NHKテレビの以下のニュースを見て、やはりもう医療崩壊は始まっていると思った。

「医療崩壊始まりつつある」断らざるをえないケースも 埼玉
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201216/k10012767351000.html
2020年12月16日 17時33分 新型コロナウイルス


新型コロナウイルスの重症患者が増加する中、埼玉県内の医療現場では受け入れを断らざるをえないケースも出てきています。対応にあたる医師は「通常の診療に影響が出始めていて医療崩壊が始まりつつある」と話しています。


埼玉県川越市の埼玉医科大学総合医療センターではことし4月以降、新型コロナ患者専門の病棟を設け人工呼吸器が必要な重症患者などの対応にあたっています。

1週間ほど前から重症患者の受け入れ要請が相次ぎ1日に複数の要請が入る日もあったということで、こうした場合、ベッドが空いていてもスタッフの負担などを考慮し断らざるをえないケースもあるといいます。

この病院の総合診療内科・感染症科の感染症専門医の岡秀昭教授は「1人の重症患者に対応するためには多くのスタッフが必要で、残念ながら要請を受けられないケースも生じています。医療現場はコロナウイルスとの闘いから1年近く経過して、現在もっとも大きな感染の波が来ている状況なので非常にしんどいというのが正直なところです」と話しました。

そのうえで「『医療崩壊』の定義が定かではないため表現は難しいが、通常の診療に影響が出始めている以上、医療崩壊が始まりつつあると言えると思います」と話していました。

また、今後の対策などについては「今回の感染の広がりは若い人が家庭に持ち込み、高齢者や持病のある人が重症化しているのが特徴です。従来の年末年始は子や孫が親や祖父母に会いに帰省するものですが、感染を広げてしまわないか懸念があります。体力の弱い人に感染させてしまうことをイメージしながら、帰省や移動については慎重に検討してほしい」としています。


━━また「河北新報」で桜井参院議員が話しています。

「仙台は既に医療崩壊」 新型コロナ感染から復帰の桜井参院議員
https://www.kahoku.co.jp/special/spe1211/20201207_08.html

コロナの闘病生活を語る桜井氏。体重は2キロ落ちた=4日、参議院

 新型コロナウイルスに感染し、自宅療養を経て11月30日に国会に復帰した無所属の桜井充参院議員(宮城選挙区)が河北新報社の取材に応じた。医療従事者の不足で空床があっても入院できず、「仙台市内は医療崩壊が起きている」と指摘。差別や偏見により感染経路の解明が進まない現状や、国の観光支援策「Go To トラベル」の継続に警鐘を鳴らした。

 PCR検査で陽性と判明したのは11月13日。発熱とせきの症状があっても満床を理由に入院を拒まれ、自宅療養を余儀なくされた。38.5度の熱や睡眠を妨げる全身の痛み、吐き気や下痢と襲い掛かる症状に耐えかね、医師に相談したが「入院しないと薬は出せない」と処方を断られた。

 「『療養』とは名ばかり。家庭常備薬を飲んで寝ているだけ」と約10日間の闘病を語る桜井氏。後日の外来受診で、肺炎を起こしていたことも判明した。「入院するには重症化を待つしかない現状を医療崩壊と言わず何と言うのか」。知人の医師から「市内は満床ではなく、人手不足で受け入れが困難」と聞かされた。

 15日、批判は覚悟の上で感染経過などを記したブログを始めた。東京都内で9日に開いた懇親会が原因とみられ、出席者5人中、桜井氏を含む2人が発症。共通点は飲食店のトイレを利用したこと。接触感染を疑った。「飛沫(ひまつ)感染を主原因とする従来の見解を見直すべきだ」。クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号で最も多くウイルスが検出されたのもトイレだった。

 「感染症は差別と偏見の歴史の繰り返しで、感染経路の実態解明を妨げている」。クラスター(感染者集団)が発生した宮城県議会の自民党系会派にも理解を示し、「議員も一人の生活者。氏名公表より大切なのは、それぞれの行動履歴と感染の有無を分析し、政策提言に生かすこと」と唱える。

 桜井氏は今後、医療体制の見直しを政府に働き掛ける。「国の空床データと現場には乖離(かいり)がある。認知症を患う感染者に人手が割かれる事例も多く、患者の集約や介護士の派遣などシステムの再構築が必要だ」と強調。症状が改善した入院患者と自宅療養者の柔軟な入れ替えも提案する。

 菅義偉首相肝いりの「Go To トラベル」の見直しも求める。旅行業界などには財政出動による支援策を講じ、財源は景気が上向いた後の増税を検討すべきだとする。「人の命だけはお金では救えない」と実感を込めて訴えた。
(東京支社・桐生薫子)
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