こんにちは!海女っこです。
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海女漁は地区全体で大きな事故もなく皆無事に、9月14日に今年のシーズンを終えることができました。他地区では今から春までの間に、ナマコや伊勢エビ、サザエを獲る海女さん海士さんもいるようですが、私の地区では長いお休みに入ります。昨日数えたら次のシーズンはまだ半年も先!!待っているオフシーズンが長いからこそ、シーズン中はめちゃめちゃはりきって潜っています。
漁期は地区ごとに、三重県の禁漁期とその地区特有の資源管理の考え方を合わせて決められています。そこの海に合わせて地区の皆で考えた期間なので、何にかえても守らねばならない、大切な決まりごとです。
海女っこの研修期間は3年。この3年間、漁協組合の方や海女(海士)先輩、県や市の職員さんなど様々な方にお世話になりながら、研修をしてきました。今シーズンの終了をもって、研修期間終了です。来年からは独り立ちです。独り立ちといっても、乗せてもらっている船が変わるわけでも、小屋が変わるわけでもないのですが、「研修生」バッジがはずれて、名義上ですが「一人前の海女さん」となります。とても嬉しいです。来年も成績がのばせるよう努力をおしまずに頑張ります!早く名実共に「一人前の海女さん」になりたいです!

さて、海女のオフシーズンの間、地区の漁は伊勢海老を狙う「刺し網漁」がメインになります。一緒に潜っていた先輩の海士さんたちは、漁師さんに早変わりして、バリバリ海老を獲っています。伊勢海老は10月1日に解禁されたので、まさに今が旬です。4月まで漁がつづくので、その間に志摩に遊びにこられたら、是非海老を食べてみてくださいね。刺身も美味しいですが、蒸し海老も味がぎゅ〜〜っとなってとても美味しいですよ!蟹ミソが好きな方は海老ミソもオススメです。蟹よりもちょっぴりビターで大人の味がします。

「網さばき」の様子をご紹介します。網にかかった海老は早くはずしてあげないと弱ってしまうので、地区の有志の人たちが朝の数時間だけ網から海老をはずすお手伝いしています。その作業を「網さばき」と呼びます。私の地区の「網さばき」は朝の4時半集合です。暗い中外に出ると、今の時期ちょうどオリオン座が南中しています。夜明け前は一番気温が冷える時間なので、季節を飛び越えて冬になってしまったように感じます。集落の中を歩くと静かで星だけが明るく、神秘的です。集合場所まで歩いて行く途中、ふと故郷を思いだし、知らない土地にやってきて、まったく違う種類の仕事をしている自分を振り返ると、人生の奇妙さ、縁の力で転がっていく石のイメージが浮かぶことがあります。「思えば遠くへきたもんだ」といったところでしょうか。
網から獲物をはずすのが始まると夢中になって、気付けば夜が明けています。伊勢海老は角や足が折れたら価値が下がってしまうので、丁寧にはずさなければなりません。また毒のある魚や、毒がなくても鋭い棘がある魚がいるので、作業には細心の注意が必要です。お手伝いをすると、漁師さんが網にかかった売れない魚をくださいます。お家に帰ってから素人ながらにさばきます。最初はとても時間がかかったのが、少しずつ上達してきましたよ。
もっと寒くなるとドラム缶で暖をとります。お芋焼いたりして楽しいです

先日は刺し網に大きな真鯛がかかりました。サイズは測らなかったけど、私が陸上で見た中で最大でした。陸上でと言ったのは、海で潜っている時に何回か大きい真鯛に遭ったことがあるからです。ヘダイという中型の鯛は海女さんのおこぼれを狙っていつもつきまとってくるのですが、真鯛は少し離れたところから海女さんをみていて、近づいてきたりしないんです。逃げる様子もなく、王者の貫禄を感じます。網にかかった真鯛はもしかしたら海でたまに遭うあの真鯛かもしれないなあ。来年から遭わなくなったらさみしいなあ。なんて思いましたが、美味しそう、とも思いました。現金ですね。
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 伊勢海老はお客様に是非食べてもらいたい食材なので、近々海老の食べられるお店(比較的お気軽に)や買えるお店をリサーチしてみたいと思います!
フィオーレ志摩のレストランでもメニューを考案中です!志摩の漁村のひとたちが、早起きして大切に獲った伊勢海老。是非志摩の地で召し上がってみてくださいね。