなったのは、昨年6月頃、長崎県平戸市出身の弊社社員からの「地元に関する素晴らしい人がいる」という情報提供でした。

さっそく、皆川先生の資料を集めてみると、中世ルネサンス音楽研究に関する業績はさることながら、「オラショ」研究に懸ける並々ならぬ情熱、92歳のいまなおNHKラジオ「音楽の泉」に出演し続けるという、いまなお衰えない探究心に心から感動。

そして、他紙などで研究に関する専門的な内容は話していても、人生の歩み、信条といった人間学的な部分はあまり紹介されていなかったこともあり、これはぜひ『致知』の「生涯現役」にご登場いただくべきだ! と直感したのです。また、これは個人的な話になりますが、私は父親の仕事の都合で何度か長崎に滞在した経験があり、長崎に伝わる「オラショ」の研究に長く携わられた皆川先生に不思議なご縁を感じました。

しかし、ここからが大変でした。さっそく連絡先を調べ、取材依頼をしたのですが、皆川先生から返ってきたのは「取材は受けたいが、体調がよくない。すこし待ってほしい」というお返事でした。その後、ご家族の方から体調の面で取材は難しいとのお断りのご連絡をいただき、皆川先生の取材を断念することになったのです。情報を提供してくれた社員にも申し訳なく、非常に残念でしたが、ご病気なら仕方がないと泣く泣く諦めました。

ところが、それから数か月後、2019年4月頃のことでした。皆川先生から取材を受けられなかったことをお詫びする内容の一枚のはがきが届いたのです。すぐに「まだ企画は生きていますから、ご都合のよろしい時に、お伺いします」とはがきを返信したところ、皆川先生のご家族からお電話があり、5月中旬に取材させていただけることになったのでした。

だだ、まだ一波乱ありました。取材の数日前になると、今度は私の方が高熱を出して寝込んでしまったのです。皆川先生に風邪をうつしてはいけないとのことで、三度延期となったのでした。

そうして再度日程を調整していただき、最初に取材依頼をしてからちょうど1年ほどが経った2019年6月、念願叶って皆川先生にお目に掛かることができたのでした。


一度嚙り付いたら離れない執念

ご病気から車椅子になってしまったとのことでしたが、頭脳は明晰そのもの。約55分の取材の間、皆川先生は私の質問に対してほとんど資料を見ることなく、ユーモアも交えながら、その人生の歩み、音楽への思いを滔々と語ってくださいました。

少年時代のこと、苦しかった戦争体験、中世ルネサンス音楽との出会い、研究に没頭した留学時代、「オラショ」研究のために長崎の生月島に通い詰め、その原曲を7年もの年月をかけて探し当てたエピソード、音楽の持つ力……取材時間はあっという間に過ぎ、編集者としては本当に至福の時間でした。また、長崎に関するお話の際には、かつて自分が見た長崎の美しい海、景色が目の前に蘇ってくるようでした。

特に「オラショ」に関するお話は非常にドラマチックであり、一人でも多くの方に伝えたい、人間力の学びに溢れた貴重な体験談であると感じました。皆川先生は、長崎生月島の人々に伝わる「オラショ」の原曲を求めてヨーロッパ中の図書館を巡り、ついに該当する曲を探し当てた際のいきさつと感慨を次のようにお話しくださいました。

「生月島の3つの歌オラショのうち『らおだて』『なじょう』は、それぞれラテン語聖歌の『ラウダーテ・ドミヌム(主をたたえよ)=詩篇一一六編』と『ヌンク・ディミッティス(いまこそ僕を=シメオンの賛歌)』に由来することは間違いなかったのですが、残りの『ぐるりよざ』の原史料が探せなかったんです。

それで再びヨーロッパに飛びまして、もうパリ、ウィーンなどの図書館は言うに及ばず、イタリアの図書館まで探し回りました。

特にローマ法王のお膝元のバチカンの図書館は大変な宝庫でしてね。蔵書は多いというもんじゃなくて、本を請求するカード室だけで学校の体育館くらいある。ところが、当時バチカンの図書館は1日3冊しか請求できず、午前10時に開館して、午後1時には追い出されてしまうのです。これだと思って3冊請求しても、実際には楽譜が1つも載ってないということもよくあって、それで1日のホテル代と食事代が無駄になる。その連続が7年も続いたのですよ。

これは諦めるしかないと思いましたけど、やっぱり宣教師の本拠地だったスペイン、ポルトガルをもう一度調べ直そうと思いましてね。1982年10月にマドリードの国立図書館でそれらしき本を請求したのですが、その書が手元に持ってこられた時、もう体が震えてきたのです。『ここにあるに違いない』と直感したのです。 

震える手で頁をめくっていくと、紛れもなく『ぐるりよざ』の原曲となった聖歌『オ・グロリオザ・ドミナ(栄光の聖母よ)』の楽譜が記されていました。オラショとの出逢いから7年掛かったわけですが、これは研究者として当然のことで、自慢することでもないですが、まぁ嬉しかったですね」

7年という歳月に驚嘆した私は、「どうして途中で諦めなかったのですか?」と思わず質問してしまったのですが、皆川先生は間髪を入れずにこうおっしゃられました。

「一つの目的を持ったら徹底的に調べるのが学問に携わる人間ですが、私は特にしつこい。一度齧りついたら離れない(笑)。他人には嫌がられますが、幸いそのような性格がオラショ研究にはプラスになったのだと思います」

一度自分が定めた目標に嚙り付いたら何が何でも離れない、何としても決めたことを成し遂げるんだという‶しつこさ瓠宗修海海乏Ю鄒萓犬凌祐嵶呂慮擦あり、また、物事を成し遂げていく要諦もあるのだと感じ入りました。

そして取材の最後、皆川先生は何歳になっても元気に溌剌と生きる秘訣として、「好きなことを徹底してやることです」と青年のような屈託のない笑顔でお答えくださいました。その笑顔が皆川先生のすべてを語っているように私には思われました。

(本記事は月刊誌『致知』2019年9月号「読書尚友」の連載「生涯現役」に関する取材手記です。『致知』にはあなたの人間力・仕事力を高める記事が満載です! 『致知』の詳細・ご購読はこちら)

◇皆川達夫(みながわ・たつお)

みながわ・たつお―昭和2年東京都生まれ。東京大学文学部卒業、同大学院修了。2回にわたってアメリカ、ヨーロッパ留学。43年立教大学教授。平成5年同大学を定年退職し、同大学名誉教授。全日本合唱センター名誉館長、国際音楽学会名誉会員Ehrenmitglied。中世音楽合唱団主宰。日曜朝のNHKラジオ「音楽の泉」、NHKFM「バロック音楽の楽しみ」などに出演。21年NHK放送文化賞。著作に『中世・ルネサンスの音楽』(講談社学術文庫)『キリシタン音楽入門: 洋楽渡来考への手引き』(日本基督教団出版局)など多数。
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新型コロナが問う日本と世界 思いやるべきは米でなく国民(しんぶん赤旗)

新型コロナが問う日本と世界 思いやるべきは米でなく国民 防衛ジャーナリスト・元東京新聞論説兼編集委員 半田滋さん(しんぶん赤旗)
http://www.asyura2.com/20/senkyo272/msg/287.html
投稿者 gataro 日時 2020 年 5 月 06 日  

5/5しんぶん赤旗 防衛ジャーナリスト・元東京新聞論説兼編集委員 半田滋さん 「思いやるべきはアメリカではなく国民」「軍事でなく医療強化こそ」韓国に学んで不要不急の軍事費を削ってコロナ対策に回すべきだよね。中東派遣の自衛艦2隻の乗組員にコロナ感染症の危険が迫っている。撤収すべきだ。 pic.twitter.com/XNqkik2fMV
— 川上芳明 (@Only1Yori) May 4, 2020

新型コロナが問う日本と世界 思いやるべきは米でなく国民
防衛ジャーナリスト・元東京新聞論説兼編集委員 半田滋さん
しんぶん赤旗 2020年5月5日【1面】


 新型コロナウイルスの感染拡大は、日本と世界の安全保障分野にも大きな影響を与えました。自衛隊のあり方、軍事費をめぐり、防衛ジャーナリストの半田滋氏に聞きました。(竹下岳)


 韓国政府は4月16日、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う対策として追加補正予算を編成し、全世帯に支給する「緊急災害支援金」の財源として、国防費9047億ウォン(約795億円)を削減して充てることを決定。4月30日に補正予算が成立しました。削減対象はF35ステルス戦闘機やイージス戦闘システムの米国からの購入費で、支払いを来年に先送りする方向だといいます。


防衛費削減せず


 一方、日本ではどうでしょうか。先日成立した補正予算をめぐって、防衛費削減の話は一切出ませんでした。不要不急、少なくとも不急な武器については、韓国のように購入を先送りすべきでしょう。その最たるものはF35ステルス戦闘機です。


 もともと防衛省が計画していたのは42機でした。ところが安倍晋三首相がトランプ大統領から米国製兵器の大量購入を要求され、105機もの爆買いにつながりました。今年度から、その“爆買い”分の購入が始まり、9機分の予算が計上されています。


 安倍政権は、「退役するF15戦闘機の代替」だと説明していますが、開発した米国でさえ、F15は現役です。まだ使えるのに、廃棄して、アメリカの要求に応えて購入しようというのです。


不要不急の支出


 これ以外にも、トランプ大統領から武器購入を要求されて導入を決めたイージス・アショアや、計画そのものが破綻している辺野古新基地の建設工事など、「不要不急」の支出はあります。これらを一時停止して、休業を余儀なくされている店舗への補償など、コロナで苦しむ国民の負担軽減のために使うべきです。


 また、これから夏にかけて、米軍「思いやり予算」の特別協定の延長をめぐる協議が始まります。韓国との交渉を見ても、アメリカは米軍駐留経費の大幅な増額を要求するのは間違いありません。


 韓国の場合、北朝鮮と地続きで、米軍の存在が必要だという理由がありますが、日本の場合、敗戦後の米軍駐留が始めにありき、といえます。アメリカは自国の国益のために基地を置いています。政府は「もっと払えというのなら、どうぞお引き取りください」と言うべきでしょう。今、思いやる相手はアメリカではありません。国民であるはずです。


 (1面のつづき)


軍事でなく医療強化こそ


 中東では現在、アフリカ東部ジブチを拠点として、ソマリア沖アデン湾での海賊対処活動と、オマーン湾など中東海域で、防衛省設置法に基づく情報収集活動が並行して行われています。


不要な中東派遣


 海賊対処に関しては、海賊に乗っ取られた船舶は2017年の3隻を除けば、14年から19年までゼロ。海賊事案の発生件数も19年はゼロになっており、継続する理由がありません。他方、ジブチでも新型コロナウイルスの感染が拡大しており、厳しい入国制限を敷いています。このため、4月26日に出港した護衛艦「おおなみ」の乗組員は寄港中、上陸することができません。


 狭い艦内は密閉・密集・密接の典型的な「3密」状態です。感染者が出ればあっという間に隊員間に広がることは、米原子力空母セオドア・ルーズベルトの事例で明らかです。


 派遣された隊員たちは「3密」の艦内に幽閉されたに等しい。海賊の被害が途絶えているのに、活動を命じることは愚策としかいいようがありません。感染リスクと隊員の健康を引き換えにすべきではありません。


 一方、情報収集活動に従事している「たかなみ」は、3月にアラブ首長国連邦のフジャイラに寄港したとみられますが、やはり感染リスクのために上陸できていません。3カ月におよぶ派遣期間中、一度も上陸できなければ隊員のストレスは募るし、士気低下のダメージは大きい。さらに、海賊対処と情報収集活動を兼務するP3C哨戒機の隊員は、入国制限で交代できないため、予定の2倍となる6カ月の任期を求められる可能性が高くなっています。


 そもそも、情報収集活動をめぐっては、法的根拠をめぐって批判が出ていました。この活動は、トランプ米大統領が一方的にイランとの核合意から離脱して中東に緊張が高まったことが発端です。トランプ政権が引き起こした混乱の尻ぬぐいのために隊員の命をてんびんに掛けることはあってはなりません。撤退を決断すべきです。


自衛隊の役割は


 新型コロナウイルスに関わる災害派遣要請に基づき、感染が拡大していたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」で49日間にわたり、延べ8700人の隊員が活動しましたが、1人の感染者も出していません。同じく船内で活動した厚生労働省職員や検疫官から6人の感染者を出したのとは対照的です。


 現在は、海外からの帰国者の検査・輸送・食事提供などの支援を行っています。阪神・淡路大震災以降、自衛隊は災害派遣隊としての性格が強まりましたが、さらに新しい段階に入ったといえます。まだ手探りの段階ですが、たとえば、部隊に防護衣やマスクなどの備蓄を増やし、感染症対策の訓練を行うといったことは考えられるかもしれません。


 ただ、与野党議員から出ている、病院船をめぐる議論は筋違いといわざるをえません。そもそも病院船は戦傷者を救護するためのものです。米海軍の病院船コンフォートがニューヨークへ支援に向かいましたが、実はコロナ感染者の治療ではなく、それ以外の病人を収容しているのです。


 現在の医療体制の危機やPCR検査体制の脆弱(ぜいじゃく)さは、歴代の自民党政権が医療費削減や行政改革といった大号令をかけ、医療体制を弱体化させてきたことに原点があります。必要なのは自衛隊の強化ではなく、医療体制の見直しにあります。


 総じていえば、コロナ危機を通じて大きく変わるもの、そう簡単には変わらないものもありますが、この問題が鏡となり、日本の姿を映し出しています。その姿を冷静に見て、新しい道を見いだすことが求められています。


 (2面)
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元厚労省技官が断言「1カ月自粛してもコロナは収束しない」

元厚労省技官が断言「1カ月自粛してもコロナは収束しない」
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200502-00010001-flash-peo
5/2(土) 6:31配信

 テレビ、新聞にネット……どこも新型コロナウイルス感染症の話題一色。そんな今こそ、正しい知識を持つことが重要だ。元厚労省医系技官で、医師の木村もりよ氏(54)に、「コロナ常識の嘘」と「日本人が今、知るべきこと」を聞いた。

「『1カ月、2カ月頑張って自粛すれば収束する』と盛んに言われていますが、それは間違い、嘘です。この闘いが長期化するのは明らか。

 一般にどんな感染症も、収束への道筋は二つのみで、集団免疫を獲得すること、あるいは有効なワクチンが開発されること以外にありません。1〜2カ月という短期間での収束とは、現実逃避にすぎないと思います。

“3密” という言葉に固執することにも疑問があります。海外を見ても採用している国はないんです。カリフォルニア州やニューヨーク州では、PCR検査で陽性となった人たちの何十倍の人数が感染しているとわかっています。

 日本も市中感染が広まっている可能性はきわめて高く、現状を考えると、3密やクラスター封じ込めは、焼け石に水です」(木村氏、以下同)

 感染症に対する政策は、3種類。(1)徹底的に行動制限して封じ込める「抑圧政策」、(2)社会的距離を保ち経済活動も制限する「徹底的自粛政策」、(3)緩やかな自粛で集団免疫獲得を目指す「緩和政策」だ。アメリカはじめ多くの国々は、「徹底的自粛政策」をとっている。

「日本は緊急事態宣言で、『緩和政策』から『徹底的自粛政策』に転じたといっていいでしょう。宣言前、政府は何もしていませんでしたが、日本人の行動様式と医療機関の努力によって、図らずも『緩和政策』状態にあったのではないかと、私は思います。

『抑圧政策』『徹底的自粛政策』は、厳しくするほど感染を抑えられますが、短期間では効果は一時的。解除すれば、再び感染が広がることは、4月14日にハーバード大の研究者が『サイエンス』誌に発表した論文でも予測されています。

『抑圧政策』『徹底的自粛政策』は、ワクチン開発まで継続しなければ意味がないのです。政府は、これを国民に周知できているのでしょうか。

 また仮に1〜2年後にワクチンが開発されても、そのとき、社会や経済はボロボロになっており、人とふれ合うという、人としての幸福も失われているでしょう。『社会不安や経済悪化にともなう死者は、新型コロナの直接の死者より多い』という指摘もあります」

 一方の「緩和政策」にも、当然デメリットはある。

「集団免疫を得るには、人口の6〜7割程度は、新型コロナに感染しなければいけません。日本は、諸外国に比較して致死率は低いですが、死者は数十万人単位になるという試算もあります。“医療崩壊” の危機は、ひっ迫した問題です」

 木村氏は、次のような方向転換の必要性を説く。

「全員予防ではなく、重症化しやすい人、基本的には高齢者に政策のターゲットを絞るべきです。若者の行動自粛ではなく、いかに高齢者が人との接触を減らせるかに焦点を当てるべきだと思います。

 それ以外の人は、なるべく普通に暮らしながら、集団免疫の獲得を目指す。賛否両論あるとは思いますが、真っ向から否定することではないはずです。

 いずれは、ほとんどの人が感染するのですから、陽性患者全員を隔離するのも非現実的。同様に、日々の新規感染者数に過剰反応するのも、意味がないと思います」

 日本政府の課題は何か。

「とにかく避けなければいけないのは、医療崩壊。政府には、『徹底的自粛政策』で時間を稼ぐ間に、人工呼吸器の数を確保することや、感染者数の少ない地方から呼吸器を扱える医師や看護師を都市部に派遣してもらうなどの医療資源確保と、トリアージ(患者の治療優先順位決定)の基準設置をぜひやってもらいたい。

 何十万人の死者が出る事態に、“命の選択” を現場にまかせるのは、あまりに酷です。未知のウイルスへの対策の正解は誰にもわかりません。しかし、危機管理で最も重要なのは、“融通性” があることではないでしょうか。

 政府は対策を、ただ先延ばしにしてきましたが、今こそデータから逃げずに、臨機応変に方向転換をすべきときだと思います」


きむらもりよ
『教えて!ニュースライブ 正義のミカタ』(朝日放送)レギュラー出演ほか、広く活躍する木村氏。米ジョンズ・ホプキンス大学公衆衛生大学院修了。米CDC、厚労省を経て現職

写真・八尋研吾

(週刊FLASH 2020年5月12・19日号)

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東浩紀「オンラインになれる人が、なれない人に押しつけるリスク」〈AERA〉

東浩紀「オンラインになれる人が、なれない人に押しつけるリスク」〈AERA〉
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200428-00000030-sasahi-soci
4/30(木) 16:00配信
AERA dot.


東浩紀(あずま・ひろき)/1971年、東京都生まれ。批評家・作家。株式会社ゲンロン代表。東京大学大学院博士課程修了。専門は現代思想、表象文化論、情報社会論。93年に批評家としてデビュー、東京工業大学特任教授、早稲田大学教授など歴任のうえ現職。著書に『...


 批評家の東浩紀さんの「AERA」巻頭エッセイ「eyes」をお届けします。時事問題に、批評的視点からアプローチします。

*  *  *
 ポスト・コロナ社会をめぐる議論が始まりつつある。鍵となるのはオンライン化をめぐる新しい格差だろう。

 この数カ月で人々の身体感覚は大きく変わってしまった。かつて集まることは価値だった。いまや身体的接触そのものがリスクとみなされている。その結果世界中で力を強めているのが「社会活動の多くはオンラインで代替できる」という信念である。たしかに感染症への恐怖と社会維持の必要性を両立させようとすれば、そう信じるしかない。実際ネットさえあれば、仕事も教育も友人関係も維持可能なように見える。

 けれどもそれは幻想にすぎない。社会はリアルなインフラがないと回らない。みなが身体的接触を避ければ避けるほど、接触を担わざるをえないひとの負担は増える。

 日本でも「介護崩壊」や「保育崩壊」という言葉が囁かれている。DVや児童虐待はネットでは救えない。授業がオンラインばかりになれば、生徒や学生の心理的ケアを担う専門家が必要になるだろう。米国ではすでに、新感染症での黒人の死亡率が白人やアジア系の2倍近いという報道が現れている。黒人に公共交通機関や食料品店の従業員が多いためだと分析されているが、これなどはまさに新たな格差の雛形だといえる。「オンラインになれる人々」が「オンラインになれない人々」にリスクを押しつけ、自分たちだけ安全圏にひきこもる──私たちがいま感染防止の名のもとに作りつつあるのは、そういう社会である。

 かつて、ネットがあればみなが金持ちで平等になれるという幻想を指すものとして「カリフォルニア・イデオロギー」という言葉があった。それに倣えば、みなが接触のリスクを避け、そのくせ安全な社会関係だけは維持できるという現在の幻想は「コロナ・イデオロギー」とでも呼ぶべきかもしれない。

 人間と人間の接触は感染症がなくてもそもそも面倒で危険なものだ。その面倒に直面しないコロナ・イデオロギーは健全とはいえない。ポスト・コロナ社会が、接触のリスクをみなで分け合う社会になることを望みたい。

※AERA 2020年5月4日号−11日号



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東浩紀「緊急事態に人間を家畜のように監視する生権力が各国でまかり通っている」〈AERA〉
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200415-00000029-sasahi-soci
4/16(木) 16:00配信
AERA dot.

東浩紀(あずま・ひろき)/1971年、東京都生まれ。批評家・作家。株式会社ゲンロン代表。東京大学大学院博士課程修了。専門は現代思想、表象文化論、情報社会論。93年に批評家としてデビュー、東京工業大学特任教授、早稲田大学教授など歴任のうえ現職。著書に『...


 批評家の東浩紀さんの「AERA」巻頭エッセイ「eyes」をお届けします。時事問題に、批評的視点からアプローチします。

*  *  *
 生権力(せいけんりょく)という言葉がある。フランスの哲学者フーコーの概念で、人間を家畜のように捉える権力を意味する。たとえば税制を変えれば出生率も変わるが、そのようにして集団を「管理」するのが生権力である。

 生権力の働きは、非人称で政治的に中立なふりをしてくるので抵抗が難しい。だからこそ警戒が必要だというのが常識だったが、コロナ禍でその歯止めは吹き飛んだ。

 しかも現在台頭しつつある生権力は、感染拡大防止という「絶対善」とGPSのような監視技術に結びついているため、はるかに強力である。韓国や台湾では初期からスマホの位置情報で感染者の行動を監視している。欧州も始めている。

 ビッグデータの利用はさらに多くの国で行われている。米国ではスマホ監視により集会が確認され警察が出動したと伝えられる。位置情報は究極のプライバシーだし、集会がなければ政治的自由もない。数カ月前ならいずれも非難の大合唱が起こったはずだが、いま異議を唱える声はほとんどない。世界はコロナの恐怖に駆り立てられ、自由や人権についての議論をかなぐり捨てつつある。

 人類は残念ながら、生き残るためには家畜になってもいいと判断したようだ。緊急なのでやむなしとの声もあろうが、問題は二つある。一つはコロナ禍の出口が見えないこと。日本でも緊急事態宣言が発令され、感染拡大のため接触の8割削減が必要だといわれている。しかしウイルスが完全に消えることはない。いつ監視は終わるのか。

 そしてもう一つはコロナ禍後の社会のヴィジョンがほとんど語られないことだ。コロナは人類全体を滅ぼすほどのウイルスではない。ほとんどのひとは生き残る。そのときどんな社会を残すかも考えるべきである。いまマスコミでは命か経済かと選択を迫る議論が多い。でも本当の選択は「現在の恐怖」と「未来の社会」のあいだにもある。こんな監視社会の実績を未来に残していいのか。

 人間は確かに動物である。だから動物を管理するように管理すれば感染は防げる。でも同時に人間は動物では「ない」。そのことの意味を、絶対忘れてはならない。

※AERA 2020年4月20日号
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PCR検査多い国はコロナ死亡率減 千葉大がデータ分析(朝日新聞)

PCR検査多い国はコロナ死亡率減 千葉大がデータ分析
https://www.asahi.com/articles/ASN4V7WZCN4QUDCB00B.html

 十分なPCR検査をしている国ほど新型コロナウイルスによる死亡率は低くなる――。千葉大大学院の研究グループは、こんな解析結果を発表した。ポイントになるのは検査数に占める患者数の割合を示す「陽性率」。7%を超えると死亡者が増えるという。

 研究の中心になったのは、同大学院薬学研究院の樋坂章博教授(臨床薬理学)。PCR検査での感染拡大防止の効果を客観的に示すため、世界49カ国・地域の検査数、陽性者数、死亡者数のデータを入手し、分析した。

 地理要因などで比較しやすい欧米の中で、陽性率と1億人あたりの1日の死亡者数を比較したところ、積極的に検査をしているノルウェーなど陽性率が7%未満の国は7%以上の国と比較して、死亡者数は10分の1から5分の1程度だった。陽性率が7〜16・9%、17〜28%では死亡者数に差はないことから、「陽性率を7%未満にすることが抑制に重要」としている。

 これまで専門家の間では「検査は症状が出ている人を優先し、軽症者は患者の受け入れ態勢が整ってからにするべきだ」という意見も強かった。

 日本を含めたアジアでは、人口あたりの死亡者が欧米より少ないという指摘についても解析したところ、感染拡大30日後の感染者・死亡者数は約100倍と明確な差があった。同グループはその原因について、高齢化の程度、予防接種を含んだ厚生制度、遺伝の差異などの可能性があるとしている。

 厚生労働省によると、国内の1月15日から4月21日までの陽性率は10・3%。千葉県内は16・2%だった。上昇傾向にあり、同グループは「検査能力を拡大することが急務」としている。

 樋坂教授は「積極的にPCR検査をすると陽性者がかなり増えるので準備が必要だ。ただし、その多くは軽症者。隔離が必要な人は増えるが、その段階を乗り越えて初めて感染終息に至る。現在、東京でPCR検査を受けた人の陽性率は30%を超えており、厳重な警戒が求められる」と話す。(重政紀元)

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山中教授が警鐘。PCR検査で「東京の陽性率40%は危険領域」

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2020/04/27 に公開

関係者によりますと、東京都では27日に39人の感染が分かりました。2週間ぶりに100人を下回った26日に続いて27日も下回りました。

 福岡県久留米市で新たに感染が分かった2人のダンサー。彼女らは20人ものクラスターを起こしている同じく市内のナイトクラブ「MABINI」の関係者との濃厚接触者で、新たなクラスターを起こす可能性があるとみて連日の店名公表となりました。

 週末からステイホーム週間が始まった日本各地。それでもクラスターや家族内感染が日々、報告されています。東京・練馬区の練馬光が丘病院では27日に患者ら10人の感染が確認され、感染者は延べ37人となっています。熊本市では先月に発症して今月9日に退院した20代の女性が26日に再び陽性と分かり、同居していた50代の家族も感染が確認されました。

 27日に東京都では新たに39人の感染者を確認。連続での減少傾向にありますが・・・。
 京都大学iPS細胞研究所・山中伸弥教授:「感染者のみで一喜一憂するのではなく、真の姿を捉える必要があります」

 ノーベル賞受賞者で京都大学iPS細胞研究所の山中教授はホームページで東京都の陽性率の高さに警鐘を鳴らします。陽性率とはPCR検査人数に対する陽性者の割合ですが、東京都は約4割と他の地域と比べてずば抜けて高い数値を示しています。高い陽性率の理由として日本では陽性の可能性の高い人しかPCR検査を受けられないうえに東京の医療機関が逼迫(ひっぱく)していることなどが考えられ、山中教授は東京都の数値は危険領域で検査数が増えないと感染者の増加を見逃す可能性があるとつづっています。

 週ごとの陽性率を見ても3月以降、激しい増加を示す東京。現在、一日の検査数は平均してわずか300件ほどです。検査件数を増やすためにも、厚生労働省は26日に行われた有識者会議で研修を受けた歯科医師にも検査の実施を認めることを決めました。

 また、東京だけでなく神奈川県藤沢市ではドライブスルー方式のPCR検査が県内で初めて行われるなど各地で検査数を増やす取り組みが始まっています。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp


山中教授が警鐘。PCR検査で「東京の陽性率40%は危険領域」
https://article.yahoo.co.jp/detail/f35dbd677e19c0ec7a2e9fd7c7b1f0cf74bad004

iPS細胞の発見でノーベル生理学・医学賞を受賞した京都大学iPS細胞研究所所長の山中伸弥教授は、自身の公式サイト「山中伸弥による新型コロナウイルス情報発信」で、「感染者数で一喜一憂するのではなく、注目すべきは陽性者の割合」だとする投稿をした。

東京の陽性率40%という驚くべき数字

自身のホームページで、東京と大阪の陽性率の高さに警鐘を鳴らした山中教授。陽性率とは、PCR検査をした人数に対して、どれだけ陽性者が出たかを示す割合で、東京の検査数は9827人(1月15日〜4月25日)に対し、陽性者数は3850人となり、陽性率約40%となっている。

しかし、現状では条件に合う人のみにPCR検査を行っているため、「体調が悪い」「咳が出る」という軽症の疑いがある人は検査をしていない。このため、条件に当てはまらない感染者が多数いる恐れもあり、山中教授も「非常に多くの陽性者を見逃している可能性が高いと推定されます」と指摘している。

また、山中教授はホームページの中で他国の陽性率にも触れていて、「アメリカは日本よりはるかに多くの検査を行っていますが陽性率は20%程度」にも関わらず、「専門家は、まだまだ陽性率が高すぎるので検査数を3倍は増やす必要があると訴えています」としている。十分に検査をしているドイツは陽性率7%、韓国は3%だとし、「東京で約40%、大阪で約20%と高い陽性率となっています。これは危険領域です」と警鐘を鳴らしている。

陽性率という新たな指標

山中教授から発せられた「感染者数のみで一喜一憂するのではなく、真の姿をとらえる必要があります」とのメッセージ。これまでのような感染者数だけではなく、陽性率という指標を示してくれたことは大きい。ネット上でも「陽性率を重視することは大切」「今後は陽性率も見るべき」など同調する声が多数聞こえてくる。
(以下略)

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「今後はスーパーの買い物で感染る!」・・・

最近は、新型コロナ関連のテレビ番組を見ることに飽きがきている。。

しかし、朝のテレビ朝日『羽鳥慎一モーニングショー』は注目している。

その番組を丁寧に紹介している水島宏明の記事を今回は紹介したい。

「今後はスーパーの買い物で感染る!」岡田晴恵教授が『モーニングショー』で本領発揮する理由
https://news.yahoo.co.jp/byline/mizushimahiroaki/20200421-00174439/
水島宏明 | 上智大学教授・元日本テレビ「NNNドキュメント」ディレクター
4/21(火) 19:32

 感染者の数が全国で増え続けている日本。

 4月20日(月)のテレビ朝日『羽鳥慎一モーニングショー』では岡田晴恵・白鴎大学教授がいつも通り警鐘を鳴らした。

 テレビの生放送の面白さは番組側が予め用意した通りに出演者が話を進めるとは限らないことにある。

 『モーニングショー』はそうした生放送でのトークを展開するのがとても上手だ。

 この番組が同時間帯で視聴率トップになっているのは、NHKも他の民放の情報番組が「段取り」をきっちり決めて「予め出来ている台本」に沿って進行が行われている感じが強いのに比べて、『モーニングショー』は司会の羽鳥慎一アナウンサー自身もテーマにきちんと勉強していて「トークの振れ幅」に余裕があるせいだと思う。多少脱線しても司会者として対応できるのだ。それゆえ、ゲストらが話しやすく、熱を帯びた真剣なトークになっていく。もともと予定調和ではない面白さがあったのだが、新型コロナ感染拡大というタイミングで岡田晴恵という人を捕まえてますます番組そのものがスリリングなものになっている。

 残念なことにネット記事などを読んでも岡田教授が話した詳しい内容までは書いていないことが多い。

 だが注意深く見ると、岡田教授はこの番組ではかなり伸び伸びと自分自身の問題意識を披露していることが分かる。

 この日の岡田教授の解説トークも真剣さがいつも以上でまさに番組進行の段取りを超えたものだった。

「感染者の総数だけじゃなく、何を指標にするかというと、死亡者の数なんです」

 岡田教授は自分のノートか何か書類を見ながら口頭で読み上げた。


「3月1日〜10日は1日あたりの死者は0.5人」


「11日〜20日は1日あたりの死者は2人」


「21日から30日は1日あたりの死者は2.3人」

 10日ごとの死者数を1日あたりで計算した数字だ。

 番組でも岡田教授と打ち合わせていなかったのかパネルやフリップなどにはこの数字は示されない。


「だんだん上がってきます」

 そう前置きして岡田教授は続けた。


「3月31日から4月9日は1日あたりの死者は4.2人」

 いきなり倍近く上がった。


「で、ちょっと私が怖いのは…」

 

 少し言いよどみながら次の10日間の数字を読み上げた。


 「4月10日〜18日は

1日あたりの死者は12.5人」

 さらに3倍に跳ね上がった。

 ここに来て死者の数が急増している。


(岡田晴恵教授)

「これっていうのは一つのメルクマール(指標)になると思うんですね。

けっして楽観できるような状況ではないと私は思っています」

 

0.5人→2人→2.3人→4.2人→12.5人

 岡田教授が口頭で読み上げた10日ごとの1日あたりの死者の数の推移である。

 文字に書いて推移を眺めてみると、その怖さが伝わってくる。 

 すでに日本でも毎日12人以上の人たちが新型コロナで死亡しているのだ。

 岡田教授は、日々発表される「新な感染者」の数がそもそも構造的に少なくなる理由があると警告した。

 東京都が発表する新たに判明した感染者の数(4月17日201人、18日161人、19日107人)も、PCR検査件数には限界があって進んでいないことや症状がひどくならないと検査してもらえないことなどで、この数字が本当の意味で感染者を反映したものになってないと訴えた。

 日々のPCR検査の中には一度陽性と判定されて入院した人も含まれる。今のルールでは、2度のPCR検査で陰性にならないと退院できないので日々の検査の数にはそうした一度陽性になった人への検査も含まれるのだという。

 このため日々のPCR検査がどこまで「新規の感染者」を捕らえるものになっているのかは疑わしいのだと説明した。

 PCR検査を大がかりに実施した韓国方式だったら見つかった可能性がある「新規の感染者」が、検査も受けずに自覚もなくウイルスをばら撒いている可能性を示唆していた。 

「軽症の人や無症状の人が野放しなわけでございます」

と発言している。

 それだけ市中感染(クルーズ船や病院内の感染などでなく、一般の人が日常的に利用する空間での感染)が広がっていると思われるが、私たちはそれを裏付ける正確なデータを持っていないというのだ。これは韓国のようにPCR検査の体制を作ってこなかった政治や行政のツケがここに来て出てしまっているというほかはない。

 番組では感染の経路に変化が出ているとして、東京都の新型コロナ対策担当者が次のように発言したことも紹介している。


(先週土曜・東京都担当者)

「感染場所について夜の街に関係ある人は全体の2.7%」

「濃厚感染者の4分の1が家庭感染」


(岡田教授)

「これは市中感染が通常に起こり得るということですね。

そうすると家庭内で当然、(外出)自粛でいるわけですから、かえってそこで感染者を増やしてしまうリスクがある。

だから家庭内にウイルスが入ってきている、市中感染が(そこに)ある、ということを想定すべきなんです。

本当に自粛だけで、行動規制だけで(感染者数が)下がり得るのか、ということになる」

 この日はフリーアナウンサーの赤江珠緒が夫婦で感染した話題をスタジオ展開していた。

 テレビ朝日でキャスターの富川悠太アナが感染した『報道ステーション』のスタッフであるの夫に症状が出て先に感染が判明した。

 妻である赤江も他人に感染させるリスクがあると判断して、担当するラジオ番組の出演を自粛して自宅に留まっていたが、その後に赤江自身の感染が判明して公表していた。夫婦には2歳の子どもがいるが、PCR検査の結果、この子は陰性だという。しかし、ウイルス感染で共倒れになった夫婦は現在、感染していない子どもを親や親戚などに預けずに自宅で子どもの面倒を見続けている。

 番組では赤江が以前発信していた“悩み”を取り上げた。


(赤江珠緒)

「わが家の場合は親が共倒れになった場合の子どもの面倒は誰がみるのかという問題があります」 

 赤江夫婦にとっての問題は、子どもの預け先がないことと、もし預けてしまうと(もし子どもがウイルスを持っていた場合に)親や兄弟にうつすリスクがあるから、自分たちで面倒を見るしかないというものだった。

 こういう状態について羽鳥から話を振られた岡田教授は専門知識で本領を発揮した。


(岡田教授)

「私はこう思っていたんですよ。はじめからPCR検査をどんどんやってくれと言った理由というのは、それをやっていけばすでに無症状で陽性になったとか、軽症で陽性になったとか、(ウイルスの)抗体を持っている人がある程度分かってくるわけです。

そういう(抗体を持った)人は実はこういうときに働けるわけです。

そういう人材が確保できていれば、たとえば(赤江夫婦のように)こういう状態だからと言えば、

すでに感染して抗体が陽転しているような保育士さんが(赤江夫婦の家に)行ってくれるようなシステムができたかもしれないし、

たとえば病院その他で働くことができる人も出てくるかもしれない。

そういう場合はPPE(感染を防ぐための防護服、マスクや手袋などの防護具)も要らないかもしれない。

ただこのコロナに対してはどのくらいの抗体を持っていれば再感染しないかというのはグレーなんで。

あくまでも一般的な感染症ではそうだということなんですけれども。

やはり新型インフルエンザのパンデミックのときには家族がうち並べて寝る、というのが典型的な状況でございます。

ですから赤江さん、非常に辛いと思うんですけど、なかなか良いアイデアが私にもない。

ですから感染して抗体を持っているよという一種のパスポートを発行するなんていう国が出てきてるんです。

それは(ウイルスの抗体を持った人の)労働者としての確保ということもできるわけです。

こういうことも想定した対策をもっとやっておくべきだったと思います」

 すぐに実現は無理かもしれないが、新型コロナウイルスに対応する策が明確には見つからない以上、ウイルスの抗体を持つ人を確認することも重要な対策だと思わせる解説トークだった。

 翌21日(火)の『モーニングショー』。

 先日に岡田教授がトークで触れた「抗体」について各国で検査が進みつつある状況が伝えられた。

 米カリフォルニア州では大規模な「抗体検査」を実施したという。検査自体は血液を少量採取して15分で判明するという。

 スタンフォード大学などの研究チームが検査の結果から、実際の感染者は確認された症例数の50倍〜85倍以上の人がウイルスに感染した可能性があるという推測を発表した。

 この結果を岡田教授にぶつけたところ、けっして大袈裟ではない数字だという。


(岡田教授)

「そうだろうなと思います。症状が軽かったり、無症状だったりという人がけっこうな割合でおります。

PCR検査を積極的にやらなければこれくらい(実際の感染者は確認された人の50倍〜85倍以上)だろうと思います。とにかく治ったという人は『IgG抗体』を持っている。それを見れば過去にかかったかどうかわかる」

 研究チームのこの推計は「全住民の2.5%〜4.1%がすでに感染したと推計」したことで人口200万人なので4万8000人〜8万1000人の住民が感染したのではないかという推計値を出している。

 これを見て岡田教授は次のように予測した。


(岡田教授)

「(ウイルスは)集団で60%から70%の人が免疫を持つまで免疫を持つまで流行するので

たとえばここはここ(カリフォルニア州)はこれから流行する可能性が大きい」

 「抗体」について岡田教授はいつも以上に饒舌だ。自身の専門領域なのかもしれない。


(岡田教授)

「日本でどれくらいの人がこの抗体を持っているのかというのが私のいまの興味でもあります。

これをやることによって、その集団でどれくらい免疫を持っているのか、政策のための基礎データになる。

逆にこの基礎データがないと政策を決めるのに心理的なハードルが高い」

 番組では他の国でも抗体検査を実施している例を紹介した。


【ドイツ】

・ドイツ北部ガンゲルト市

約400世帯1000人を検査

    ↓

住民の約15%がすでに感染していたと推定


(岡田教授)

「(この15%の人は)もしかしたら肺炎になっていた人もいたかもしれない。

軽症の人もいたかもしれない。とにかく15%という数字。これはけっこう多い。

ただ(集団の免役に必要な)60%に届きませんから、気温が落ちてくれば、(このガンゲルト市では)また第2波が来る可能性があるわけすね。

(また米カリフォルニア州で確認された症例数の)50倍〜85倍以上(の人がウイルスに感染した可能性)という数字は重く受け止める必要があると思います。日本にしても。日本は調べないと分からないですけど」

(羽鳥キャスター)

「目に見えている数字以上にと?」

(岡田教授)

「そうです。そのコロナの原因というのが無症状と軽い人が多いというのがバックグラウンドとしてこういうものを生み出すということ」

(羽鳥)

「広めていくということ…」

絶妙な羽鳥慎一キャスターの合いの手だ

 冒頭で筆者は羽鳥キャスターがそのテーマを勉強していることを挙げたが、こうした何気ない「合いの手」の言葉にも羽鳥アナの勉強ぶりが透けて見える。きちんと勉強して理解していないとこうしたアドリブのようなタイミングで「合いの手」を入れることなどできるものではない。

 この後、羽鳥キャスターが抗体検査を世界各国で続々と導入しようとする動きについて紹介する。


【米ニューヨーク州】

4月20日から

一日最大1万件の抗体検査

   ↓

今後

一日2万件に拡大へ

 ニューヨーク州クオモ知事の言葉も紹介した。


(ニューヨーク州クオモ知事)

「抗体検査をこの国のどこよりも積極的に取り組みたい」「検査することで我々が直面している現状が見えてくる」

日本はどうなのか?

 番組では取材をもとに次のように紹介した。


(厚労省関係者による)

「今月中にも首都圏で数千人規模で抗体検査実施をめざす」


(羽鳥慎一キャスター)

「やはり抗体検査をやる意味というのは、今後の経済政策を含めた指針を示す判断材料の一つになる?」

(岡田教授)

「ですから東京でどれくらいの人が過去にかかったかということが分かるわけですよね。

そうすると(その数が)少ないならばこれからまた流行が来る可能性がありますし、(感染が)激しくなる可能性がある。

ある程度の(数の)人がもし抗体陽転したとしたら、これは良い明るい材料なのかもしれない。

PCR検査が滞った以上、このデータは必ず取るべきですね。

市中感染率も調べる。ここら辺が基礎データになると思います」

 岡田教授はやや興奮気味に一気に話し続けた。

 このことはすごく大切なことだといわんばかりに。

 筆者も聞いていたときには正直なんとなくしか理解できなかったが、こうやって彼女の言葉を書き出しながら正確な意味が理解できた。

 おそらく、出演者も番組のスタッフも同時並行で彼女についていくのは大変なことだろう。

 それをやり続けているスタッフがいるのは番組の強みだろう。

 この日の『モーニングショー』の中では岡田教授はたびたび市中感染が広がっていることへの強い危機感を表した。

 警察が路上などで死亡した人を「変死」などとして扱っていた遺体について後で改めてPCR検査で調べてみたら、11人が新型コロナウイルスに感染していたと判明したというニュースについて次のようにコメントした。

(岡田教授)

「これは路上死とか、中国の武漢でこういうことがあって動画などに上がったりとかありました。

まして日本でそういうことが起こるんだなあと、ちょっと実感しているんですけど、

こういうことが起こってくるということは市中感染が上がっているんだろうと。

それからカウントされないコロナの死亡者がいるということはよく肝に銘じなければいけないと思っています」

 前日、岡田教授が口頭で示した死者数の推移を東京都で集計したグラフを岡田教授が解説した。


【東京都 10日ごとの死者数の推移】

2月20日〜3月1日  1人

3月2日〜11日    1人

3月11日〜21日   2人

22日〜31日     12人

4月1日〜10日    24人

11日〜20日     37人  


(岡田教授)

「感覚的にはなんとかく分かるんだけれども(感染者数の)グラフを見るとそうでもない(ように見える)。

でも死亡者数を見るとやはりかなり上がって来ている。

で。オーバーシュートという言葉があったじゃないですか?」

(羽鳥キャスター)

「感染爆発ですね?」

(岡田教授)

「そうです。それが起きていないの?というのが不安になるわけです」

 専門家会議で感染者の総数が倍になるのが2、3日になると「オーバーシュート」と定義しているが、今(東京都の感染者は)3000人くらいいるのでそれが2、3日で6000人にならないとオーバーシュートにはならないのにそもそもPCR検査が進んでいないと指摘する。

 3日で6000人になるとして、1日あたり2000人ずつ感染者をカウントすることを想定すると、そもそもPCR検査数は東京都でだいたい500件とかの件数なので、

「今の検査体制ではオーバーシュートは(実際には起きていたとしても)検知できない」

と説明した。

 岡田教授は「私たちに向けて行われる対策だとか、私たちが今いる立ち位置の実感とかをこの数値では見られない」と言う。

 では感染者数の推移ではなく、何の数値によって私たちは感染拡大の実態を実感すべきなのか。


(岡田教授)

「やはり死者数のグラフですね。スタッフが作ってくれたんですけど、

これを見ときに私はこれを今後、きちんと指標にしていかなきゃいけないと思いました」 

 東京都の死者数の推移を示した棒グラフ。

 これは前日、パネルやグラフもなしで岡田教授が口頭で説明したようなデータを図解したものだった。

 実際の出演者に合わせてこうした小道具も用意するとは、かなりきめの細かい気の利いたスタッフがいるのだろうと想像する。小さなことのようだが、筆者のテレビ時代の経験から言ってもなかなかできることではない。


(岡田教授)

「韓国の事例は一度は感染者が出ましたけれども、たくさんの検査をしながら封じ込めて行っている。

だから韓国では医療崩壊も起きていないし、死者数も増えていない。こうやって対策を緩めればまた患者さんが出てくるかもしれませんが、そこでまたきちんと対策をやっていく。

ある意味、教科書通りの対策を打っていたなあという気がする。

私は東京で今、市中感染が非常に広がっているんじゃないかと思う。

昨日、家庭内感染が増えている話がありましたけど、そうなると、行動制限をしても市中感染が広がっていて家庭内にウイルスが侵入していると、感染者数の増加が止まらない可能性がある。

それがすぐに数字に反映されないとすると私たちは大事なことを見逃してしまうんじゃないか。

それが心配なんですね」

 岡田晴恵教授の本気の訴え。

 このままでは日本中で死者があふれてしまいかねない。

 その危機感が彼女の切実な語りで伝わってくるから、多くの人がこの番組で新型コロナの情報を見ようとするのだろう。

 いつしかレギュラーコメンテーターの玉川徹や石原良純らはリモートでの出演に退き、羽鳥キャスターと岡田教授だけがスタジオで話し合う構図が定着するようになった。

 番組が実施した行動制限をめぐるアンケート調査ではそれなりの割合の人たちが、人との接触を避けて行動制限を意識的に行っていることが分かった。だが、岡田教授は専門的に見ると買い物が心配だという話をした。


(岡田教授)

「ウイルス学的に心配しているのは買い物なんですね。かなりスーパーとか商店街とか混んでいる。

これを緩和しないと一大ウイルス伝播場所になるかもしれない。

無症状の人もおられますので。

ですから、可能な地域とか可能な場合のスーパーであれば、駐車場販売を、生活必需品に限ってもう積極的にやっていかないと。

今後はスーパーで感染る(うつる)。

ということになりかねませんのでそこは前向きに検討していただきたい。

屋外で販売する。屋外だったら、室内と違って、充満はしませんから、エアーゾルとか飛まつだとかが劇的に緩和します。

それからセルフレジを導入する。

それができない場合もありますよね。都心とか。そういう場合は入場制限をする。

とか『触ったものは絶対に買ってください』とか、そういう強い対策をしませんと、

この買い物というところがリスクになる。

今後、市中感染が上がりますので」

 岡田教授がこの日、主張したことはたまにしかスーパーなどに行かない筆者にとっては実現が難しいことのようにも聞こえた。

 しかし、今そこまでのことをしないと状況がもっと悪くなってしまうということをテレビを通じて伝わった。

 他の番組に出演するときの時間制限がある中での話し方と違って、多少ヒートアップした感じの岡田教授の熱い語り。たっぷりと時間を取って羽鳥アナが絶妙な質問と合いの手を入れて、スタッフも努力して彼女の見せたいデータをグラフにする。

 それがこの『モーニングショー』のコロナ報道の最大の強みと言っていいだろう。
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お金の話はよくわからないが・・・─【麻生さん、正解!】れいわ新選組代表 山本太郎

【麻生さん、正解!】れいわ新選組代表 山本太郎
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詩を読みたくなった─長田弘さんの詩

最初の質問            長田弘

  今日あなたは空を見上げましたか。
  空は遠かったですか、近かったですか。
  雲はどんな形をしていましたか。
  風はどんなにおいがしましたか。
  あなたにとって、いい一日とはどんな一日ですか。
  「ありがとう」という言葉を今日口にしましたか。

  窓の向こう、道の向こうに、何が見えますか。
  雨の滴をいっぱいためたクモの巣を見たことがありますか。
  樫の木の下で、あるいは欅の木の下で、立ち止まったことがありますか。
  街路樹の木の名前を知っていますか。
  樹木を友人だと考えたことがありますか。

  この前、川を見つめたのはいつでしたか。
  砂の上に座ったのは、草の上に座ったのはいつでしたか。
  「美しい」と、あなたがためらわず言えるものは何ですか。
  好きな花を七つ、挙げられますか。
  あなたにとって「わたしたち」というのは、だれですか。

  夜明け前に鳴き交わす鳥の声を聴いたことがありますか。
  ゆっくりと暮れていく西の空に祈ったことがありますか。
  何歳の時の自分が好きですか。
  上手に年を取ることができると思いますか。
  世界という言葉で、まず思い描く風景はどんな風景ですか。

  今あなたがいる場所で、耳を澄ますと、何が聞こえますか。
  沈黙はどんな音がしますか。
  じっと目をつぶる。すると何が見えてきますか。
  問いと答えと、今あなたにとって必要なのはどっちですか。
  これだけはしないと心に決めていることがありますか。

  いちばんしたいことは何ですか。
  人生の材料は何だと思いますか。
  あなたにとって、あるいはあなたの知らない人々にとって、
  幸福って何だと思いますか。
  
  時代は言葉をないがしろにしている。
  あなたは言葉を信じていますか。


*閉塞感が詩を求めだしたようです。

 高齢者だからと子どもたちに心配されつつ

 これまで以上(これまでだって独りがち)に

 毎日の散歩が唯一の楽しみ。

 急に長田弘さんの詩が読みたくなったのです。

 通販で詩集が届くのを待っているのです。

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